あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法違反被告事件  最高裁判所最終判例 有罪確定

昭和38(あ)1898 あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法違反被告事件  
昭和39年05月07日 最高裁判所第一小法廷 決定 棄却 仙台高等裁判所

          

事件名あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法違反被告事件
裁判年月日昭和39年05月07日
法廷名最高裁判所第一小法廷
裁判種別決定
結果棄却
判例集巻・号・頁第18巻4号144頁

原審裁判所名仙台高等裁判所   
原審事件番号
原審裁判年月日

判示事項あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法第一二条にいう「医業類似行為」ということは、概念が明確でないか。
裁判要旨あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法第一二条は「何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない」と規定し、同法第一条に掲げるものとは、あん摩(マツサージおよび指圧を含む)、はり、きゆうおよび柔道整復の四種の行為であるから、これらの行為は、何が医業類似行為であるかを定める場合の基準となるものであつて、その概念が明確性を欠くものとはいえない。
参照法条あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法12条,憲法31条

裁判要旨あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法第一二条は「何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない」と規定し、同法第一条に掲げるものとは、あん摩(マツサージおよび指圧を含む)、はり、きゆうおよび柔道整復の四種の行為であるから、これらの行為は、何が医業類似行為であるかを定める場合の基準となるものであつて、その概念が明確性を欠くものとはいえない。
参照法条あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法12条,憲法31条

主    文
 本件上告を棄却する。
         
理    由
 弁護人遠藤徳雄、同横溝貞夫、同横溝善正、同楢原由之、同三浦寅之助、同今富博愛、同黒柳和也、同桃井銈次、同滝島克久、同永田喜与志、同下光軍二、同渡辺治湟の上告趣意第一点は事実誤認、単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない(本件HS式無熱高周波療法が人の健康に害を及ぼすおそれのあるものであるとした原判決の認定は、挙示の証拠関係により是認し得るところであり、原審における所論各鑑定の取捨、判断に所論のような違法は認められない。また所論はa鑑定書、b鑑定書の証拠能力につき云々するが、本鑑定書の作成に宣誓をしない者が共同しているのは、本鑑定の補助的調査に関する部分であつて、本鑑定自体は正当な鑑定人によりなされたものであると認められるから、所論は理由がない。また、原判決としては、本件療法が公共の福祉に反するものであることを判断するにつき、それが原判示のように人の健康に害を及ぼすおそれのあるものであることを認定すれば必要且つ十分であつて、所論のように低周波説、高周波説のいずれに基づくものであるかを判示することは必要ではなく、この点についても原判決には所論の違法は認められない。)。
 同第二点は、あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法一二条の医業類似行為の内容が明確でないことを前提として、憲法三一条違反をいうものである。しかし、前記法律一二条は「何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない」と規定し、同法一条に掲げるものとは、あん摩(マツサージおよび指圧を含む)、はり、きゆうおよび柔道整復の四種の行為であるから、これらの行為は、何が同法一二条の医業類似行為であるかを定める場合の基準となるものというべく、結局医業類似行為の例示と見ることができないわけではない。それ故、右一二条が所論のように犯罪行為の明確性を欠くものとは認められず、違憲の主張は前提を欠くものであつて、採るを得ない。
 同第三点は違憲をいうが、実質は単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない(所論「后藤伝」は「後藤博」の誤記であることが記録上認められ、予備的起訴は有効たるを失わず、また変更前の訴因と変更後の訴因とを比較すると、その基本となる事実は、特定の日時、場所において特定人に本件療法を施したという点において同一と認められ、公訴事実の同一性を失うものではない。)。
 同第四点は判例違反をいうが、所論引用の判例は、被術者の健康に医学上害を及ぼす虞あるものではないと認められた電気療法に関するものであつて、本件とは事案を異にし、本件に適切でない。それ故所論は採るを得ない。
 被告人本人の上告趣意(追加上告趣意を含む)一は、事実誤認、単なる訴訟法違反の主張であり、刑訴四〇五条の上告理由に当らない(所論の理由のないことは、前記弁護人遠藤徳雄外一一名の上告趣意第一点に対する説示参照)。
 同二は違憲をいうが、所論の採ることを得ないことについては、前記弁護人遠藤徳雄外一一名の上告趣意第二点に対する説示のとおりである。
 同三は判例違反をいうが、その採るを得ないことは、前記弁護人遠藤徳雄外一一名の上告趣意第四点に対する説示のとおりである。
 その余の論旨は、単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない(所論の理由のないことは、前記弁護人遠藤徳雄外一一名の上告趣意第三点に対する説示参照)。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
  
昭和三九年五月七日
     
最高裁判所第一小法廷
      裁判長裁判官   入 江   
俊 郎
          裁判官   斎 藤  朔 郎
          裁判官   長 部  謹 吾
          裁判官   松 田  二 郎

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柔道整復師の施術について昭和三一年七月一一日医発第六二七号

柔道整復師の施術について

(昭和三一年七月一一日)
(医発第六二七号)
(各都道府県知事あて厚生省医務・保険局長連名通知)
標記の件に関しては、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法の運用並びに社会保険関係療養費請求の取扱の面から従来から屡々通知しているところであるが、今後特に左記の点につき御配意相成りたい。
1 地方医師会等の申し合わせ等により、医師が柔道整復師から、脱臼又は骨折の患部に施術するにつき同意を求められた場合、故なくこれを拒否することのないよう指導すること。
2 社会保険関係療養費の請求の場合には、実際に医師から施術につき同意を得たむねが施術録に記載してあることが認められれば、必ずしも医師の同意書の添附を要しないものであること。
3 応急手当の場合は、医師の同意は必要としないものであること。
4 柔道整復師が、施術につき同意を求める医師は、必ずしも、整形外科、外科等を標榜する医師に限らないものであること。
5 以上の諸点について留意するとともに従前から柔道整復師団体と都道府県知事、健康保険組合等との料金協定等を行っている都道府県については諸般の行政運営について特に円滑に行われるよう指導すること。

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はり・きゅう及びあんま・マッサージの施術に係る医師の同意書の取扱いについて

はり・きゅう及びあんま・マッサージの施術に係る医師の同意書の取扱いについて

(平成元年九月四日)
(保険発第八五号)
(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省保険局医療課長通知)
標記については、昭和四二年九月一八日付保発第三二号をもって厚生省保険局長から都道府県知事あて通知されているところであるが、本年一〇月一日以降の施術については、左記の点に留意のうえ取り扱われるよう関係者に対して周知徹底を図られたい。
前記保険局長通知の記の1の(1)中「病名、症状(主訴を含む。)及び発病年月日の明記された診断書であって療養費払の施術の対象の適否の判断が出来るもの」とは、療養費払の施術の対象の適否に関する直接的な記述がなくても、病名、症状(主訴を含む。)及び発病年月日その他記載内容から、当該適否の判断ができる診断書であれば足りるものであること。

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いわゆる無届医業類似行為業に関する最高裁判所の判決について昭和三五年四月一三日三五医第一六号.医発第四六七号

○いわゆる無届医業類似行為業に関する最高裁判所の判決について

(昭和三五年四月一三日)
(三五医第一六号)
(厚生省医務局長あて長崎県衛生部長照会)
医発第二四七号をもって通知がありました標記について更に疑義を生じましたので左記事項につき御教示承りたく照会いたします。
(1) 法第一条あんまのうちには指圧も含まれており無資格者がその行為を行えば当然取締りの対象となるものであるが、しかしいわゆる医業類似行為業のうち手技に指圧が含まれているとすれば、その指圧療法が無害であれば取締の対象とならないと思う如何にすべきか。
(2) 法第十九条第一項に規定する届出医業類似行為業者についての当該事務に関する取扱いは従来どおりとされているが無届者がHS式等同一器具を用い営業を行う場合は法の対象外となり法第十九条第二~三項(医師法違反以外)についてもその対象とならず矛盾している。如何にすべきか。
予想される現象として、届出済の者で取締の対象から逃れるため、廃業届をする者が出てくると思われる。その結果は全くの野放し状態になるが、立法の主旨から考えて好ましいこととは思われない。
(昭和三五年六月一三日医発第四六七号)
(長崎県知事あて厚生省医務局長回答)
昭和三十五年四月十三日三五医第一六号をもって貴県衛生部長から照会のあった標記について、左記のとおり回答する。
1 昭和三十五年一月二十七日の最高裁判所の判決は、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法(以下「法」という。)第十二条に規定する医業類似行為に関するものであり、法第一条に掲げる指圧を含むあん摩等は、判断の対象になっていないのであって、昭和三十五年三月三十日医発第二四七号の一本職通知第一項にいう手技にも指圧は含まれていないものである。
従って、あん摩師免許をもたず、かつ、届出により暫定的に指圧を行なうことを認められている者でない療術者が、客観的に指圧に該当する施術を業として行うのであれば、その事実をもって法第一条違反として、法第十四条第一号の規定により処罰の対象になるものと了解されたい。
2 法第十九条第一項の規定による届出の効果は、法第十二条の禁止規定にかかわらず、届出に係る医業類似行為を業として行なうことができることであり、法第十九条第二項及び第三項は、それに附随する規制であると解して取り扱われたい。
なお、HS式療法が無害であるとして本件報告が無罪となったものでないので、念のため申し添える。

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柔道整復師の施術に係る療養費について保険発第七六号昭和六三年七月一四

○柔道整復師の施術に係る療養費について
(昭和六三年七月一四日)
(保険発第七六号)
(都道府県民生主管部(局)保険主管課(部)長・国民健康保険主管課(部)長あて厚生省保険局医療課長通知)
標記については、昭和六三年七月一四日付保発第八九号をもって厚生省保険局長から都道府県知事あて通知されたところであるが、その具体的な取扱いについて左記のとおり定めたので、関係者に対して周知徹底を図るとともに、遺憾のないよう御配慮願いたい。
なお、この通知においては、前記通知を「局長通知」と略称する。
一 局長通知一の(一)により契約を結ぼうとする柔道整復師は、様式第一号による申出書に、様式第二号による確約書を添えて、施術所の所在地の都道府県知事に提出しなければならないこと。
二 都道府県知事は、前記の申出書及び確約書を提出した柔道整復師について、局長通知一の(二)により受領委任の取扱いを認めるときは、様式第三号による書面をもって、当該柔道整復師に対してその旨を通知すること。
なお、当該柔道整復師は、通知された受領委任の取扱いに係る記号及び番号を、療養費支給申請書に記載しなければならないこと。
三 都道府県知事は、受領委任の取扱いを認める柔道整復師に関し、所要の事項を記載した名簿を備えること。
四 都道府県知事は、局長通知一の(三)により保険者等から委任を受けたときは、前記に準じた取扱いを行うこと。
五 受領委任に係る新たな取扱いが定められたことにかんがみ、新規に契約を結んだ者をはじめ、広く柔道整復師を対象とする講習会を定期的に開催するなどにより、遵守事項の履行、療養費の請求等が適正かつ円滑に行われるよう努めること。

様式第1号

柔道整復療養費(政府管掌健康保険・船員保険)の受領委任の取扱いに係る申出書

氏名

明・大・昭  年  月  日生

男・女

免許証番号

 

免許年月日

 

施術所

名称

 

所在地

 

遵守事項

別添のとおり

受領委任の取扱いをしようとする期間

3年間(ただし、期間満了1月前までに特段の意思表示がない場合には、期間満了の日の翌日において、更に3年間順次更新をしたものとする。)

申出前2年間における受領委任の取扱いの中止

有・無

中止年月日

 

当該都道府県知事

 

  上記のとおり、受領委任の取扱いについて申し出ます。

    昭和  年  月  日

   知事    殿

住所            

氏名          (印)

 備考 この用紙は、B列5番とすること。

様式第2号

   知事    殿

  政府管掌健康保険及び船員保険の被保険者又は被扶養者(健康保険法第55条第1項又は第59条の2第7項の規定による者及び船員保険法第28条第2項又は第31条の2第2項の規定による者を含む。以下同じ。)に係る療養費又は家族療養費(以下単に「療養費」という。)の受領委任の取扱いを申し出るに当たり、下記の事項を遵守することを確約します。

氏名          (印)

  (基本的事項)

 1 柔道整復に係る施術(以下単に「施術」という。)については、関係法令及び通達を遵守し、懇切丁寧に行うこと。

   また、施術は、被保険者又は被扶養者である患者(以下「患者」という。)の療養上妥当適切なものとすること。

  (受給資格の確認等)

 2 患者から施術を受けることを求められた場合には、その者の提出する被保険者証(健康保険継続療養証明書、日雇特例被保険者受給資格者票、日雇特例被保険者特別療養費受給票及び船員保険被扶養者証を含む。以下同じ。)によつて療養費を受領する資格があることを確かめること。

   ただし、緊急やむを得ない事由によつて被保険者証を提出することができない患者であつて、療養費を受領する資格が明らかなものについてはこの限りでないが、この場合には、その事由がなくなつた後、遅滞なく被保険者証を提出させること。

  (療養費の算定、一部負担金の受領等)

 3 施術料金については、柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準(昭和60年5月20日付け保発第56号別紙。以下「算定方法」という。)により算定した額を保険者に請求するとともに、患者から健康保険法及び船員保険法に定める一部負担金に相当する金額の支払いを受けるものとし、これを減免し又は超過して費用を徴収しないこと。ただし、算定方法の備考5 により算定する場合は、当該施術に要する費用の範囲内に限り、算定方法により算定した費用の額を超える金額の支払いを受けることができる。

   また、請求に当たつて他の療法に係る費用を請求しないこと。

  (証明書等の交付)

 4 患者から保険給付を受けるために必要な証明書、意見書等の交付を求められたときは、無償で交付すること。

  (施術録の記載)

 5 受領委任に係る施術に関する施術録をその他の施術録と区別して作製し、必要な事項を記載した上で、これを完結の日から5年間保存すること。

  (通知)

 6 患者が次の事項に該当する場合には、遅滞なく意見を附してその旨を保険者に通知すること。

  (1) 闘争、泥酔又は著しい不行跡によつて事故を起こしたと認められたとき。

  (2) 正当な理由がなくて、施術に関する指揮に従わないとき。

  (3) 詐欺その他不正な行為により、施術を受け、又は受けようとしたとき。

  (施術の方針)

 7 施術については、一般に施術の必要があると認められる傷病に対して的確な判断をもととし、患者の健康の保持増進上妥当適切に行うほか、以下の方針により行うこと。

  (1) 施術に当たつては、懇切丁寧を旨とし、患者の治療上必要な事項は理解しやすいように指導すること。

  (2) 施術は療養上必要な範囲及び限度で行うものとし、とりわけ、長期又は濃厚な施術とならないよう努めること。

  (3) 現に医師が診療中の骨折又は脱臼については、当該医師の同意が得られている場合のほかは、施術を行わないこと。ただし、応急手当をする場合はこの限りでないこと。

  (4) 柔道整復師法等関係法令に照らして医師の診療を受けさせることが必要である場合には、医師の診療を受けさせること。

  (指導、監査等)

 8 都道府県知事が必要があると認めて施術に関して指導又は監査を行い、帳簿及び書類を検査し、説明を求め、又は報告を徴する場合には、これに応じること。

 9 関係法令若しくは通達又はこの遵守事項に違反し、その是正等について都道府県知事から指導を受けたときは、直ちにこれに従うこと。

 10 この遵守事項に違反した場合、都道府県知事が直ちに受領委任の取扱いを中止すること、また、以後2年を経過した後再び申出のあるまでの間は、都道府県知事は受領委任の取扱いを認めないことができることについて、異議を唱えないこと。

  (その他)

 11 申出書に記載した事項に変更があつたときは、速やかにその旨及びその年月日を都道府県知事に届け出ること。

様式第3号

  第    号

 柔道整復療養費(政府管掌健康保険・船員保険)の受領委任の取扱いについて

氏名

 

住所

 

受領委任の取扱いに係る記号及び番号

 

  昭和  年  月  日付けで申出のあつた標記の件については、これを承諾したので通知します。

     昭和  年  月  日

知事          (印)

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柔道整復師の施術に係る療養費について保険発第七六号昭和六三年七月一四

○柔道整復師の施術に係る療養費について
(昭和六三年七月一四日)
(保険発第七六号)
(都道府県民生主管部(局)保険主管課(部)長・国民健康保険主管課(部)長あて厚生省保険局医療課長通知)
標記については、昭和六三年七月一四日付保発第八九号をもって厚生省保険局長から都道府県知事あて通知されたところであるが、その具体的な取扱いについて左記のとおり定めたので、関係者に対して周知徹底を図るとともに、遺憾のないよう御配慮願いたい。
なお、この通知においては、前記通知を「局長通知」と略称する。
一 局長通知一の(一)により契約を結ぼうとする柔道整復師は、様式第一号による申出書に、様式第二号による確約書を添えて、施術所の所在地の都道府県知事に提出しなければならないこと。
二 都道府県知事は、前記の申出書及び確約書を提出した柔道整復師について、局長通知一の(二)により受領委任の取扱いを認めるときは、様式第三号による書面をもって、当該柔道整復師に対してその旨を通知すること。
なお、当該柔道整復師は、通知された受領委任の取扱いに係る記号及び番号を、療養費支給申請書に記載しなければならないこと。
三 都道府県知事は、受領委任の取扱いを認める柔道整復師に関し、所要の事項を記載した名簿を備えること。
四 都道府県知事は、局長通知一の(三)により保険者等から委任を受けたときは、前記に準じた取扱いを行うこと。
五 受領委任に係る新たな取扱いが定められたことにかんがみ、新規に契約を結んだ者をはじめ、広く柔道整復師を対象とする講習会を定期的に開催するなどにより、遵守事項の履行、療養費の請求等が適正かつ円滑に行われるよう努めること。

様式第1号

柔道整復療養費(政府管掌健康保険・船員保険)の受領委任の取扱いに係る申出書

氏名

明・大・昭  年  月  日生

男・女

免許証番号

 

免許年月日

 

施術所

名称

 

所在地

 

遵守事項

別添のとおり

受領委任の取扱いをしようとする期間

3年間(ただし、期間満了1月前までに特段の意思表示がない場合には、期間満了の日の翌日において、更に3年間順次更新をしたものとする。)

申出前2年間における受領委任の取扱いの中止

有・無

中止年月日

 

当該都道府県知事

 

  上記のとおり、受領委任の取扱いについて申し出ます。

    昭和  年  月  日

   知事    殿

住所            

氏名          (印)

 備考 この用紙は、B列5番とすること。

様式第2号

   知事    殿

  政府管掌健康保険及び船員保険の被保険者又は被扶養者(健康保険法第55条第1項又は第59条の2第7項の規定による者及び船員保険法第28条第2項又は第31条の2第2項の規定による者を含む。以下同じ。)に係る療養費又は家族療養費(以下単に「療養費」という。)の受領委任の取扱いを申し出るに当たり、下記の事項を遵守することを確約します。

氏名          (印)

  (基本的事項)

 1 柔道整復に係る施術(以下単に「施術」という。)については、関係法令及び通達を遵守し、懇切丁寧に行うこと。

   また、施術は、被保険者又は被扶養者である患者(以下「患者」という。)の療養上妥当適切なものとすること。

  (受給資格の確認等)

 2 患者から施術を受けることを求められた場合には、その者の提出する被保険者証(健康保険継続療養証明書、日雇特例被保険者受給資格者票、日雇特例被保険者特別療養費受給票及び船員保険被扶養者証を含む。以下同じ。)によつて療養費を受領する資格があることを確かめること。

   ただし、緊急やむを得ない事由によつて被保険者証を提出することができない患者であつて、療養費を受領する資格が明らかなものについてはこの限りでないが、この場合には、その事由がなくなつた後、遅滞なく被保険者証を提出させること。

  (療養費の算定、一部負担金の受領等)

 3 施術料金については、柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準(昭和60年5月20日付け保発第56号別紙。以下「算定方法」という。)により算定した額を保険者に請求するとともに、患者から健康保険法及び船員保険法に定める一部負担金に相当する金額の支払いを受けるものとし、これを減免し又は超過して費用を徴収しないこと。ただし、算定方法の備考5 により算定する場合は、当該施術に要する費用の範囲内に限り、算定方法により算定した費用の額を超える金額の支払いを受けることができる。

   また、請求に当たつて他の療法に係る費用を請求しないこと。

  (証明書等の交付)

 4 患者から保険給付を受けるために必要な証明書、意見書等の交付を求められたときは、無償で交付すること。

  (施術録の記載)

 5 受領委任に係る施術に関する施術録をその他の施術録と区別して作製し、必要な事項を記載した上で、これを完結の日から5年間保存すること。

  (通知)

 6 患者が次の事項に該当する場合には、遅滞なく意見を附してその旨を保険者に通知すること。

  (1) 闘争、泥酔又は著しい不行跡によつて事故を起こしたと認められたとき。

  (2) 正当な理由がなくて、施術に関する指揮に従わないとき。

  (3) 詐欺その他不正な行為により、施術を受け、又は受けようとしたとき。

  (施術の方針)

 7 施術については、一般に施術の必要があると認められる傷病に対して的確な判断をもととし、患者の健康の保持増進上妥当適切に行うほか、以下の方針により行うこと。

  (1) 施術に当たつては、懇切丁寧を旨とし、患者の治療上必要な事項は理解しやすいように指導すること。

  (2) 施術は療養上必要な範囲及び限度で行うものとし、とりわけ、長期又は濃厚な施術とならないよう努めること。

  (3) 現に医師が診療中の骨折又は脱臼については、当該医師の同意が得られている場合のほかは、施術を行わないこと。ただし、応急手当をする場合はこの限りでないこと。

  (4) 柔道整復師法等関係法令に照らして医師の診療を受けさせることが必要である場合には、医師の診療を受けさせること。

  (指導、監査等)

 8 都道府県知事が必要があると認めて施術に関して指導又は監査を行い、帳簿及び書類を検査し、説明を求め、又は報告を徴する場合には、これに応じること。

 9 関係法令若しくは通達又はこの遵守事項に違反し、その是正等について都道府県知事から指導を受けたときは、直ちにこれに従うこと。

 10 この遵守事項に違反した場合、都道府県知事が直ちに受領委任の取扱いを中止すること、また、以後2年を経過した後再び申出のあるまでの間は、都道府県知事は受領委任の取扱いを認めないことができることについて、異議を唱えないこと。

  (その他)

 11 申出書に記載した事項に変更があつたときは、速やかにその旨及びその年月日を都道府県知事に届け出ること。

様式第3号

  第    号

 柔道整復療養費(政府管掌健康保険・船員保険)の受領委任の取扱いについて

氏名

 

住所

 

受領委任の取扱いに係る記号及び番号

 

  昭和  年  月  日付けで申出のあつた標記の件については、これを承諾したので通知します。

     昭和  年  月  日

知事          (印)

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○柔道整復師の施術に係る療養費について保発第一四四号・老発第六八二号

○柔道整復師の施術に係る療養費について

(平成一一年一〇月二〇日)
(保発第一四四号・老発第六八二号)
(各都道府県知事あて厚生省老人保健福祉局長・厚生省保険局長通知)
標記については、昭和六三年七月一四日付保発第八九号通知により実施しているところであるが、下記のとおり取り扱うこととしたので、関係者に対して周知徹底を図るとともに、その実施に遺憾のないよう御配慮願いたい。
一 改正の目的
国民健康保険法等の一部を改正する法律(平成一〇年法律第一〇九号)の主旨等を踏まえ、柔道整復師の施術に係る療養費(以下「柔道整復療養費」という。)の適正な制度運営をより一層図るため、柔道整復療養費の受領委任の取扱い(以下「受領委任の取扱い」という。)に係る所要の改正を行ったこと。
二 改正の内容
受領委任の取扱いについては、社団法人日本柔道整復師会の会員にあっては、別添一により、また、その他の柔道整復師にあっては、別添二及び別添三により、それぞれ取り扱うものとすること。
なお、別添一の別紙二及び別添三については、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(平成一一年法律第八七号)の施行に伴い、平成一二年四月一日に設置が予定されている地方社会保険事務局長を含めた受領委任の取扱いを定めたものであること。
三 適用
本通知は、平成一二年一月一日から適用し、これに伴い、昭和六三年七月一四日付保発第八九号通知を廃止すること。

別添一
協定書
柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任の取扱いについて、次のとおり合意する。
平成一二年三月三一日までは、別紙一により取り扱うこと。また、平成一二年四月一日からは、別紙二により取り扱うこと。
○〇都道府県知事〇〇〇〇  印
(〇〇社会保険事務局長〇〇〇〇印)
社団法人〇〇都道府県柔道整復師会長 〇〇〇〇  印

別紙一
第一章 総則
(目的)
一 本協定は、柔道整復師が健康保険法及び船員保険法に基づく政府管掌健康保険、組合管掌健康保険及び船員保険の被保険者又は被扶養者に係る療養費並びに国民健康保険法の被保険者に係る療養費及び老人保健法に基づく受給対象者に係る医療費(以下単に「療養費」という。)の受領の委任を被保険者又は被扶養者から受け、保険者又は市町村(以下「保険者等」という。)に請求する場合の取扱い(以下「受領委任の取扱い」という。)を、〇〇都道府県知事(以下「甲」という。)と社団法人〇〇都道府県柔道整復師会長(以下「乙」という。)との間で合意し、これに基づき、乙の会員である者(以下「会員」という。)に対して受領委任の取扱いを行わせることを目的とする。
(委任)
二 甲は、乙と本協定の締結を行うに当たっては、健康保険組合連合会会長又は国民健康保険及び老人保健に係る保険者又は市町村からの委任を受けた国民健康保険中央会理事長から、受領委任の契約に係る委任を受けること。
三 二の委任は、本協定の締結並びに第二章及び第八章に係る事務等の委任であって、保険者等(政府を除く。)における療養費の支給決定の権限の委任ではないこと。
(受領委任の施術管理者)
四 施術所の開設者である者を受領委任に係る施術管理者(以下「施術管理者」という。)とすること。
ただし、開設者が会員でない場合又は開設者である会員が施術所で施術を行わない場合は、当該施術所に勤務する会員の中から開設者が選任した者を施術管理者とすること。
五 施術管理者は、第二章に定める手続きを行うこと。ただし、開設者が選任した者が施術管理者である場合は、開設者が選任したことを証明する書類を六の確約を行うに当たって甲及び乙に提出すること。
第二章 確約及び登録等
(確約)
六 受領委任の取扱いを希望する施術管理者である会員は、様式第一号により、本協定に定める事項を遵守することについて、甲及び乙に確約しなければならないこと。
(受領委任の届け出)
七 六の確約を行った会員は、様式第二号(様式第二号の二を含む。)により、会員が施術を行う施術所において勤務する他の柔道整復師(以下「勤務する柔道整復師」という。)から、第三章に定める事項を遵守し、第二章九及び一二並びに第八章の適用を受けることについて同意を受け、当該施術所及び勤務する柔道整復師に関する事項について、乙を経由して甲に届け出ること。
(受領委任の登録)
八 甲は、七の届け出を行った会員について、次の事項に該当する場合を除き、受領委任の取扱いに係る登録を行い、登録年月日以後、受領委任の取扱いを認めること。また、その場合は、様式第三号により、乙を経由して登録された当該会員(以下「丙」という。)に登録した旨を通知すること。
(一) 施術管理者である会員又は勤務する柔道整復師が受領委任の取扱いの中止を受け、原則として中止後五年を経過しないとき。
(二) その他、受領委任の取扱いを認めることが不適当と認められるとき。
(勤務する柔道整復師の施術)
九 八により登録された勤務する柔道整復師は、受領委任の取扱いに係る施術を行うことができること。その場合、当該施術に係る療養費の請求は、丙が行うこと。
(施術所の制限)
一〇 受領委任の取扱いは、八により登録された施術所(以下「登録施術所」という。)においてのみ認められること。
したがって、丙が登録施術所以外の施術所において受領委任の取扱いを行う場合は、別途、六及び七の手続きを経て、甲が受領委任の取扱いに係る登録を行う必要があること。
(届出事項の変更等)
一一 丙は、七の届出事項の内容に変更が生じたとき又は受領委任の取扱いを行うことができなくなったときは、様式第四号により、速やかに乙を経由して甲に届け出ること。
(受領委任の取扱いの中止)
一二 甲は、丙又は勤務する柔道整復師が次の事項に該当する場合は、受領委任の取扱いを中止すること。
(一) 本協定に定める事項を遵守しなかったとき。
(二) 療養費の請求内容に不正又は著しい不当の事実が認められたとき。
(三) その他、受領委任の取扱いを認めることが不適当と認められるとき。
第三章 保険施術の取扱い
(施術の担当方針)
一三 丙は、関係法令及び通達を遵守し、懇切丁寧に柔道整復に係る施術(以下「施術」という。)を行うこと。
また、施術は、被保険者又は被扶養者である患者(以下「患者」という。)の療養上妥当適切なものとすること。
(受給資格の確認等)
一四 丙は、患者から施術を求められた場合は、その者の提出する被保険者証(健康保険継続療養証明書、日雇特例被保険者受給資格者票、日雇特例被保険者特別療養費受給票、船員保険被扶養者証、老人保健においては健康手帳を含む。以下同じ。)によって療養費を受領する資格があることを確認すること。
ただし、緊急やむを得ない事由によって被保険者証を提出することができない患者であって、療養費を受領する資格が明らかなものについてはこの限りでないが、この場合には、その事由がなくなった後、遅滞なく被保険者証を確認すること。
(療養費の算定、一部負担金の受領等)
一五 丙は、施術に要する費用について、別に厚生省保険局長が定める「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準」(以下「算定基準」という。)により算定した額を保険者等に請求するとともに、患者から健康保険法、船員保険法、国民健康保険法及び老人保健法に定める一部負担金に相当する金額の支払いを受けるものとし、これを減免又は超過して徴収しないこと。
ただし、算定基準の備考五により算定する場合は、当該施術に要する費用の範囲内に限り、算定基準により算定した費用の額を超える金額の支払いを受けることができること。
また、請求に当たって他の療法に係る費用を請求しないこと。
(意見書の交付)
一六 丙は、患者から傷病手当金を受けるために必要な傷病手当金意見書の交付を求められたときは、無償で交付すること。
(施術録の記載)
一七 丙は、受領委任に係る施術に関する施術録をその他の施術録と区別して作成し、必要な事項を記載した上で、施術が完結した日から五年間保存すること。
一八 丙は、骨折及び脱臼に対する施術を医師の同意を得て行った場合は、施術録にその旨を記載すること。
(通知)
一九 丙は、患者が次の事項に該当する場合は、遅滞なく意見を附してその旨を保険者等に通知すること。
(一) 闘争、泥酔又は著しい不行跡によって事故を起こしたと認められたとき。
(二) 正当な理由がなくて、施術に関する指揮に従わないとき。
(三) 詐欺その他不正な行為により、施術を受け、又は受けようとしたとき。
(施術の方針)
二〇 丙は、施術の必要があると認められる負傷に対して、的確な判断のもとに患者の健康の保持増進上妥当適切に施術を行うほか、以下の方針によること。
(一) 施術に当たっては、懇切丁寧を旨とし、患者の治療上必要な事項は理解しやすいように指導すること。
(二) 施術は療養上必要な範囲及び限度で行うものとし、とりわけ、長期又は濃厚な施術とならないよう努めること。
(三) 現に医師が診療中の骨折又は脱臼については、当該医師の同意が得られている場合のほかは、施術を行わないこと。ただし、応急手当をする場合はこの限りでないこと。
この場合、同意を求めることとしている医師は、原則として当該負傷について診療を担当している医師とするが、当該医師の同意を求めることができないやむを得ない事由がある場合には、この限りではないこと。
(四) 柔道整復師法等関係法令に照らして医師の診療を受けさせることが適当であると判断される場合は、医師の診療を受けさせること。
第四章 療養費の請求
(申請書の作成)
二一 丙は、保険者等に療養費を請求する場合は、次に掲げる方式により支給申請書(以下「申請書」という。)を作成し、速やかな請求に努めること。
(一) 申請書の様式は、様式第五号又はそれに準ずる様式とすること。
(二) 申請書を月単位で作成すること。
(申請書の送付)
二二 丙は、申請書を保険者等毎に取りまとめ、乙に送付する。乙は、様式第六号及び様式第七号又はそれに準ずる様式の総括票を記入の上、それぞれを添付し、原則として、毎月一〇日までに、保険者等(健康保険組合を除く。)の所在地の都道府県知事若しくは国民健康保険団体連合会(二四により国民健康保険等柔道整復療養費審査委員会が設置されている場合に限る。以下「国保連合会」という。)又は健康保険組合へ送付すること。
(申請書の返戻)
二三 甲又は国保連合会は、二四の柔整審査会の審査対象である申請書の事前点検を行い、申請書に不備がある場合は、当該保険者等に代わり丙が所属する各都道府県社団法人柔道整復師会長を経由して丙に返戻すること。
ただし、健康保険組合に係る申請書の返戻については、当該健康保険組合が同様に行うこと。
第五章 柔整審査会
(柔整審査会の設置)
二四 甲は、政府管掌健康保険及び船員保険に係る申請書を審査するため、各都道府県に柔道整復療養費審査委員会を設置すること。
また、国民健康保険及び老人保健に係る申請書について、当該保険者等に代わり国保連合会に審査を行わせるため、甲は、国民健康保険団体連合会と協議の上、国民健康保険団体連合会に国民健康保険等柔道整復療養費審査委員会(以下、各都道府県の柔道整復療養費審査委員会と合わせて「柔整審査会」という。)を設置させることができること。ただし、既に各都道府県の柔道整復療養費審査委員会において、国民健康保険及び老人保健に係る申請書の審査の委任を受けている場合は、引き続き審査を行うことができること。
なお、組合管掌健康保険に係る申請書を審査するため、都道府県健康保険組合連合会会長は甲と協議の上、甲に審査を委任することができること。
(審査に必要な報告等)
二五 甲又は国保連合会は、柔整審査会の審査に当たり必要と認める場合は、乙を経由して丙から報告等を徴することができること。
第六章 療養費の支払い
(療養費の支払い)
二六 保険者等(健康保険組合を除く。)及び都道府県知事に審査を委任している健康保険組合(以下「審査委任保険者等」という。)は、受領委任の取扱いに係る療養費の支払いを行う場合は、それぞれの審査委任保険者等が所在する都道府県の柔整審査会の審査を経ること。
二七 保険者等による点検調査の結果、申請書を返戻する必要がある場合は、二三と同様の取扱いによること。
二八 審査委任保険者等は、点検調査の結果、請求内容に疑義がある場合は、甲又は国保連合会にその旨を申し出ること。
二九 保険者等は、療養費の支給を決定する際には、適宜、患者等に施術の内容及び回数等を照会して、施術の事実確認に努めること。また、柔整審査会の審査等を踏まえ、速やかに療養費の支給の適否を判断し処理すること。
なお、調査に基づき不支給等の決定を行う場合において、患者が施術者に施術料金を支払う必要がある場合は、保険者等は、適宜、当該患者に対して指導を行うこと。
三〇 丙は、申請書の記載内容等について乙又は保険者等から照会を受けた場合は、的確に回答すること。
三一 保険者等は、請求額に対する支給額の減額又は不支給等がある場合は、様式第八号又はそれに準ずる様式の書類を記入の上、申請書の写しを添えて、丙が所属する各都道府県社団法人柔道整復師会長を経由して丙へ送付すること。
三二 保険者等は、申請書の支払機関欄に記載された支払機関に対して療養費を支払うこと。
第七章 再審査
(再審査の申し出)
三三 丙は、保険者等の支給決定において、柔整審査会の審査内容に関し不服がある場合は、その理由を附した書面により、乙及び健康保険組合(都道府県知事に審査を委任している場合に限る。)を経由して審査委任保険者等の所在地の都道府県知事又は国保連合会に対して再審査を申し出ることができること。
なお、丙は、再審査の申し出はできる限り早期に行うよう努めること。また、同一事項について、再度の再審査の申し出は、特別の事情がない限り認められないものであることを留意すること。
三四 甲又は国保連合会は、審査委任保険者等から請求内容に疑義がある旨及び丙から再審査の申し出があった場合は、柔整審査会に対して、再審査を行わせること。
第八章 指導・監査
(指導・監査)
三五 丙及び勤務する柔道整復師は、甲が必要があると認めて施術に関して指導又は監査を行い、帳簿及び書類を検査し、説明を求め、又は報告を徴する場合は、これに応じること。
三六 丙及び勤務する柔道整復師が関係法令若しくは通達又は本協定に違反した場合は、甲はその是正等について指導を行うこと。
第九章 その他
(情報提供等)
三七 甲は、八の受領委任の取扱いに係る登録を行った丙に関し、所要の事項を記載した名簿を備えるとともに、一二により受領委任の取扱いを中止した場合は、速やかに他の都道府県知事にその旨を連絡すること。
(広報及び講習会)
三八 乙は、本協定に基づく受領委任の取扱いを徹底するため、適宜、広報及び講習会の開催を行うものとすること。
(協力)
三九 甲は、受領委任の取扱いに当たっては、必要に応じ乙と協議する等、乙の協力を得て円滑な実施に努めること。
(契約期間)
四〇 本協定の有効期間は、平成一二年一月一日から三年間とする。ただし、期間満了一月前までに特段の意思表示がない場合は、期間満了の日の翌日において、更に三年間順次更新したものとすること。
(前協定の廃止等)
四一 昭和(平成)〇〇年〇〇月〇〇日付で甲と乙の間で締結した協定書は、平成一一年一二月三一日をもって廃止すること。また、平成一一年一二月三一日までに行った施術の療養費の請求に関しては、従前の例によること。

(様式第1号)

確約書

  柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任の取扱いを届け出るに当たり、次の事項を確約します。

 1 平成12年3月31日までは、平成11年10月20日老発第682号・保発第144号通知(以下「平成11年通知」という。)別添1の協定書の別紙1を遵守すること。

 2 平成12年4月1日からは、〇〇都道府県知事及び社団法人〇〇都道府県柔道整復師会長に対し、平成11年通知別添1の協定書の別紙2を遵守すること。

  なお、併せて、同日設置が予定されている〇〇社会保険事務局長に対しても、平成11年通知別添1の協定書の別紙2を遵守することを確約すること。

    平成  年  月  日

  〇〇都道府県知事

            〇〇〇〇

                     殿

  社団法人〇〇都道府県柔道整復師会長

            〇〇〇〇

柔道整復師氏名          印

住所           

(受領委任の取扱いを行う施術所)

 

 

 

 

 

 

 

 (注) 確約書の管理は、社団法人〇〇都道府県柔道整復師会長が行うものとすること。

(様式第2号)

柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いに係る届け出(施術所の届け出)

柔道整復師

(受領委任の施術管理者)

第1

ふりがな

 

氏名

明・大・昭  年  月  日生

免許

番号        (取得年月日)大・昭・平  年  月  日

施術所

ふりがな

 

名称

 

(電話番号:    (    )          )

所在地

 

 

届け出前5年間における受領委任の取扱いの中止

有・無

中止年月日

 

当該都道府県知事

 

柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の備考5に基づく施術所の届出

定額料金の徴収を(行う・行わない)

注1 施術所において勤務する他の柔道整復師について、様式第2号の2で届け出ること。

 2 届け出に当たっては、施術所及び勤務する柔道整復師等の確認できる書類の写し等を添付すること。

 3 施術管理者が複数の施術所において受領委任の取扱いを行う場合は、備考欄に各施術所における勤務形態等を記入すること。

(備考)

 

 

(柔道整復師(施術管理者)が都道府県柔道整復師会に入会した年月日を記入すること。)

  上記のとおり、届け出します。

   平成  年  月  日

    〇〇都道府県知事 〇〇〇〇 殿

柔道整復師氏名          印

住所           

(様式第2号の2)

柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いに係る届け出(同意書)

  施術所において勤務する他の柔道整復師として、協定書(平成11年10月20日老発第682号・保発第144号通知の別添1の別紙1)の第3章に定める事項を遵守し、第2章9及び12並びに第8章の適用を受けることについて同意します。

施術所に勤務する他の柔道整復師

第2

ふりがな

 

氏名

印    明・大・昭   年   月   日生

免許

番号              (取得年月日)大・昭・平   年   月   日 

届け出前5年間における受領委任の取扱い中止

有・無

中止年月日

 

当該都道府県知事

 

第3

ふりがな

 

氏名

印    明・大・昭   年   月   日生

免許

番号              (取得年月日)大・昭・平   年   月   日 

届け出前5年間における受領委任の取扱い中止

有・無

中止年月日

 

当該都道府県知事

 

第4

ふりがな

 

氏名

印    明・大・昭   年   月   日生

免許

番号              (取得年月日)大・昭・平   年   月   日 

届け出前5年間における受領委任の取扱い中止

有・無

中止年月日

 

当該都道府県知事

 

 (注) 施術所に勤務する他の柔道整復師は、署名押印をすること。

(様式第3号)

柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いの登録について

柔道整復師氏名

(受領委任の施術管理者)

 

施術所

名称

 

所在地

 

備考

 

 

 

  平成  年  月  日付で届け出のあった標記の件について、これを登録したので通知します。

  登録記号番号 〇〇〇〇〇〇〇〇―〇―〇

  登録年月日  平成   年   月   日

          〇〇〇〇殿

〇〇都道府県知事 〇〇〇〇 印

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千葉裁判判決平成16年1月16日療養費委任払いについて

平成16年1月16日判決言渡
平成12年(ワ)第112号 損害賠償等請求事件
            判      決
            主      文
     1 原告らの請求をいずれも棄却する。
     2 訴訟費用は原告らの負担とする。
            事 実 及 び 理 由
第1 請求
 1(1) 被告国及び被告日本銀行健康保険組合は,別紙当事者目録(省略)の原告番号(以下「原告番号」という。)1の原告に対し,連帯して50万円及びこれに対する平成
12年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(2) 被告国及び被告千葉銀行健康保険組合は,原告番号2の原告に対し,連帯して50万円及びこれに対する平成12年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(3) 被告国及び被告安田健康保険組合は,原告番号3の原告に対し,連帯して50万円及びこれに対する平成12年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(4) 被告国及び被告経済産業省共済組合は,原告番号4の原告に対し,連帯して50円及びこれに対する平成12年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(5) 被告国は,原告番号5,7,12,13,15,16,19,22から124までの各原告に対し,各50万円及びこれに対する平成12年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(6) 被告国,被告千葉銀行健康保険組合及び被告千葉県農協健康保険組合は,原告番号6の原告に対し,連帯して50万円及びこれに対する平成12年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(7) 被告国及び被告ブリヂストン健康保険組合は,原告番号8の原告に対し,連帯して50万円及びこれに対する平成12年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(8) 被告国及び被告東京金属事業健康保険組合は,原告番号9の原告に対し,連帯して50万円及びこれに対する平成12年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(9) 被告国及び被告三井化学健康保険組合は,原告番号10の原告に対し,連帯して50万円及びこれに対する平成12年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(10)被告国及び被告北陸銀行健康保険組合は,原告番号11の原告に対し,連帯して50万円及びこれに対する平成12年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(11)被告国及び被告千葉興業銀行健康保険組合は,原告番号14の原告に対し,連帯して50万円及びこれに対する平成12年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(12)被告国及び被告ブリヂストン健康保険組合は,原告番号17の原告に対し,連帯して50万円及びこれに対する平成12年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(13)被告国及び被告東京金属事業健康保険組合は,原告番号18の原告に対し,連帯して50万円及びこれに対する平成12年7月6日から支払済みまで年5分の割合によ
る金員を支払え。
(14)被告国及び被告三井造船健康保険組合は,原告番号20の原告に対し,連帯して50万円及びこれに対する平成12年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(15)被告国及び被告東京金属事業健康保険組合は,原告番号21の原告に対し,50万円及びこれに対する平成12年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告らは,原告番号125の原告に対し,連帯して100万円及びこれに対する平成12年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 3 被告国は,原告らに対し,朝日,毎日,読売の各新聞の朝刊全国版に別紙謝罪広告目録記載の謝罪広告を同目録記載の条件で1回掲載せよ。
第2 事案の概要

 本件は,健康保険法に基づく保険給付について,施術者が被保険者(患者)から委任を受けて保険者に療養費を請求する受領委任払いがあん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師に認められていないことについて,それが認められている柔道整復師との間で不合理な差別的取扱いがなされているなどとして,原告らが,被告国に対しては国家賠償法1条1項,4条,民法723条に基づき,損害賠償とともに名誉回復措置として謝罪広告の掲載を求め,その余の被告らに対しては民法709条,710条に基づき,損害賠償を求めた事案である。
 1 争いのない事実等
  (1) 原告番号1ないし124の各原告は,いずれもあん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師等に関する法律(以下「法」という。)2条1項による免許を受けて,あん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師(以下「あん摩マッサージ指圧師等」という。)を業とするものである。原告番号125の原告(原告全国保険鍼灸師マッサージ師連合会。以下「原告連合会」という。)は,鍼灸あん摩マッサージ指圧の普及・振興を図ると共に,あん摩マッサージ指圧師等による健康保険取扱いを推進し,もって国民の公益に資することを目的として昭和61年9月に結成された権利能力なき社団であり,原告番号1ないし124の各原告は原告連合会の会員である
   (弁論の全趣旨)。
  (2) 被告国は,厚生行政に関し,保険者に対する行政指導などを通じて適正に健康保険を運用する立場にある。被告経済産業省共済組合は,国家公務員共済組合法に基づいて設立され,組合員らに対して保険給付その他の事業を行う法人であり,被告国及び被告経済産業省共済組合以外の被告らは,平成14年法律第102号による改正前の健康保険法(以下「旧健康保険法」という。)22条(上記改正後の健康保険法(以下「健康保険法」という。)4条)以下の規定に基づいて設立された法人(健康保険組合)である(以下,被告国以外の被告らを「被告組合ら」という。)。
(3) あん摩マッサージ指圧師等については,法の適用があるが,その概要は次のとおりである。
  ア 医師以外の者で,あん摩,マッサージ若しくは指圧,はり又はきゅうを業としようとする者は,それぞれ,あん摩マッサージ指圧師免許,はり師免許又はきゅう師
免許を受けなければならない(1条)。
  イ 施術者(あん摩マッサージ指圧師,はり師又はきゅう師)は,外科手
術を行い,又は薬品を投与し,若しくはその指示をする等の行為をしてはならない(4条,3条の2)。
  ウ あん摩マッサージ指圧師は,医師の同意を得た場合の外,脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない(5条)。
(4) 柔道整復師は,柔道整復師法に基づき柔道整復を業とする者である。
   柔道整復師法の概要は,次のとおりである。
  ア この法律において「柔道整復師」とは,厚生労働大臣の免許を受けて,柔道整復を業とする者をいう(2条1項)。
  イ 柔道整復師の免許は,柔道整復師試験に合格した者に対して,厚生労働大臣が与える(3条)。
  ウ 医師である場合を除き,柔道整復師でなければ,業として柔道整復を行なつてはならない(15条)。
  エ 柔道整復師は,外科手術を行ない,又は薬品を投与し,若しくはその指示をする等の行為をしてはならない(16条)。
  オ 柔道整復師は,医師の同意を得た場合のほか,脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない。ただし,応急手当をする場合は,この限りでない。(17条)
  なお,柔道整復とは,骨,筋,関節等に各種の外力が加わることにより生ずる骨折,脱臼,打撲,捻挫の患部を整復することである。
(5) 保険給付制度
  ア 健康保険法は,労働者の業務外の事由による疾病,負傷若しくは死亡又は出産及びその被扶養者の疾病,負傷,死亡又は出産に関して各種の保険給付を行う保険給
付制度を規定している(1条,52条)。保険給付は,厚生労働大臣の指定を受けた病院若しくは診療所又は薬局(以下「保険医療機関等」という。)における療養の給付(医療の現物給付)が原則である(63条1項,3項)。被保険者は,保険医療機関等から63条1項各号に規定する療養の給付を受けた際,当該保険医療機関等に対して一部負担金を支払い,当該保険医療機関等は,療養に要する費用から一部負担金を控除した額を保険者に請求し,保険者がこれを支払う(74条ただし,療養の給付が困難である場合等に限り,療養の給付に代えて,現金給付である療養費払いが認められている(87条)。健康保険法上,被保険者が施術等の療養を受けた際には,療養に要した費用を一旦施術者に全額支払い,その後そこから一部負担金を控除した額を保険者に請求し,保険者がこれを被保険者に支払うといういわゆる償還払いの方法が原則とされている。
 イ 療養費の受給要件
  (ア) あん摩マッサージ指圧師等について
 a 対象疾患
 慢性病であって医師による適当な治療手段のないものであり,主として神経痛,リウマチなどであって,類症疾患(頸腕症候群,五十肩,腰椎症等の病名であって,慢性的な疼痛を主症とする疾患)については,これら疾病と同一範ちゅうと認められるものに限る。
 b 医師の同意
  医師の同意書又は病名,病状及び発病年月日が記載され,施術の適否が判断できる診断書を要する。
  (イ) 柔道整復師について
  a 対象疾患
   骨折,脱臼,打撲,捻挫
  b 医師の同意
  骨折及び脱臼については,医師の同意を要する。ただし,応急手当の場合は,医師の同意は必要ではない。
 (6) 受領委任払い
 柔道整復師から施術を受けた被保険者に対する療養費の支給については,平成11年10月20日付け厚生省老人保健福祉局長及び同省保険局長から都道府県知事宛の「柔道整復師の施術に係る療養費について(通知)」(老発第682号・保発第144号)により,受領委任払いの方法が認められている。この制度の概要は,あらかじめ当該柔道整復師の所属する社団法人と保険者との間で団体協定(柔道整復師個人の場合は契約)を締結しておき,被保険者が柔道整復師から施術を受けた際には,被保険者と当該柔道整復師との間で療養費の受領・請求行為の委任をした上,被保険者において一部負担金を支払い,その後,当該柔道整復師は,一部負担金を控除した額を保険者に請求し,これを受領した上,被保険者に対する受領金返還債務と残金請求権とをは,昭和25年1月19日付けで,都道府県知事宛に,「按摩,鍼灸術にかかる健康保険の療養費について」と題する通知(保発第4号。以下「保発第4号」という。)を発出し,都道府県知事を通じてこれを各健康保険組合等に周知させたが,この通知により,受領委任払いの方法をとることは認められていない。保発第4号の内容は,「標記については療術業者の団体と契約の下に,これを積極的に支給する向もあるやに聞き及んでいるが本件については従前通り御取扱いを願いたい。従ってこの施術に基づいて療養費の請求をなす場合においては,緊急その他眞に已むを
得ない場合を除いては,すべて医師の同意書を添付する等,医師の同意があったことを確認するに足る証憑を添えるよう指導することとして,その支給の適正を期することと致されたい。」というものである。
  あん摩マッサージ指圧師等については,保発第4号が発出される以前から受領委任払いは認められておらず,償還払いの方法がとられており,保発第4号はその趣旨を
確認したものである。
 ところで,あん摩マッサージ指圧師等についても,保険者である健康保険組合が独自に受領委任払いを認める場合もあるが,被告組合らはこれを認めず,償還払いの方法を採っている(以下,被告らが,柔道整復師には受領委任払いを認め,あん摩マッサージ指
圧師等にはこれを認めない取扱いを「本件取扱い」という。)。
(7) 療養費の請求と支払拒否
  本訴提起前に,原告番号1の原告は被告日本銀行健康保険組合に対し患者1名につき,原告番号号2の原告は被告千葉銀行健康保険組合に対し患者1名につき,原告番号
3の原告は被告安田健康組合に対し患者1名につき,原告番号4の原告は被告経済産業共済組合康組合に対し患者1名につき,原告番号6の原告は被告千葉銀行健康保険組合及び被告千葉県農協健康保険組合に対し患者各1名につき,原告番号8の原告は被告ブリヂストン健康保険組合に対し患者1名につき,原告番号9の原告は被告東京金属事業健康保険組合に対し患者1名につき,原告番号10の原告は被告三井化学健康保険組合に対し患者1名につき,原告番号11の原告は被告北陸銀行健康保険組合に対し患者1名につき,原告番号14の原告は被告千葉興業銀行健康保険組合に対し患者1名につき,原告番号17の原告は被告ブリヂストン健康保険組合に対し患者2名につき,原告番号18の原告は被告東京金属事業健康保険組合に対し患者1名につき,原告番号20の原告は被告三井造船健康保険組合に対し患者1名につき,原告番号21の原告は被告東京金属事業健康保険組合に対し患者1名につき,それぞれ受領委任払いの形式で療養費の請求を行ったが,いずれも療養費の支払(支給)を拒否された。
2 争点
(1) 本件取扱いは合理性があるか。
  ア 原告らの主張
  健康保険制度における療養費の支給については,患者が医療機関に対し,一旦医療費を払った後,健康保険から要した医療費の支給を受ける方法(後払い方式)と患者が医療機関において医療を受け,要した医療費は患者から医療機関に対する保険給付の受領委任の下,健康保険から医療機関に対し,直接支給されるという方法(受領委任方式)が考えられる。このどちらの制度を採るかは,国民の医療給付を受ける機会の確保と保険給付の適正さの確保という2つの要請を勘案しつつ,行政庁の裁量の範囲内で決定される。後払い方式の場合は,国民の医療を受ける機会は減少するが,医療機関による不正受給という問題は減少
する。受領委任方式の場合は,国民の医療を受ける機会は増すものの,不正に保険給付を受ける余地が大きくなる。
  結局,受領委任方式を認めるか否かは,当該医療機関が不正受給を行わない(保険給付の適正を害するおそれのない)医療機関であろうという評価,国民の医療を受ける機会を確保する要請が高いか否かの評価の下で判断される。
  健康保険法は,あん摩マッサージ指圧師等及び柔道整復師については,保険医療機関とはしないものの,一定の要件を満たした場合には療養費の支給を認め,事実上健康保険が適用されることとなっている。そして,あん摩マッサージ指圧師等を規制する法
と柔道整復師を規制する柔道整復師法には,資格,免許,施術所の要件,業務に関する規制,監督,罰則のいずれにも違いがないから,あん摩マッサージ指圧師等と柔道整復師に対する社会的信用,国民のこれら医療を受ける機会の保障の必要のいずれについても別異とする根拠はない。それにもかかわらず,厚生労働省は,柔道整復師については受領委任払いを認めながら,あん摩マッサージ指圧師等についてはこれを認めないという差別的な取扱いをし,これにより,あん摩マッサージ指圧師等を利用した患者は,一旦全額を支払い,その後自ら療養費を請求するという煩瑣かつ負担のある手続が強要されているが,このような取扱いには何ら合理的な根拠がない。
  被告国は,柔道整復師については,柔道整復師法17条で,脱臼,骨折の患部に応急手当として施術する場合に医師の同意を要しないとしていることをもって,受領委任払いを認める根拠の1つとしているが,この点は受領委任払いの問題とは直接関係がない(一方は実体的要件,他方は請求手続上の問題である。)上,双方の資格に関する規定全体からみると,業務の性質に基づくわずかな違いでしかなく,両者の社会的信用にも,国民の当該医療を受ける機会を保障する必要性にも,何ら関係のないことである。
  また,医療保険審議会は被告国が設置した機関であり,その柔道整復等療養費部会の平成7年9月8日付け意見は,責任を免れる根拠とはならない。
  よって,本件取扱いは合理性がない。
  イ 被告らの主張
  健康保険法は,厚生労働大臣の指定を受けた保険医療機関等において
のみ,医療の現物サービスの提供としての療養の給付を受けることができる旨規定している。これは,現物給付たる療養の給付は療養そのものが保険給付されるものであることから,医療保険の運営の効率化,給付内容の適正化等を担保するための様々な規定が適用される特定の機関に限り実施されることが適当であるからである。これに対し,保険医療機関としての指定を受けていない者に係る療養費の支給につき,実質上医療の現物サービスの提供と同様の意味を持つこととなる受領委任払いを認めることは,健康保険法が保険医療機関の指定制度を採用した上記趣旨を没却することになる。したがって,健康保険法は,療養費の支給につき,原則として(例外的な場合を除き),受領委任払いの方法によることを認めていないものと解される。なお,健康保険法による給付につき療養の給付を原則としたのは,緊急に療養を受けることができなくなるおそれを避けるためである。また,健康保険法による給付は,医療の現物サービスの提供としての療養の給付を原則とし,それが困難である場合等に限り,療養の給付に代えて,現金給付である療養費払いが認められている。したがって,療養費の支給に当たっては,当該施術が受給要件を満たしていることが前提となるところ,受領委任払いは,施術の内容や額等につき被保険者から確認することができないまま施術者より請求がなされることから,不正請求や業務範囲を逸脱した施術を見逃す危険性が大きいといわざるを得ない。
  ところで,柔道整復については,施術を行うことのできる疾患は外傷性のもので,発生原因が明確であり,他疾患との関連が問題となることが少ないから,不正請求や業務範囲を逸脱した施術等といった弊害が生じる可能性が低いことに加え,整形外科医が不足した時代に治療を受ける機会の確保等患者の保護を図る必要があり,かつ,柔道整復師法17条ただし書に基づき,応急手当の場合には,医師の同意なく施術ができること等医師の代替機能をも有するところ,緊急に療養を受ける必要がある場合に療養費を後払いとすると,被保険者は一時的に療養費を立て替えなければならなくなり,その結果,緊急に療養を受けることができなくなるおそれがある。したがって,柔道整復については,受領委任払いを認める合理的理由がある。
  これに対して,あん摩・マッサージ,はり,きゅうに係る療養費の対象疾患の多くは,外傷性の疾患ではなく,発生原因が不明確で,治療と疲労回復等の境界が明
確でないことから,施術を行う前に保険者が支給要件の確認をすることができない受領委任払いを認めることは,上記の弊害が生じる危険性が大きいし,対象疾患も慢性的な疼痛を主症とする疾患であり,緊急に治療が必要な疾患ではないから,現物給付的な取扱いとする特段の理由がない。
  さらに,あん摩・マッサージ等に係る療養費について受領委任払いを認めた場合,対象疾患の関係で,施術が行われた後に支給対象外と判断される場合が少なくな
いのであり,そうすると,被保険者は,施術に係る費用の全額から一部負担金として支払済みの金額を控除した額を再度施術者に支払わなければならなくなり,施術料金の支払いの手続が煩雑となる一方,施術者も被保険者から施術料金を徴収するという負担が生じる。

これに対し,柔道整復の場合は,療養費の支給対象となるかについて疑義が生じることが少ないから,受領委任払いを認めても,上記弊害が生じるおそれは小さい。
  以上の観点から,医療保険審議会柔道整復等療養費部会の平成7年9月8日付け意見も,柔道整復に係る療養費については特例的に受領委任払いを認めることに肯定的見解を示しており,これに対し,あん摩・マッサージ,はり,きゅうに係る療養費の受領委任払いについては否定的な見解を示しているのである。
 よって,本件取扱いは合理性がある。
(2) 被告国は国家賠償法(以下「国賠法」という。)上の責任を負うか。
  ア 原告らの主張
   (ア) 違法性
    a 原告らの被った不利益
  原告らは,受領委任払いを認められないという差別的取扱いを受けたことにより,以下のような不利益を被った。
   (a) 平成4年度の柔道整復師の施術に対する療養費の推計額は約2048億円であるのに対し,あん摩マッサージ指圧師等の施術に対する療養費の推計額
はわずかに65億円に過ぎない。これを1人当たりの年間保険取扱額としてみると,柔道整復師が825万円であるのに対し,あん摩マッサージ指圧師等は僅かに10万円で
あり,80分の1である。このようにあん摩マッサージ指圧師等について療養費の支給が低廉であることにより,あん摩マッサージ指圧師等の治療院経営上重大な圧迫を受け,経済的不利益を被った。
  (b) 柔道整復師のように受領委任払いという便宜的な手続の利便を得られないことにより,あん摩マッサージ指圧師等は,患者から施術者としての力量が十分でないと判断さ
れ,信頼関係を阻害するという不利益を受けた。
  (c) 受領委任払いを認めないという健康保険法上の取扱いの違いは,あん摩マッサージ指圧師等の資格が,国の制度上,柔道整復師の下にあるとの評価を故なく醸成するものであり,あん摩マッサージ指圧師等の社会的評価及び原告連合会の社会的評価を低下させた。
  (d) あん摩マッサージ指圧師等は,柔道整復師と比較して,不利益に扱われるべき何らの理由もないにもかかわらず,著しく不利益な扱いを受けてきたも
のであり,原告らは,その名誉感情を侵害され,耐え難い精神的な苦痛,屈辱感を受け
てきた。
  b 裁量権の逸脱
  健康保険法63条の「療養の給付」をいかなる者に対して行うか,「給付」の方法をどのようなものにするかは,所管庁である厚生労働省の裁量に委ねられているが,法の執行機関である行政庁が,明文で法律の委任があった場合でもなく,単なる取扱いによって差
別的取扱いを行おうとする場合には,法律上,区別を予定されてい
るか否かという裁量権の枠がはめられているというべきである。
  そして,上記(1)ア記載のとおり,本件取扱いには何ら合理的理由がないにもかかわら
ず,厚生省保険局長は,昭和25年1月19日にあん摩マッサージ指圧師等について受領
 委任払いを認めない旨の保発第4号を発出し,その後,歴代の厚生省保険局長によってこの方針が追認され,あん摩マッサージ指圧師等については受領委任払いが認められてこなかったのである。
  厚生労働省は,健康保険法の趣旨に則り,適正な厚生行政を行うべきであり,不合理な差別的取扱いを行うことは裁量権の逸脱であって許されないものである。

上記のとおり,被告国は,何ら合理的な根拠がないにもかかわらず,あん摩マッサージ指圧師等に受領委任払いを認めてこなかったものであり(柔道整復師に認め,あん摩マッサージ指圧師等に認めないのは,恣意的運用というほかない。),かつ,これによっ
て原告らの被った不利益は上記aのとおり重大であるから,与えられた裁量権を逸脱した
ものである。
 なお,区別が合理的であるか否かは,健康保険法によって保護された利益であるか否かではなく,区別を正当化できる理由があるか否かによって判断されるべきであり,また,
原告らは,本件取扱いにより直接的に不利益を被っているから,反
射的利益論は相当ではない。
  以上によれば,本件取扱いは,被告国の裁量権を逸脱し,原告らに重大な不利益を及ぼすものであるから,違法性を有する。
   (イ)厚生労働省保険局長は,あん摩マッサージ指圧師等に受領委任払いを認めなければ,健康保険取扱高に差異が生じ,あん摩マッサージ指圧師等が患者を獲得す
る機会を減少させるであろうこと,その結果,柔道整復師の方が社会的評価が高くなるであろうことを容認しており,故意が認められる。仮にそうでないとしても,そのような結果を
生じさせたことにつき,重大な過失があるというべきである。
 (ウ) 損害