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昭和36年05月18日 [004/004] 38 - 参 - 社会労働委員会 - 29号 あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案審議NO2

○政府委員(川上六馬君) ただいま御質問の、療術というものの将来の取り扱いのことでございますが、実はこの前の附帯決議もございまして、厚生省といたしましては、昭和二十四年から二十八年の間におきまして、医学者あるいは機械、電気などの学者にいろいろ研究をしてもらったわけでございます。もちろん御承知のように、何百種というほどの療術行為があるわけでありますが、比較的よく行なわれているもの、あるいは医療上、影響の大きいものを取り上げまして研究してもらったわけでありますが、その結果、概括的に申し上げますと、有害なもの、あるいは害もないが益もない、あるいは医者なり、相当の知識や医学的な素養があれば害より益が多いだろうというもの、あるいはしろうとがやってもまず心配ないだろうというような、いろいろな種類のものがございます。しかし、そのしろうとがやっても害はないだろうというように言われたものも、ある学者は医者が指導しなければいけない。ことに疾病や、症状によっては診断を要するものもある。あるいは禁忌といいまして、やってはならない場合もあるわけであります。従って、一がいに医業類似行為といいましても、患者の症状、やり方等でいろいろと影響が違うのでありまして、これを体系的に取捨選択をして、こういう体系に属するものはこれを認めて、免許制度にしていこうというような考え方はまだ持っていないわけであります。ただ、先ほども次長から申しましたように、手技の中の指圧の方はあんま摩の中に取り入れたわけでございます。その他の医業類似行為につきましては、今後三年間の間に研究さしていただきたいと思います。
○阿具根登君 あなたの言うこと、抽象的でさっぱりわからぬ。何もしていないからそういうことを言う。何を許すとか何を許さぬとか、ぴしゃっと出てこなければならぬ。何を言っていますか。さっきから言われる通り、これが一番最初出たときは、めくらさんが笛を吹いて、あん摩の呼び声を流す。外人が見て、日本という国は何という国じゃ、目の見えない人に夜の夜中まで笛吹かせて仕事さしておる、何とかせぬかいというのがきっかけなんです。そうすると、あなた方の話を聞いておると、指圧を、あん摩の名前をくれて指圧を昇格さしたと言っているけれども、結局、あなたは、宿屋へ泊まったら、めくらのあん摩さんにもんでもらいますか、目あきのあん摩さんにもんでもらいますか。目あきでしょう、目あきさんです。あん摩呼んで下さいと言うと、宿屋の女中さんはみんな呼んできますよ、目あきさんばかり。あなた方が昇格さして、めくらさんを追い出しているじゃないですか。だからわれわれは、あん摩さんは別個にしなさい。めくらじゃなければできないんだ、こうしなさいと言っている。そうしなければ、あなた方は、昇格さしたなんか言っているけれども、あん摩さん自体あん摩の職業なくなりますよ。熱海へ行ってみなさい。熱海の旅館に泊まってみなさい。めくらのあん摩さんが来るか来ないか。みんな若いあん摩さんでしょうが。しかも、何か聞いてみると、売春までやっているとあなた方自身が言っているじゃないか。それだから、あん摩追放してしまうのでしょう。だからこういうことになってくるのだ。
 で、これは三年という延期になっておりますが、また三年後こういう論争しますか、私らと。いつきめますか。あなたおらぬかもしれぬけれども、また、三年後こういう論争をやりますか。一体、国会何の権威があってこういうことをやります。いつまでたっても三年延期、三年延期。厚生省は何一つ具体案出しておらぬじゃないですか。何年たてば具体案が出てきますか、次長。われわれが出す具体案は認められますか。われわれは、さっそくでも出して見せますよ。いつやりますか。三年便々と待っていますか。そうしてまた三年たって、三年延長しますか。だれが信頼しますか、そんなことをして。それをはっきりして下さいよ。
○政府委員(川上六馬君) ただいまのお話のうち、あん摩は通常医業類似行為として扱っていないわけであります。今のお話は、盲人にあん摩を専業させたらという御意見のように聞きますが、これはやはり先ほど申しましたように、なかなかむずかしいだろうと思います。
○阿具根登君 それじゃ憲法論議になるでしょう。憲法論議だったらこれは無効だと言っているのですよ。そういうことをはっきりしなさい。
○政府委員(川上六馬君) 先ほど先生がおしゃった最高裁の裁判の解釈については、少し誤解があるのじゃないかと思いますが、最高裁の裁判は、無届で医業類似行為をやった場合、ただ、法律に反するからということで処罰はできない、処罰するのなら、そのやっておる行為が医学的に見て害があるということでなければ処罰をできないということを言っておるわけでありまして、無届で医業類似行為をやってもよいということじゃないのです。
○阿具根登君 あなた登録して、許可しておる人がやった行為じゃないのですよ。登録をしていない人がやったのですよ。それを最高裁はよろしいと言っておる、職業自由の選択によって。しかし、やった行為が人体に損害を与えるか与えないかという問題なんです。そのことが問題だと言っておる。それなら指圧とかあん摩とかというのが人体に障害を与えますか。指圧とか、あん摩とかというのが人体に危害を与えますか。与えるのなら許可されていないはずですよ。そういうことまで許可しなければいかぬでしょう。ところが、光線を扱っている人が無免許で、この人はまた登録もしていない。だからあなた方は告発した。それが最高裁でそれでも職業の自由の選択でよろしい、人間のからだに危害さえ与えなければよろしい、こういうことになっておる。だから危害を与えるか与えないかは今後学者の研究を待たなければならないが、光線だったらどのくらい、電気だったらどのくらい人体に与えるか、あるいはどういう病状のときにどういう光線を与えたらよいかということは今後の問題です。私の言っておるのは、今後の問題はおいて、登録をしていない人がやってもいいということになっておる。それなら電気とか光線を扱ったり、あん摩とか指圧とかいうものを使いたいというのがいるでしょう。その人はなぜこういうワクをしなければならないかということですよ。というとこのままではだれでもやっていいということになり、無制限になるから一つの統制を加えて身分をつけてやったんですよ。そうでしょう。憲法論議でいくならこれを作る必要はない。憲法論でいくならば。人間に危害を与えない、公共の福祉を損じない、そうするならそれはだれでもやってよろしい。職業の自由の選択というのならばこんな法律あっても何にもならぬですよ。そうやっておるのだから。その身分をきめる場合にこうしなければならぬということをわれわれは今日まで言っておる。だからそれを三年間あなた方はまた研究せねばできないというなら、われわれが研究して差し上げます。今まであなた方は十何年間も研究してきて、まだ具体案も何もない。そのまま延長々々、しかも指圧その他はつぶそうとしておる。そうじゃなくてもあん摩をつぶそうとしておる。あん摩がなくなりますよ。あなた方どこまでいってもそうでしょう。わかっていますか。(相馬助治君「阿具根委員の言っていることがわかっていない。ちょっと速記をとめて……」と述ぶ)
○坂本昭君 確かにわれわれの言っていることを厚生省はよく理解してない。理解してないというよりも理解するとあとがめんどうくさいものだから避けているのじゃないかとさえ思う。
 私は問題点は二つあると思うのです。一つはあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師、そういう言葉で表わされている医業類似行為、これを一体厚生省としてはどういう考えで将来律していこうか。そういう点についての基本的な考え方ができていない。
 それからもう一つは、身体障害者の生存権、生活権、労働権、こういうものに対する理解が十分でない。それから問題は、私は、このいわゆる医業類似行為の私は正当に医療補助の一つの技術として検討を加える。そしてその中から正確に医療行政、厚生行政の中から悪いものは悪いとか、いいものはいいとか。そういう態度をとっていけば私はおのずから生まれてくると思う。で、たとえば「諸外国における医業以外の医療従事者を規制する立法例及びその概要」、これは国立国会図書館の調査立法考査局で出しております。もうすでに二年ほど前に出している。こういうものを見ますというと、明らかに全般を通じてわかっているのは、これはオーストラリア、アルゼンチン、ドイツ、エジプト、フランス、アメリカ、イギリスとたくさん出ておりますけれども、医療補助者としての考え、たとえばイギリスの立法など見るというと、医療補助者、国民保健事業の医療補助者に関する施行規則として、医療補助者という概念で、この中には栄養士、眼鑑調整師、それから物理療法師、足療術師ですか、こうした概念で医療補助者としての明確な資格並びにそれに必要な訓練教育をやっている。そしてちゃんと正しく指導しているわけです。それからまた、身体障害者に対しては、これはイギリス、あるいは西ドイツではこの身体障害者雇用促進法というものの中で、日本の憲法二十二条のような職業選択の自由がどうこうということをこえて、たとえばイギリスではエレベーターを扱う人、あるいは自動車駐車場の番人は身体障害者でなければならないという特殊の留保をしている。こういうように非常に身体障害者に対する扱いも明確である。さらに医療補助技術者としての扱いも明確です。そういう点が非常に不明確にぼかされているために私は問題がいつまでたっても済まないと思う。だからその辺について一体あなた方はどう思っているのか。この身体障害者を見るということは、これは厚生行政の大事な点ですよ。同時にまた、労働省――きょう労働省来ておりますか。局長来ておらぬですね。――大体労働省も非常にあれなんですよ。ふまじめなんですよ。あまり一生懸命やらなかったものだから、やっと身体障害者雇用促進法を去年制定した。でありますから、私はこの二つに分けて考えているのであって、今取り上げているのは主として第一の医療補助として一体立法をどうするか。三年心々といつまで立法を延ばしてどうするかということを今追求しているわけです。だからこれを厚生当局としては私は明確な答えが出るはずだと思う。次官一つ答弁して下さい。
○政府委員(川上六馬君) 今二つの問題を指摘されたわけですが、坂本先生のおっしゃった最初の問題は私たちも考えているわけです。それは学界の方からも理学的療法師や職能療法師というようなものを養成してくれと要望されています。これは病院などの物療の方に医療補助者として使いたいということであります。従って、医業類似行為をこれとの関連においても考えなければならぬと思います。今外国の例があげられましたけれども、それもそういうような種類の医療補助者のことではないかと存じます。次に、あとの問題は直接私どもの所管でありませんけれども、先ほど申しましたように、たとえば病院でマッサージ師を使う場合、なるべく盲人の人を使っていこうというようなふうに私ども考えているわけです。
○相馬助治君 私は、この法律案に関して基本的なことを聞いておきたいと思うのですが、現実に電気その他をもっておやりになっているこの療術師の医療効果というものは公共の福祉に反しないとかなんとかいうようなことで政府当局も見、療術師自身も部外だからなどといって遠慮をしておるけれども、現実にはこういう業が成り立って、こういうものによって病気がなおっている人があって、公共的に認められていると思います、現実に。それででたらめな療術師は社会において没落していっています。あれにかかったらだめだ、むしろ悪くなってしまったというので次から次へと宣伝するからこれは没落していくのです。こういう現実に立って私はものを聞くのだが、一体療術師というものを、今審議しておるこの法律で措置していくということに無理を感じていますか、いませんか。今までの経過上やむを得ずこれで律しているのだが、無理だというふうにお考えですか、どっちですか、厚生省当局。
○説明員(黒木利克君) 療術師の方はいわゆるここでいう届出医業類似行為業者でございます。これは経過期間の間で認めておりまして、この経過期間の間にできるならあん摩師、はり師、きゅう師という方に職業の転換をしていただきたい、そのためのいろいろな講習なりあるいはあんま摩師の特例試験制度というものがとの法律に基づいてできておるわけでございます。そこでこういう方たちは、そういう職業転換もさることながら、現在の届出医業類似行為というものを将来とも公認をしてもらいたい、できるなら療術師という身分法規を作っていただきたい、こういうような御要望をかねてから伺っておるのでございます。ところが一方、医学の見地から、あるいは医界の方のいろいろな団体からは、先ほど医療制度審議会の答申にありましたように、あん摩とか、はりとか、きゅう師とか柔道整復師法とかそういう法律で身分的に確定をしたもの以外の、いわゆる狭い意味の医業類似行為というものは、これは禁止してもらいたい、こういう御要望がございまして、その調節に今まで苦慮して参ったのでございます。しかし、法律の趣旨は、狭い意味の医業類似行為というものはやはり経過的にしか認めないということで、三年、三年の期間延長をしてきたというような経過もございまして、狭い意味の医業類似行為というものは、いずれこれは禁止するというふうな運命にあるというふうに判断をせざるを得ないのでございますが、そのうちで人体に有益なもの、あるいは坂本先生が先ほどおっしゃいましたように、医療の補助者として何らか取り上げてしかるべきものは取り上げていこう、こういうことでいろいろ学者にお願いをして検討してもらったのでございますが、どうもこのあん摩、はり、きゅう師のような身分法規を作るには適当なものがまだ見つからない、こういうような実は段階でございます。
○相馬助治君 もう実に筋の通ったような話をしながら無責任きわまるので、ここに、委員にはお医者さんがたくさんいらっしゃいまして、私はそのお医者さんには若干失礼な言葉になるかもしらないけれども、このお医者さんの立場からいえば、この療術師のような方がふえることはこれは必ずしも好ましくないと思うのです。もっと卑近な言葉をもって言えば、失礼ですけれども、医師の療養の範囲を荒される、端的にいえば商売がたきのような存在にもなり得る性格を持っていると思うのです。従って、お医者さんの方に聞けばそれは悪いと言うか、そうでなければ一歩を譲ってくると、坂本先生がおっしゃるように、医療補助者としてこれを認めたらどうかということが問題になってきます。それも一つの方法でしょう。とにかくこの療術師の療治決定については、お医者さんの意見を聞くということもある場合必要であろうとは思いますが、療術師はそれぞれの伝統と研究の上に立って自信を持って治療に当たっているのですから、これを一律に医者の補助者と見ることには賛成しかねます。ただ事実問題として医者と協力することはよいことでしょう。実際医療行為をやるのに、こういう療術師がいて、こういうことをやることはとっても大へんな、科学的な証明のつくことでこれはまずいのだということについては、その実例によって私は判断していくべきだ。それから坂本先生のおっしゃったように、このことをやることによって本来やっている医療行為を助け治癒を早めるというものについては、医療補助としてそれを認めていくべきである。それから単独にやはり療術の技術として生きて、そして人体に無害どころか効果のあることもあると思う、だから私はここで指摘したいのは、今のいう療術師を何もかも無条件で認めて、今後試験要件も今のようにやれと言っているのではない、ある電気についてどうしてもこれは何ボルト以上のものは危険が伴う、こういうことならばお医者さんなりあるいは電気の技術者なりの意見を聞いて、こういう例は禁止すると、したらいいと思う。そうでないものについては、無害どころかこの効果のあるものについては、私は療術師法という法律を単独に作って、試験要件を確認して、相当厳重にして、そしてお医者さんなんかの医療行為と逆行しないように、そういうようなことをやるべきだと思う。ただ野放しでお医者さんがどうだといえば、一般論としては危険が伴う、私お医者さんが悪いと思わない、そういうふうに聞かれれば医者の良心として危険があり得るのです。どうも思わしくありませんと、一般論として言わざるを得ないのです。そういうことをやらないことが厚生省の怠慢だ、療術師にはいろんな種類がある、この種類はいい、この種類は悪い、この種類は研究を要すると出てくるはずだ、こんなに時間がたったから私はこれを聞いている。そうするとかりにわれわれがこの法律に協力して、三年間に成立した場合にあれですか、厚生省はそれらの従前の人を全部何とかで生かす方法がありますか、それとも三カ年延長してやるが、その間に転業しない者はお前ら悪いからと全国の療術師を殺しちゃうと言うのですか、どっちですか、端的に聞くんです。政答えることではない、人道問題だ。
○政府委員(安藤覺君) お答え申します。先ほど来諸先生方のだんだんの御高見を拝聴いたしまして、かつまた、厚生省に対するおしかり御鞭撻等も承りました。しろうとの私にも諸先生方の御主張になっておられることがほぼのみ込めたのでございます。なるほど古い言葉に、石の上にも三年という言葉がございます。三年が三年、三年と、九年も続いたんでは、このお言葉も出ることはやむを得ないことであろうと存じ反省するわけであります。そこで坂本先生も問題を二つにお分けになりましたが、私もまた観点を異にしまして二つに分けて考えておったわけであります。それは一つには、先ほど来の御質疑、御高見の中にくみ取れますものは、盲人としてのあん摩さん方の、いわゆるあん摩としての職業を専有もしくは確保せよ、こういうお言葉であろうかと思います。まずこれにつきましては、私も幾たびかあん摩、はり、きゅう等の組合の方々から陳情をいただいておりまして、そのつど事務当局にこういう陳情があったが、これに対してはどういうふうなことをしておるのか、また、将来どうするのかというようなことを質問もし、刺激も与えてきたわけであります。聞きますれば、今論議も出ましたような憲法論もありまするししますので、積極的にあん摩は盲人にのみ許すという行き方はできません。そこで消極的ではありますけれども、目あきのあん摩さん方の学校を制限するとか、あるいは定員を制限するとかいうきわめて消極的な方法しかありませんというふうなことでございまして、さらにまた、この無免許のあん摩を極力取り締まっていこうと、こういうようなことも申しております。いろいろ検挙された表などを拝見いたしますと、男女別に見ますと、やはり無免許で男の方の方が検挙されておるのが多いようであります。男の方が売春するというようなことも、たまにはあるかもしれませんが、あまりないのだろうと思います。こういうことでありますると、やはり相当に無免許のあん摩さんが横行しておるということは、否定できない事実だろうと思います。これについては、一そうの厳重な取り締まり方をせねばならぬだろうと、かように思っております。
 さらにもう一つの問題は、類似行為に対する規制を何とかせよというただいまの御要望でございます。これにつきましても、すでにあん摩、はり、きゅう、柔道整復師というような方は、坂本先生もおっしゃいましたように、むしろそういう制度ができるならば、補助者としての制度の中に当然加わるべきものだろうと思いますが、そのほかに、いろいろあげられておるように、電気によるさまざまな方法、これは手わざと読むのですか、手技と読むのですか、テクニックは存じませんが、手技、温熱、電気、光線刺激というようなものの中には、何百種類とあるということだそうでありますが、これらについても、やはり先ほど来御論議のありましたように、直接人体に影響がある、よき影響のあるものももとよりございますが、悪き影響のあるものもありますし、いろいろいたしますが、いずれにいたしましても、このままに放置するということは許されない状況にあるように感得されます。ぜひ、この三年間においては、今度こそは石の上にも三年ということのないように、諸先生方の御意見、及び一般組合その他からの御陳情も体しまして、今度こそは、この三年間に、一応の方向をつけるように、私自身努力いたしますとともに、このことを、この場の空気を大臣にもお伝えしまして、さらに事務当局にも御勉強願いまして、一つ皆様方にお目見えしたい、かように考えておるわけであります。

○谷口弥三郎君 関連して。今回の問題について、いろいろ皆さんの御意見も聞きましたが、まず第一番に、先刻のお話のうちに、療術医療行為者、療術行為をやっておる方に対しての、医者の中では、すぐそれをいかぬと言って、反対する人がかなりいわしないかというようなお話もあったようですが、事実は、われわれといたしましては、全部の方を、療術行為を否定しているわけじゃありません。まず第一番に、やはり医学的によく診察して、そしてよく見てみないというと、案外何でもないと思ってあん摩をしてもらっておったり、あるいは指圧してもらっておった方が、案外ひどい大きな重症を中に持っておって、その後発見されたときには、手術の時期を逸してしまうという場合があるから、それで反対ではなしに、ある場合には、それをすぐそのまま認めてはならぬというようなことを言っておるだけで、絶対に反対しておるわけじゃないのであります。
 私が、ただいま立ちまして、一つ申し上げてみたいと思いますのは、このあん摩、はり、きゅう、柔道整復師問題が出まして以来、私もいつもこの席におって、いろいろそれに参加しているのですが、ことに今回三年間延長されたにかかわらず、聞くところによると、なお徹底的にすべての方面にお調べができなかったり、あるいは特例試験にいたしましても、十分それが行なわれておらなかったために、今でも無免許とかあるいは無届けの者がたくさんいる。しかも、だんだんと無届けの者がふえているというようなうわさも聞きますので、今回こそ、今政務次官が言われたように、石の上にも三年というのですが、今度のときこそ、実際にこの三年間においていろいろと研究をされ、あるいは療術行為の方もどういう場合にはいかぬとかいうこともきめまして、ことに指圧の方面とかいうのには、これを、この前も少し教育をいたしまして、講習をして、いわゆるあん摩の方に進めていく、あん摩という業態の身分を持ってもらえば、その仕事ができるのですから、やってもらいたい。聞くところによると、まだ四、五千ぐらいの方が免状もとらずにやっているのですから、この機会に一つぜひ厚生省としても大いに特例試験をやるとか、あるいは講習をするとかいうような方面に御尽力を願えれば、この三年間というのを延ばしてもよくはないかと思っております。
○阿具根登君 関連して、次官に一点だけ聞いておきますが、今デパートヘお行きになると、五千円か、たしか五千五百円という電気の機械があります。一般の人はそういうものは買えない。買える人が自分で買って、そうして買えない人に百円なら百円で治療していいかどうか、ちょっと聞いておきます。憲法論からやって下さい。いいかどうか、できないならどういう理由でできないか。
○説明員(黒木利克君) 先生方のいろいろの御意見ごもっともだと思います。実は、最高裁の判決につきましても、多数意見と少数意見がございまして、当時の裁判長の田中耕太郎という裁判官は、この判決については反対だということを漏らされているような次第でございます。従って、いろいろ問題がありますが、一応多数意見ということで、われわれも判決に従わざるを得ないというふうに考えておりますが、先ほど申されましたデパートのあん摩器具といいますか、これは、それを反復、業とする場合に届け出をしてなければ、これは届出医業類似行為の違反でございますから、今までは法律上は処罰の対象になるのでありますが、しかし、人体に危害を及ぼすおそれがあるという場合しか処罰ができないという判決でございます。
○阿具根登君 最高裁の判決はそれをいってない。だれでもできるのです。だから何もならぬというのです。
○説明員(黒木利克君) 説明が足りませんでしたが、先ほど申しましたように、医業類似行為を二つに分けまして、あん摩とかはり師とかきゅう師とかいう人たちのやるものも、広い意味の医業類似行為でございますが、判決のいっている医業類似行為というのは、そういうものではなしに、届出医業類似行為を経過的にだけ認めている。医業類似行為というのが判決の対象になっているのであります。従って、いわゆる届出医業類似行為の違反につきまして、人体に危害のない場合は処罰ができない、こういうことでありまして、あんま摩、はり師、きゅう師の方はしっかりした身分法規がございまして、これの違反はもぐりとして処罰される、これは従来通り変わりはないのであります。
○阿具根登君 それは聞いてない。そういうと、さっきの蒸し返しになって、憲法論から離れているということです。
○小柳勇君 今のに関連した問題から先に質問いたしますが、昨年の三月二十九日のこの委員会で、私、坂本委員、高野委員などの質問がありまして、そのときに、江間医事課長が、最高裁の判決の問題が出た直後でありましたので、こういう答弁をしております。「最近これらの者の取り締まりにつきまして、最高裁判所から非常に従来と違った種類の判例が出されまして、かいつまんで申し上げますと、医療類似行為については、何人もやってならないわけでございますが、これを無届けの者がやりました場合には、無届けというだけで処罰されていたのが従来の慣行だったのでございますが、今度の最高裁の判例によりますと、身体に有害のおそれがなければ、無届けの医療類似行為をやっても処罰できないというような新しい判例が出て参りました。」と、こう書いてある。これは今はっきりあなたは二つ分けて言いましたけれども、この方がすっきりしているわけですね。従って、こういうものであるならば、法律を作っても取り締まりができないではないかと論争いたしました。そこで盛んに論争いたしました結論として、高野委員が、そのような判例が出て、厚生省は今後一体どうするのか、その問題については国会で作られた法律を、最高裁が判決を出したからといって、行政当局が取り締まりができないようではしょうがないから、早急に社会労働委員会、法務委員会など合同委員会を開いて、最高裁からも呼んで意見を聞いて、何らかの処置をしたいと。そうして当時の加藤委員長がこれを確認されておるわけです。従って、私は今まで答弁を聞いておりますと、最高裁の事務局から厚生省に回答があったようでして、その回答の扱いをどうしたか。たとえば国会に報告されたか、あるいはそれを下級機関に、あなた方の出先機関に通達して、最高裁の真意はこうだ、従ってこうしろというような示達をして取り締まりをされておるのかどうか、具体的に御答弁を願いたいと思います。
○説明員(黒木利克君) 先ほど申しましたように、三十五年の一月に最高裁の判決がありまして、私の方も最初の感じでは
医業類似行為というのは非常に広い意味に解しているらしい、そうすると無免許あん摩取り締まりも、人体に危害がない限りはできないんだという解釈もされて、これでは大へんだということで、最高裁に確かめに行ったわけであります。その結果、ここでいう医業類似行為は、あん摩とか、はり師とか、きゅう師の行為は入らない。これはいわゆる医業類似行為であって、狭い意味の届出の医業類似行為に限るのだというような回答でございました。従いまして、それに基づきまして同年の三月三十一日付で医務局長から知事あてに通知をいたしまして、そういう誤解があるけれども、その誤解は最高裁のこういうような事務当局の解釈ではっきりした、従って、これはあん摩とかはり師とかという従来の無免許のこういうものの取り締まりの方針に何ら関係がない、これは従来通り無免許あん摩取り締まりは厳重にやるのだから、やるようにと。それからもう一つ、医業類似行為の、それでは実際に届出をしておるものに何らの意味がないではないかというような考え方がございますが、ただこの判決がありましたけれども、やはり人体に危害があるおそれがある場合がありますから、予防的な施策をやらなくてはなりませんから、保健所におきましてはこういうような無届の医業類似行為業者に対してもたえず監視をしなければなりません。従いまして、そういう意味の監視はいたすわけでございますから、もし届出医業類似行為業者がこの判決によって何ら自分たちに身分の保障の意味がないんだというような誤解につきましては、それを今のような私たちの解釈で、この通知によって誤解を解こうという努力をいたしたわけでございます。
○小柳勇君 知事には昨年の三月三十一日に通知を出されたようでありますが、保健所長などに意見を聞いてみますと、最高裁の判決が出ましたので、取り締まりもできません、こう漏らしておるのが実情ですが、その後知事から何か回答があったか、あるいはそういうものに将来あなた方はどう対処していかれるか聞いておきたいと思います。
○説明員(黒木利克君) 問題は人体に危害があるかないかという判定の問題になりますが、保健所におきましては、人体に危害が確実にありそうだという場合におきましては、予防的な意味で注意をしたり、そうすることは行政措置としてできるわけでございますから、そういうことを指導しておるわけでございます。従って、無届の医業類似行為業者は、保健所なり、あるいは警察署長から、いつ、どのような措置を受けるかもわからぬというような心理的な不安はあるわけでございまして、届出医業類似行為業者はそういう不安はないわけでございます。ただ、この判定を一体だれが、どこで、どうするかというような問題がございますので、これは今後いろいろ検討しなければならぬ、現に検討いたしておるわけでございますが、しかし歴然と人体に危害がありそうだというような場合には、予防的な意味でいろいろ指導をするということは当然行政当局としてできるわけでございますから、そういう点を励行さして参りたい、かように考えております。

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