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2008年3月

無免許あん摩師の取り締り等について無免許あん摩師の取り締り等について発医第一六六号

○無免許あん摩師の取り締り等について
(昭和三二年一一月二〇日)
(発医第一六六号)
(各都道府県知事あて厚生省医務局長通知)

最近、都会、温泉地等において、無資格であん摩業を営む者が増加する傾向がうかがわれ、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法の適正な運用を期するうえからも放置し難い状態を惹起している。
かかる無資格あん摩業については、第二十二特別国会において、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法の一部改正が行なわれた際の衆、参両院社会労働委員会の附帯決議においても、その根絶を要望されたところであるが、かかる事態の根絶を期するためには、あん摩師の業界等に対し必要な指導を強化するとともに、これと併行して無免許あん摩師の取締を徹底することが必要であると思われるので、概ね左記事項に配意のうえ遺憾なきを期せられたい。
なお、本件については警察庁とも打合済みであるから申し添える。

                                                                  記
1 都道府県衛生主管部局は、都道府県警察当局との連絡を密にし、衛生主管部局の行う行政指導と警察取締とが下部機関に至るまで有機的に連携して行なわれるよう配意し、総合的効果をあげるよう努めること。

2 温泉地、観光地その他無免許あん摩師の多い地域に重点を置いて、あん摩業界の実態把握に努め実情に応じ適切な指導方策を講ずるとともに警察取締上必要と認められる資料情報等は努めてこれを都道府県警察当局に提供し、効率的な取締が行なわれるよう協力すること。
なお、衛生主管部局において無免許あん摩師に関する事犯を認知した場合には、証拠となる資料をできる限り詳細に整備したうえ、警察当局に対し告発の措置をとること。

3 最近免許所有者で、免許を有しない若い婦女子を雇傭し、住込みその他により短時間の施術の手ほどきをし、旅館、料亭等に出張させて施術を行わしめ、その報酬を一定の割合で分配しているものがあるが、この種業者については、無資格あん摩業の共犯としての告発、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法第九条による業務の停止又は免許の取消の行政処分等の措置を行うこと。なお、いわゆるトルコ風呂等において行われるもみ、たたき等の行為であっても時間、刺戟の強さ等から総合的に判断してあん摩行為と認められる場合があるが、かかる行為を業として無資格者が行うことはあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法第一条の規定違反に該当するので、この種の業務を行っている者に対しては、実情に応じ、警告を発し、又は告発等の措置をとること。

4 あん摩師の学校又は養成施設の生徒が免許を受ける以前において施術を業として行うことは明らかに、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法に違反するものであるから、管内所在のあん摩師養成施設の長に対しかかる行為を行わせないよう連絡指導し、その絶無を期すること。

5 あん摩業の実態を把握し、あわせて無免許あん摩師の取締りに資するため、衛生主管部局において業者団体と連絡をとり、例えば、免許所有者に対して、免許証の写又は免許所有証明書等免許者であることを証明する証票を発行し、営業に際してこれを携行させる等の措置を考慮すること。

6 無免許あん摩師の絶滅を期するためには主要な需要先である旅館、料亭等の営業者の協力に俟つところが多いので、その積極的な協力を要請し、無免許あん摩師と知りながらこれを客に仲介し、施術を行わせることのないよう徹底した指導を行うとともに、衛生主管部局においてこれら業者に対して免許所有者であるか否かを識別するための資料として当該地区の免許所有者名簿を作製配布する等の措置を考慮すること。

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あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法違反被告事件

関係法規 関係法規

著者:医事法制研究会
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事件番号昭和29(あ)2861
事件名あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法違反被告事件
裁判年月日昭和36年02月15日
法廷名最高裁判所大法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集巻・号・頁第15巻2号347頁

原審裁判所名大津簡易裁判所   
原審事件番号
原審裁判年月日

判示事項あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復法第七条の合憲性
裁判要旨あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復法第七条は、憲法第一一条ないし第一三条、第一九条、第二一条に違反しない。
(補足意見および少数意見がある。)
参照法条あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法7条,憲法11条,憲法12条,憲法13条,憲法19条,憲法21条
      

主    文
    本件上告を棄却する。
    当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         
理    由
 被告人の上告趣意について。
 あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法七条は、あん摩、はり、きゆう等の業務又は施術所に関し、いかなる方法によるを問わず、同条一項各号に列挙する事項以外の事項について広告することを禁止し、
同項により広告することができる事項についても、施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならないものとしている。そして本件につき原審の適法に認定した事実は、被告人はきゆう業を営む者であるところその業に関しきゆうの適応症であるとした神経痛、リヨウマチ、血の道、胃腸病等の病名を記載
したビラ約七〇三〇枚を判示各所に配布したというのであつて、その記載内容が前記列挙事項に当らないことは明らかであるから、右にいわゆる適応症の記載が被告人の技能を広告したものと認められるかどうか、
またきゆうが実際に右病気に効果があるかどうかに拘らず、被告人の右所為は、同条に違反するものといわなければならない。
 論旨は、本件広告はきゆうの適応症を一般に知らしめようとしたものに過ぎないのであつて、何ら公共の福祉に反するところはないから、同条がこのような広告までも禁止する趣旨であるとすれば、同条は憲法一一条ないし一三条、一九条、二一条に違反し無効であると主張する。しかし本法があん摩、はり、きゆう等の業務又は施術所に関し前記のような制限を設け、いわゆる適応症の広告をも許さないゆえんのものは、もしこれを無制限に許容するときは、患者を吸引しようとするためややもすれば虚偽誇大に流れ、一般大衆を惑わす虞があり、その結果適時適切な医療を受ける機会を失わせるような結果を招来することをおそれたためであつて、このような弊害を未然に防止するため一定事項以外の広告を禁止することは、国民の保健衛生上の見地から、公共の福祉を維持するためやむをえない措置として是認されなければならない。されば同条は憲法二一条に違反せず、同条違反の論旨は理由がない。
 なお右のような広告の制限をしても、これがため思想及び良心の自由を害するものではないし、また右広告の制限が公共の福祉のために設けられたものであることは前示説明のとおりであるから、右規定は憲法一一ないし一三条及び一九条にも違反せず、この点に関する論旨も理由がない。
 よつて刑訴四一四条、三九六条、一八一条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は、裁判官垂水克己、同河村大助の補足意見、裁判官斎藤悠輔、同藤田八郎、同河村又介、同奥野健一の少数意見があるほか裁判官全員一致の意見によるものである
 裁判官垂水克己の補足意見は次のとおりである。
 心(意思)の表現が必ずしもすべて憲法二一条にいう「表現」には当らない。財産上の契約をすること、その契約の誘引としての広告をすることの如きはそれである。アメリカては憲法上思想表現の自由、精神的活動の自由と解しこれを強く保障するが、経済的活動の自由はこの保障の外にあるものとされ、これと同じには考えられていないようである。
 本法に定めるきゆう師等の業務は一般に有償で行われるのでその限りにおいてその業務のためにする広告は一の経済的活動であり、財産獲得の手段であるから、きゆう局的には憲法上財産権の制限に関連する強い法律的制限を受けることを免れない性質のものである。この業務(医師、殊に弁護士の業務も)は往々
継続的無料奉仕として行われることも考えられる。しかし、それにしても専門的知識経験あることが保障されていない無資格者がこれを業として行うことは多数人の身体に手を下しその生命、健康に直接影響を与える仕事であるだけに(弁護士は人の権利、自由、人権に関する大切な仕事をする)公共の福祉のため危険であ
り、その業務に関する広告によつて依頼者を惹きつけるのでなく「桃李もの言わねども下おのづから蹊をなす」ように、無言の実力によつて公正な自由競争をするようにするために、法律で、これらの業務を行う者に対しその業務上の広告の内容、方法を適正に制限することは、経済的活動の自由、少くとも職業の自由の制
限としてかなり大幅に憲法上許されるところであり、本法七条にいう広告の制限もかような制限に当るのである。そのいずれの項目も憲法二一条の「表現の自由」の制限に当るとは考えられない。とはいえ、本法七条広告の制限は余りにも苛酷ではなかろうか、一般のきゆう師等の適応症を広告すること位は差支ないではないか、外科医に行かず近所の柔道整復師で間に合うことなら整復師に頼みたいと思う人には整復師の扱う適応症が広告されていた方がよいのではないか、といつたような疑問は起こる。また、本法七条が適応症の広告を禁止した法意は、きゆう師等が(善意でも)適応症の範囲を無暗に拡大して広告し、広告多ければ患者多く集まるという、不公正な方法で同業者または医師と競争し、また、重態の患者に厳密な医学的診断も経ないで無効もしくは危険な治療方法を施すようなことを防止し、医師による早期診断早期治療を促進しようとするにあるようにも思える。とすれば憲法三一条に違反する背理な刑罰法規ともいえないのではないか。
 とに角、本法七条広告の禁止は憲広二一条に違反しない。むしろ同条の問題ではない。だから、この禁止条項が適当か否かは国会の権限に属する立法政策の問題であろう。
 裁判官河村大助の補足意見は次のとおりである。
 原判決の確定した事実関係の要旨は、被告人はきゆう業を営むものであるところ、きゆうの適応症であるとした神経痛、リヨウマチ、血の道、胃腸病等の病名を記載したビラ約七〇三〇枚を配付し以て法定の事項以外の事項について広告したというのである。
 そこで右認定の証拠となつた押収の広告ビラ(特に証二、五号)を見るに(一)a町の大野灸と題し、施術所の名称、施術時間等あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法(以下単に法と略称する)第七条一項に
おいて許された広告事項の記載が存するの外(二)きゆうの適応症として数多くの疾病が記載され更にその説明が附記されている。例えば「灸の効くわけ」として、「○熱いシゲキは神経に強い反応を起し、体の内臓
や神経作用が、興奮する○血のめぐりが良くなり、血中のバイ菌や病の毒を消すメンエキが増へる○それ故体が軽く、気持が良くなりよく寝られる、腹がへる等は灸をした人の知る所である◎(注射や服薬で効かぬ人は灸をすると良い)」「人体に灸ツボ六百以上あり、病によつてツボが皆違ふ故ツボに、すえなければ効果は
ない」等の説明が附記されている。しかして右のようにきゆう業者の広告に適応症としての病名やその効能の説明が(一)の許された広告事項に併記された場合には、その広告は法第七条二項の「施術者の技能」に関する事項にわたり広告したものということかできる。蓋しきゆうは何人が施術するも同様の効果を挙げ得るものではなく、それぞれの疾病に適合したツボにすえることによつて効果があるものであるから、施術者又は施術所ときゆうの適応症を広告することは、その施術者の技能を広告することになるものと解し得るからである。 されば本件広告は法第七条二項に違反するものというべく、この点の原判示はやや簡略に過ぎる嫌いはあるが、要するに本件ビラの内容には適応症及びその説明の記載があつて施術者の技能に関する事項に
わたる広告をした事実を認定した趣旨と解し得られるから、同法七条違反に問擬した原判決は結局相当である。
 広告の自由が憲法二一条の表現の自由に含まれるものとすれば、昭和二六年法律第一一六号による改正に当り法第七条一項において一定事項以外の広告を原則的に禁止するような立法形式をとつたことにつ
いては論議の余地があろう。しかし、同条二項は旧法第七条の規定の趣旨をそのまま踏襲したものであつて、即ち施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項は、患者吸引の目的でなす、きゆう業広告の眼目
であることに着眼し、これを禁止したものと見られるから、第一項の立法形式の当否にかかわりなく、独立した禁止規定として、その存在価値を有するものである。そこで本件被告人の所為が既述の如く右第二項の施術者の技能に関する広告に該当するものである以上本件においては、右第二項の禁止規定が表現の自由の合理的制限に当るかどうかを判断すれば足りるものと考えられる。ところで右第二項の立法趣旨は、技
能、施術方法又は経歴に関する広告が患者を吸引するために、ややもすれば誇大虚偽に流れやすく、そのために一般大衆を惑わさせる弊害を生ずる虞れがあるから、これを禁止することにしたものと解せられる。さ
れば右第二項の禁止規定は広告の自由に対し公共の福祉のためにする必要止むを得ない合理的制限ということができるから、憲法二一条に違反するものではない。その他右規定が憲法一一条ないし一三条、一九条に違反するとの論旨も理由がない。
 裁判官斎藤悠輔の少数意見は、次のとおりである。
 わたくしは、あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法七条の立法趣旨は、多数説と同じく、「もし広告を無制限に許容するときは、患者を吸引しようとするためややもすれば虚偽誇大に流れ、一般大衆を惑わす
虞があり、その結果適時適切な医療を受ける機会を失わせるような結果を招来することをおそれたためである」と解する。従つて、広告が同条違反であるとするには、ただ形式的に同条一項各号に列挙する事項以外
の事項について広告したというだけでは足りず、さらに、現実に前記のごとき結果を招来する虞のある程度の虚偽、誇大であることを要するものといわなければならない。すなわち薬事法三四条とほぼ同趣旨に解す
るのである。
 しかるに、原判決の確定したところによれば、本件広告は、きゆうの適応症であるとした神経痛、リヨウマチ、血の道、胃腸病等の病名を記載したというだけであつて、虚偽、誇大であることは何等認定されていない
のである。そして、きゆうがかかる疾病に適応する効能を有することは顕著な事実である。従つて、本件は、罪とならないものと思う。
 多数説は、形式主義に失し、自ら掲げた立法趣旨に反し、いわば、風未だ楼に満たなのに山雨すでに来れりとなすの類であつて、当裁判所大法廷が、さきに、「あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法一二条、一四条が医業類似行為を業とすることを禁止処罰するのは、人の健康に害を及ぼす虞のある業務所為に限局する趣旨と解しなければならない」旨判示した判例(昭和二九年(あ)二九九〇号同三五年一月二七
日大法廷判決判例集一四巻一号三三頁以下)の趣旨にも違反するものといわなければならない。もし、前記七条一項各号に列挙する事項以外の事項を広告したものは、その内容の如何を問わず、すべて処罰する趣旨であると解するならば、奥野裁判官らの説くかごとく、同規定は憲法二一条に反し無効であるというべきで
ある。因に、前記七条と同形式の医療法六九条、七〇条の規定は、漢方医たる標示を禁止するもののごとくであるが(A著東洋医学とどもに一一六頁以下参照)、もし然りとすれば、かかる規定もまた憲法二一条違反と解すべきである。
 裁判官藤田八郎の少数意見は次のとおりである。
 「あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法」七条は、あん摩業、はり業、きゆう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関しては、何人も、いかなる方法によるを問わず、左に掲げる事項以外の事項について、広告をしてはならない。
一 施術者である旨並びに施術者の氏名及び住所
二 第一条に規定する業務の種類
三 施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
四 施術日又は施術時間
五 その他厚生大臣が指定する事項
 前項第一号乃至第三号に掲げる事項について広告をする場合にも、その内容は、施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならない。と規定している。
 同条が、広告の内容が施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたることを禁止していることは、合理的な理由なしとしないであろう。しかし、単なるきゆうの一般的な適応症の広告のごときは、それが虚偽誇大にわたらないかぎり、これを禁止すべき合理的な理由のないことは奥野裁判官の少数意見の説くとおりである。されば同法同条も、施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたらないかぎり、単なる一般的な適応症の広告はこれを禁じていないものと解すべきである。若し、多数意見のごとく同条は同条所定以外一切の事項の広告を禁ずるものと解するならば、同条は憲法の保障する表現の自由をおかすものとならざるを得ないことまた奧野裁判官の説くとおりである。
 しかるに、本件の起訴にかかる事実、また本件第一審判決の認定する事実は「きゆうの適応症であるとした神経痛、リヨウマチ、血の道、胃腸病等の病名を記載したビラ」「を配布し」たというのであつて、かかるきゆうの一般的な適応症の記載のごときは本法七条の禁止するところでないと解すべく、従つて本件公訴事実は
同条違反の犯罪事実を構成しないものであつて、本件に関するかぎり、同法七条の合憲なりや違憲なりやを論ずるの要はないものというべきである。本件の処理としては、第一審判決を破棄して無罪の言渡をすべきであると思う。
 裁判官奥野健一の少数意見は次のとおりである。
 広告が憲法二一条の表現の自由の保障の範囲に属するか否かは多少の議論の存するところであるが、同条は思想、良心の表現の外事実の報道その他一切の表現の自由を保障しているのであつて、広告の如きもこれに包含されるものと解するを相当とする。広告が商業活動の性格を有するからといつて同条の表現の自由の保障の外にあるものということができない。しかし、表現の自由といえども絶対無制限のものではなく、
その濫用は許されず、また公共の福祉のため制限を受けることは他の憲法の保障する基本的人権と変らない。従つて、広告がその内容において虚偽、誇大にわたる場合又は形式、方法において公共の福祉に反する場合は禁止、制限を受けることは当然のことである。
 あん摩師、はり師、きゆり師及び柔道整復師法七条は、きゆう業を営む者はその業に関しきゆう等の適応
症について一切広告することを禁止している。すなわち、虚偽、誇大にわたる広告のみならず適応症に関す
る真実、正当な広告までも一切禁止しているのであつて、これに反する者を刑罰に処することにしているのである。
 (明文上同条が正当な適応症の広告は禁止していないと解することは到底できない。)そもそも、本法はきゆう等の施術を医業類似の行為として一定の資格を有する者に対し免許によりこれを業とすることを許して
いるのである。すなわち、きゆう等の施術が何らかの病気の治療に効果のあることを認めて、その業務につき免許制を採用しているのである。従つて、その施術が如何なる病気に効能があるか、真実、正当に世間一
般に告知することは当然のことであつて、かかる真実、正当な広告まで全面的に禁止しなければならない保健、衛生上その他一般公共の福祉の観点からもその理由を発見することができない。これは正に不当に表現の自由を制限しているものという外はない。
 多数意見は、「もしこれ(広告)を無制限に許容するときは、患者を吸引しようとするためややもすれば虚偽誇大に流れ、一般大衆を惑わす虞がある」というのであるが、単に広告が虚偽誇大に流れる虞があるからといつて、真実、正当な広告までも一切禁止することは行き過ぎである。成程、取締当局としては予め一切の広告を禁止しておけば、虚偽、誇大にわたる広告も自然防止することができるであろうが、かくては正当な広
告の自由を奪うものであつて、取締当局の安易な措置によつて、正当な表現の自由を不当に制限するものである。これは恰も集団示威行進が時として公安を害する危険性を包蔵するからといつて、公安を害する直
接、明白な危険もないのに、予め一切の集団行進を禁止するのと同様であつて、到底是認することができない。このことは人命、身体こきゆう等より重大な影響を持つ医薬品についてさえ薬事法三四条が虚偽又は誇
大な広告のみを禁止しているのと対比して考えても、きゆう等について特に医薬品と区別して正当な広告までも一切禁止しなければならない合理的根拠を発見することができない。また、多数意見は「その結果適時適切な医療を受ける機会を失わせるような結果を招来する」というのであるが、若し然りとすれば、むしろ当初からきゆう等の施術の業務を禁止すべきであつて、既に医業類似行為として病気治療上効果のあることを
認めて、その業務を免許しておきながら、その施術を受けると適時適切な医療を受ける機会を失わせるとの理由で、正当な広告までも禁止することは、それ自体矛盾であるという外はない。
 なお、一切の適応症の広告が禁止されている法制を前提として、これを甘受して自ら進んで免許を受けた者であるから、今更適応症の広告禁止の違憲を主張することは許されないのではないかという疑問もあるが、かかる憲法の保障する表現の自由の制限を免許の条件とするが如きことは許されざるところどあるか
ら、かかる議論も成り立たない。
 これを要するに、本法七条が真実、正当な適応症の広告までも一切禁止したことは不当に表現の自由を制限した違憲な条章であつて無効であると断ずるの外なく、同条に則り被告人を処罰せんとする第一審判決は違憲であるから破棄を免れない。
 裁判官河村又介は、裁判官奥野健一の右少数意見に同調する。
 検察官清原邦一、同村上朝一公判出席
  昭和三六年二月一五日
     最高裁判所大法廷
            裁判官    島           保
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    高   橋       潔
            裁判官    高   木   常   七
            裁判官    石   坂   修   一
 裁判長裁判官田中耕太郎、裁判官小谷勝重は退官、裁判官垂水克己は病気につき署名押印することがで
きない。
            裁判官    島           保

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はり、きゅう、マーサージ師、柔道整復師の業務範囲等

○あん摩、はり、きゅう、柔道整復等営業法運営に関しての疑義について
(昭和二四年六月八日)
(医収第六六二号)
(岡山県知事あて厚生省医務局長回答)
照会
標記法案について左記の通り聊か疑義がありますので貴局の御意見至急承知したいので照会いたします。
1 第四条に於いて薬品授与の範囲(患部に薬品にて湿布するが如きも違反か)
2 第五条に於いて医師の同意を得ることの意味
(1) 患者が第一に医師の診察を受けて医師の紹介により施術を受けるか。
(2) 施術者自ら医師の承認を得るか。
(3) 前項の同意の場合に医師の証明書の如きもの必要なりや。(必要なりとせば其の保存期間)
3 X線について
(1) 柔道整復師が自宅(施術所)に「レントゲン」装置を設けて診療致してよろしいか。
(2) 若しいかなければ診療の方法
回答
二月七日付医第一六三号による標記の件について左の通り回答する。
1 第四条について
患部を薬品で湿布するが如きも理論上薬品の投与に含まれると解するが、その薬品使用について危険性がなく且つ柔道整復師の業務に当然伴なう程度の行為であれば許されるものと解する。
2 第五条については、医師の同意は、個々の患者が医師から得てもよく、又施術者が直接医師から得てもよいが、何れの場合でも医師の同意は患者を診察した上で与えられることを要する。それは書面であっても口答であってもよい。
3 柔道整復師がレントゲン装置を治療用に使用することは勿論許されないが、患部の状況を撮影するために用うる場合でも、レントゲン装置の取扱には相当の医学上及び電気に関する知識を要し、これが使用を誤るときは人体に危害を与えるおそれがあるので、柔道整復師がこれを使用することは適当でない。

関係法規

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耳針法による痩身法について 照会回答

○耳針法による痩身法について
(昭和五三年九月一八日)
(医事第八二号)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省医務局医事課長通知)
標記の件に関し、宮城県からの照会(別紙(1)に対し、別紙(2)のとおり回答したので通知する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

別紙(1)
(昭和五三年九月一日医第六三一号)
(厚生省医務局医事課長あて宮城県衛生部長照会)
近ごろ、美容研究所の名称で耳針法による痩身法の広告をしているものがありますが、左記の事項について照会します。
1 耳針法による痩身法は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律による施術に含まれるものであるかどうか。
2 同法による施術に含まれるときは、別添の広告は同法第七条第一項の規定による広告の制限に違反するかどうか、違反するとすれば、その理由をも併せて教示願います。

〔別添〕画像略

別紙(2)
(昭和五三年九月一八日医事第八二号)
(宮城県衛生部長あて厚生省医務局医事課長回答)
昭和五十三年九月一日付医第六三一号をもって照会のあった標記について左記のとおり回答する。
1について
痩身の目的で耳のいわゆるつを特定し、当該つに対しは(その長さは問わない)をもって刺激を与えるいわゆる耳針法による痩身法は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)(以下「法」という。)第一条に定めるはに含まれる。
2について
はり業又はその施術所に関する広告は、法第七条第一項に定める事項に限られており、これ以外の事項を記載した別添広告は同条第一項に違反する。

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あん摩マッサージ指圧はりきゅう教員養成機関及びはりきゅう教員養成機関の指定基準等について

 

あん摩マッサージ指圧はりきゅう教員養成機関及びはりきゅう教員養成機関の指定基準等について
(昭和五七年七月二〇日)
(医発第六八三号)
(各都道府県知事あて厚生省医務局長通知)
あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師に係る学校養成施設認定規則の一部を改正する省令の施行については、別途昭和五十七年七月二十日医発第六八二号本職通知をもって通知したところであるが、今般「あん摩マッサージ指圧はりきゅう教員養成機関及びはりきゅう教員養成機関指定基準」を別添1のとおり定め、更に、あん摩マッサージ指圧はりきゅう教員養成機関及びはりきゅう教員養成機関の指定の手続き等について「あん摩マッサージ指圧はりきゅう教員養成機関及びはりきゅう教員養成機関の指定手続き」(別添2)により実施することとしたので御了知の上教員養成機関を設置しようとする者に対しよろしく御指導願いたい。
なお、あん摩マッサージ指圧師はり師又はきゅう師養成施設の設置者には別途通知したので念のため申し添える。

別添1
あん摩マッサージ指圧はりきゅう教員養成機関及びはりきゅう教員養成機関指定基準
あん摩マッサージ指圧はりきゅう教員養成機関及びはりきゅう教員養成機関(以下「教員養成機関」という。)の指定基準は、次のとおりとする。
第一 あん摩マッサージ指圧はりきゅう教員養成機関
1 学校教育法第五十六条第一項に規定する者、旧中等学校令による中等学校を卒業した者又はあん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師に係る学校養成施設認定規則(昭和二十六年文部・厚生省令第二号。以下「認定規則」という。)第八条に規定する者であってあん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師の免許を有するものを入学資格とするものであること。
2 修業年限は、二年以上であること。ただし、認定規則別表第三に規定するあん摩マッサージ指圧師教員、はり師教員及びきゅう師教員を入学資格とする課程(以下「特別課程」という。)を併せて設置する場合には、その特別課程の修業年限は一年以上とすることができること。
3 授業は、昼間に行われるものであること。
4 教育の内容は、別表第1に定めるもの以上であること。ただし、特別課程にあっては、別表第2に定めるもの以上であれば差し支えないこと。
5 別表第1に掲げる各科目を教授するのに適当な数の教員を有し、かつ、そのうち三人以上は専門科目を教授する専任教員であること。
6 専任教員のうち少なくとも一人は、あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師の免許を有するものであること。
7 教員は、別紙第3の左欄に掲げる授業科目について、それぞれ同表の右欄に掲げる者であること。
8 一学級の定員は、二五名以下(主として視覚障害者を対象とする場合は、一五名以下)であること。
9 同時に授業を行う学級の数を下らない数の普通教室を有すること。
10 解剖学等のための特別教室及び施術のための実習室を有すること。
11 普通教室の数の二倍を下らない数の演習室を有すること。
12 学生の図書閲覧に必要な閲覧机を備える図書室を有すること。ただし、教員養成機があん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師養成施設(以下「養成施設」という。)に併せて設置される場合において当該養成施設に学生の図書閲覧に必要な閲覧机を備える図書室があるときには、これと兼用することができること。
13 普通教室の面積は、学生一人につき二平方メートル以上、解剖学等のための特別教室の面積、施術のための実習室の面積及び図書室の面積はそれぞれ六〇平方メートル以上、演習室の面積は三〇平方メートル以上であること。
14 標本室、管理室、消毒設備、手洗設備その他必要な施設設備を有すること。
15 校舎の配置及び構造は、9から14までに定めるもののほか、教育上、保健衛生上及び管理上適切なものであること。
16 認定規則別表第四に掲げる器械器具、模型及びその他の備品を同表に掲げる数以上有すること。
17 教育上必要な専門図書を一〇〇〇冊以上、学術雑誌を一五種類以上有すること。ただし、教員養成機関が養成施設に併せて設置される場合においては、当該養成施設が有する専門図書及び学術雑誌を兼用することができること。
18 校舎の構造設備及び図書等について視覚障害者の教育に必要な措置が講じられていること。
19 臨床実習施設として一学級の定員数の二分の一以上のベッド数を備えるあん摩、マッサージ、指圧、はり及びきゅうの業務を行う施術所を有すること。ただし、教員養成機関が、養成施設に併せて設置される場合において、当該養成施設がこれらの業務を行う施術所を有するときは、当該施術所に備えられたベッド数を前記のベッド数に加算することができること。
20 解剖学及び生理学の実習について、医科大学又は大学医学部の協力を得られること。
21 医科大学又は大学医学部の図書館の利用について当該医科大学又は大学医学部の承諾を得ていること。
22 管理及び維持経営の方法が確実であること。
第二 はりきゅう教員養成機関
1 学校教育法第五十六条第一項に規定する者、旧中等学校令による中等学校を卒業した者又は認定規則第八条に規定する者であって、はり師及びきゅう師の免許を有するものを入学資格とするものであること。
2 修業年限は、二年以上であること。ただし、認定規則別表第三に規定するはり師教員及びきゅう師教員を入学資格とする課程(以下「はりきゅう教員特別課程」という。)を併せて設置する場合には、そのはりきゅう教員特別課程の修業年限は、一年以上とすることができること。
3 教育の内容は、別表第4に定めるもの以上であること。ただし、はりきゅう教員特別課程にあっては、別表第2に定めるもの以上であれば差し支えないこと。
4 別表第4に掲げる各科目を教授するのに適当な数の教員を有し、かつ、そのうち三人以上は専門科目を教授する専任教員であること。
5 専任教員のうち少なくとも一人は、はり師及びきゅう師の免許を有する者であること。
6 教員は、別表第3の左欄に掲げる科目(あん摩マッサージ指圧理論及びあん摩マッサージ指圧実技を除く。)について、それぞれ同表の右欄に掲げる者であること。
7 臨床実習施設として一学級の定員数の二分の一以上のベッド数を備えるはり及びきゅうの業務を行う施術所を有すること。
ただし、教員養成機関が養成施設に併せて設置される場合において、当該養成施設がこれらの業務を行う施術所を有するときは、当該施術所に備えられたベッド数を前記ベッド数に加算することができること。
8 第一の3、8から18まで及び20から22までに該当するものであること。

別表第1

科目
時間数
講義
演習
実習
基礎科目
人文科学
30
   
30
社会科学
30
   
30
自然科学
30
   
30
保健体育
15
 
45
60
外国語
30
60
 
90
教育学
教育原理
60
   
60
教員心理
60
   
60
教育技法
60
30
 
90
教育実習
   
90
90
教育法規
15
   
15
専門科目
基礎医学
解剖学
60
 
45
105
生理学
60
 
45
105
病理学
90
   
90
衛生学
45
   
45
生化学
45
   
45
臨床科目
診察概論
90
   
90
臨床総論及び臨床各論
150
120
 
270
漢方概論
75
   
75
経穴概論
45
30
 
75
あん摩マッサージ指圧理論
30
   
30
はり理論
45
   
45
きゅう理論
30
   
30
臨床実
あん摩マッサーじ指圧実技
   
135
135
はり実技
   
135
135
きゅう実技
   
135
135
関連科目
医事法規・関係法規
60
   
60
医学史
30
   
30
経営管理学
30
   
30
統計学
15
   
15
1,230
240
630
2,100

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○柔道整復師学校養成施設指定規則

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柔道整復師学校養成施設指定規則
(昭和四十七年五月十三日)
(/文部省/厚生省/令第二号)
柔道整復師法施行令(昭和四十五年政令第二百十七号)第七条第四号及び第九条の規定に基づき、柔道整復師学校養成施設指定規則を次のように定める。
柔道整復師学校養成施設指定規則
(この省令の趣旨)
第一条 柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号。以下「法」という。)第十二条の規定に基づく学校又は柔道整復師養成施設(以下「養成施設」という。)の指定に関しては、柔道整復師法施行令(平成四年政令第三百二号。以下「令」という。)に定めるもののほか、この省令の定めるところによる。
2 前項の学校とは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校及びこれに附設される同法第八十二条の二に規定する専修学校又は同法第八十三条に規定する各種学校をいう。
(昭五一文厚令一・平元文厚令五・平一二文厚令二・一部改正)
(指定基準)
第二条 令第二条の主務省令で定める基準は、次のとおりとする。
一 学校教育法第五十六条第一項の規定により大学に入学することができる者(法第十二条第一項に規定する文部科学大臣の指定を受けようとする学校が大学である場合において、当該大学が学校教育法第五十六条第二項の規定により当該大学に入学させた者又は同法第一条に規定する学校以外の学校若しくは養成施設にあつては、法附則第十一項の規定により大学に入学することができる者とみなされる者を含む。)であることを入学又は入所の資格とするものであること。
二 修業年限は、三年以上であること。
三 教育の内容は、別表第一に定めるもの以上であること。
四 学校又は養成施設の長は、専ら学校又は養成施設の管理の任に当たることができる者であり、かつ、柔道整復師の教育又は養成に適当であると認められる者であること。
五 別表第一教育内容の欄に掲げる各教育内容を教授するのに適当な数の教員を有すること。
六 教員は、別表第二の上欄に掲げる教育内容について、それぞれ同表の下欄に掲げる者であること。
七 教員のうち五人(一学年に三十人を超える定員を有する学校又は養成施設にあつては、その超える数が三十人までを増すごとに一を加えた数)以上は、別表第二専門基礎分野の項各号若しくは同表専門分野の項第二号に掲げる者又はこれと同等以上の知識及び経験を有する者である専任教員(以下「専任教員」という。)であること。ただし、専任教員の数は、当該学校又は養成施設が設置された年度にあつては三人(一学年に三十人を超える定員を有する学校又は養成施設にあつては、その超える数が三十人までを増すごとに一を加えた数)、その翌年度にあつては四人(一学年に三十人を超える定員を有する学校又は養成施設にあつては、その超える数が三十人までを増すごとに一を加えた数)とすることができる。
八 一学級の生徒の定員は三十人以下であること。
九 同時に授業を行う学級の数を下らない数の普通教室を有すること。
十 基礎医学実習室及び実技実習室を有すること。
十一 普通教室の面積は生徒一人につき一・六五平方メートル以上、基礎医学実習室の面積は生徒一人につき三・三一平方メートル以上、実技実習室の面積は一ベツドにつき六・三平方メートル以上であること。
十二 実習室は、ロツカールーム又は更衣室及び消毒設備を有すること。
十三 校舎の配置及び構造は、第九号から前号までに定めるもののほか、教育上、保健衛生上及び管理上適切なものであること。
十四 教育上必要な器械器具、標本及び模型、図書並びにその他の備品を有すること。
十五 専任の事務職員を有すること。
十六 管理及び維持経営の方法が確実であること。
(昭五一文厚令二・平元文厚令五・平一一文厚令四・一部改正、平一二文厚令二・旧第四条繰上・一部改正、平一二文厚令四・平一三文科令八〇・一部改正)
(指定の申請書に添える書類の記載事項)
第三条 令第三条の申請書には、次に掲げる事項(地方公共団体(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人を含む。)の設置する学校又は養成施設にあつては、第十号に掲げる事項を除く。)を記載した書類を添えなければならない。
一 設置者の氏名及び住所(法人にあつては、名称及び主たる事務所の所在地)
二 名称
三 位置
四 設置年月日
五 学則
六 長の氏名及び履歴
七 教員の氏名、履歴及び担当科目並びに専任又は兼任の別
八 校舎の各室の用途及び面積並びに建物の配置図及び平面図
九 教授用及び実習用の器械器具、標本、模型、図書その他の備品の目録
十 収支予算及び向こう二年間の財政計画
2 令第九条の規定により読み替えて適用する令第三条の書面には、前項第二号から第九号までに掲げる事項を記載した書類を添えなければならない。
(平一二文厚令二・追加、平一六文科厚労令四・一部改正)
(変更の承認又は届出を要する事項)
第四条 令第四条第一項(令第九条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の主務省令で定める事項は、前条第一項第五号に掲げる事項(修業年限、教育課程及び生徒の定員に関する事項に限る。)又は同項第八号に掲げる事項とする。
2 令第四条第二項の主務省令で定める事項は、前条第一項第一号から第三号までに掲げる事項又は同項第五号に掲げる事項(修業年限、教育課程及び生徒の定員に関する事項を除く。次項において同じ。)とする。
3 令第九条の規定により読み替えて適用する令第四条第二項の主務省令で定める事項は、前条第一項第二号若しくは第三号に掲げる事項又は同項第五号に掲げる事項とする。
(平一二文厚令二・追加)
(報告を要する事項)
第五条 令第五条(令第九条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の主務省令で定める事項は、次のとおりとする。
一 当該学年度の学年別生徒数
二 前学年度の卒業者数
三 前学年度における教育の実施状況の概要
四 前学年度における経営の状況及び収支決算
(平六文厚令一・平一二文厚令二・一部改正)
(指定取消しの申請書等に添える書類の記載事項)
第六条 令第八条の申請書又は令第九条の規定により読み替えて適用する令第八条の書面には、次に掲げる事項を記載した書類を添えなければならない。
一 指定の取消しを受けようとする理由
二 指定の取消しを受けようとする予定期日
三 在学中の生徒があるときは、その措置
(平元文厚令五・旧第七条繰下、平一二文厚令二・旧第八条繰上・一部改正)
附 則
(施行期日)
1 この省令は、公布の日から施行する。
(経過規定)
2 この省令の施行前に柔道整復師養成施設に関してなされた変更の承認その他の行為は、それぞれ、この省令の相当規定によつてなされたものとみなす。
3 この省令の施行前に附則第六項の規定による改正前のあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師及び柔道整復師に係る学校養成施設認定規則(昭和二十六年/文部/厚生/省令第二号)の規定により厚生大臣の指定した講習会又は教員講習会は、それぞれこの省令の相当規定により厚生労働大臣の指定した講習会又は教員講習会とみなす。
(平一二文厚令五・一部改正)
附 則 (昭和五一年一月一〇日/文部省/厚生省/令第一号)
この省令は、学校教育法の一部を改正する法律(昭和五十年法律第五十九号)の施行の日(昭和五十一年一月十一日)から施行する。
附 則 (昭和五一年一月二八日/文部省/厚生省/令第二号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、昭和五十一年四月一日から施行する。
(経過措置)
2 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第二条第一項に基づく認定(以下「認定」という。)を受けた学校若しくは養成施設又は柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第十二条に基づく指定(以下「指定」という。)を受けた学校若しくは柔道整復師養成施設において、昭和五十一年三月三十一日以後引き続きあん摩マツサージ指圧師、はり師若しくはきゆう師又は柔道整復師となるのに必要な知識及び技能を修習中の者に係る授業科目の授業時間数は、この省令による改正後のあん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則(以下「認定規則」という。)別表第一及び別表第二並びに柔道整復師学校養成施設指定規則(以下「指定規則」という。)別表第一及び別表第二にかかわらず、なお従前の例によることができる。
3 この省令の施行の際現に認定を受けている学校若しくは養成施設又は指定を受けている学校若しくは、柔道整復師養成施設については、この省令による改正後の認定規則別表第四及び指定規則別表第四にかかわらず、昭和五十四年三月三十一日までの間は、なお従前の例によることができる。
附 則 (昭和五三年八月一日/文部省/厚生省/令第一号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成元年九月二九日/文部省/厚生省/令第五号)
(施行期日)
1 この省令は、平成二年四月一日から施行する。
(経過規定)
2 この省令の施行の際現に存する指定施設については、平成五年三月三十一日までは、この省令による改正後の柔道整復師学校養成施設指定規則(以下「新令」という。)第四条第七号の規定中「四人(当該学校又は養成施設が設置された年度にあつては二人、その翌年度にあつては三人)以上」とあるのを「三人以上」と読み替えて適用する。
3 この省令の施行の際現に存する指定施設については、平成七年三月三十一日までは新令第四条第十一号の規定は適用しない。
4 柔道整復師法の一部を改正する法律(昭和六十三年法律第七十二号)附則第六条の規定により、主務大臣の指定がなお効力を有することとされる指定施設については、新令第七条の規定は、同条中「第四条」とあるのを「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の一部を改正する法律及び柔道整復師法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整理に関する政令(平成元年政令第二百三十九号)第一条の規定による廃止前の柔道整復師法施行令(昭和四十五年政令第二百十七号)第七条」と読み替えて適用する。
附 則 (平成六年三月三〇日/文部省/厚生省/令第一号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成一一年六月一日/文部省/厚生省/令第四号)
(施行期日)
1 この省令は、公布の日から施行する。
(経過規定)
2 この省令の施行の際現に指定を受けている学校又は養成施設及び柔道整復師学校養成施設指定規則第二条の規定により主務大臣に対して行われている申請に係る学校又は養成施設における専任教員の数については、この省令による改正後の第四条第七号の規定にかかわらず、平成十六年五月三十一日までの間は、なお従前の例によることができる。
附 則 (平成一二年三月二九日/文部省/厚生省/令第二号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、平成十二年四月一日から施行する。
附 則 (平成一二年三月三一日/文部省/厚生省/令第四号)
(施行期日)
1 この省令は、平成十二年四月一日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の際現に指定を受けている学校又は柔道整復師養成施設において柔道整復師として必要な知識及び技能を修得中の者に係る教育の内容については、この省令による改正後の別表第一の規定にかかわらず、なお従前の例によることができる。
附 則 (平成一二年一〇月二〇日/文部省/厚生省/令第五号)
この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。
附 則 (平成一三年一一月二七日文部科学省令第八〇号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、平成十四年四月一日から施行する。
附 則 (平成一四年二月二二日/文部科学省/厚生労働省/令第一号)
この省令は、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律の施行の日(平成十四年三月一日)から施行する。
附 則 (平成一六年三月三一日/文部科学省/厚生労働省/令第四号)
この省令は、平成十六年四月一日から施行する。
附 則 (平成一八年三月三一日/文部科学省/厚生労働省/令第一号)
この省令は、臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の一部を改正する法律及び臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律施行令の一部を改正する政令の施行の日(平成十八年四月一日)から施行する。
附 則 (平成一九年三月三〇日/文部科学省/厚生労働省/令第一号)
この省令は、平成十九年四月一日から施行する。

別表第一(第二条関係)
(平一二文厚令四・全改、平一四文科厚労令一・平一八文科厚労令一・一部改正)
教育内容
単位数
基礎分野
科学的思考の基盤
十四
 
人間と生活
 
専門基礎分野
人体の構造と機能
十三
 
疾病と傷害
十二
 
保健医療福祉と柔道整復の理念
専門分野
基礎柔道整復学
 
臨床柔道整復学
十四
 
柔道整復実技(臨床実習を含む。)
十六
合計
八十五
備考
一 単位の計算方法は、大学設置基準(昭和三十一年文部省令第二十八号)第二十一条第二項の規定の例による。
二 学校教育法に基づく大学若しくは高等専門学校、旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)に基づく大学又はあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第二条第一項の規定により認定されている学校若しくは養成施設、保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第二十一条第一号若しくは第二号の規定により指定されている学校若しくは看護師養成所、歯科衛生士法(昭和二十三年法律第二百四号)第十二条第一号若しくは第二号の規定により指定されている歯科衛生士学校若しくは歯科衛生士養成所、診療放射線技師法(昭和二十六年法律第二百二十六号)第二十条第一号の規定により指定されている学校若しくは診療放射線技師養成所、臨床検査技師等に関する法律(昭和三十三年法律第七十六号)第十五条第一号の規定により指定されている学校若しくは臨床検査技師養成所、理学療法士及び作業療法士法(昭和四十年法律第百三十七号)第十一条第一号若しくは第二号の規定により指定されている学校若しくは理学療法士養成施設若しくは同法第十二条第一号若しくは第二号の規定により指定されている学校若しくは作業療法士養成施設、視能訓練士法(昭和四十六年法律第六十四号)第十四条第一号若しくは第二号の規定により指定されている学校若しくは視能訓練士養成所、臨床工学技士法(昭和六十二年法律第六十号)第十四条第一号、第二号若しくは第三号の規定により指定されている学校若しくは臨床工学技士養成所、義肢装具士法(昭和六十二年法律第六十一号)第十四条第一号、第二号若しくは第三号の規定により指定されている学校若しくは義肢装具士養成所、救急救命士法(平成三年法律第三十六号)第三十四条第一号、第二号若しくは第四号の規定により指定されている学校若しくは救急救命士養成所若しくは言語聴覚士法(平成九年法律第百三十二号)第三十三条第一号、第二号、第三号若しくは第五号の規定により指定されている学校若しくは言語聴覚士養成所において既に履修した科目については、免除することができる。
三 複数の教育内容を併せて教授することが教育上適切と認められる場合において、柔道整復実技(臨床実習を含む。以下同じ。)十六単位以上及び柔道整復実技以外の教育内容六十九単位(うち基礎分野十四単位以上、専門基礎分野三十二単位以上及び専門分野二十三単位以上)であるときは、この表の教育内容ごとの単位数によらないことができる。

別表第二(第二条関係)
(平一二文厚令四・全改、平一二文厚令五・平一九文科厚労令一・一部改正)
基礎分野
教授するのに適当と認められる者
専門基礎分野
次の各号のいずれかに該当する者であつて教育内容に関し相当の経験を有するもの又はこれと同等以上の知識及び経験を有する者
一 医師
二 教育職員免許法施行規則(昭和二十九年文部省令第二十六号)第六十三条に規定する特別支援学校の理療の教科の普通免許状を有する者
三 柔道整復師の免許を取得してから三年以上実務に従事した後、厚生労働大臣の指定した教員講習会を修了した者(保健医療福祉と柔道整復の理念を教授する場合に限る。)
専門分野
次の各号のいずれかに該当する者であつて教育内容に関し相当の経験を有するもの又はこれと同等以上の知識及び経験を有する者
一 医師
二 柔道整復師の免許を取得してから三年以上実務に従事した後、厚生労働大臣の指定した教員講習会を修了した者

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救急救命士法

民間救急救命士の使命と実態―命の現場24時!!

○救急救命士法
(平成三年四月二十三日)
(法律第三十六号)
第百二十回通常国会
第二次海部内閣
救急救命士法をここに公布する。
救急救命士法
目次
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 免許(第三条―第二十九条)
第三章 試験(第三十条―第四十二条)
第四章 業務等(第四十三条―第四十九条)
第五章 罰則(第五十条―第五十六条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、救急救命士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律し、もって医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「救急救命処置」とは、その症状が著しく悪化するおそれがあり、又はその生命が危険な状態にある傷病者(以下この項及び第四十四条第二項において「重度傷病者」という。)が病院又は診療所に搬送されるまでの間に、当該重度傷病者に対して行われる気道の確保、心拍の回復その他の処置であって、当該重度傷病者の症状の著しい悪化を防止し、又はその生命の危険を回避するために緊急に必要なものをいう。
2 この法律で「救急救命士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、救急救命士の名称を用いて、医師の指示の下に、救急救命処置を行うことを業とする者をいう。
(平一一法一六〇・一部改正)
第二章 免許
(免許)
第三条 救急救命士になろうとする者は、救急救命士国家試験(以下「試験」という。)に合格し、厚生労働大臣の免許(第三十四条第五号を除き、以下「免許」という。)を受けなければならない。
(平一一法一六〇・一部改正)
(欠格事由)
第四条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一 罰金以上の刑に処せられた者
二 前号に該当する者を除くほか、救急救命士の業務に関し犯罪又は不正の行為があった者
三 心身の障害により救急救命士の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
四 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
(平一三法八七・旧第五条繰上・一部改正)
(救急救命士名簿)
第五条 厚生労働省に救急救命士名簿を備え、免許に関する事項を登録する。
(平一一法一六〇・一部改正、平一三法八七・旧第六条繰上)
(登録及び免許証の交付)
第六条 免許は、試験に合格した者の申請により、救急救命士名簿に登録することによって行う。
2 厚生労働大臣は、免許を与えたときは、救急救命士免許証を交付する。
(平一一法一六〇・一部改正、平一三法八七・旧第七条繰上)
(意見の聴取)
第七条 厚生労働大臣は、免許を申請した者について、第四条第三号に掲げる者に該当すると認め、同条の規定により免許を与えないこととするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知し、その求めがあったときは、厚生労働大臣の指定する職員にその意見を聴取させなければならない。
(平一三法八七・追加)
(救急救命士名簿の訂正)
第八条 救急救命士は、救急救命士名簿に登録された免許に関する事項に変更があったときは、三十日以内に、当該事項の変更を厚生労働大臣に申請しなければならない。
(平一一法一六〇・一部改正)
(免許の取消し等)
第九条 救急救命士が第四条各号のいずれかに該当するに至ったときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消し、又は期間を定めて救急救命士の名称の使用の停止を命ずることができる。
2 前項の規定により免許を取り消された者であっても、その者がその取消しの理由となった事項に該当しなくなったとき、その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至ったときは、再免許を与えることができる。この場合においては、第六条の規定を準用する。
(平五法八九・平一一法一六〇・平一三法八七・一部改正)
(登録の消除)
第十条 厚生労働大臣は、免許がその効力を失ったときは、救急救命士名簿に登録されたその免許に関する事項を消除しなければならない。
(平一一法一六〇・一部改正)
(免許証の再交付手数料)
第十一条 救急救命士免許証の再交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。
(指定登録機関の指定)
第十二条 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、その指定する者(以下「指定登録機関」という。)に、救急救命士名簿の登録の実施に関する事務(以下「登録事務」という。)を行わせることができる。
2 指定登録機関の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、登録事務を行おうとする者の申請により行う。
3 厚生労働大臣は、他に第一項の規定による指定を受けた者がなく、かつ、前項の申請が次の要件を満たしていると認めるときでなければ、指定登録機関の指定をしてはならない。
一 職員、設備、登録事務の実施の方法その他の事項についての登録事務の実施に関する計画が、登録事務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
二 前号の登録事務の実施に関する計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的及び技術的な基礎を有するものであること。
4 厚生労働大臣は、第二項の申請が次のいずれかに該当するときは、指定登録機関の指定をしてはならない。
一 申請者が、民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人以外の者であること。
二 申請者が、その行う登録事務以外の業務により登録事務を公正に実施することができないおそれがあること。
三 申請者が、第二十三条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者であること。
四 申請者の役員のうちに、次のいずれかに該当する者があること。
イ この法律に違反して、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
ロ 次条第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して二年を経過しない者
(平一一法一六〇・一部改正)
(指定登録機関の役員の選任及び解任)
第十三条 指定登録機関の役員の選任及び解任は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 厚生労働大臣は、指定登録機関の役員が、この法律(この法律に基づく命令又は処分を含む。)若しくは第十五条第一項に規定する登録事務規程に違反する行為をしたとき、又は登録事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定登録機関に対し、当該役員の解任を命ずることができる。
(平一一法一六〇・一部改正)
(事業計画の認可等)
第十四条 指定登録機関は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(第十二条第一項の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあっては、その指定を受けた後遅滞なく)、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 指定登録機関は、毎事業年度の経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。
(平一一法一六〇・一部改正)
(登録事務規程)
第十五条 指定登録機関は、登録事務の開始前に、登録事務の実施に関する規程(以下「登録事務規程」という。)を定め、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 登録事務規程で定めるべき事項は、厚生労働省令で定める。
3 厚生労働大臣は、第一項の認可をした登録事務規程が登録事務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、指定登録機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
(平一一法一六〇・一部改正)
(規定の適用等)
第十六条 指定登録機関が登録事務を行う場合における第五条、第六条第二項(第九条第二項において準用する場合を含む。)、第八条、第十条及び第十一条の規定の適用については、第五条中「厚生労働省」とあるのは「指定登録機関」と、第六条第二項中「厚生労働大臣」とあるのは「指定登録機関」と、「免許を与えたときは、救急救命士免許証」とあるのは「前項の規定による登録をしたときは、当該登録に係る者に救急救命士免許証明書」と、第八条及び第十条中「厚生労働大臣」とあるのは「指定登録機関」と、第十一条中「救急救命士免許証」とあるのは「救急救命士免許証明書」と、「国」とあるのは「指定登録機関」とする。
2 指定登録機関が登録事務を行う場合において、救急救命士名簿に免許に関する事項の登録を受けようとする者又は救急救命士免許証明書の書換え交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を指定登録機関に納付しなければならない。
3 第一項の規定により読み替えて適用する第十一条及び前項の規定により指定登録機関に納められた手数料は、指定登録機関の収入とする。
(平一一法一六〇・平一三法八七・一部改正)
(秘密保持義務等)
第十七条 指定登録機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、登録事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2 登録事務に従事する指定登録機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(帳簿の備付け等)
第十八条 指定登録機関は、厚生労働省令で定めるところにより、帳簿を備え付け、これに登録事務に関する事項で厚生労働省令で定めるものを記載し、及びこれを保存しなければならない。
(平一一法一六〇・一部改正)
(監督命令)
第十九条 厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定登録機関に対し、登録事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(平一一法一六〇・一部改正)
(報告)
第二十条 厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、厚生労働省令で定めるところにより、指定登録機関に対し、報告をさせることができる。
(平一一法一六〇・一部改正)
(立入検査)
第二十一条 厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、その職員に、指定登録機関の事務所に立ち入り、指定登録機関の帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項に規定する権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(平一一法一六〇・一部改正)
(登録事務の休廃止)
第二十二条 指定登録機関は、厚生労働大臣の許可を受けなければ、登録事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
(平一一法一六〇・一部改正)
(指定の取消し等)
第二十三条 厚生労働大臣は、指定登録機関が第十二条第四項各号(第三号を除く。)のいずれかに該当するに至ったときは、その指定を取り消さなければならない。
2 厚生労働大臣は、指定登録機関が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて登録事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第十二条第三項各号の要件を満たさなくなったと認められるとき。
二 第十三条第二項、第十五条第三項又は第十九条の規定による命令に違反したとき。
三 第十四条又は前条の規定に違反したとき。
四 第十五条第一項の認可を受けた登録事務規程によらないで登録事務を行ったとき。
五 次条第一項の条件に違反したとき。
(平一一法一六〇・一部改正)
(指定等の条件)
第二十四条 第十二条第一項、第十三条第一項、第十四条第一項、第十五条第一項又は第二十二条の規定による指定、認可又は許可には、条件を付し、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、当該指定、認可又は許可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該指定、認可又は許可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない。
第二十五条 削除
(平五法八九)
(指定登録機関がした処分等に係る不服申立て)
第二十六条 指定登録機関が行う登録事務に係る処分又はその不作為について不服がある者は、厚生労働大臣に対し、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。
(平一一法一六〇・一部改正)
(厚生労働大臣による登録事務の実施等)
第二十七条 厚生労働大臣は、指定登録機関の指定をしたときは、登録事務を行わないものとする。
2 厚生労働大臣は、指定登録機関が第二十二条の規定による許可を受けて登録事務の全部若しくは一部を休止したとき、第二十三条第二項の規定により指定登録機関に対し登録事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定登録機関が天災その他の事由により登録事務の全部若しくは一部を実施することが困難となった場合において必要があると認めるときは、登録事務の全部又は一部を自ら行うものとする。
(平一一法一六〇・一部改正)
(公示)
第二十八条 厚生労働大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 第十二条第一項の規定による指定をしたとき。
二 第二十二条の規定による許可をしたとき。
三 第二十三条の規定により指定を取り消し、又は登録事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
四 前条第二項の規定により登録事務の全部若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行っていた登録事務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。
(平一一法一六〇・一部改正)
(厚生労働省令への委任)
第二十九条 この章に規定するもののほか、免許の申請、救急救命士名簿の登録、訂正及び消除、救急救命士免許証又は救急救命士免許証明書の交付、書換え交付及び再交付、第二十七条第二項の規定により厚生労働大臣が登録事務の全部又は一部を行う場合における登録事務の引継ぎその他免許及び指定登録機関に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
(平一一法一六〇・一部改正)
第三章 試験
(試験)
第三十条 試験は、救急救命士として必要な知識及び技能について行う。
(試験の実施)
第三十一条 試験は、毎年一回以上、厚生労働大臣が行う。
(平一一法一六〇・一部改正)
(救急救命士試験委員)
第三十二条 試験の問題の作成及び採点を行わせるため、厚生労働省に救急救命士試験委員(次項及び次条において「試験委員」という。)を置く。
2 試験委員に関し必要な事項は、政令で定める。
(平一一法一六〇・一部改正)
(不正行為の禁止)
第三十三条 試験委員は、試験の問題の作成及び採点について、厳正を保持し不正の行為のないようにしなければならない。
(受験資格)
第三十四条 試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。
一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第九十条第一項の規定により大学に入学することができる者(この号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第二項の規定により当該大学に入学させた者を含む。)で、文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した救急救命士養成所において、二年以上救急救命士として必要な知識及び技能を修得したもの
二 学校教育法に基づく大学若しくは高等専門学校、旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)に基づく大学又は厚生労働省令で定める学校、文教研修施設若しくは養成所において一年(高等専門学校にあっては、四年)以上修業し、かつ、厚生労働大臣の指定する科目を修めた者で、文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した救急救命士養成所において、一年以上救急救命士として必要な知識及び技能を修得したもの
三 学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)又は旧大学令に基づく大学において厚生労働大臣の指定する科目を修めて卒業した者
四 消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第二条第九項に規定する救急業務(以下この号において「救急業務」という。)に関する講習で厚生労働省令で定めるものの課程を修了し、及び厚生労働省令で定める期間以上救急業務に従事した者(学校教育法第九十条第一項の規定により大学に入学することができるもの(この号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第二項の規定により当該大学に入学させた者を含む。)に限る。)であって、文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した救急救命士養成所において、一年(当該学校又は救急救命士養成所のうち厚生労働省令で定めるものにあっては、六月)以上救急救命士として必要な知識及び技能を修得したもの
五 外国の救急救命処置に関する学校若しくは養成所を卒業し、又は外国で救急救命士に係る厚生労働大臣の免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が前各号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定したもの
(平一一法一六〇・平一三法一〇五・平一九法九六・一部改正)
(試験の無効等)
第三十五条 厚生労働大臣は、試験に関して不正の行為があった場合には、その不正行為に関係のある者に対しては、その受験を停止させ、又はその試験を無効とすることができる。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による処分を受けた者に対し、期間を定めて試験を受けることができないものとすることができる。
(平一一法一六〇・一部改正)
(受験手数料)
第三十六条 試験を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の受験手数料を国に納付しなければならない。
2 前項の受験手数料は、これを納付した者が試験を受けない場合においても、返還しない。
(指定試験機関の指定)
第三十七条 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、その指定する者(以下「指定試験機関」という。)に、試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)を行わせることができる。
2 指定試験機関の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、試験事務を行おうとする者の申請により行う。
(平一一法一六〇・一部改正)
(指定試験機関の救急救命士試験委員)
第三十八条 指定試験機関は、試験の問題の作成及び採点を救急救命士試験委員(次項及び第三項並びに次条並びに第四十一条において読み替えて準用する第十三条第二項及び第十七条において「試験委員」という。)に行わせなければならない。
2 指定試験機関は、試験委員を選任しようとするときは、厚生労働省令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。
3 指定試験機関は、試験委員を選任したときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。試験委員に変更があったときも、同様とする。
(平一一法一六〇・一部改正)
第三十九条 試験委員は、試験の問題の作成及び採点について、厳正を保持し不正の行為のないようにしなければならない。
(受験の停止等)
第四十条 指定試験機関が試験事務を行う場合において、指定試験機関は、試験に関して不正の行為があったときは、その不正行為に関係のある者に対しては、その受験を停止させることができる。
2 前項に定めるもののほか、指定試験機関が試験事務を行う場合における第三十五条及び第三十六条第一項の規定の適用については、第三十五条第一項中「その受験を停止させ、又はその試験」とあるのは「その試験」と、同条第二項中「前項」とあるのは「前項又は第四十条第一項」と、第三十六条第一項中「国」とあるのは「指定試験機関」とする。
3 前項の規定により読み替えて適用する第三十六条第一項の規定により指定試験機関に納められた受験手数料は、指定試験機関の収入とする。
(準用)
第四十一条 第十二条第三項及び第四項、第十三条から第十五条まで、第十七条から第二十四条まで並びに第二十六条から第二十八条までの規定は、指定試験機関について準用する。この場合において、これらの規定中「登録事務」とあるのは「試験事務」と、「登録事務規程」とあるのは「試験事務規程」と、第十二条第三項中「第一項」とあるのは「第三十七条第一項」と、「前項」とあるのは「第三十七条第二項」と、同条第四項各号列記以外の部分中「第二項」とあるのは「第三十七条第二項」と、第十三条第二項中「役員」とあるのは「役員(試験委員を含む。)」と、第十四条第一項中「第十二条第一項」とあるのは「第三十七条第一項」と、第十七条中「役員」とあるのは「役員(試験委員を含む。)」と、第二十三条第二項第三号中「又は前条」とあるのは「、前条又は第三十八条」と、第二十四条第一項及び第二十八条第一号中「第十二条第一項」とあるのは「第三十七条第一項」と読み替えるほか、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
(平五法八九・一部改正)
(試験の細目等)
第四十二条 この章に規定するもののほか、試験科目、受験手続、試験事務の引継ぎその他試験及び指定試験機関に関し必要な事項は厚生労働省令で、第三十四条第一号、第二号及び第四号の規定による学校又は救急救命士養成所の指定に関し必要な事項は文部科学省令、厚生労働省令で定める。
(平一一法一六〇・一部改正)
第四章 業務等
(業務)
第四十三条 救急救命士は、保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず、診療の補助として救急救命処置を行うことを業とすることができる。
2 前項の規定は、第九条第一項の規定により救急救命士の名称の使用の停止を命ぜられている者については、適用しない。
(平一三法八七・平一三法一五三・一部改正)
(特定行為等の制限)
第四十四条 救急救命士は、医師の具体的な指示を受けなければ、厚生労働省令で定める救急救命処置を行ってはならない。
2 救急救命士は、救急用自動車その他の重度傷病者を搬送するためのものであって厚生労働省令で定めるもの(以下この項及び第五十三条第二号において「救急用自動車等」という。)以外の場所においてその業務を行ってはならない。ただし、病院又は診療所への搬送のため重度傷病者を救急用自動車等に乗せるまでの間において救急救命処置を行うことが必要と認められる場合は、この限りでない。
(平一一法一六〇・平一三法八七・一部改正)
(他の医療関係者との連携)
第四十五条 救急救命士は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携を図り、適正な医療の確保に努めなければならない。
(救急救命処置録)
第四十六条 救急救命士は、救急救命処置を行ったときは、遅滞なく厚生労働省令で定める事項を救急救命処置録に記載しなければならない。
2 前項の救急救命処置録であって、厚生労働省令で定める機関に勤務する救急救命士のした救急救命処置に関するものはその機関につき厚生労働大臣が指定する者において、その他の救急救命処置に関するものはその救急救命士において、その記載の日から五年間、これを保存しなければならない。
(平一一法一六〇・一部改正)
(秘密を守る義務)
第四十七条 救急救命士は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。救急救命士でなくなった後においても、同様とする。
(名称の使用制限)
第四十八条 救急救命士でない者は、救急救命士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。
(権限の委任)
第四十八条の二 この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。
2 前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。
(平一一法一六〇・追加)
(経過措置)
第四十九条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第五章 罰則
第五十条 第十七条第一項(第四十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、登録事務又は試験事務に関して知り得た秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第五十一条 第二十三条第二項(第四十一条において準用する場合を含む。)の規定による登録事務又は試験事務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定登録機関又は指定試験機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第五十二条 第三十三条又は第三十九条の規定に違反して、不正の採点をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
(平一三法八七・全改)
第五十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第四十四条第一項の規定に違反して、同項の規定に基づく厚生労働省令の規定で定める救急救命処置を行った者
二 第四十四条第二項の規定に違反して、救急用自動車等以外の場所で業務を行った者
(平一三法八七・追加)
第五十四条 第四十七条の規定に違反して、業務上知り得た人の秘密を漏らした者は、五十万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
(平一三法八七・追加)
第五十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第九条第一項の規定により救急救命士の名称の使用の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、救急救命士の名称を使用したもの
二 第四十六条第一項の規定に違反して、救急救命処置録に記載せず、又は救急救命処置録に虚偽の記載をした者
三 第四十六条第二項の規定に違反して、救急救命処置録を保存しなかった者
四 第四十八条の規定に違反して、救急救命士又はこれに紛らわしい名称を使用した者
(平一一法一六〇・一部改正、平一三法八七・旧第五十三条繰下・一部改正)
第五十六条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした指定登録機関又は指定試験機関の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十八条(第四十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿に保存しなかったとき。
二 第二十条(第四十一条において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
三 第二十一条第一項(第四十一条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。
四 第二十二条(第四十一条において準用する場合を含む。)の許可を受けないで登録事務又は試験事務の全部を廃止したとき。
(平一三法八七・旧第五十四条繰下・一部改正)
附 則 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(平成三年政令第二六五号で平成三年八月一五日から施行)
(受験資格の特例)
第二条 この法律の施行の際現に救急救命士として必要な知識及び技能の修得を終えている者又はこの法律の施行の際現に救急救命士として必要な知識及び技能を修得中であり、その修得をこの法律の施行後に終えた者で、厚生労働大臣が第三十四条各号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定したものは、同条の規定にかかわらず、試験を受けることができる。
(平一一法一六〇・一部改正)
第三条 旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)による中等学校を卒業した者又は厚生労働省令で定めるところによりこれと同等以上の学力があると認められる者は、第三十四条第一号の規定の適用については、学校教育法第九十条第一項の規定により大学に入学することができる者とみなす。
(平一一法一六〇・平一三法一〇五・平一九法九六・一部改正)
(名称の使用制限に関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際現に救急救命士又はこれに紛らわしい名称を使用している者については、第四十八条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
附 則 (平成五年一一月一二日法律第八九号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。
(施行の日=平成六年一〇月一日)
(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
第十四条 この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
(政令への委任)
第十五条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 (平成七年五月一二日法律第九一号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

――――――――――
○中央省庁等改革関係法施行法(平成一一法律一六〇)抄
(処分、申請等に関する経過措置)
第千三百一条 中央省庁等改革関係法及びこの法律(以下「改革関係法等」と総称する。)の施行前に法令の規定により従前の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、改革関係法等の施行後は、改革関係法等の施行後の法令の相当規定に基づいて、相当の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
2 改革関係法等の施行の際現に法令の規定により従前の国の機関に対してされている申請、届出その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、改革関係法等の施行後は、改革関係法等の施行後の法令の相当規定に基づいて、相当の国の機関に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。
3 改革関係法等の施行前に法令の規定により従前の国の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならないとされている事項で、改革関係法等の施行の日前にその手続がされていないものについては、法令に別段の定めがあるもののほか、改革関係法等の施行後は、これを、改革関係法等の施行後の法令の相当規定により相当の国の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならないとされた事項についてその手続がされていないものとみなして、改革関係法等の施行後の法令の規定を適用する。
(従前の例による処分等に関する経過措置)
第千三百二条 なお従前の例によることとする法令の規定により、従前の国の機関がすべき免許、許可、認可、承認、指定その他の処分若しくは通知その他の行為又は従前の国の機関に対してすべき申請、届出その他の行為については、法令に別段の定めがあるもののほか、改革関係法等の施行後は、改革関係法等の施行後の法令の規定に基づくその任務及び所掌事務の区分に応じ、それぞれ、相当の国の機関がすべきものとし、又は相当の国の機関に対してすべきものとする。
(罰則に関する経過措置)
第千三百三条 改革関係法等の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第千三百四十四条 第七十一条から第七十六条まで及び第千三百一条から前条まで並びに中央省庁等改革関係法に定めるもののほか、改革関係法等の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日
――――――――――
附 則 (平成一三年六月二九日法律第八七号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(平成一三年政令第二三五号で平成一三年七月一六日から施行)
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律における障害者に係る欠格事由の在り方について、当該欠格事由に関する規定の施行の状況を勘案して検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(再免許に係る経過措置)
第三条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定する免許の取消事由により免許を取り消された者に係る当該取消事由がこの法律による改正後のそれぞれの法律により再免許を与えることができる取消事由(以下この条において「再免許が与えられる免許の取消事由」という。)に相当するものであるときは、その者を再免許が与えられる免許の取消事由により免許が取り消された者とみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の再免許に関する規定を適用する。
(罰則に係る経過措置)
第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附 則 (平成一三年七月一一日法律第一〇五号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 第五十六条に一項を加える改正規定、第五十七条第三項の改正規定、第六十七条に一項を加える改正規定並びに第七十三条の三及び第八十二条の十の改正規定並びに次条及び附則第五条から第十六条までの規定 平成十四年四月一日
附 則 (平成一三年一二月一二日法律第一五三号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(平成一四年政令第三号で平成一四年三月一日から施行)
(処分、手続等に関する経過措置)
第四十二条 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
(罰則に関する経過措置)
第四十三条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(経過措置の政令への委任)
第四十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める.

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セルフマッサージ機による施術について

セルフマッサージ機による施術について

(昭和三一年七月一一日)
(三一医発第一六八〇号)
(厚生省医務局長あて埼玉県知事照会)
東京都台東区竹町一二番地日本電気工業株式会社製作販売のセルフマッサージ機「ワンダフルチェア」(別添カタログのとおり(略))の取扱いについて左記のとおり疑義がありますので貴局の御意見を承りたく照会いたします。
1 該機を操作使用することに対しては何等かの法的資格(あん摩師、医業類似行為者等)を有することを必要とするものと解釈するが如何。
2 該機を使用治療することは、あん摩業、医業類似行為の何れに該当するや。
3 該機を事業所(浴場、旅館、薬局等)に備付けて客に対しサービス用として使用する場合は如何、ただしこの場合料金徴収の有無に関係はない。
(昭和三一年八月二五日医発第七三八号)
(埼玉県知事あて厚生省医務局長回答)
昭和三十一年七月十一日付三一医発第一六八○号をもって照会のあった標記の件について、左記の通り回答する。
1 御照会のマッサージ機をもって、公衆又は特定多数人に対して、施行することを業とする場合には、法定の資格を必要とする。
2 あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法第一条に掲げるもの以外の医業類似行為に該当すると解する。
3 2と同様である。

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昭和23年12月13日厚生委員会 - 3号あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法の一部を改正する請願審議議事録(療術師法問題)

[001/011] 4 - 衆 - 厚生委員会 - 3号
昭和23年12月13日

あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法の一部を改正する請願審議議事録療術師法問題

○佐々木委員長 次に日程第三あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法の一部を改正する請願、文書表第六四号を議題といたします。まず紹介議員の説明を求めます。内海安吉君。なお内海委員に申し上げておきますが、時間の関係もございますので、なるべく簡明に御説明願いたいと存じます。

○久下政府委員 ただいまの請願に対して、私から簡單にお答え申し上げます。前々申し上げております通りに、療術行為につきましては、その成果が学問的に明確でない部分が相当にありますので、その意味におきまして現行法規のような取扱いになつておるわけであります。從いましてこれを建前をかえまして、請願の御趣旨にありますように、新規開業を認めるというような取扱いにいたしますためには、その前提として解決せらるべきものがあると考えるのであります。それにつきましては、先ほど來療術行為に関する調査研究機関の設定ということが各委員の方々からお話もございましたが、その線に沿つて私どもの方からお答え申し上げたような次第でございます。さような趣旨に沿いまして問題の解決をはかるようにいたしたいと思つておる次第であります。

○内海委員 ただいまの請願は、療術師法の基本法を制定してくれというのではありません。從つて調査機関にかけるまでもなく、法律二一七号に業種目を示しましたごとく、これを追加していただけばいいのでありますから、この点についてははつきりした御答弁ができようと思いますが、いかがでありますか。

○久下政府委員 先ほど抽象的にお答え申し上げました通りに、ただいまの法律によりますと、あんま、はりきゆう、柔道整復、マッサージを含めましたこれらのもの以外の、療術行為は、法律的にはこれを禁止するという建前になつております。但し既得権者につきましては、八年間の猶予を設けるという建前になつておるわけでありまして、これを改正いたしまして、新規開業も特定のものについて認めるということにいたしますためには、法律の基本的な建前をかえて行かなければならないと考えるのであります。そのためには、やはり今御指摘になりましたような療術行為につきまして調査研究を遂げた上でないと、今私どもとしては、そういたすという御返事をいたしかねる次第でありまして、何とぞ御了承をいただきたいと思うのでございます。

○内海委員 どうも政府委員は調査研究ということに名をかりて責任をのがれようとする傾向があります。もう私がこの請願を扱いましてからすでに三回になります。いつも久下政府委員ばかりではない、ほとんど厚生省の役人はみなそのときのがれの答弁であつて、一向どうもやつてくれない。一体議会を何と見ているのか、これはほんとうにあなた方の考えているところを開陳してもらいたい。それによつてわれわれも覚悟がある。

○久下政府委員 たいへん御不満をいただきまして恐縮でございますが、私どもは実はそれ以上、別にほかに考えていることはないのでございます。

○内海委員 ただいま議題となりました療術師法問題につきましては、議会におきましても前後八回にわたつて請願あるいは建議案等によつて通過しておるのであります。ただいまもまた武田、榊原、田中三委員よりこの問題の根本的解決のために、どうあつても調査機関を設けてもらいたいというような御意見もあつたようでありますが、私もしごく同感なのであります。このたび提出されておるこの請願の要旨は、本年一月一日より施行された法律第二百十七号あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法を改正して療術の新規開業を認め、かつ既得権の制限を撤廃されたいという請願であります。
 この問題については國会において過去八回にわたり療術師法制定の請願または建議案が通つているのであつて、政府当局においてもこれが法制化についてはすでに調査研究を盡されたことと信じます。
 ことに去る六月二日の第二回國会衆議院厚生委員会において、紹介議員として私より請願理由説明の後、榊原委員、成田委員その他多数の委員より、それぞれのお立場から賛成意見も出、政府もこれを了とせられたのであります。特に榊原委員よりは、本法制定の重要性にかんがみ調査会を設けてはいかがとの意見も出たのであります。政府においては、六月二日の当委員会における各委員の熱心なる主張と、諸情勢より見て、今日この請願に対し、漸進的にこの程度の改正ならばすみやかに請願の趣旨に沿わんとの御答弁あることを、私は確信しているのであります。
 本組合においても政府当局の意見もあり、全國十数万の組合員のために、協同組合本部に出版部を設け、療術基礎学たる生理、解剖、実地療法、技術等に関する四編よりなる教科書を出版、これを業者に頒布し、あわせて全國都道府縣各支部において再教育と実地講習普及のために、講師を派遣して鋭意努力しているのであります。
 さらに本年三月二十四日、本組合代表黒田保次郎、東村英太郎の諸氏に対し、竹田厚生大臣は基本法たる療術法制定に賛成の意を表されているのであります。また厚生省当局は、療術の効果が認定されれば療術を許すと言明している。さらに久下政府委員も同一席上で、療術である指圧療法は短かい期間の研究であつたが、非常に効果があると述べている。現厚生政務次官である庄司代議士は、議会人としてまれに見る博識の人であつて、私も常に國会の先輩として尊敬している一人でありますが、この療術のことに関し、第七十六議会において療術の効果を発表され、療術に関する幾多の経驗を、顯著なる実例をあげて絶讃されているのであります。御参考までに第七十六議会速記録を添付してありますから、よくごらんを願います。厚生大臣であつた一松定吉氏も、昨年十二月九日の全國療術業者大会の席上で、療術の効果あることは自分も治療を受けているから認めると言明しているのであります。
 最後に、療術師法制定の賛否に関し、全國療術協同組合長守屋榮夫氏の名をもつて、去る十月國会議員全体に対し意見を求めたるに、十月二十日までに達した文書によると、賛成の意を表明し、協力するといつて参つた者三百四十二名の多数に達しているのであります。このうち衆議院議員二百四十二名で、絶対多数を示したのであります。政府においても本請願の趣旨を檢討され、基本法たる療術師法の法制化に先だつて、本年一月一日より施行した法律第二一七号、あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法の一部を改正して、療術、すなわち一、指圧整体、二、光線療法、三、電氣療法、四、刺戟療法、以上四業種目を追加し、新規営業を認め、かつ既得権の制限を撤廃されんことを請願する次第であります。
 なお法律第二一七号改正草案は、すでに本月八日厚生大臣あて、陳情書とともに庄司政務次官のお手元に提出してありますから、御檢討の上、すみやかに改正実施されんことをお願いいたします。
 委員会においても這般の事情御推量の上、満場一致をもつて本請願を御採択あらんことを切望いたします。これをもつて説明といたします。
○佐々木委員長 本件に関して政府の御意見を伺います。

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昭和22年12月05日衆 - 厚生委員会 - 37号 あん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案政府より提案理由の説明

030/032] 1 - 衆 - 厚生委員会 - 37号
昭和22年12月05日
○小野委員長 御異議なしと認めまして、さよう決します。まず船員保險法の一部を改正する法律案及びあん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案の二法律案につきまして政府より提案理由の説明を求めます。
○金光政府委員 ただいま議題となりましたあん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案について、その提案の理由を説明いたします。あんま、はり、きゆう、柔道整復及び醫業類以行為に關する現行の法規でありますところの、明治四十四年内務省令第十號按摩術營業取締規則、明治四十四年内務省令第十一號鍼術灸術營業取締規則、昭和二十一年厚生省令第四十七號柔道整復術營業取締規則、昭和二十一年厚生省令第二十八號按摩術營業取締規則、鍼灸術營業取締規則及び柔道整復術營業取締規則の特例に關する省令、及び昭和二十二年厚生省令第十一號醫業類似行為ををなすことを業とする者の取締に關する省令は、何れも昭和二十二年法律第七十二號日本國憲法施行の際現に效力を有する命令の規定の效力等に關する法律第一條の規定によつて、本年十二月末日限りその效力を失いますので、右省令に代えて、あんま、はり、きゆう、柔道整復等の營業に關する法律を制定する必要があるのであります。これがこの法律案を提出する理由であります。以下この法律案の内容の大略を申し上げますと。
 まづ第一にこれらの施術を業として行おうとする者は、必ず都道府縣知事の免許を受けなければならないこととし、かつ免許は公認の學校または養成施設を卒業した上、都道府縣知事の行う試驗に合格した者でなければ與えられないこととしております。これはいやしくも人體の疾病、健康に關する業務は、一定の學術技能を修めた者でなければこれを行い得ないものとすることが、保健衞生上絶對に必要であるからでありまして、從來とも同樣の免許制度をとつてまいつたのでありますが、この際免許を受ける資格の程度を從來よるも相當引上げまして、これらの者の素質の向上をはかることといたしたのであります。
 第二に免許は一定の缺格條件に該當する者に對しては、これを與えないことといたしております。すなわち精神病にかかつている者には免許を與えないこととし、また傅染性疾患にかかつている者もしくは業務に關し、犯罪もしくは不正の行為があつた者等であつて、業務を行うに適しない者に對しては、同樣に免許を與えないこととして、直接間設に施術の内容及びこれらの者の素質の向上をはかつております。
 第三に業務に關する規定としまして、これらの者は、外科手術、藥品の投與指示等の行為をしてはならないことを規定し、また、あんま師及び柔道整復師について一定の業務上の制限を付しております。また業務に關する廣告についても一定の制限を付しております。なお都道府縣知事は衞生上の必要に基いて、業務に關する必要な指示をなし、または施術者から必要な報告を提出させ、その他當該吏員に施術所の檢査をさせる等の措置をなし得ることとし、その業務の監督指導に遺憾なきを期しております。
 第四にあんま、はり、きゆう等と異なり從來中央の法令においては、それ自體として正式に取上げられることなく、あるいは國民醫療法により取締りあるいは都道府縣令に基いて届出制度等により、適宜取ずりを行つておりましたいわゆる醫業類似行為ないし療術行為は、醫療衞生上種々の幣害も考えられますのみならず、在置の根據も乏しいと考へられますので、今後新規には一切認められないこととし、これを業として行うことはできないことといたしたのであります。
 第五に關係業者、醫師、學識經驗者からなる諮問委員會を中央、地方に設けまして、學校養成施設の認定、その他業務上の指導監督につきまして、これを民主的に運營し、その適切妥當を期するため、重要な事項を調査審議させることといたしております。
 以上が本案の骨子でありますが、なお從來これらの業務を行つておりました者の既得權とでも申すべきものを保護する等のための經過的措置としまして、從來の規則によつて免許を得た者についてはそのままこれを認め、また免許を得る資格のあつた者、または外地においてこれらの業務を行つていた者であつて、内地に引揚げた者等の免許に對しては、それぞれ一定の例外措置をなすこととしております。なお從來一定期間以上いわゆる醫業類似行為を業としていた者であつて、本法施行後必要な届出をした者は、本法施行後も一定期間内はその業務を行い得ることとし、これに對しては業務及び廣告の制限並びに衞生上の指示檢査等の監督指導、その他業務の停止禁止等の處置をなし得ることとしております。何とぞ御審議の上、可決せられるよう希望いたします。
 次にただいま議題となりました船員保險法中改正法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 本改正法律案の趣旨は、船員保險法の改正によりまして、すなわち船員保險制度の中において、船員に對する失業保險ないし失業手當金制度を創設實施せんとする點にあるのでありまして、その目的が、船員が失業いたしました場合に、失業保險金または失業手當金を支給いたしまして、その生活の安定をはかるとともに、その運營にあたりまして、職業紹介機關と密接な連絡を保持することにより、失業船員に對しまして能う限り就職の機會を與えようとする點にありますことは、さきに本國會の御審議を經ました陸上勞働者に對する失業保險法及び失業手當法の目的とまつたく同樣であります。これを失業保險法、失業手當法から引き離しまして、本改正法律案により、船員保險制度の中に織り込んで實施いたしますのは、船員が海上勞務者として陸上勞働者と異なる特殊な勞働事情を有しており、船員保險制度は、かかる事情のもとにあり船員に對する總合的な、唯一の保險制度として從來實施運營され來つている點に鑑み、むしろその中に失業保險、失業手當の制度をも織り込むことの方が便宜ではないかと考えたからであります。
 改正案の内容すなわち制度の内容につきましては、できるだけ陸上勞働者に對する失業保險ないし失業手當制度の内容に準じて立案いたしました。その概要を申し上げますと、
 一、まず失業保險制度につきましては、(一)受給の要件といたしましては、改正法實施後六箇月以上船員保險の被保險者すなわち船員であつたこと及び離職後定期的に船員職業紹介または公共職業安定所に出頭して失業の認定を受けること。(二)支給日數は離職後一年の受給期間中において通算して百八十日。(三)支給日額は標準報酬日額の百分の八十ないし百分の四十の範圍内で定めた低額所得者には高率の、高額所得者には低率の額。(四)支給の方法は原則として一週間に一囘あて船員職業紹介所、公共職業安定所または都道府縣廳において支給することといたしました。(五)なお受給者が船員職業紹介所または公共職業安定所が紹介した適當な職につくことを、正常の理由なく拒んだ場合は、支給の制限をなし得ることとして、本制度が單なる失業救濟に終らざるよう留意いたしました。(六)次に本事業運營に要する費用につきましては、被保險者たる船員及び船員を使用する船舶所有者は、それぞれ毎月標準報酬月額の千分の十一に相當する保險料を負擔するとともに、國庫においては保險給付に要する費用の三分の一及び事務費を負擔することといたしました。なお本改正案におきましては、失業保險のみならず、船員保險全體の保險料を掲げました。
 二、第二に失業手當制度につきましては、(一)受給の要件といたしましては、改正法實施後昭和二十三年四月三十日までに離職し、離職當時引續き六箇月以上船員であつたこと、及び離職後定期的に船員職業紹介所または公共職業安定所に出頭して、失業の認定を受けること。(二)支給日數は離職後一の受給期間中において通算して百二十日。(三)支給日額は標準報酬日額の百分の七十五ないし百分の三十五の範圍内で定めた低額所得者には高率の、高額所得者には低率の額、(四)支給の方法は失業保險金の場合と同樣、原則として一週間に一囘ずつ船袋職業紹介所、公共職業安定所または都道府縣廳において支給することといたしました。(五)また受給者が、職業紹介機關が紹介した適當な職につくことを正當の理由なく拒んだ場合には、失業保險金の場合と同樣の理由で失業手當金を支給しないことといたしました。(六)次に失業手當金支給に關する出費につきましては、國庫において全額負擔することといたしました。
 三、以上申し上げましたほか、失業保險ないし失業手當制度實施に必要な船舶所有者または被保險者もしくは保險給付を受ける者に對する負擔規定、必要な罰則の改正等をいたしました。
 以上改正法律案の大要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ御審議の上可決あらんことを御願い申し上げる次第であります。

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昭和22年12月06日 049/055] 1 - 衆 - 本会議 - 73号あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法案提出

○副議長(田中萬逸君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 日程第七、食品衞生法案、日程第八、医藥部外品等取締法案、日程第九、あん摩、
はりきゆう、柔道整復等営業法案、日程第十、船員保險法一部を改正する法律案、理容師法案、栄養士法案、右六案を一括議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員長小野孝君。
    〔小野孝君登壇〕

○小野孝君 ただいま議題となりました六件に関しまして、簡單に御報告申し上げます。
 まず、食品衞生法案について申し上げます。食品の衞生に関しましては、從來、明治三十三年法律第十五号飲食物その他の物品取締に関する法律及びそれに根拠を有する一連の省令を持つて取締つてまいつたのでありますが、本日末日をもつて、これらの取締法規が失効いたしますので、これらの命令にかえて、この法律を制定することになつたのであります。
 次に、法律案のないようの概要を申し上げます。第一に、食品、添加物について、腐敗しもしくは変敗したもの、または有毒、有害なるもの等人の健康を損うおそれのあるものを初めとしまして、器具、容器、包裝等につきましても、公衆衞生上の見地から必要な取締りをいたしまして、飲食に起因する衞生上の危害を防止しようとするものであります。
 第二に、公衆衞生上必要な標示、製品檢査、営業の許可並びに営業の施設について必要な規定をいたしまして、飲食による危害を防止しようとするものであります。
 第三に、食品衞生委員会に関する規定を設けまして、食品衞生行政の民主的運営を期しようとするものであります。大略といたしまして、單に飲食に起因する衞生上の危害防止だけでなく、さらに積極的に公衆衞生の向上と増進をはかろうとする趣旨を内包するものであります。
 次に、医藥部外品取締法案につきまして申し上げます。從來医藥部外品については、昭和七年内務省令第二十五号医藥部外品取締役規則、化粧品については、明治三十三年内務省令第十七号有害性着色料取締規則によつて取締つておりましたが、これは本年十二月末限り失効いたしますので、これにかえて、新たな法律を制定する必要がありますために、提案せられたものであります。
 その内容といたしましては、医藥部外品の製造業については、都道府縣知事の許可を受けなければならず、化粧品の製造業については、都道府縣知事に届け出なければならないことを骨子といたしまして、標示の義務、販賣の禁止、営業の禁止、臨檢檢査等の規定を設けて、監督に遺憾なきを期しております。
 次に、あん摩、
はりきゆう、柔道整復等営業法案について申し上げます。御承知の通り、これらの業につきましては、從來按摩営業取締規則、鍼術営業取締規則、柔道整復術営業取締規則等をもつて取締つてまいつたのでございますが、これらは、先ほど申しましたように、本年十二月三十一日限りその効力を失いますので、それに代る法律案を提出する必要があり、この機会に、公衆保健衞生増進の見地から、從來の取締内容に若干の変更を加えたものでございます。
 第一に、これらを業をする者は、必ず公認の学校または養成施設を卒業した上で、都道府縣知事の行う試驗に合格し、その免許を受けなければならないということにいたしております。しかして、その学校または養成施設における修業年限は、あんまにつきましては二箇年、
はりきゆう及び柔道整復術につきましては四年となつております。
 第二に、一定の欠格條件のある者には免許を與えないことといたしております。
 第三に、業務、廣告等に一定の制限を附し、さらに都道府縣に一定の監督権を與えて、その監督指導に遺憾なきを期しております。
 第四に、從來各都道府縣において適宜取締りを行つておりましたところ、いわゆる医業類似行為につきましては、種々の弊害もあり、存置の根拠にも乏しいというところから、新しくはこの業を行うことを禁止いたしたのでございます。
 第五にこれらに関しまする諮問委員会を設けて、指導監督の適切妥当を期しております。
 最後に從來これらの業を営んでおりました、いわゆる既得権を尊重してまいるという建前から、これについて必要な経過規定を設けております。すなわち、あんま、
はりきゆう、柔道整復術につきましては、すでに免許を得ております者は、本法の規定による免許を得たものとみなし、また免許を受ける資格をもつておりながら、やむを得ない事情で今まで免許を受けておらない者につきましては、昭和二十三年六月三十日までは免許を與えることができます。また、先ほど申しました、いわゆる医業類似行為を業とする者につきましては、本法交付の際に引続いて三箇月以上営業を継続いたしておりました者につきましては、本法施行の日から三箇月以内に都道府縣知事にその旨を届け出れば、昭和三十年十二月一日までは從來の通り営業を継続することができることになつておるのであります。
 次に、船員保險法の一部を改定する法律案について申し上げます。本案は、船員保險制度の中において、船員に対しますところの失業保險ないし失業手当制度を創設実施せんとするものであります。その目的は、船員が失業いたしました場合に、失業保險金または失業手当金を支給いたしまして、その生活の安定をはかるとともに、その運営にあたりましては、職業紹介機関と密接な連絡を保持することによりまして、失業船員に対して能う限りの就職の機会を與えようとする点にありますことは、陸上労働者に対しますところの失業保險法及び失業手当法の目的とまつたく同一でございます。これを失業手当法から特別に引離しまして、船員保險制度の中に織りこんで実施いたそうといたしますのは、船員が海上労務者として、陸上労務者とは異なる特殊な事情を有しておりますし、船員保險制度は、かかる事情のもとに船員に対する総合的な唯一の保險制度として從來実施運営されてきております点に鑑みまして、むしろ、その中に失業保險、失業手当の制度をも織りこむことが適当であるからでございます。改正案の内容、すなわち制度の内容は、大体陸上労働者に対する失業保險、失業手当制度の内容に準じて立案されておりますので、その説明は省略いたしたいと思います。
 以上四案は、昨五日厚生委員会において審査いたしまして、委員側と政府当局との間に質疑應答を行つたのでございますが、ただちに討論に入りまして、日本社会党、民主党及び國民共同党を代表して田中松月君、日本自由党を代表いたしまして大瀧亀代司君より、それぞれ原案賛成の旨を述べられました。ただ両君とも、食品衞生法案及びあん摩、
はりきゆう、柔道整復等営業法案につきましては、原案は必ずしも完全なものとは思われぬので、適当な修正を加えたいが、本國会の会期も切迫しておる今日であるから、來國会において適当な改正を行う必要があるということを強調せられた点を御報告申し上げたいと思うのでございます。かくしまして、四案を一括して採決いたしましたるところ、全会一致をもつて、四案とも原案の通り可決いたした次第でございます。
 次に、理容師法案について申し上げます。理容師取締りについては、從來各都道府縣において、それぞれ都道府縣令をもつて取締つてまいつたのでありますが、これまた本年末をもつて効力を失うことになりますので、これらの命令にかえて理容師法の制定を必要とするに至つたために、提案となつたのでごじあます。その内容は、理容師の免許に関する事項、理容師及び理容所の解説者が講ずべき衞生上の措置に関する事項等でございます
 最後に、栄養士法案について御報告申し上げます。栄養士に関しましては、昭和二十年厚生省令第十四号栄養士規則によつて必要な取締りをなしてきましたが、これまた今年末日をもつて効力を失いますので、これに代る本法案を提出を見るに至つたのでございまして、内容は、栄養士の免許、欠格條件及び栄養士試驗等につき必要な規定を織りこんでおります。
 以上二件に関しましては、本日午前の委員会において審査いたしまして、簡單な質疑應答の後、討論を省略して採決いたしましたところ、両案とも全会一致をもつて原案通り可決いたした次第であります。右、御報告申し上げます。(拍手)

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昭和23年06月26日 [004/006] 2 - 衆 - 厚生委員会 - 16号医師法医業の解釈

○榊原(亨)委員 次に医師法についてお伺いいたしたいのでありますが、第四章の第十七條の「医師でなければ、医業をなしてはならない。」の医業という意味は、医師でなければ人体に危險を及ぼすような医療行為というふうに解釈してよろしゆうございますか。医業の解釈を伺つておきたいと思います。
○久下政府委員 医業の観念は実ははなはだむずかしいのでございまして、私どももこの観念が一般的に確定したものがございますれば、むしろこれを法律の中に取入れて書きたいと思つていろいろ研究もいたしたのでございますが、法律の中に医業の観念を規定するほどに、一般的に固まつていないように感じました。以下申し上げる医業の観念もさような意味でお聽き取り願いたいと思います。私どもは、医業とは医を業とするものである。医を業とするということは、多数人に対して反復継続の意思をもつて行うものであると解しております。すなわち医術というのは、私どもの考えといたしては、疾病の診察、治療、投藥などをいうものと解しております。何が疾病であり何が治療であるかということにつきましては、もちろん医学も日進月歩のことでありますから、今固定的にそれの観念を下し得ないと思いますが、疾病の診察、治療、投藥、そういうものを指すものと理解をいたしております。
○榊原(亨)委員 いわゆる
医業類似行為との関係はいかがでございますか。
○久下政府委員 この点につきましても
医業類似行為に関するあん靡、はりきゆう、柔道、整復、等の関係につきまして、まだ客観的に確定した解釈があるわけではないのでございます。私どもは廣い意味におきまして医業と申しますれば、いわゆる医業類似行為もこれに包含するものと考えております。しかしながら特別な法律をもつてこの医師法に原則が掲げてありますけれども、これと同一の効力を有します他の法律におきまして、そうした行為の医業に属しますことが認められておりますことによつて、その例外として特別な法律によつて医業の内容に属するものが特定の範囲内において特定のものに認められておる。こういう解釈をいたしております。
○榊原(亨)委員 医道審議会の具体的構成はどういうふうになつておりますか。あるいは医師会、歯科医師会におきまして、裁定委員会というようなものもございますが、これとの連関、あるいはそれらの團体との連関を具体的にどういうふうにお考えになつておりますか。

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昭和36年05月18日 [004/004] 38 - 参 - 社会労働委員会 - 29号 あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案審議NO1

○政府委員(川上六馬君) 今お話ございましたように、昭和三十年でございましたか、附帯決議もございまして、無免許あん摩取り締まりをやれということを指示されておるわけでございます、それに従いまして厚生省といたしましては、昭和三十二年の十一月に各都道府県知事宛に通牒を出しまして、そして特に警察と密接に連絡をとって各府県の衛生部が無免許あん摩取り締まりをやるように、特に温泉地、観光地その他特に無免許あん摩の多いところにおきましては、警察当局と協力して厳重な取り締まりをやるように通牒を出しておるわけでございますが、ただいま御指摘がありました免許を有しない若い婦女子を雇用しまして、そしてそれを旅館とか、料亭等に出張いたさせて施術を行なわせて、その報酬を分配しておるような業者に対しましては、その無免許あん摩との共犯として告発し、業務の停止や免許の取り消しするように指示いたしておるわけです。また、学校の生徒が、つまり免許を得ない生徒が施術をやるという場合もありますので、そういうことにつきましては、施設の長に対しましてもそういうことのないように指導するように申しておるわけでございます。その後、警察におきましても同じ年の十二月に、やはり無免許あん摩取り締まりにつきまして通牒を出しておられ、また、三十四年の六月に警察庁から行政法違反の取り締まりについて厚生省に照会がありましたときにも、特に無免許あん摩取り締まりを厳重にやっていただきますように警察庁の方にお願いしてあるわけでありまして、警察庁はまたそれによりまして無免許あん摩取り締まりの資料などを地方に送られまして取り締まりをやるように指示されておるわけでございます。それから昨年の一月に最高裁の医業類似行為に対しまするところの裁判がございまして、実際に人の健康に害のない医業類似行為に対しましては、これを取り締まりの対象にしないということになりましたので、一時はあん摩の方もそうした趣旨によりまして無免許あん摩取り締まりがなされなくなるのではないかというように心配する向きもありましたので、免許制になっておるあん摩に関してはさようなことはない、従来通り無免許のあん摩を取り締まることに変わりはないことを申し送っているような実情であります。そういうようなことで、警察庁と協力をいたしまして取り締まりを年々やっておる次第でございます。
 それからもう一つのお尋ねの盲人あん摩について職場を確保する必要があるということの御意見でございますが、私たちとしても盲人の福祉のためにもできるだけそういう職場を確保してあげたいという考え方でおるわけであります。しかし、この盲人の人たちにあん摩を専業にするとかあるいは免許を優先するというようなことも、なかなか職業の選択の自由という面もあってむずかしゅうございますが、この点は十分検討いたしますが、盲人の職場を確保するというようなことにつきましては、身体障害者の雇用促進に協力をしたいということ、それから晴眼のあん摩さんの養成施設というようなものは行政指導でなるべくふやさないような考え方を持っておるわけでございます。
 それからお尋ねの数は、晴眼者の方のあん摩さんの数は一万七千五百六十六人でございまして、それから……。
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記やめて。
  〔速記中止〕
○委員長(吉武恵市君) 速記始めて。
○藤田藤太郎君 あんたね、厚生省は……、この前の法案が通ったのは三十三年ですよ。あのときに提案者衆議院議員野澤君がここで約束し、厚生省も約束したじゃないか。今あなた府県に指示した、警察にも指示したというのは、厚生省が三十二年の十一月、警察がその年の十二月、あれだけここで約束したことを何にもしていない、それで最高裁の裁判があって職業選択の自由が云々というようなことで、それで雇用を盲人のあん摩については促進をしたいと思うが職業選択の自由がある、そんなことであなたどうなるんですか。もっと、あなたの方が行政を担当しておられる省なんでしょう、私の尋ねているのは無免許の晴眼のあん摩が何人おるかということを尋ねておるのだ。ここにあなた方免許を持っておるあん摩さんの数ちゃんと出ていますが、私が尋ねなくても。そうでしょう。そうじゃないのです。免許を持った人がたくさんの無免許のあん摩を使うてやっておるのが何人おるか、この無免許あん摩の人があなた方一つも取り締まりしていない、国会で約束してもほったらかしじゃないか、それから盲人のあん摩の雇用促進は必要だとおっしゃるけれども、具体的にどういう工合にしたら盲人のあん摩さんの職場が確保できるか、盲人という人は本来いえば社会が救って、身体障害者だから社会が憲法に基づいて生活を保障するというのが建前になっているのだ。だけれども、何といってもこの盲人の方々が一つは十分に救えない面がある、一つは自分の能力を生かして社会に貢献しようという熱情を持っているのです。そうです。その熱情を持っている盲人をなぜ社会に生かすようにしないか、この問題ですよ、私の質問しているのは。そういう点が一つもあなたのさっきからの答弁聞いているというと、どっちに船が着くかわからぬような答弁をされておる。もっと明確に厚生省はこのようなものについてはこう考えているということをはっきり言って下さいよ。
○説明員(黒木利克君) 補足的に申し上げますが、実は視覚障害者の盲人の対策につきましては、主として社会局の方面でやっておりまして、視覚障害者のうちのあん摩、はり、きゅう、マッサージ師の問題だけを医務局でやっておりますので、局長の答弁も後段の方に限ったわけでございます。ただ、私の方で社会局と連絡をいたしましていただいております社会局の調査がございますから御披露さしていただきたいと思いますが、三十五年の七月に身体障害者のいろいろな調査をいたしまして、どういうような職業についておって、どういう保護をされておるか、また、今後どうしたらいいかということの基礎的な資料でございます。それによりますと、盲人の大体総数は推計が二十二万でございます。そのうち十八才未満の者が一万八千、十八才以上が二十万二千でございます。主として職業の問題がありますのは十八才以上でございますが、その内訳を申しますと、この抽出調査の対象になりました盲人が、無職の者が千三百二十五、職業についております者が六百四十九でございます。そのうち、職業の内訳でございますが、あん摩師が二百四十八でございます。なお、あん摩を含めましたサービス業が二百六十六、それから技能工、何らかの技能が身についておる人たちが八十一、それから通信関係が三、採鉱、鉱石を掘る、これが五、農林漁業が二百十五、販売業が五十二、事務職員が六、管理的な職業というのが三、専門技術職業が十六ということでございまして、全体のうちであん摩の比率というものがそう大きくはないということでございます。御承知のように、あん摩につきましては、この養成は、主として生まれつきの視覚障害者につきましては、文部省系統の養成施設で、学校でやっております。私の方は光明寮で、中途失明者の関係の施設で養成をやっておるということでございまして、この厚生省関係の施設の定員をふやしたり、個所数をふやしたりということで、盲人のあん摩師をふやしていくということと、それから先ほど申されました雇用促進法等におきまして、こういう盲人を雇用する職場におきましては、七〇%を目途にして職業の開拓を、確保を進めておるというようなことでございます。今のところは私の方で行政措置といたしましては、先ほど局長の申されましたように、晴眼者のあん摩師等の養成を、行政措置として養成施設のある程度の抑制をするなり、あるいはもぐりの定員を取り締まるなり、あるいは定員というものをできるだけふやさぬようにするというようなことで、このお手元に差し上げてあります資料にありますように、盲人と晴眼者の比率も大体おっつかっつでございまして、従来は盲人の方が多いのでございますが、だんだん現在の定員から申しますというと、晴眼者の方がふえるという傾向がございますから、晴眼者のそういうような定員をふやすことについて行政措置で手心を加えるということを意識してやっておるわけでございます。ただ盲人だけを特別扱いをするということは、医療法規におきましてはいろいろ憲法上の問題がありまして、従来の伝統もありますから、何とか考慮いたしたいと思っておりますが、今のところ法制局とは話し合いがついていない、従って、消極的でありますが、晴眼者の方をある程度遠慮してもらうという行政措置をとっておる次第でございます。
○藤田藤太郎君 何人おられるのですか、無免許晴眼者のあん摩。
○ 説明員(黒木利克君) 晴眼者のあん摩のうちで問題になりますのは、いわゆる売春を伴う、
  〔委員長退席、理事高野一夫君着席〕こういうような人たちでございますが、この数字につきましても売春婦の推計も一応ございますが、そのうちマッサージ的なことをやっております者がどのくらいかは、いろいろ警察庁にも問うておるのでありますが、はっきりした数字がわかりません。ただ売春の関係の女性の数の推定は、警察庁でお持ちのようでございます。なお、その他の晴眼者の無免許の者につきましては、私の方の取り締まりの対象にいたしております数につきましては、残念ながら推計がないのでございます。
○藤田藤太郎君 無免許のあん摩が売春だというような認定で言うなんというのは、どうもちょっと間違えていませんか。無免許であん摩をしている人が幾らおるかということを聞いておるので、よくパンマとか何とか言われるけれども、事実問題として、これは警察が取り締まられる問題で、あん摩をしておるとかせぬとかいうことで問題が起きているのじゃないので、無免許のあん摩がどれだけおるか、これぐらいの捕捉は、私はしておくべきだと思うのです。これは三十三年の法改正のときの約束なんですよ。あなた方おいでになったら何ですけれども、あの当時の議事録を調べてもらってもわかりますように、きちっと約束がされておる。そういうことをどうですかと聞いておるのです。まあ厚生省はそれをつかんでおられないそうですから、警察の方で一つどういう状態にあるかお答え願いたい。
○説明員(小野沢知雄君) 私どもの方といたしましても、厚生省と緊密な連絡をとりまして、力の及ぶ限りやっておるわけでございますが、大へん御希望に沿えないような数字が出ておりますので、恐縮でございます。
○藤田藤太郎君 その数字というのはどんなんですか。
○説明員(小野沢知雄君) 昭和三十三年におきまして、無免許あん摩の件数が二百二十一件、人員が二百三十名、それから昭和三十四年におきましては、件数が百三十件で、人員が百二十六名、三十五年が八十件ございまして、人員が八十三名というふうに出ておるわけでございます。
○藤田藤太郎君 これは、今次長が言われた売春云々というところにつながっているのが取り締まりの対象になったような感じがするのですが、これは警察の立場だから何ですけれども、私は厚生省が――私たちの住んでいる東京でも堂々と行なわれているわけですよ、こういうことをどういう工合に見ておられるかということ。まず第一は観光地ですよ。その次が大都会です。このごろは中都市まで全部です。晴眼のあん摩の見習いといいますか、それが入ってきて、三月目から仕事について、それから学校に行かれて、行かれぬ人もあるけれども、そういう格好で、免許を取るまで――何年かかかってようやく免許を取る、その間の何年かというものは膨大な人がおられるということ、あなた方はこれは私が申し上げぬでもそんなことはわかっておると思うのです。そんなことがわからぬのですかね。この三十三年のときに、非常にこれが問題になって、ここで厚生省は、それをつまびらかにしてやるということを約束されたはずですが、全然処置をされていないわけですね。
  〔理事高野一夫君退席、委員長着
  席〕
○政府委員(川上六馬君) 全然処置をしないということはむろんないのでございまして、先ほど申しましたように、いろいろこまかい指示をいたして、無免許あん摩の取り締まりをやっております。これによって、地方では警察と協力して、ただいま申し上げましたように、無免許あん摩全体の数はなかなかわかりませんけれども、今お話があったのは、検挙件数だけでございますから、これより実際はずっと多いわけで、この取り締まりはなかなかむずかしい次第です。この間も静岡の衛生部長に熱海の無免許あん摩の問題についていろいろ事情を聞いて、取り締まり督促もいたしたわけでございますけれども、やはり旅館等に出入りしておるあん摩を出口で調べてみると、免許を持っていない者の方が多かったと聞いています。そういう観光地、特に利用の多い都市なんかには相当あると思いますので、今後その取り締まりを厳重にしなければならぬと思っております。
藤田藤太郎君 相当あるようでありますなんと言って、これは環境衛生の立場から、あなたの方の行政監督下ではないのですか。まるであなたはよその行政でもあるように、思われますなんということで取り締まっておられて、それでこの表を見ても、晴眼の厚生省認定が千五百四十人で、盲人が八百七十六人だ。盲人の学校は五年制で、政府の認定するのは二年制ですよ。それでどんどんあん摩師を作っておられるのではないですか。片方ではそういうことをやり、それにプラス・アルファとして無免許あん摩が集団でおる。こういうところについて、免許のある人が届出をしない限りは、その無免許あん摩もそこに仕事をする根拠がないわけでしょう。だから、免許を持っておるあん摩営業を調べてみれば、直ちにこれはわかる問題ではないですか。免許を持って届けてあん摩営業をやっておるところに、何人無免許の人がおるか、免許の人が何人おるかということは、直ちにこれはわかることではないですか。そんな免許も何も持っていないであん摩の看板を掲げるわけにはいかぬでしょう、あん摩の法律によって。私はそういう例を見ない。やはりあん摩の営業をやっておる看板に基づいて、そこで無免許あん摩が仕事をしておるという現実ではないですか。そのほかにはない。そんなことは、あなたすぐ調べられるじゃないですか。それをよそのことのようにあなた方言っていていいのですか。これが問題点の一つですよ。まああなたの方は、今までやっていないし、わからぬというのだから、他の委員からもこの問題については御質疑があると思います。
 それからもう一つの問題は、私は何といっても、今規制するとおっしゃったけれども、この数字を見ても、三十一カ所ですか、三十何カ所あるわけでしょう。この晴眼のあん摩講習所、厚生省の認定のはふやさない、押えるとおっしゃいますけれども、こんなことをしていて、それであなたは身体障害者の雇用促進、あん摩の職場確保ということが実際にできるのですか、そこを聞いているのです。身体障害者の盲人のあん摩に五年かけるなら、晴眼の人には七年くらい勉強さして、それでりっぱに晴眼の人を治療の立場に当たらすというようなことは、これは常識じゃないですか。盲人の方は五年制で国立、公立で、無免許の晴眼の方は二年で免許を与える、これは何を意味しておるのですかね。これはこの前のときも大いに議論をされたところだと私は思うのですがね。それで盲人の職場確保ということが実際できるのですかね。これは次官にも御意見を承りたいと思っております。
○説明員(黒木利克君) 先ほど盲人のあん摩師の養成年数の御質問がございましたが、実は行政機関におきましては、文部省も、厚生省も、あん摩の養成については、期間中、中学卒業は二年、高等卒業は二年ということで、差異はないのでございます。ただ義務教育とかその他の教育課程がそれぞれ文部省関係ではございますのでそういうことになっておりますが、あん摩については両方とも二年でございます。それからはり師とかきゅう師の免許を得るためには、中学を卒業した者は五年、高等学校を卒業した者は三年、これも同様でございます。
○阿具根登君 先ほどの答弁の中に、医療法との関係もあり特別な処置はとられない、こういう答弁があったと思うのです。それはどういうことか一つ説明していただきたい。
○説明員(黒木利克君) 私の発言の内容につきまして誤解があるといけませんので、繰り返して申し上げますが、実は盲人に関する立法につきましては、御承知のように、医療法規の関係と身体障害者の福祉立法の関係があるのでございます。医療法規の関係におきましては、盲人と晴眼者につきましていろいろ資格なりその他免許上の問題につきましてそういうような差をつけるというような方針は従来とっていない。むしろ福祉立法の方で、盲人の福祉という面からそういう問題を従来取り扱っていくというような建前になっておるのでございます。ただ、いろいろ従来御希望がございますので、この医療法規におきまして、職業の選択の自由というようなことと、盲人のあん摩師の保護ということをどのように両立させたらいいかということを法律的にいろいろ検討いたしておりますが、なかなか十分な結論にまだ達していないということを申し上げたのでございます。
○阿具根登君 八年、三年、三年とのんできて、まだ結論が出ないということは、医業類似行為であるから、医療法との関係で困るというのでしょう。それでは、社会福祉なら社会福祉にこれを割り切るなら、そういうものは関係ないようになってくるでしょう。盲人だけに対して、たとえば極端に言えば、あん摩というものは、日本古来から考えてみれば、これは盲人のためにできた職業なんですね、そうでしょう。そうすると、今の憲法で職業の選択の自由があるからそれでできないとするならば、社会福祉としてこれを認めるとするならば、それではめくらでなければあん摩はできないと、こういうことになるはずでしょう。それをあなた方は、医業類似行為の中にどうしてもこれを入れなければいけないという考えがあるから、認めない、こういうことになるでしょう、どっちですか。
○説明員(黒木利克君) 御質問のことをちょっと読みかねるのでございますが、私の方で申し上げましたのは、職業の選択の自由という見地から盲人にだけあん摩というものを独占させるということが今のところ非常に解釈上は困難である。しかし、盲人の職場というものは非常に限定されておりますから、何とかして職場を確保する、開拓をするという意味で、福祉立法的な措置でいろいろ保護をするということが可能だ。たとえば、現在都市におきまする盲人のあん摩は晴眼者に比べましていろいろ交通上その他についてハンデがございますから、そのハンデを埋めてあげる、つまり晴眼者との少なくともハンデを除くようなことをする、これは福祉立法において可能でございますから、あるいはさらに晴眼者よりももっと活動のしやすいような保護の立法というものもあるいは考えられるかもわかりませんが、そういう方向で考えることは可能であろう、こういうことを申し上げたのであります。
○阿具根登君 医業類似行為だからそうなんでしょう。これを医業類似行為ではないとしてですね、いわゆる社会福祉事業だ、社会福祉という観点からいくならば、盲人でなければあん摩をすることができないということができるのじゃないですか。医業類似行為であるから、職業の選択の自由でひっかかっているのでしょう。だから、これは社会福祉事業だ、こういう考え方でこれを持っていくことはどうか。
○説明員(黒木利克君) 憲法上の解釈では、医療法規であろうと、社会福祉法規であろうと、職業上の選択の自由というものはございますから、そういう面からは、私は福祉立法で盲人のあん摩業というものを独占させるということもやはり憲法上疑義があるのではなかろうかと存じます。
○阿具根登君 それでは、ちょっと話題をかえて別の方からいってみましょう。
 今度の最高裁の判決はどういうものであったか、はっきりして下さい。
○説明員(黒木利克君) 法律的な問題ですから、私が御説明いたしますが、昭和三十五年の一月に最高裁の判決がございました。これは昭和二十九年の仙台の高等裁判所の言い渡した判決に対する上告の申し立てに基づきまして原判決を破棄したのでございますが、この原判決は次の通りでございます。HS式という無熱高周波療法というものが、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法にいう医業類似行為として同法の適用を受けて禁止さるべきものだ、こういうようなことは憲法の二十二条に違反するから無効だ、従って、仙台の高等裁判所の判決は憲法に違反しているから被告人の所為は罪とならない、こういうことでございます。これに対して最高裁の判決は、医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反するならば、これは当然処罰をしてもよろしいが、しかし、公共の福祉に反するというのはかかる業務の行為が人の健康に害を及ぼすおそれがあるからだ、ところが、この高周波療法というものについては人体に危害を与えるか、また、保健衛生上も何ら悪影響があるかどうかわかっていない、従って、直ちにこの公共の福祉に反するわけではない、だから、原判決というものは、こういうような人体に影響があるかないかということについては何ら判示することなくして、単にこの高周波療法というものがあん摩師法等の十二条に違反するという理由だけで判決を下したことは法律の解釈を誤ったものである、従って、原判決を破棄する、こういうことでございます。要するに、医業類似行為というものは、人の健康に悪影響があるというようなことがはっきりしなければ処罰ができない、こういう内容のものでございます。
○阿具根登君 そうしますと、今われわれが審議しておるこの法律案も、これは憲法違反になりはしませんか。たとえば、今のあん摩の問題でも、医業類似行為であるからこれは憲法に違反する、社会福祉として見るなら、これは一定の職業ということでなくて、特に身体障害者のために職業の一端としての作業だとして認めるならば私は憲法違反にならないのだというような解釈からあなたに質問したところが、これも憲法違反になるというのだ。そうすれば、この三十五年の一月二十七日の最高裁の判決は、これはわれわれがきめたこの法律によって登録しておらない業者がその業務をやったからあなた方は告訴した、それが最高裁では、人体に影響を与えないからこれはやってよろしい、こういうことになったわけなんだな。そうすれば、こういう法律は、審議するところは何もないじゃないですか。
○説明員(黒木利克君) 先生の御質問のような解釈も、実は私たちの方もできるのではないかと、この判決につきまして実は非常な疑問を持ちまして、最高裁の事務当局に照会をいたしまして、次のようにはっきりいたしたのでございます。ここでいう医業類似行為というものは、あん摩とか、はりとか、きゅうとか、そういうようなものを含まないで、これは免許制度で、あん摩とかはりとかきゅうとかいう特殊の身分制度がございまして、これはやはり一つの身分制度が確立しておるから、これについてもぐりは従来通り厳重に取り締まるのだ。ただ、この判決にいう医業類似行為というものは、あん摩、はり、きゅうとか、それ以外のいわゆる届出医業類似行為である。つまり従来医業類似行為については広い意味と狭い意味の解釈がございまして、医者のやる医療行為以外のものを医業類似行為といっておったのですが、しかし、もう一つ狭い意味では、医業類似行為というものが禁止されておる、しかし、ただし書きとして、既得権を擁護する意味で三年間認めたわけですね。それを今回また三カ年間既得権を認めていこうということなんです。その認めていく対象になる医業類似行為だけをこの最高裁判決では医業類似行為だとしておるんだ。従って、この判決により従来のようなあん摩師、はり師の問題には全然これは関係ない。ですから、無免許あん摩というものは、従来通り、これは人体に危害があろうとなかろうと、これは無免許でやった場合には厳重に取り締まるのだ。しかし届出医業類似行為、それのまがいのことをやっておれば、人体に影響があったという場合しか処罰できない、こういうふうに解釈がはっきりしてきたわけでございます。
○阿具根登君 そうすると二つの疑問が起こってくるわけだ。これはことし一ぱいで切れるから三年間延長する法律案なんだな。ところが、切れても今日まで届け出してやってきた既得権を持っておるその人がやる場合には処罰の方法はない。ただあん摩業をやった場合にのみ処罰の対象になっておる。今日まで無免許であん摩業をやって処罰を受けた者が二、三人おると思う。かりにその人が、私あん摩やっておりません、私は指圧師、マッサージ師です、こういうことを言ったならば、処罰の対象にその人はならない。そうでしょう。それが一点。それからじゃあん摩とかはりとかきゅうとか――まあはりはわかりませんよ、僕は専門家じゃないから。今の針をぶち込まれたら人体に危害を与えるかもしれませんけれども、あん摩とか指圧とかマッサージ師というものは人体に危害を加えないということはわかっているんだから、それならなぜこういう法律を作らなければならないか、憲法で認めておるなら。こういう人体に危害を加えないということ、これは日本古来からやっていることなんですからね、わざわざ作る必要はない。そうすると、無制限にこういうものができてくるわけなんです。だからそれを整理するためにこういうのを作っている。そうするならあなた方が八年、三年、三年と十四年もかかってできないという理由はどこにあるのですか。しないからできないのですよ。憲法論からいうなら、今のようなこういう法律案はだめなんです。ただ際限なく広がったら、どうもこうもできないから、これを統制するために一つの資格を与えておるわけです。それでなければなぜ単独立法ができないんです。できるはずです。それをあなた方はやっておらないじゃないですか。憲法論議でいうならこれは無効でしょう。ただそういうことになってくれば、これは裁判所できまったやつは、すべての法律は無効になるというやつができてくるから、だからこの法律に合わせたんですよ。登録しておるということは許可しておるんです、政府が。その人がやることは、それはやってよろしいと。あなた方はここで禁止しておる。われわれはそれを知らずに禁止した。最高裁でこれは無罪になっておる。やってよろしいというんだ。ただそれが人体に危害を加えるか加えないかという問題が残っておるだけなんです。だから電波を、どのくらいのやつは人体に危害を加える、あるいは光線はどのくらいだったら人体に危害を加えないとか、そういうものさえはっきりすればだれでもやれるということになるわけですよ、だれでも。そうでしょう。で、どうしてこれができないかというわけなんですよ。
○説明員(黒木利克君) 先生の御質疑もごもっともでございますが、実は説明が足りませんでしたが、御質問の中にありました指圧というものは、従前は先ほど申しました狭い意味の医業類似行為として、届けておれば継続してやれておったわでけございますが、いろいろ医学的な検討を遂げまして、この経過期間中に指圧は、一つ身分制度に、上に引き上げよう、指圧は引き上げようということになりまして、あん摩として、カッコして指圧を含むというふうにして、新しいそういうような身分制度にして、上に引き上げたいというような法律の改正がなされておるわけでございます。従いまして、指圧はあん摩師として、これは身分免許が持たされておるわけでございます。従って、もぐりで指圧をやります場合には問題が二つに分かれます。届出類似行為の中で指圧的な方法で、――指圧となればあん摩の中に含まれてあん摩師のこれは業務になりますが、指圧療法で届出類似行為のものは、この法律の延長によりまして、あと三年までまだ継続できる。しかし、届け出ていない指圧的な療法をやる人たちは、これは法律上違反になるわけです。
○阿具根登君 あなたがそういう答弁をするから、そういう思想だからこうなってくるんですよ。指圧を引き上げたとは何です。指圧の身分を引き上げた。あなた方の物の考え方は――僕はこれを作ったとき委員長だったからよく知っているんですよ。あなたより古いよ、僕は。これは知っているんですよ。たたき、押し、さする等、こういう定義があるんだ、あん摩には。その中の一つの押すやつが指圧なんです。そういう思想だから試験を受けない、だれでも。だから参議院の議員会館へ行ってごらんなさい。衆議院の議員会館へ行ってごらんなさい。あん摩師がだれかおりますか、指圧師が常駐して、そうして議員全部――全部じゃないですけれども、その療法を受けておる。議会の中に公然と許されて指圧師はやっているんですよ。全部あん摩さんじゃないですよ。あなたの頭は、指圧を引き上げた、あん摩に入れてやったと、そういう感覚だから、これはこういうことになってくるんですよ。それはどうですか、今でもそういうふうに考えておるんですか。
○説明員(黒木利克君) 実は終戦後におきまして、従来のあん摩、はり、きゅう、柔道整復師等の処遇につきまして、あるいは身分につきまして、いろいろ論議がございまして、昭和二十二年に医療制度審議会というものが設けられました機会に、厚生大臣が諮問をいたしまして、今後これをどうしたらいいかというようなことになったのでございますが、その結論の第一が、きゅうとかあるいははりとかあん摩とかマッサージとか柔道整復の営業者というものは、すべて医師の指導のもとにするのでなければ、患者に対してその施術を行なわしめてはならない。それからいわゆる医業類似行為というものはすべてこれを禁止する。こういう答申がございまして、この答申のそのままの実現は見なかったのでございますが、従来営業免許であったものを、このマッサージとか、あるいはあん摩とか柔道整復とか、はり師とか、こういうものを身分免許にいたしまして、その他の医業類似行為というものは禁止をする。ただし従来やっておる者は三年間だけこれを経過的に認める。こういうような法律ができまして、その後この経過期間がたびたび延長になりまして今日に至っておるような次第でございます。従って、上に上げると私が申しましたのは言い過ぎでございますが、この医業類似行為のうちで身分免許にする必要のあるものは身分免許にすると、その中で指圧が身分免許に取り上げられた、こういう経過でございます。
○相馬助治君 この阿具根委員の質問と藤田委員の質問の答弁の態度に現われておるように、厚生省は、この法律の、前に通過したときの立法、改正精神、並びにこれに附帯決議として乗っていたものの精神を体して努力を何にもしていないということを、ここにみごとに暴露しているのです。今申したこの指圧が入った歴史というのは、あん摩というものの概念は、押す、さする、なでる、たたくだと、それに押すがないなら指圧は入れることが当然で、療術師の問題とは切り離して、あん摩師というならば指圧は入れることが当然なんだというので入れたので、何も指圧の人を、療術師の中で特にすぐれたものだから指圧の者だけ身分を引き上げて入れたのでは全くない。あん摩師だから、当然入れるべきものを入れておかなかったから、その入れておくべき筋のものを入れたにとどまって、そのときの了解事項は、療術師に対しては抜本的に研究をして、単独立法をするなり、それから、再延長などということをしないで済むだけの措置を講ずるということが一つと、それから、藤田委員が指摘したように、無免許のあん摩の問題があるから、これの問題について、その身分規制をすると同時に、取り締まりを厳重にするという了解で、延期されたのです。従って、筋から言うと、今度のこの延長法案などということは、あり得ないはずなんです。すなわち、ここで単独立法を出して、療術師法というものを出して、療術師というものの中に、あん摩師から何から入れて、単独立法でこれを律して、その身分を確定するか、また、別に、療術師なるものを、厚生省の頑迷な――あえて頑迷と言うのです、一部でしょうが、頑迷な官僚意識で、療術師というものはつぶすのだという頭のもので、そしてその通りの筋ならば、私は反対だけれども、療術師というものは禁止するのだ、これは大社会問題になりますよ、そして私は反対ですよ。しかし、そういうふうな段階なんです。研究だ研究だといって、また三年延ばすのでしょう。三年後にまた同じ問題が起きる。従って、ここらで、ほんとうならば、厚生省が責任を感じているならば、三年といわずして、当分というふうにして延ばすべきだ。そして、その当分のうちに、厚生省が責任をもって療術師の問題を解決する単独法案なり何なりを、みずからの力でやるべきなんだ。療術師自身も、非常に謙虚な態度でこれに臨んでいる。われわれの仲間で、新興宗教とくっついて、何かわからぬような、目の前で手をちらつかして、それで療術師ですと言っているような者については、禁止して下さい。それから、電気を使ったりなんかするものについて、電気の知識の不足な者もあるから、厳重な再教育の場を作って下さい。われわれはその講習に出します。それから、知らないがために届出を怠って、そして療術師の仲間にも入れない者もあるから、こういう問題も一つ再吟味をして、この中に入れて下さい。そして、今後、療術師の免許をするについては相当厳重な資格要件をやって下さいということを、われわれに訴えているのだから、厚生省に訴えないはずがない。従って、今阿具根委員が指摘したような問題は、こういうなまはんかな、わけのわからない延期法案を出すというと、またまた問題は私は紛糾してくると思うのです。従って、私は、阿具根委員の関連質問で一問だけ聞いているのだが、療術師というものは、将来どうするのですか。厚生省は、これはみな殺すというのですか。それとも、指導によって、こういう人たちを、こういう行為をここをここをやってもらうというふうにするための単独法をやるというのですか。

○委員長(吉武恵市君) それでは、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案を議題といたします。これより質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
 本日の政府側から御出席になりますのは安藤厚生政務次官、川上医務局長、黒木医務局次長、小野沢警察庁保安局保安課長、辻村文部省初等中等教育局特殊教育主任官、堀職業安定局長、木村職業安定局雇用安定課長の方々であります。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
○藤田藤太郎君 このあん摩師、はり師、きゅう師、柔道整復師のこの法案を読んでみますと、医業類似行為の療術師といわれている人をこの前、三年前に延長をしたわけです。この審議のときを振り返ってみますと、私は、昭和二十三年登録してこの類似行為の中に行なわれておるのですが、この四つの試験を受けてという導きにはなっている。しかし、まあ相当な技術を持ってやっておられるので、三年間延長しようという、しかし、ここでやはり一応問題になったのは、私はあん摩とか営業をやっている方々がたくさんの人をかかえて、免許のない人の方がむしろ営業量は多いんじゃないか、これを取り締まるという厚生省は約束をあのときに明確に、なくなられた野沢君が提案者でそういうことがありました。片一方でそういう行為を認めておいて、療術師だけちょん切ってしまうというようなことはやはり問題がある。むしろ療術師の医業類似行為をやっておる方が、需要と供給からいったら、これはやはり需要があってもちろん喜ばれてやっていることだから延長しようじゃないか、今度も三年間延長ということになってきております。私たちは何とかこれを守ってあげなければならぬ。だから私のお尋ねしたいことは、あん摩師とそれからあん摩という名前で働いている、まあ要するに無免許の人です。どういう状態にあるか、この表を見ても一千何百人というものが毎年試験を受けておられるようですけれども、それ以上に免許のない人が多いということ、これをどういう取り締まりをしているか、これ一番問題点じゃなかろうかと思うのです。これが一点です。
 それからやはり盲人ですね。身体障害者雇用促進法ができましたけれども、実際問題としては盲人の方が学校卒業者といいますか、盲人の学校というのは国立か公立なんですね。それから目あきの方は私立なんです。それでもう絶対数も問題にならぬ。こちらの盲人の方に厳格に五年制をしいて教育をして、そして目あきの方は二年制で一人前のあん摩として免許を与えている、これは非常に私は不合理じゃないか、だから盲人の方が職場を圧迫されて、そして職場はだんだん減ってきている、だからこういうところにあの身体障害者雇用促進という建前からいっても、私は相当思い切った処置をせねばいかぬのじゃないかとこう思う。この二点につきましてまず聞きたい。

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昭和36年05月18日 [004/004] 38 - 参 - 社会労働委員会 - 29号 あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案審議NO2

○政府委員(川上六馬君) ただいま御質問の、療術というものの将来の取り扱いのことでございますが、実はこの前の附帯決議もございまして、厚生省といたしましては、昭和二十四年から二十八年の間におきまして、医学者あるいは機械、電気などの学者にいろいろ研究をしてもらったわけでございます。もちろん御承知のように、何百種というほどの療術行為があるわけでありますが、比較的よく行なわれているもの、あるいは医療上、影響の大きいものを取り上げまして研究してもらったわけでありますが、その結果、概括的に申し上げますと、有害なもの、あるいは害もないが益もない、あるいは医者なり、相当の知識や医学的な素養があれば害より益が多いだろうというもの、あるいはしろうとがやってもまず心配ないだろうというような、いろいろな種類のものがございます。しかし、そのしろうとがやっても害はないだろうというように言われたものも、ある学者は医者が指導しなければいけない。ことに疾病や、症状によっては診断を要するものもある。あるいは禁忌といいまして、やってはならない場合もあるわけであります。従って、一がいに医業類似行為といいましても、患者の症状、やり方等でいろいろと影響が違うのでありまして、これを体系的に取捨選択をして、こういう体系に属するものはこれを認めて、免許制度にしていこうというような考え方はまだ持っていないわけであります。ただ、先ほども次長から申しましたように、手技の中の指圧の方はあんま摩の中に取り入れたわけでございます。その他の医業類似行為につきましては、今後三年間の間に研究さしていただきたいと思います。
○阿具根登君 あなたの言うこと、抽象的でさっぱりわからぬ。何もしていないからそういうことを言う。何を許すとか何を許さぬとか、ぴしゃっと出てこなければならぬ。何を言っていますか。さっきから言われる通り、これが一番最初出たときは、めくらさんが笛を吹いて、あん摩の呼び声を流す。外人が見て、日本という国は何という国じゃ、目の見えない人に夜の夜中まで笛吹かせて仕事さしておる、何とかせぬかいというのがきっかけなんです。そうすると、あなた方の話を聞いておると、指圧を、あん摩の名前をくれて指圧を昇格さしたと言っているけれども、結局、あなたは、宿屋へ泊まったら、めくらのあん摩さんにもんでもらいますか、目あきのあん摩さんにもんでもらいますか。目あきでしょう、目あきさんです。あん摩呼んで下さいと言うと、宿屋の女中さんはみんな呼んできますよ、目あきさんばかり。あなた方が昇格さして、めくらさんを追い出しているじゃないですか。だからわれわれは、あん摩さんは別個にしなさい。めくらじゃなければできないんだ、こうしなさいと言っている。そうしなければ、あなた方は、昇格さしたなんか言っているけれども、あん摩さん自体あん摩の職業なくなりますよ。熱海へ行ってみなさい。熱海の旅館に泊まってみなさい。めくらのあん摩さんが来るか来ないか。みんな若いあん摩さんでしょうが。しかも、何か聞いてみると、売春までやっているとあなた方自身が言っているじゃないか。それだから、あん摩追放してしまうのでしょう。だからこういうことになってくるのだ。
 で、これは三年という延期になっておりますが、また三年後こういう論争しますか、私らと。いつきめますか。あなたおらぬかもしれぬけれども、また、三年後こういう論争をやりますか。一体、国会何の権威があってこういうことをやります。いつまでたっても三年延期、三年延期。厚生省は何一つ具体案出しておらぬじゃないですか。何年たてば具体案が出てきますか、次長。われわれが出す具体案は認められますか。われわれは、さっそくでも出して見せますよ。いつやりますか。三年便々と待っていますか。そうしてまた三年たって、三年延長しますか。だれが信頼しますか、そんなことをして。それをはっきりして下さいよ。
○政府委員(川上六馬君) ただいまのお話のうち、あん摩は通常医業類似行為として扱っていないわけであります。今のお話は、盲人にあん摩を専業させたらという御意見のように聞きますが、これはやはり先ほど申しましたように、なかなかむずかしいだろうと思います。
○阿具根登君 それじゃ憲法論議になるでしょう。憲法論議だったらこれは無効だと言っているのですよ。そういうことをはっきりしなさい。
○政府委員(川上六馬君) 先ほど先生がおしゃった最高裁の裁判の解釈については、少し誤解があるのじゃないかと思いますが、最高裁の裁判は、無届で医業類似行為をやった場合、ただ、法律に反するからということで処罰はできない、処罰するのなら、そのやっておる行為が医学的に見て害があるということでなければ処罰をできないということを言っておるわけでありまして、無届で医業類似行為をやってもよいということじゃないのです。
○阿具根登君 あなた登録して、許可しておる人がやった行為じゃないのですよ。登録をしていない人がやったのですよ。それを最高裁はよろしいと言っておる、職業自由の選択によって。しかし、やった行為が人体に損害を与えるか与えないかという問題なんです。そのことが問題だと言っておる。それなら指圧とかあん摩とかというのが人体に障害を与えますか。指圧とか、あん摩とかというのが人体に危害を与えますか。与えるのなら許可されていないはずですよ。そういうことまで許可しなければいかぬでしょう。ところが、光線を扱っている人が無免許で、この人はまた登録もしていない。だからあなた方は告発した。それが最高裁でそれでも職業の自由の選択でよろしい、人間のからだに危害さえ与えなければよろしい、こういうことになっておる。だから危害を与えるか与えないかは今後学者の研究を待たなければならないが、光線だったらどのくらい、電気だったらどのくらい人体に与えるか、あるいはどういう病状のときにどういう光線を与えたらよいかということは今後の問題です。私の言っておるのは、今後の問題はおいて、登録をしていない人がやってもいいということになっておる。それなら電気とか光線を扱ったり、あん摩とか指圧とかいうものを使いたいというのがいるでしょう。その人はなぜこういうワクをしなければならないかということですよ。というとこのままではだれでもやっていいということになり、無制限になるから一つの統制を加えて身分をつけてやったんですよ。そうでしょう。憲法論議でいくならこれを作る必要はない。憲法論でいくならば。人間に危害を与えない、公共の福祉を損じない、そうするならそれはだれでもやってよろしい。職業の自由の選択というのならばこんな法律あっても何にもならぬですよ。そうやっておるのだから。その身分をきめる場合にこうしなければならぬということをわれわれは今日まで言っておる。だからそれを三年間あなた方はまた研究せねばできないというなら、われわれが研究して差し上げます。今まであなた方は十何年間も研究してきて、まだ具体案も何もない。そのまま延長々々、しかも指圧その他はつぶそうとしておる。そうじゃなくてもあん摩をつぶそうとしておる。あん摩がなくなりますよ。あなた方どこまでいってもそうでしょう。わかっていますか。(相馬助治君「阿具根委員の言っていることがわかっていない。ちょっと速記をとめて……」と述ぶ)
○坂本昭君 確かにわれわれの言っていることを厚生省はよく理解してない。理解してないというよりも理解するとあとがめんどうくさいものだから避けているのじゃないかとさえ思う。
 私は問題点は二つあると思うのです。一つはあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師、そういう言葉で表わされている医業類似行為、これを一体厚生省としてはどういう考えで将来律していこうか。そういう点についての基本的な考え方ができていない。
 それからもう一つは、身体障害者の生存権、生活権、労働権、こういうものに対する理解が十分でない。それから問題は、私は、このいわゆる医業類似行為の私は正当に医療補助の一つの技術として検討を加える。そしてその中から正確に医療行政、厚生行政の中から悪いものは悪いとか、いいものはいいとか。そういう態度をとっていけば私はおのずから生まれてくると思う。で、たとえば「諸外国における医業以外の医療従事者を規制する立法例及びその概要」、これは国立国会図書館の調査立法考査局で出しております。もうすでに二年ほど前に出している。こういうものを見ますというと、明らかに全般を通じてわかっているのは、これはオーストラリア、アルゼンチン、ドイツ、エジプト、フランス、アメリカ、イギリスとたくさん出ておりますけれども、医療補助者としての考え、たとえばイギリスの立法など見るというと、医療補助者、国民保健事業の医療補助者に関する施行規則として、医療補助者という概念で、この中には栄養士、眼鑑調整師、それから物理療法師、足療術師ですか、こうした概念で医療補助者としての明確な資格並びにそれに必要な訓練教育をやっている。そしてちゃんと正しく指導しているわけです。それからまた、身体障害者に対しては、これはイギリス、あるいは西ドイツではこの身体障害者雇用促進法というものの中で、日本の憲法二十二条のような職業選択の自由がどうこうということをこえて、たとえばイギリスではエレベーターを扱う人、あるいは自動車駐車場の番人は身体障害者でなければならないという特殊の留保をしている。こういうように非常に身体障害者に対する扱いも明確である。さらに医療補助技術者としての扱いも明確です。そういう点が非常に不明確にぼかされているために私は問題がいつまでたっても済まないと思う。だからその辺について一体あなた方はどう思っているのか。この身体障害者を見るということは、これは厚生行政の大事な点ですよ。同時にまた、労働省――きょう労働省来ておりますか。局長来ておらぬですね。――大体労働省も非常にあれなんですよ。ふまじめなんですよ。あまり一生懸命やらなかったものだから、やっと身体障害者雇用促進法を去年制定した。でありますから、私はこの二つに分けて考えているのであって、今取り上げているのは主として第一の医療補助として一体立法をどうするか。三年心々といつまで立法を延ばしてどうするかということを今追求しているわけです。だからこれを厚生当局としては私は明確な答えが出るはずだと思う。次官一つ答弁して下さい。
○政府委員(川上六馬君) 今二つの問題を指摘されたわけですが、坂本先生のおっしゃった最初の問題は私たちも考えているわけです。それは学界の方からも理学的療法師や職能療法師というようなものを養成してくれと要望されています。これは病院などの物療の方に医療補助者として使いたいということであります。従って、医業類似行為をこれとの関連においても考えなければならぬと思います。今外国の例があげられましたけれども、それもそういうような種類の医療補助者のことではないかと存じます。次に、あとの問題は直接私どもの所管でありませんけれども、先ほど申しましたように、たとえば病院でマッサージ師を使う場合、なるべく盲人の人を使っていこうというようなふうに私ども考えているわけです。
○相馬助治君 私は、この法律案に関して基本的なことを聞いておきたいと思うのですが、現実に電気その他をもっておやりになっているこの療術師の医療効果というものは公共の福祉に反しないとかなんとかいうようなことで政府当局も見、療術師自身も部外だからなどといって遠慮をしておるけれども、現実にはこういう業が成り立って、こういうものによって病気がなおっている人があって、公共的に認められていると思います、現実に。それででたらめな療術師は社会において没落していっています。あれにかかったらだめだ、むしろ悪くなってしまったというので次から次へと宣伝するからこれは没落していくのです。こういう現実に立って私はものを聞くのだが、一体療術師というものを、今審議しておるこの法律で措置していくということに無理を感じていますか、いませんか。今までの経過上やむを得ずこれで律しているのだが、無理だというふうにお考えですか、どっちですか、厚生省当局。
○説明員(黒木利克君) 療術師の方はいわゆるここでいう届出医業類似行為業者でございます。これは経過期間の間で認めておりまして、この経過期間の間にできるならあん摩師、はり師、きゅう師という方に職業の転換をしていただきたい、そのためのいろいろな講習なりあるいはあんま摩師の特例試験制度というものがとの法律に基づいてできておるわけでございます。そこでこういう方たちは、そういう職業転換もさることながら、現在の届出医業類似行為というものを将来とも公認をしてもらいたい、できるなら療術師という身分法規を作っていただきたい、こういうような御要望をかねてから伺っておるのでございます。ところが一方、医学の見地から、あるいは医界の方のいろいろな団体からは、先ほど医療制度審議会の答申にありましたように、あん摩とか、はりとか、きゅう師とか柔道整復師法とかそういう法律で身分的に確定をしたもの以外の、いわゆる狭い意味の医業類似行為というものは、これは禁止してもらいたい、こういう御要望がございまして、その調節に今まで苦慮して参ったのでございます。しかし、法律の趣旨は、狭い意味の医業類似行為というものはやはり経過的にしか認めないということで、三年、三年の期間延長をしてきたというような経過もございまして、狭い意味の医業類似行為というものは、いずれこれは禁止するというふうな運命にあるというふうに判断をせざるを得ないのでございますが、そのうちで人体に有益なもの、あるいは坂本先生が先ほどおっしゃいましたように、医療の補助者として何らか取り上げてしかるべきものは取り上げていこう、こういうことでいろいろ学者にお願いをして検討してもらったのでございますが、どうもこのあん摩、はり、きゅう師のような身分法規を作るには適当なものがまだ見つからない、こういうような実は段階でございます。
○相馬助治君 もう実に筋の通ったような話をしながら無責任きわまるので、ここに、委員にはお医者さんがたくさんいらっしゃいまして、私はそのお医者さんには若干失礼な言葉になるかもしらないけれども、このお医者さんの立場からいえば、この療術師のような方がふえることはこれは必ずしも好ましくないと思うのです。もっと卑近な言葉をもって言えば、失礼ですけれども、医師の療養の範囲を荒される、端的にいえば商売がたきのような存在にもなり得る性格を持っていると思うのです。従って、お医者さんの方に聞けばそれは悪いと言うか、そうでなければ一歩を譲ってくると、坂本先生がおっしゃるように、医療補助者としてこれを認めたらどうかということが問題になってきます。それも一つの方法でしょう。とにかくこの療術師の療治決定については、お医者さんの意見を聞くということもある場合必要であろうとは思いますが、療術師はそれぞれの伝統と研究の上に立って自信を持って治療に当たっているのですから、これを一律に医者の補助者と見ることには賛成しかねます。ただ事実問題として医者と協力することはよいことでしょう。実際医療行為をやるのに、こういう療術師がいて、こういうことをやることはとっても大へんな、科学的な証明のつくことでこれはまずいのだということについては、その実例によって私は判断していくべきだ。それから坂本先生のおっしゃったように、このことをやることによって本来やっている医療行為を助け治癒を早めるというものについては、医療補助としてそれを認めていくべきである。それから単独にやはり療術の技術として生きて、そして人体に無害どころか効果のあることもあると思う、だから私はここで指摘したいのは、今のいう療術師を何もかも無条件で認めて、今後試験要件も今のようにやれと言っているのではない、ある電気についてどうしてもこれは何ボルト以上のものは危険が伴う、こういうことならばお医者さんなりあるいは電気の技術者なりの意見を聞いて、こういう例は禁止すると、したらいいと思う。そうでないものについては、無害どころかこの効果のあるものについては、私は療術師法という法律を単独に作って、試験要件を確認して、相当厳重にして、そしてお医者さんなんかの医療行為と逆行しないように、そういうようなことをやるべきだと思う。ただ野放しでお医者さんがどうだといえば、一般論としては危険が伴う、私お医者さんが悪いと思わない、そういうふうに聞かれれば医者の良心として危険があり得るのです。どうも思わしくありませんと、一般論として言わざるを得ないのです。そういうことをやらないことが厚生省の怠慢だ、療術師にはいろんな種類がある、この種類はいい、この種類は悪い、この種類は研究を要すると出てくるはずだ、こんなに時間がたったから私はこれを聞いている。そうするとかりにわれわれがこの法律に協力して、三年間に成立した場合にあれですか、厚生省はそれらの従前の人を全部何とかで生かす方法がありますか、それとも三カ年延長してやるが、その間に転業しない者はお前ら悪いからと全国の療術師を殺しちゃうと言うのですか、どっちですか、端的に聞くんです。政答えることではない、人道問題だ。
○政府委員(安藤覺君) お答え申します。先ほど来諸先生方のだんだんの御高見を拝聴いたしまして、かつまた、厚生省に対するおしかり御鞭撻等も承りました。しろうとの私にも諸先生方の御主張になっておられることがほぼのみ込めたのでございます。なるほど古い言葉に、石の上にも三年という言葉がございます。三年が三年、三年と、九年も続いたんでは、このお言葉も出ることはやむを得ないことであろうと存じ反省するわけであります。そこで坂本先生も問題を二つにお分けになりましたが、私もまた観点を異にしまして二つに分けて考えておったわけであります。それは一つには、先ほど来の御質疑、御高見の中にくみ取れますものは、盲人としてのあん摩さん方の、いわゆるあん摩としての職業を専有もしくは確保せよ、こういうお言葉であろうかと思います。まずこれにつきましては、私も幾たびかあん摩、はり、きゅう等の組合の方々から陳情をいただいておりまして、そのつど事務当局にこういう陳情があったが、これに対してはどういうふうなことをしておるのか、また、将来どうするのかというようなことを質問もし、刺激も与えてきたわけであります。聞きますれば、今論議も出ましたような憲法論もありまするししますので、積極的にあん摩は盲人にのみ許すという行き方はできません。そこで消極的ではありますけれども、目あきのあん摩さん方の学校を制限するとか、あるいは定員を制限するとかいうきわめて消極的な方法しかありませんというふうなことでございまして、さらにまた、この無免許のあん摩を極力取り締まっていこうと、こういうようなことも申しております。いろいろ検挙された表などを拝見いたしますと、男女別に見ますと、やはり無免許で男の方の方が検挙されておるのが多いようであります。男の方が売春するというようなことも、たまにはあるかもしれませんが、あまりないのだろうと思います。こういうことでありますると、やはり相当に無免許のあん摩さんが横行しておるということは、否定できない事実だろうと思います。これについては、一そうの厳重な取り締まり方をせねばならぬだろうと、かように思っております。
 さらにもう一つの問題は、類似行為に対する規制を何とかせよというただいまの御要望でございます。これにつきましても、すでにあん摩、はり、きゅう、柔道整復師というような方は、坂本先生もおっしゃいましたように、むしろそういう制度ができるならば、補助者としての制度の中に当然加わるべきものだろうと思いますが、そのほかに、いろいろあげられておるように、電気によるさまざまな方法、これは手わざと読むのですか、手技と読むのですか、テクニックは存じませんが、手技、温熱、電気、光線刺激というようなものの中には、何百種類とあるということだそうでありますが、これらについても、やはり先ほど来御論議のありましたように、直接人体に影響がある、よき影響のあるものももとよりございますが、悪き影響のあるものもありますし、いろいろいたしますが、いずれにいたしましても、このままに放置するということは許されない状況にあるように感得されます。ぜひ、この三年間においては、今度こそは石の上にも三年ということのないように、諸先生方の御意見、及び一般組合その他からの御陳情も体しまして、今度こそは、この三年間に、一応の方向をつけるように、私自身努力いたしますとともに、このことを、この場の空気を大臣にもお伝えしまして、さらに事務当局にも御勉強願いまして、一つ皆様方にお目見えしたい、かように考えておるわけであります。

○谷口弥三郎君 関連して。今回の問題について、いろいろ皆さんの御意見も聞きましたが、まず第一番に、先刻のお話のうちに、療術医療行為者、療術行為をやっておる方に対しての、医者の中では、すぐそれをいかぬと言って、反対する人がかなりいわしないかというようなお話もあったようですが、事実は、われわれといたしましては、全部の方を、療術行為を否定しているわけじゃありません。まず第一番に、やはり医学的によく診察して、そしてよく見てみないというと、案外何でもないと思ってあん摩をしてもらっておったり、あるいは指圧してもらっておった方が、案外ひどい大きな重症を中に持っておって、その後発見されたときには、手術の時期を逸してしまうという場合があるから、それで反対ではなしに、ある場合には、それをすぐそのまま認めてはならぬというようなことを言っておるだけで、絶対に反対しておるわけじゃないのであります。
 私が、ただいま立ちまして、一つ申し上げてみたいと思いますのは、このあん摩、はり、きゅう、柔道整復師問題が出まして以来、私もいつもこの席におって、いろいろそれに参加しているのですが、ことに今回三年間延長されたにかかわらず、聞くところによると、なお徹底的にすべての方面にお調べができなかったり、あるいは特例試験にいたしましても、十分それが行なわれておらなかったために、今でも無免許とかあるいは無届けの者がたくさんいる。しかも、だんだんと無届けの者がふえているというようなうわさも聞きますので、今回こそ、今政務次官が言われたように、石の上にも三年というのですが、今度のときこそ、実際にこの三年間においていろいろと研究をされ、あるいは療術行為の方もどういう場合にはいかぬとかいうこともきめまして、ことに指圧の方面とかいうのには、これを、この前も少し教育をいたしまして、講習をして、いわゆるあん摩の方に進めていく、あん摩という業態の身分を持ってもらえば、その仕事ができるのですから、やってもらいたい。聞くところによると、まだ四、五千ぐらいの方が免状もとらずにやっているのですから、この機会に一つぜひ厚生省としても大いに特例試験をやるとか、あるいは講習をするとかいうような方面に御尽力を願えれば、この三年間というのを延ばしてもよくはないかと思っております。
○阿具根登君 関連して、次官に一点だけ聞いておきますが、今デパートヘお行きになると、五千円か、たしか五千五百円という電気の機械があります。一般の人はそういうものは買えない。買える人が自分で買って、そうして買えない人に百円なら百円で治療していいかどうか、ちょっと聞いておきます。憲法論からやって下さい。いいかどうか、できないならどういう理由でできないか。
○説明員(黒木利克君) 先生方のいろいろの御意見ごもっともだと思います。実は、最高裁の判決につきましても、多数意見と少数意見がございまして、当時の裁判長の田中耕太郎という裁判官は、この判決については反対だということを漏らされているような次第でございます。従って、いろいろ問題がありますが、一応多数意見ということで、われわれも判決に従わざるを得ないというふうに考えておりますが、先ほど申されましたデパートのあん摩器具といいますか、これは、それを反復、業とする場合に届け出をしてなければ、これは届出医業類似行為の違反でございますから、今までは法律上は処罰の対象になるのでありますが、しかし、人体に危害を及ぼすおそれがあるという場合しか処罰ができないという判決でございます。
○阿具根登君 最高裁の判決はそれをいってない。だれでもできるのです。だから何もならぬというのです。
○説明員(黒木利克君) 説明が足りませんでしたが、先ほど申しましたように、医業類似行為を二つに分けまして、あん摩とかはり師とかきゅう師とかいう人たちのやるものも、広い意味の医業類似行為でございますが、判決のいっている医業類似行為というのは、そういうものではなしに、届出医業類似行為を経過的にだけ認めている。医業類似行為というのが判決の対象になっているのであります。従って、いわゆる届出医業類似行為の違反につきまして、人体に危害のない場合は処罰ができない、こういうことでありまして、あんま摩、はり師、きゅう師の方はしっかりした身分法規がございまして、これの違反はもぐりとして処罰される、これは従来通り変わりはないのであります。
○阿具根登君 それは聞いてない。そういうと、さっきの蒸し返しになって、憲法論から離れているということです。
○小柳勇君 今のに関連した問題から先に質問いたしますが、昨年の三月二十九日のこの委員会で、私、坂本委員、高野委員などの質問がありまして、そのときに、江間医事課長が、最高裁の判決の問題が出た直後でありましたので、こういう答弁をしております。「最近これらの者の取り締まりにつきまして、最高裁判所から非常に従来と違った種類の判例が出されまして、かいつまんで申し上げますと、医療類似行為については、何人もやってならないわけでございますが、これを無届けの者がやりました場合には、無届けというだけで処罰されていたのが従来の慣行だったのでございますが、今度の最高裁の判例によりますと、身体に有害のおそれがなければ、無届けの医療類似行為をやっても処罰できないというような新しい判例が出て参りました。」と、こう書いてある。これは今はっきりあなたは二つ分けて言いましたけれども、この方がすっきりしているわけですね。従って、こういうものであるならば、法律を作っても取り締まりができないではないかと論争いたしました。そこで盛んに論争いたしました結論として、高野委員が、そのような判例が出て、厚生省は今後一体どうするのか、その問題については国会で作られた法律を、最高裁が判決を出したからといって、行政当局が取り締まりができないようではしょうがないから、早急に社会労働委員会、法務委員会など合同委員会を開いて、最高裁からも呼んで意見を聞いて、何らかの処置をしたいと。そうして当時の加藤委員長がこれを確認されておるわけです。従って、私は今まで答弁を聞いておりますと、最高裁の事務局から厚生省に回答があったようでして、その回答の扱いをどうしたか。たとえば国会に報告されたか、あるいはそれを下級機関に、あなた方の出先機関に通達して、最高裁の真意はこうだ、従ってこうしろというような示達をして取り締まりをされておるのかどうか、具体的に御答弁を願いたいと思います。
○説明員(黒木利克君) 先ほど申しましたように、三十五年の一月に最高裁の判決がありまして、私の方も最初の感じでは
医業類似行為というのは非常に広い意味に解しているらしい、そうすると無免許あん摩取り締まりも、人体に危害がない限りはできないんだという解釈もされて、これでは大へんだということで、最高裁に確かめに行ったわけであります。その結果、ここでいう医業類似行為は、あん摩とか、はり師とか、きゅう師の行為は入らない。これはいわゆる医業類似行為であって、狭い意味の届出の医業類似行為に限るのだというような回答でございました。従いまして、それに基づきまして同年の三月三十一日付で医務局長から知事あてに通知をいたしまして、そういう誤解があるけれども、その誤解は最高裁のこういうような事務当局の解釈ではっきりした、従って、これはあん摩とかはり師とかという従来の無免許のこういうものの取り締まりの方針に何ら関係がない、これは従来通り無免許あん摩取り締まりは厳重にやるのだから、やるようにと。それからもう一つ、医業類似行為の、それでは実際に届出をしておるものに何らの意味がないではないかというような考え方がございますが、ただこの判決がありましたけれども、やはり人体に危害があるおそれがある場合がありますから、予防的な施策をやらなくてはなりませんから、保健所におきましてはこういうような無届の医業類似行為業者に対してもたえず監視をしなければなりません。従いまして、そういう意味の監視はいたすわけでございますから、もし届出医業類似行為業者がこの判決によって何ら自分たちに身分の保障の意味がないんだというような誤解につきましては、それを今のような私たちの解釈で、この通知によって誤解を解こうという努力をいたしたわけでございます。
○小柳勇君 知事には昨年の三月三十一日に通知を出されたようでありますが、保健所長などに意見を聞いてみますと、最高裁の判決が出ましたので、取り締まりもできません、こう漏らしておるのが実情ですが、その後知事から何か回答があったか、あるいはそういうものに将来あなた方はどう対処していかれるか聞いておきたいと思います。
○説明員(黒木利克君) 問題は人体に危害があるかないかという判定の問題になりますが、保健所におきましては、人体に危害が確実にありそうだという場合におきましては、予防的な意味で注意をしたり、そうすることは行政措置としてできるわけでございますから、そういうことを指導しておるわけでございます。従って、無届の医業類似行為業者は、保健所なり、あるいは警察署長から、いつ、どのような措置を受けるかもわからぬというような心理的な不安はあるわけでございまして、届出医業類似行為業者はそういう不安はないわけでございます。ただ、この判定を一体だれが、どこで、どうするかというような問題がございますので、これは今後いろいろ検討しなければならぬ、現に検討いたしておるわけでございますが、しかし歴然と人体に危害がありそうだというような場合には、予防的な意味でいろいろ指導をするということは当然行政当局としてできるわけでございますから、そういう点を励行さして参りたい、かように考えております。

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昭和二二年一二月二七日医第七六九号あん摩、はり、きゅう、柔道整復等営業法の施行に関する件

 

○あん摩、はり、きゅう、柔道整復等営業法の施行に関する件
(昭和二二年一二月二七日)
(医第七六九号)昭和二二年一二月二七日
(各都道府県知事あて厚生省医務局長通達)
昭和二二年一二月二○日法律第二一七号で標記の法律が公布され、その施行規則も近く公布の予定で、両者共昭和二三年一月一日から施行されるが、その実施については、左記の点に留意せられたい。なお、右法律中あん摩、はり、きゅう、柔道整復営業諮問委員会については、近く政令を公布すべき準備中であり、又学校若しくは養成施設の指定及び試験に関しては、別途に省令を制定する予定である。
一 現在あん摩、はり、きゅう又は柔道整復を業としている者は、施行規則附則第一二条によって三箇月以内にその施行所の位置及び構造設備の概要(出張のみによる者は住所)を届け出ることになっているが、その届出事項は規則第九条各号に掲げる要件具備の有無を明瞭ならしめる内容のものとすること。
二 旧規則によってあん摩、はり、きゅう又は柔道整復の免許鑑札を有する者は、法律の第一六条によってそのまま新法による免許を受けた者とみなされるのであって、新たに免許証を交付する必要はないこと。
三 第一四条の届出事項中第四の業務開始の年月日及びその証明文書については、従来の貴地の取扱方法を基礎として適宜定められたいこと。
四 第一四条第二項の三箇月以上業務を行っていた証明は、官公署の証明書その他何等かこれを証明することのできるものでなければならない。
五 現在業務を行っているあん摩、はり、きゅう、柔道整復及びその他の医業類似行為の業者の施術所の構造設備については、昭和二五年末まで第九条第一号乃至第三号の規定が適用されないが、なるべく速やかにこれに準じたものにするよう指導せられたいこと。

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昭和23年07月04日 001/004] 2 - 衆 - 厚生委員会 - 23号 医業類似行為者のあん摩、はり、きゆう施術禁止の請願審査、あん摩、はりきゆう、柔道整復等営業法の名称改訂並びにその一部を改正する請願審査

○山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第九、文書表第七八一号、医業類似行為者のあん摩、はりきゆう施術禁止の請願を議題として審査します。紹介議員が見えませんから田中委員に代つて紹介説明をお願いします。

○田中(松)委員 それでは私が代つて紹介説明をいたします。
 本請願の要旨は、後來のいわゆる
医業類似行為者は方律第二百十七号、あん摩、はりきゆう、柔道整復等営業法第十九條により昭和三十年末まで当該医業類似行為を業とすることを許されているが、指医療法、手ノ平療法、脊髄圧迫療法、カイロプラチツク療法、整体療法、藤井式集毛鍼療法、平田式熱鍼療法、大学式温灸療法、電氣温灸器療法等をいわゆる医業類似行為としているのは、同法第一條を否認するものであるばかりでなく、第二條にも反するもので、國民保健の上からも看過できない問題である。ついては医業類似行為者のあん摩、はりきゆう等の施術を禁止されたいというのであります。
○山崎委員長 政府側の御意見があれば発言下さい。

○久下政府委員 請願第七八一号の「医業類似行為者のあん摩、はりきゆう政術禁止の請願」に対して答弁いたします。あん摩、はりきゆう等の施術を免許を受けないで業として行つた場合は、あん摩、はりきゆう柔道整復等営業法第一條違反として同法第十四條第縒号の規定によつて当然処罰さるべきものであります。また同法第十九條第一項に規定する者、すなわち從前から正当な手続の下に医業類似行為を業としていた者であつて、かつ、所定の届出をなした者以外は、医業類似行為を業とすることが禁止されていますので、右の條件を具備しない者がこれを業とすれば、親法第十四條第二号の規定によつて処罰されるのであります。
    ―――――――――――――
○山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第一〇、文書表第八四九、生活扶助費増額の請願を議題といたしまして審査いたします。紹介議員が見えませんので田中委員に、代つて紹介説明を願います。田中委員。
            ー中略ー

○山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第七六、文書表第一七四五号、あん摩、はりきゆう、柔道整復等営業法の名称改訂並びにその一部を改正する請願を議題として審査いたします。紹介議員が見えませんので、代つて趣旨の説明を田中委員にお願いします。
○田中(松)委員 それでは紹介議員に代つて請願の趣旨を説明いたします。
  本請願の要旨は、マツサージは物理療法中最も効果のある治療法で、あん摩とはその趣を異にいているが、あん摩療法の中に含まれているため、これら業者の素質を低下することになる。ついてはあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法の名称をあん摩師、マツサージ師、はり師、きゆう師、柔道整復師と改訂して、あん摩と区別するとともに修業年数を四年以上に改正されたいというのであります。
○山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
○久下政府委員 それではお答えいたします。
 マツサージとあん摩とはともに手指の運用による治療技術でありまして、その原理において差異は認められませんので一括規定したのでありますが、この点はなお將來十分研究いたし、必要と認めれば改正してもよいと考えております。
○山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ田中委員、暫く私と交代をお願いします。
    〔委員長退席、田中(松)委員長代理着席〕

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昭和30年07月26日 007/015] 22 - 衆 - 社会労働委員会医業類似行為に関する小委員会 7号

○松岡小委員長 これより会議を開きます。
 医業類似行為に関する問題について調査を進めます。
 本問題について懇談に入ります。
    ―――――――――――――
  〔午後二時二十二分懇談会に入る〕
  〔午後三時十分懇談会を終る〕
    ―――――――――――――
○松岡小委員長 ただいまの懇談の結果、本小委員会において医業類似行為に関する問題について調査を進めました結果、現在社会労働委員会に予備付託になっておりますあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法の一部を改正する法律案中
  第一条中「あん摩(マッサージ及び指圧を含む。以下同じ)」とあるを「あん摩(あん摩、マッサージ、手技。以下同じ)」に改める。
  第十九条の二の第二項を
 「前項の者に対しては、あん摩師試験の科目に関し、厚生省令で必要な特例を設けることができる。」とあるを「前項の者に対しては、あん摩師試験の科目中実技に関し厚生省令で必要な特例を設けなければならない。」とし、
  第十九条二の第三項として
  第一項の規定による免許を受けた者は、従来の名称により業務を行うことができる。という要旨の修正をする。
 その趣旨は、手技の試験に関しては、指圧の実技、電気、光線、温熱、刺激の試験については、それぞれ従来行なってきた療法の実技につき必要な特例を設けるとともに免許を受けた者はそれぞれその業務を行うことができるということであります。
 なお、本法の改正により、従来の療術行為に関しては一応整理せられたが、今後物理的な医療補助行為に関しては、特に業態の内容及び器具等に関し厳重なる調査を進め万全の措置を講ぜられたし。という旨の附帯決議を付することが妥当であると思われるので、その旨を理事会に報告いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○松岡小委員長 御異議なしと認めて、そのように決します。
 なお、理事会において、本委員会に報告すべきであるとの結論が出ました場合には、本小委員をもって提出者とする修正案を本委員会に提出することとし、修正案の作成その他につきましては、小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○松岡小委員長 御異議なしと認めてそのように決します。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十分散会

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昭和30年07月21日 008/015] 22 - 参 - 社会労働委員会 - 29号 あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法の一部を改正する法律案指圧に関する審議

昭和30年07月21日 008/015] 22 - 参 - 社会労働委員会 - 29号 あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法の一部を改正する法律案指圧に関する審議

○委員長(小林英三君) それでは休憩前に引き統きまして委員会を開きます。
 あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本法案審議上の参考に資しますがために、委員会の決定に基きまして、参考人の出席を願っております。これより参考人の方々からの意見を徴することにいたしますが、この議会に委員会を代表いたしまして参考人の諸君に一言ごあいさつを申し上げます。
 参考人各位には御多忙のところ御出席下さいまして、まことにありがとうございます。今回政府から提出されましたあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法の一部を改正する法律案は、いわゆる医業類似行為を業とする者がその業務を行うことができる期間を延長いたし、かつ、あんまの業務に指圧が含まれることとする等、直接間接に業務に重大な関係を有する問題と認めまして、当委員会は特にこれらの方々及び学識経験者の方々ら御意見を聴取いたしまして、審査上の参考に資したいと存ずるのであります。何とぞ当委員会の意のあるところを十分御了承願いまして、御意見の御発表を下さいますようにお願いいたします。
 次に、意見発表を願う事項につきましては、先刻文書をもちまして御通知しておきましたが、時間の関係もございますから、一人当り十五分以内で御発表をお願いいたしたいと存じます。いまするので、これに対しましてもお答えを願いたいと思います。
 なお、委員の質問に対しましてお答え願いまするときには、あらかじめ委員長に発言許可を求めていただきたいと思います。
 この際委員の方々にお諮りいたしますが、時間の関係もございまするので、参考人の意見発表が全部終了いたしましてから、御質疑を願いたいと思うのでありまするが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林英三君) 御異議がないと認めます。
 なお、参考人の日本医師会会長の黒沢潤三君は都合によりまして出席いたしかねるために、医師会からかわりといたしまして、日本医師会の常任理事の志村國作君から参考意見を徴することにいたしたいと思います。御了承願いたいと思います。
 では日本医師会常任理事志村國作君から意見を聴取したいと思います。
○参考人(志村國作君) 第一の医療行為と医業類似行為との関係ということでありまするが、たとえば電気治療にいたしましたも、あるいはいろいろなことにいたしましても、その要領が違うと思います。たとえば電気を使うにしても、医者の方でありますと、十分な電気の知識もあるし、それからまた基礎医学の知識もありまするので、十分ないわゆる有効適切な療法ができる。医業類似行為者の方は、それまでの学識が不足、といっては語弊があるかしれませんが、医者ほどでないのいうところに疑義があると考えております。
 あんまと指圧との関係でございまするが、あんまの中に指圧は私どもとしては含まれておる。あんまは指圧をし、もみ、さすり、たたき、いろいろな技術があんまの中には含まれております。従ってその中の指圧というものはあんま、マッサージの一部分の行為と、こう了解しております。
 第三の指圧とその他の手技及び刺激療法との関係、この御質問の意味がよくわかりません。指圧と手技、指圧もやはり手技なんでありますが、そのほかに、たとえばなてるとか押すとか、いろいろな手抜をまぜるのか。あるいは刺激療法、どういう刺激医法であるかということが明記してありませんので、この点についてはこれだけの文章ではお答えができません。
 第四の医業類似行為のうちの鉄灸、あんま、マッサージの部におきましては、一応学校におきまして基礎医学その他治療医学の一部を修得して、そうして不完全ながら一応医学の立場において治療がされておる。そうして営業されておるというのが現状ではないかと考えております。
 第五につきましてはあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法の公布以来、昭和三十年十二月三十一日までの医業類似行為業の暫存期間をいかに解釈したかということにつきましては、おそらく二十二年十二月に一応終止符を打つはずであったのでありましょうが、この八年間をほかの一応厚生省で規定されている規格に合うような準備期間とわれわれは考えております。従ってこの八年間に転業するなり、あるいはほかの免許をとるなり、そういうことをとる期間だとわれわれは了解しております。
 第六の、改正による三年の延長期間内において、指圧を除く、医業類似行為業者は、あんま師試験の受験科目及び技能について修得し得るか、少くとも日本医師会といたしましては、医業類似行為にいたしましても、やはり医学的な知識を十分に身につけていただいて、そうしてその医学的知識の上にマッサージなり、いろいろな技術をやっていただきたい。現在までの指圧その他が正規の教育を受けておらないというところに難点があるのではないか。そこで三年の間に、そういういわゆる基礎医学的な、あるいはまた治療医学的な学識を得るかといいますれば、何にも知らない人でも二年間で修得しておるのでありますから、多少手技を知っておいでになる方ならば、一年、半年で十分その基礎医学的な技術を修得し得ると考えております。
 それから第七の医業類似行為の業態は、医学上の理由から禁止すべきであるか、あるいは社会的に認める必要があるか、この問題は重大な問題でございまして、われわれ日本医師会の者といたしましては、少くとも現在厚生省で認められておりまする鍼、炭、あんま、マッサージの部類以外の、たとえば電気治療であるとか光線療法であるとかあるいはその他のいろいろな治療というものは、日本医師会の立場から申しまして、あるいはまた国民医療の点から言いまして、よほど考慮をしていただきたい。どういう意味かと申しますると、決して電気治療あるいはまた光線療法というものが不必要だということではないのであります。われわれといたしましても、補助者としてこういうものが非常にほしいのであります。いわゆる医師の監督のもとに電気治療をするとかあるいは光線療法をやるというようなことは、そういう業者は非常に望ましいと考えております。けれども、ちょうどマッサージ師法みたいに、いわゆるほんとうに医学的に有効適切な分量を患者に使おうとするのならば相当の危険が伴う、相当り強い分量を使用しなければならない。従って医者の指導のもとに行うのならば非常に有効でありまするけれども、個人的にただ医者の手から離れて自分で一人でやるという点におきましては、国民医療上相当重大なる問題になるのじゃないか。あるいはまた技師法のような場合でも、たとえば光線療法が独立でできるということになりますると、レントゲンの技術者も独立でできるということになります。レントゲンの技術者が独立でレントゲン治療をするということは非常に危険である。生命的な危険もあるし、いろいろの危険があると同時に、やはり電気治療、光線療法におきましても、ほんと5に有効適切に使用するとするならば、そこにやはり危険が伴うので、どこまでも医者の監督のもとに行われるべきである。従って自由営業ということについては相当考慮すべき問題だと、こう考えております。
 以上であります。
○委員長(小林英三君) ありがとうございました。
 次は、東京医科大学名誉教授の藤井尚久君にお願いいたします。
○参考人(藤井尚久君) ただいま前参考人から申されましたことと重複するところは抜きます。
 医療行為と医業類似行為との関係でありますが、先ほども申し上げられましたことを補足しまするというと、医療行為は診断に基いた治療でありまして、いわゆる一つの体系を持ったものであります。それから目下問題になっておりまする二百十七号を中心としました、関連しました医業類似行為というのは、この診断ということが重視されていないものであります。これが一つ大きな違いであることを御了承願いたいのであります。
 それから先ほど前参考人志村さんがおっしゃったように、医者の専門知識あるいは医者の監督とおっしゃいましたが、その医者というものは、現在は医療の上に上下がないように、すなわち医学教育を大学一点張りにしておるのであります。かくしまして六・三の義務教育を経て、三高等学校、二・四・一-一はインターンであります。かく十年の特殊教育を受けておるわけであります。かつそれでやっとこ医師の国家試験を通って医者になり得る、こういう教養を得ておるということをどうかお忘れなくしていただきたいのであります。かかるゆえに医者の指導であるとか医者の監督であるとかいうことが出るわけであります。この医業類似行為には、そういうことがないのでありまして、ただ患者の苦しみだとかあるいは患者の違和のために求めるという、ここに違いがあります。かつまた医業類似行為ということは、現在の医師法並びに医療法には通用しない文句であります。これは医師法違反者を処罰するための便宜上の名前かとも私は思っているのであります。
 それから次が、あんまと指圧との関係であります。これが非常にむずかしいのでありまして、あんまは在来よくわかっております。これは古いものでありますからよくわかっておりますが、ここに指圧とは何ぞやという問題になるのであります。しかして私はここに指圧というものを、マッサージを含むあんまと別個のもので、手をもって操作をする業態を総称するとかりに言います。何となれば、これではいろいろな流派が種々雑多であります。この種々雑多は、これは悪いことを言いますならば、社会がほうっておいたからこうなったのであります。これがただいまのような法律ができまして、規制下にあるならばこういう乱立は起さなかったのであります。しかしながら自由屈出制度であったがためにいろいろな流派を生んだのであります。これがために、この二十二年に二百十七号が出ますときに、実に収拾すべからざる多種多様な変ちくりんなものになったのは、そこにあると私は思っております。と申しますのは、私が昭和二十四年、二十五年と厚生省から嘱託を受けまして、いわゆる医業類似行為に属しまするこの指圧整体というものの研究調査を実は東京医科大学を実験の場といたしまして研究した経験からそう言うのであります。これは種々雑多と申し上げましたのは、はなはだ語弊が的位置におられる方の技術と、その人たちが唱えられる議論とを見ますると、これはいわゆるアメリカで言うておりまするカイロプラチック、オステオパシー、あるいはスポソジロセラピート、あるいはドイツで言うナッールテラヒーというものに通ずるものが多々あるのであります。あんまの方は、御存じかもしれませんが、まずもみほぐすという通俗の言葉がもっとも簡単にこれを説明すると思います。まずからだの中枢から末梢に向って、すなわち動脈の経過に従ってこれを操作する、もちらんあんまの中に入っております。二百十七号に入っておりますマッサージは、ちょうどそれとあべこべに静脈あるいはリンパ行に準じてやっております。いずれにしましても、中枢から末梢、末梢から中枢といいますけれども、いわゆる流体、流れる血液、これに関しております。しかしながら指圧と号しまする総称的なものを大体見ますると、これは身体の外表に圧を加えまして、その圧の反射を求めております。しかしながら場合によりますと、反射療法と唱えておるものもあるのであります。ここがあんま、マッサージと指圧の大きな違いだと思うのであります。また最も進んだ指圧業者に至りますると、脳脊髄、皮膚反射あるいは皮膚内臓反射、すなわち自律神経、ホルモン、こういうところに観点を置いてやっておる人もおるのであります。
 それで二の方は終りまして、三は指圧とその他の手抜及び刺激療法の関係であります。これはその他の手技と書いてありますのは、前参考人も言われました通り、非常に私ども意味がわからないのであります。いわゆるただいま申し上げました医業類似行為の他の電気、光線、温熱刺激をいうのであるか、あるいは私の言いまする、今業を行なっておられまする指圧師のほかのいわゆるこのごろはやりの新興宗教的なお手さわりだとか、いろいろなものがありましょう、ああいうものであるかそれはどうも私わかりませんが、いずれにいたしましてもそれらをあわせて言いますると、まず手でやりまするが、電気、光線はまた手技及び刺激でありますから、これは電気の方へ光線が入るのかもしれませんが、指圧はかくのごとく皮膚に適当な刺激を与えまして、その刺激に応ずる反射を利用する、そうして悩脊髄、すなわち自律神経の方を調整するという建前からいいまするというと、いろいろな種類の刺激痛法の中に包含さるべきものと私は思います。
 それから第四番目の医業類似行為の修得方法及び営業の現況、これは私は遺憾ながら医学教育者でありまして、業者でありませんから知りません。ただ昭和二十四年、五年の厚生省の嘱託を受けましてから、これは都内及び私の旅行する範囲内において相当調べたつもりであります。ある程度はその数字が厚生省に行っておるはずであります。大体忌憚なく申し上げまするというと、今問題になっておりまするところの、いわゆる医業類似行為者の修得方法は、古い――思い切って言いましようか、端的にいえば、徒弟制度にやや近いものと私は思います。これは私の感じであります。何々学院、何々学校、何々講習会というようなものがありまするけれども、いまだもってわれわれ医学教育に用いているものとはほど遠いものであります。それから営業の現況であます。これは相当はやっている人があります。それはこういうわけであります。これはあとから申し上げますることにも触れまするが、まず術を受けまするというと、われわれが非常に気持よくなります。すなわち爽快を感ずるというその効果を買われるのであります。かるがゆえに、疲れたからもんでもらおう、押してもらおうと、こうなります。従ってはやるのであります。おまけに何らの規制もなく乱立を見のがしてありまする現況でありますから、続々ともぐりができておるのであります。私らの住宅の近辺にもそのもぐりたるや実に数が多いのであります。でありまするから、われわれ社会民衆の保健衛生の上においても、これは一日も早く規制下に置かなくてはならないと、こう私は思います。
 それから五番目であります。これはいわゆる法律二百十七号が出ましてから、今日までの間八年間あります。これをどう解釈するかでありまするが、この解釈の方法は見ようによっては二様にされます。ある人は二十四年、二十五年と百万ですかの金を出して調査をしたではないか、悪いのならば一日も早くたたきこわせばいいのに、今までほうっておくのは怠慢だということを私は聞くことがあります。しかし、私から言いますというと、私の――二年間及びその後少し続けましたけれども、調査研究に当りましたその実績から言いますというと、この成績はもってにわかに断じがたいものであります。何となれば、こういうものは長い目で見なければなりません。またこの施術だけのみでその効果の判断はむずかしいのであります。われわれは入院患者にやらせましたけれども、この術だけで入院患者を入院料を取ってやるわけにいきませんですよ。やはりいろいろなことをやるついでにやるだけの話でありますから、この効果はこうだというふうなりっぱなデータを出すことはできません。でありまするから、まあ二年くらいもらっても私はとてもできなかったというような結論になるわけであります。
 それからいま一つは、在来長く乱立したと言いましたけれども、乱立族生の状態で、長くいわば黙許の状態にあったものでありまするから、すなわちひどく社会的な罪悪を残しておりませんから、これまたその業権を奪うことでありますから、大事な生活権に入りますから、これまたしばらくゆっくり見るということもどうかと、こういう親心から言うならば、この八年間は全くなまくらで、怠惰で過ごしたということは少し酷でないかとも思うのであります。
 それから第六番目の、改正によりまする二百十七号で、ようやくいわゆる指圧なるものが公認となりました。が他のものは三年間の猶予期間をおいて、転業ないしは廃業の準備をしろというわけでありましょうが、ここで私が申し上げまするのは、三年間で、一番の教育課程の短かい六・三・二であります。あんまの方の六・三・二に転業し得るかどうかという問題でありますが、私は本人の努力が相当ありましたならばできるものと感じます。何となれば、ただいまの六・三制で行きますれば、六・三・二であんま、マッサージが受験資格ができるのでありますから、旧教育制度は義務教育は六年であります。従ってそれに一年プラスしてあります。六・三・二の三年の中学校はありませんけれども、しかしながら一年ありまするから、これは本人の努力と、あるいは当局者の親心で多少の補習教育を加えましたならばできる可能性があると私は思います。
 それから医業類似行為の業態は、医学上の理由から禁止すべきであるが、あるいはこれは社会的にこれを認める必要があるかという問題であります。これは非常に大きな問題でありまして、先般われわれ調査団、研究団におきましても、この問題を論じかかったことがありまするが、これははなはだ大きい問題であります。医師法、医療法、これだけで満足なものか――なるほどこれだけで満足にするには、先ほど志村さんがおっしゃいましたように、非常に医者の任務が多くなります。従って医療補助の要員が必要になって参ります。この補助をしまする要員の養成機関は、御存じの通りただいま短期大学制で、もうすでに学校設立ができております。でありまするから、これも一つ念願に置いていただきますと、そういう補助学校という短期大学があれば、それを使いましたならば、われわれ、より有効にかつまたより広く、そのいわゆる上下のない民主的な医療が行われるであろうかと思うのであります。そうしますると、これが短期大学でありまするから、ただいまの、ほかの医業類似行為の方が六・三四であります。それよりか少し程度が高くなりまするから、国民医療に対する水準は少し上るのであります。少し文化が上るのであります。
 そんなことにいたしまして、次はこの法律の一番大事なところは、いわゆる二百十七号に書いてありまするいわゆる医業類似行為を、昭和三十三年をもって禁止すると、しかしながら指圧だけは別、だということになりまして、それがいわゆるあんまの中に入ります。「あん摩(マッサージを含む。)」というやつを、「「及び指圧」を加える。」と改正なすったわけであります。これはあんま、マッサージ、指圧ともにこれは手を用いまする操法であります。あやつる方法であります。私はこれをあえて療法と言いたくないのであります操法であります。何となれば、治療は診断のもとに立つ、医学的立場から立たなければならぬものでありますから、私はこれを操法というのであります。また幸いにもこの法律におきましても療法とか療術という言葉は用いてないと私は思うのでありまするが、この操法というふうに東西のいろいろなものを総合するというところに一段の進歩があると思います。今またこの二百十七号にありますものの一部を助けて下さるというその行政方面の親心も感謝されるのであります。しかしながら私がここに申し上げたいことは、あんま、マッサージ、指圧というものはその歴史といい、かつまた彼らの行なっておりまする技術上の方法といい、また彼らの唱えまする理論といい、これおのずから違うのであります。でありまするから、私はここに思い切ってこのあん摩カッコというものを、手を用いる、あるいは手の技術、手のわざ、手抜操法としまして「あん摩、マッサージ、指圧を加う」というふうに改正して下さることを私は切にお願いするのであります。かくすることによりまして、いわゆる日本的手技療法としまして、現代の東洋的色彩のあるあんま、西洋的基盤に立ちますマッサージ、ないしはアメリカ、ドイツ式の方法を持っております指圧というものを一元に取り扱うことができると思うのであります。かくのごとくしますというと、古い考えと新しい考えとまぜ、かつまた今までの感情的の対立、そういった封建的思想これもなくして、いかにも朗らかな大同集結の民主的な気持になろうかと私は思うのであります。
 以上であります。
○委員長(小林英三君) いや、ありがとうございました。
 次は、元横浜医科大学講師の檜物一三君にお願いいたします。

○参考人(檜物一三君) 御指名によりましてお答えいたします。今大体志村先輩と、それから藤井両先輩の御意見によりまして大体の重要なるところは尽きておると思います。これに関しまして尽きておりますが、私はやはり昭和二十四年、二十五年の厚生省の嘱託によりまして、横浜医科大学の物療科におりまして調査しました事項を中心としまして、これによりまして一つの御意見を申し上げたいと思うのであります。
 この一番の問題でありますが、この医療行為はこれは物理療法、これはわかり切ったことでありますが、医業類似行為のことは、これは昭和五年の警視庁令によります届出制によりましたものと解釈いたします。そうしますと今両先輩のおっしゃいましたように、このものは物理療法に比べまして、まず機械を用いるものはその機械の容量が非常に小さい。あるいは操作が非常に簡単である。また言葉をかえていいますと、その選ばれたるものの中には非常に危険性が少い。またその治療効果の見るべきものが多々あるということが言えます。しかしながらこれらの医業類似行為というものは、もともと医者のやるのとは違いますから、今お話がありましたごとく、まず診断を対象としないでただその時の症状を対象といたしております。よく診断をしてはいけない。なるほど診断というものは医師以外のものはしておりませんが、その医業類似行為者の人たちは、これは診断をやっておりませんです。その症状によりましてこれを判断いたしております。それによりまして症状を軽減する方法をとっております。これが医業類似法と医療行為のおもなる差別と思います。
 その次のあんまと指圧の関係でありますが、これも今藤井先輩から非常に詳細にお話がありましたので、これも
 一言も差しはさむ余地もないと思います。
 それからこの三番目の問題でありますが、指圧とその他の手技と、これも今両先輩が申されましたごとく、私もこの書類を受けましたときに、意味が非常に不明瞭である、いろいろな意味に解釈できるということを思いましたけれども、まずこれは指圧以外の手技というふうに解釈して、指圧を除いたそのほかの手技療法というふうに解釈いたしております。たとえばオステオパシー、カイロプラクチック、スポンジロセラピート、そういったものを総称するものではなかろうかと思います。それから刺激療法にいたしましても、療法の名前はちょっと申し上げかねますが、小針などでちょっと刺激したりあるいは温熱を加えて刺激するといったような療法をさすと思っております。これらの療法におきましても、今二と三との関係におきましては、藤井先輩が申されましたので、私どもはこれに対して一言も差しはさむ余地はないと思います。
 それから第四番目の問題でございますが、実業類似行為者の修得方法でございますが、これは在来は皆様の御承知のように、決して一定の課程を経ておりません。まあいわゆる昔の徒弟式という方式によりまして修得しているのが多うございます。最近になりましてこの問題がやややかましく取り上げられましてから、相当程度の高い講習会を開きまして、そしてこれを修得しているのを多々見受けます。これが最近におきますところの医業類似行為者の修得方法であると思います。営業の現況に関しましては、私はよく存じませんが、これは一流の人になりますというと、なかなか門前市をなしているようでありますが、一流にあらざる人は生活をようやくささえる程度であるということに承わっております。
 それから第五番目の問題でございますが、これは私どもは二様に解釈しております。第一番目は、この八年間の期間において転業し得る者は転業しろという政府の方針をまずそのまま受け取りたいと思います。もう一つの解釈の方法といたしましては、しかしながらこの全部の医業類似行為者は一定の学校を出た者でありませんから、おのおのレベルは異にしております。また、従って技術の差があります。そういう関係からしまして全部が一様に転業するということは実際問題といたしまして非常に困難な問題だと思います。ここにおきまして、その当時の政府の委員の方が何らかの言明をなさったことがあると思います。従ってこの言明がありますれば、医業類似行為者で転業のできない方はこれを唯一の頼みの綱として、これに何とかしてもらえるのじゃなかろうかという希望を持つのではないかと思います。私どもはこの二様の方法に解釈いたしております。
 それから第六番目の問題でありますが、この三年間の延長期間内において転業できるかどうかという問題でありますが、今も一部ちょっと触れましたが、これは若い人なら、あるいは意思の強固な方はこれは転業ができると思います。しかしながら相当の年輩に達して技術はなかなか達者であるが、試験を受けるにはなかなかどうも学問的には暗記力もよくない、薄いと、まだものを理解するにも困難であるというような方におきましては、これは非常に困難な問題であると思います。ここにおきまして、この困難な転業のできる方は非常にけっこうでありますが、転業のできない方はこれをいかにするかということが、これは一つ政府の要路の方におきまして、十分考慮していただきたい問題と思います。
 第七番目の問題でありますが、この医療類似行為は医学上の理由から禁止すべきであるかという問題でありますが、これも医師の養成しますことから考えますというと、御承知のごとく医学の分野が非常に多方面にわたりますという、医師の自己一人のみにおきまして全部の患者を治療するということはなかなか困難であります。また一つの専門におきましても、たとえば私どものやっております医学物理療法におきましても、自分一人で電気治療もできませんし、光線療法もできませんし、マッサージも、これもできませんし、また刺激療法もできません。どうしても物療補助員というのもを使いまして、この補助員と共同しまして治療をやっております。ただ医師はその場合に患者を信頼いたしまして、そうしてこの人にはこういう治療をやってくれ、この人は電気治療をやってくれ、この人は光線治療でよろしい、これはマッサージでよろしいという一つの指示を与えます。そうしてこれをやりまず場合には、そういうふうな人の養成というのもある程度必要であろうかと思います。ただその人を養成して下さるとしますれば、非常に高度の、程度の高いものを養成していただきたいと思います。今日においては、昔と異なりまして、医学教育は専門学校がなくなりまして、全部大学教育になっている状況でございますから、この医学――かりに物療補助者というものを作るとしましても、少くとも昔の医学専門学校程度ぐらいの高度のものにいたしていただけたら、はなはだけっこうではなかろうかと思います。ただここにおきまして問題は、あまりそういった学校をたくさん作りましたときには、その卒業生のはけ口がない、学校、大きい相当の病院におきましても需要の限度があります。従ってあまり大ぜいの人数もとれないということがあります。
 次に、本論に入りますが、こういう理由から禁止すべきであるかどうかということも、これも非常に重要な問題であります。まず今日におきまして、この医療類似行為の一流の人の現況を眺めてみますれば、まず共通した点があげられます。第一番目には、その人たちは非常に優秀な技術を持っております。第二番目には、診断はしないが病気の状況判断が非常に巧みであります。第三番目には、非常に親切丁寧であります。それからもっと大切なることは、まず疲労を非常にいやしてくれます。また同時にある種の、たとえば、これは病名を目すことはできませんが、血圧が高いとかあるいは腰が痛いとか頭が痛いとかいうような症候がありました場合に、これをある程度治療をしまして、その症候を非常に軽くしてくれます。こういうことは現在厳として行われております。それからもう一つ大切な事柄は、非常にはやっている人は患者から患者と、次から次の紹介があります。自分が宣伝するのでなくて患者さんから患者さんというふうに次から次に紹介されまして、そうして治療を頼まれて商売している状況が多々見られます。こういうことから考えますというと、まずこの医療類似行為の中におきましても、有効無害であるものは、これは社会的に禁止すべきでないと私は思います。これは家庭療法といたしまして、何らかの方式においてこれを残していただきたいと私は考えております。
 以上をもちまして私の公述を終ります。
○委員長(小林英三君) 大へんありがとうございました。
 次は、東京教育大学教育学部特設教員養成部の講師芹澤勝助君にお願いいたします。

○参考人(芹澤勝助君) すでに医師の先生方から、いろいろ有益な御意見が開陳されましたので、第一の医療行為と医療類似行為との関係、これにつきましては、すでに医師の先生方の御意見に全く同感でありまして、私は第二のあんまと指圧との関係ということについて少し意見を述べさしていただきたいと思います。
 ただいま医師の先生方よりいろいろ御意見が出たようでございますが、私はただいま東京教育大学の教育学部で盲学校の職業教育、ことに特殊なあんま、はり、きゅうの教員養成を担当いたしております。また同時にこのマッサージに関する基本的な問題を、私の大学の実験室及び東大第二生理学教室におきまして、杉靖三郎教授の指導のもとで、これを実験をいたしております。さらに文部省は昭和二十七年以降産業教育研究の一環として、マッサージの科学的研究を各ブロックを代表する盲学校と、医科大学との共同のもとに研究を進めております。これらの資料をもとにいたしまして、基本的な問題から少し説明をさせていただきたいと考えております。
 大体あんまとマッサージとの関係でございますが、今こちらへ持って参りました人形は、右の方が大体中国古来の経路、経穴を現わした人形でございます。あんまというものは漢方医学の一科でございまして、これは十四の経絡の流れに従ってこれをもんで行くのであります。さて十四の経絡五臓六脇を養うところの栄衛の気血がこれを流れるのである、この気血の滞りを除くことが、あんまの一番重点の効果である、こういう観点から行われるのでありますが、特にあんまで重点を置きますのは、この背中のまっすぐまん中を通る経路とおなかのまん中の経路に重点を置きまして、これを人間の生命力のもととしてここに重点的に手技を行うのであります。この点につきましては今日指圧治療と申しまするものが、主として脊柱の矯正あるいは筋肉の硬化をとくというような理論の上から言うと、東西医学という観点の相違はあっても軌を同じにする一つの療術なのでありまして、あんまは単に疲労回復や慰安、娯楽等の施術ではないのであります。マッサージはすでに御存じの通り西洋医学の基礎の上に立った療術であります。このマッサージの基礎、基本手技と申しますのは六つの手技から成り立つのでありまして、なでる、もむ、たたく、押す、ふるわす、これに加えまして間歇圧迫と申しまして、押しつつもんでいく手技があるのであります。この六つの手技を私どもはマッサージ、カイモグラフという生理学実験用のキモグラフィオンを用いましてこの手技を分析しますと六つの異なった曲線が出てくるのであります。このカーブは、要するにマッサージというものはなでても押しても、もんでもたたいても一点を圧迫するものであるという結論になるのであります。ただ一点を圧迫するものがリズミカルに断続的にいろいろな形を変えて圧迫という形で身体に影響するのであります。そういたしますとこの圧迫の中でいろいろな方法がございます。マッサージの基本六手技の圧迫法の中には、栂指圧迫あるいは二指圧迫、四指圧迫あるいはまた手掌圧迫という圧迫の型でございますが、指圧の治療で申しますと、これを指圧あるいは栂指圧、二指圧と言うよ5でありますが、これは指圧の関係の先生方があんまやマッサージで圧迫するのと指圧で圧迫するのとはその根本理念と手法と生理的作用が違うというのでありますが、これはあらゆる場合の圧迫を、キモグラフィオンを通って分析したカーブであります。これ以外にどういう方が分析し、どういう方が圧迫をしても、この五つの変化しか出てこないのであります。これはいろいろな形においてとった基本手技であります。
 さて、この基本手技がどういうような生理的な働きを持つかと申しますと、圧迫というものは、私どもが実際に圧迫をしたときの筋電図をとりますと、筋肉の興奮性というものに対しましては、押すという場合には必ず抑制という結果が出てくるのでありまして、時間的にごく短かくとも、長く押しても、これは働きを押えるという結果に出てくるのであります。按撫法という、なでるという結果は、これは高進――働きを高めるという結果に出てくるのであります。こういう観点から申しますと、指圧の関係の先生方があんまやマッサージで圧迫をするのは、神経の麻痺などのときに強く押すのだというのでありますが、あんまやマッサージでは、決して圧迫をするのは神経が麻痺しているというような、働きが鈍っているときに使うのではありません。働きが高ぶった神経痛やけいれんのときに、押える目的で使うのであります。この辺、果して指圧の先生方がマッサージの圧迫というものをどういうふうに理解されておられるかほんとうに自分たちが押すという手技の生理的な働きというものを実験の裏づけの上に立って実証しておられるか、はなはだ理解に苦しむところがあるのであります。
 さて、このマッサージとあんまの相違点でありますが、明治の中期、マッサージが日本に輸入されるまでは、あんまというものは、漢方一点張りの経絡の施術でございました。ところが明治の中期に入りましてから、あんまの理論と技術の中に西洋医学のマッサージの学理と技術が統合されました。今日ではここに並べました二体の経穴人形と療点人形でございますが、この左側の十四経の経絡の上に現われた皮膚のいろいろな過敏点や、あるいは硬結や圧点と、右側の、現代医学の生理学にいうレフレットペン・セオリー、連関痛の学説の上に立ったいろいろな反応点であります。この反応点がうまく統合されて、あんまとマッサージというのは、単一理の上においてまた技術の上において、全く実際面では分離し得ない過程に来ているのであります。
 さて、あんまとマッサージというものの、今度は治効の原理でありますが、あんまとかマッサージと申しますのは、一つは、循環系を通して効果を現わすということであります。マッサージを行いますと、そのマッサージによって血液循環がよくなる。従って老廃物は排除される。その部の栄養は高まる。働きは非常に盛んになるということが、マッサージの基礎であります。と同時に、先ほど先生方からお話がありました、私どもマッサージというものが、やはり内臓に病気があると体の表面、ことに皮膚や筋肉や、あるいはまた、そのほかの場所に圧痛とか硬結とか、あるいはまた、そのほかの痛みとかいうものが出てくる。この痛みや過敏や硬結などをとることによって、内臓のいろいろな病気もまたなおすことができるという一つの理論の上に立った治療なのであります。で、これは必ずしも指圧の根本的な治効原理ではなく、マッサージそのものの、またはり、きゅうそのものの今日よって立つ理論的根拠なのであります。こういう観点に立ちまして、私どもは今日内臓知覚反射、あるいは内臓運動反射、内臓栄養反射というような一連の連関学説の上に立って治療を行いますし、また神経液性相関という、先ほど圧自律神経反射というものを指圧は利用するのであるという先生の御意見がございましたが、これをそのままマッサージの圧迫法の中に取り入れておるのであります。この二体の人形は、文部・厚生共同省令によってあんま師の養成学校が必ず教材として、教具として持たねばならない必須の人形であります。そうしてこの人形の上に立って、私どもは漢方的なあんまの学理、あるいははり、きゅう、さらにマッサージの学理と技術、さらにこれらの諸点を対象とした治療の内容まで勉強していくのであります。
 さて最後に、この二つの相違でありますが、指圧が、大体今日言っておられますことは、カイロプラチックやオステオパシーのように、すべてまず脊柱の変形を矯正するということが先決で、これを直すことによって、この背骨の間から出る神経の末端組織の働きをなおすという考え方ではなくて、まず第一に、どこかの筋肉にかたい硬化したところが出てくる。この硬化したところをやわらげれば、右と左の筋肉のアンバランスがとれて、背骨もまっすぐしてくる。そういうことによって、背骨の間から出る神経末端の働きも元に戻る、こういう理論のようであります。としますと、まず第一に、筋肉の硬化を押してとるということであるならば、マッサージはとにかく皮膚にも、神経にも、筋肉にも効果があるのでありますが、特に筋肉に対しては、なで、もみ、押すというような複合手技を行うことによって特に効果があるのであります。こういう観点に私は立ちまして、指圧はマッサージの治療の主眼とするものに一致し、しかも、その技術の面において、六つの手技の中の圧迫法を取り上げたものである。従って指圧は現段階においては、マッサージ及びあんまの一部である、こういうふうに断定する次第であります。
 第三の、指圧とその他の手技及び刺戟療法との関係でありますが、これは指圧とその他の手技とは、カイロプラチック、オステオパシー、スポソジロセラピート等の手技を申すようであります。刺戟療法とは、ミツバチ療法とか、あるいはそのほか、はり類似のいろいろな治療法があるようでありますが、これをさすもののようでありますが、私どもはこれらのはりに類似するような刺戟療法は、ぜひ禁止してほしいし、また指圧そのほかの手技、カイロプラチック、オステオパシーというものは、一つ進めば整形外科の領域に入るべき範疇のものではないかと、こう考えるのであります。脊柱の転位や副脱臼というものは、一歩進めば整形外科医の取り扱うべきことであって、医療類似行為として取り扱うべきことではない、こう考えるのであります。
 第四は医療類似行為の修得方法でありますが、これは前の医師の先生方からすでに述べられておりますが、ただ営業の現状であります。指圧と申しまして、この道のリーダーになるような先生方は、実際に指圧だけを中心としてその業を営んでおるのでありますが、ごく地方の末端に参りますと、指圧の届出だけを持った業者の方々の中には、時には押すだけでなくして、あるいはもみ、あるいはなでるというような、あんま、マッサージにまぎらわしいような治療を行う方々があるやに聞いております。こういう観点から私どもは、このあんま、マッサージに類似の指圧というものは、ぜひ、あんま、あるいはマッサージの範疇に入れて処理していただきたいと願うのであります。
 五はあんま、はり、きゅう、柔道整復師の今日までの医業類似行為の暫存八年間はいかに解釈したかでありますが、私どもはこれは転廃業する期間が八年間である、こういうふうに考えております。したがって昭和三十年一二月三十一日までにすでにあんま師試験なりをもって転廃業すべきが正しいのではなかったかと、こういうふうに断定いたします。
 次の六であります。改正による三年の延長期間にあんま師試験の科目が受けられるまでになるかどうかという問題であります。これはあんまの課程は六・三の上に二年であります。従って二年の課程があればりっぱにあんま師試験が受験できのであります。その点におきまして、むしろ私は三年延長でなくて二年程度の延長でも十分事足りるのではないかとも考える一人であります。なお最後の、医業類似行為の業態は医学上の理由から禁止すべきであるか、あるいは社会的に認める必要があるかという点でありますが、私は将来のあり方といたしましては、先ほど医師の先生からありました通り、この医業類似行為は医療体系の中に入って医療の補助者としていくことが望ましい形態であると考える一人であります。しかし過渡的にこれはいろいろな問題が付属して参りまして、独立自営の営業が不可能であるということは重大な問題であります。こういう観点で私の将来の夢である理想として、私どももこういう医療体系の中に入りたいということの希望だけ申すわけであります。最後に、私は今度この国会に提案されました政府の原案につきまして、私どもは一応指圧というものはマッサージの一部であって、これを明記する必要はないと考えていたのでありますか、政府のいろいろな趣旨の説明によりますと、マッサージの、あるいはあんまの一部として指圧は認める。しかし昭和五年以降において指圧というものが社会通念としてすでに一般にはあんまやマッサージと別のもののように考えられている現状において、入念規定としてあらためて第一条の中に加えQのであるというお答えでありますので、その趣旨に賛成して、政府原案に賛成するものであります。三年延長につきましても、いろいろ技術上の問題があると存じますが、私どもは政府の提案されました原案に満腔の賛意を表してこれに賛成するものであります。
○委員長(小林英三君) ありがとうございました。次は、全日本鍼灸按マッサージ師会会長の小守良勝君にお願いいたします。

○参考人(小守良勝君) すでに医師の先生方、また教育大学特設教員養成部の講師の芹澤氏の意見によりまして、私ども業者代表である者といたしましては、これ以上申し上げる必要がないように考えられます。けれども御指名によりまして、第一から申し上げますと、医療行為、(物理療法)これは先ほど来医師の先生方がおっしっておる通り、マッサージを中心にして他の物療、すなわち電気、光線、あるいは温熱、水治療法とかいろいろなことがありますが、私はもちろんマッサージはマッサージ師として雇っていただいてそれら水治療法、あるいは一切の物療は医師がやるべきでありまして、あえて別な方法をとっておやりにならない方がよろしいのではないかと思います。御存じの通り、私どものあんま、はり、きゅう柔道整復師は、医師以外の者でこの業を営む者はということが書いてありますので、医師と、また私どもはあんま、はり、きゅう、いわゆる歴史と伝統を誇るこの業名が今日まで伝わっている関係上、医師以外にこれを許していただけていると、こう思うのでありますから、われわれと医師の間にまた何か一つの方法をお設けにならないで、医師がなすっていただくことが国民として一番善ばしいのではないかと、こう考えるのであります。
 第二は、あんまと指圧の関係、これは今芹澤氏が科学的の理論で一切申し上げてありますから、あえて私が申し上げる必要はありませんが、先ほど医師の先生がいわゆる自律神経系統のことを仰せになりましたが、今芹澤氏の説明でおわかりのように、あんま、マッサージは今六種類あると申し上げましたが、その六種類の一種類の中でも、最も軽くやる、あるいは中等度にやる、あるいは最も強くやるという、いろいろな手技の中にもその程度がいろいろあるのであります。従って病気の出診断にできませんが、病気の概況によりまして、この患者に対してはおなかをマッサージする場合は最も軽くして、自律神経系統を刺激して、そうして内臓機能を高めるというようなこともずいぶんわれわれは研究している関係上、その一種の手技の中に重く、あるいは中等度、最も軽くやるというので、かなり病的に作用がたくましゅされることと思うのであります関係上、あんまと指圧の関係は、あるいは指圧師から仰せになれば相当理論があり、正しいように思われますが、私どもあんま、マッサージの業からいえば、先ほど来申し上げているところの手技の一種であります関係上、当然あんま、マッサージの中に入っていただくべきである。そうして規定の修業をして免許をとっていただくべきであるということは、法律が出ましてから今日まで論じているものであります。
 第三の指圧とその他手技及び刺戟療法との関係、これは今芹澤氏が申し申し上げた通り、指圧以外の手技と申しますと、あるいはおなでさんとか、いろいろななにがありましょう。あるいは拝むような場合もありましよう。いろいろありますが、御存じの通りあんまとマッサージはあえて足で治療をすることはありませんが、ある手抜を行う点において、また病の点において足で押えて手でその療法、治療をするということもあります関係上、いつかどちらかでお話がありましたが、昨今足療法というものがはやっていると仰せになりますが、われわれはこのあんま、マッサージの中で手と足を使って、場合によっては足に力を置いて手にそんなに力を入れずして、一種の治療行為をしておるということがありますので、手技というのはそういうことも考えられると思うのであります。
 それから刺激器具器械、これは今芹澤氏の申した通り、はり、あるいはきゅうは御存じの通り三千年の歴史を持っておって、まだ医師法がしかれない前ははり師がいろいろな外科的な療法をやっておったのでありますが、医師法がしかれましてからそれらは禁じられまして、現在行なっているところの金、銀、プラチナ、その他の製法によるはりを用いて、身体の皮膚の刺激、あるいは筋肉内に刺激をして、いわゆるこりをとるとか、いろいろな療法によっております。このはりとかきゅうのことについて、その器械器目打、別な器械器具を使ってやっていらっしゃる方々が多いように思われますが、この刺激と考えられますので、これらの方はあんま、はり、きゅうの中に入っていただくべきことが当然と思います。
 それから第四のことはすでに先生方が仰せになりまして、修得方法及び営業の現況、これは私が一言申し上げたいのは、指圧をなさっている方々が、もちろん医学的の修得はなすっていらっしゃらないが、社会的に割合に地位のある方々がなすっているのであります。世の中は、一般の国民はやはり地位のある方を中心にして考えるようなことが多いので、たとえば、あるいは国会に関係のある方とか、政府に関係の方々とか、あるいは会社か何かに関係のある方々、地位のある方々がなさるのでおのずとその名前を知っておってゆく、慕ってゆくまたその施術者はだんだん経験を積んで割合に上手な治療をなさって宣伝かきいて多くの患者が扱えると、こう考えられるので、医学的な根拠から申しますとどうかと存じます。こう私は、解釈いたします。
 次に、あん摩師、はり師、きゅう師、及び柔道整復師法の八年間の暫存期間、これは転廃業と私は存じております。その八年間にもしこの仕事をなすってゆきたいとすれば、お考えになっていたと思いますが、あんま、はり、きゅうの学校を出ていただければよろしいのじゃないかと思うのであります。その、観念がおありになったかど5かわかりませんが、ついずるずる八年間たってしまって、今日政府でもまたわれわれの間でも検討しなければならないと、こういうことになったのではないかと思います。
 それから第六の改正による三年の延長において指圧を除く、医業類似行為――電気、光線これは三年間の間にこの電気、光線その他を扱う方々にあんまの試験をやっていただきたいと思う。これに合格してそしてあんまをやっていただきたい、要するに指圧その他をやっていただきたいと思う。この三年間の、これが短縮されれば二年でありますが、二年でもけっこうと思います。六・三を出て二年でありますから、その二年間に修得をしていただいたならばりっぱに――いわゆる先生にはどうかと思われますが、治療家として世の中に尊敬されるのじゃないかと思います。
 それから第七の医業類似行為を禁止すべきか、社会的に救うべきであるか、これは私どもといたしましては、第一項に申し上げた通り、電気、光線その他は医師がやるべきものであって、まだあんま師、はり師、特にはり師なんかには、電気は全然感伝電気においても禁じられております。あんま師におきましても感電平流ぐらいしか使えないので、こういう法律のもとに取り締められておる。われわれが使えなくて医業類似行為をなさる方が大それた医師が行うべき電気、光線を扱うということは、私はいかに地位がおありになっても危険であると思うのであります。もしなさるとすれば、医師になってやっていただくことが然るべきであると存ずる次第でございます。
 それから社会的な問題としてこれを救うかどうか、これは私どもは業者といたしましては、今日まで考えてくると、これは私どもの考えられないことで、政府及び国会においてお考えになって、あるいは場合によってはお救いにならなければ一万二千九百十五人の方々がお困りになるのじゃないかと、こう思われるのでありまして、御相談になったときには私どもの意見を申し上げようと思いますが、その場合においては、それぞれの専門の先生方におまかせして、その御相談があれば私どもお受けしてその他のことを申し上げようと考えておるのであります。以上申し上げましたことの点について、医師の先生方に多少団体代表としての言い分がどうかと御解釈願えるかもしれませんが、私どもは医師以外にあんま、はり、きゅう、柔道整復、これ以外にないと思うのでありまして、あらゆる医業類似行為の方々ははり、きゅう、あんま、マッサージ及び柔道整復のおのおのの手技、扱うべき器具、器械を利用して別名をもってやっていらっしゃると思うのでありますから、すみやかに私どもの学校に、養成所にその期間を経て国の免許をとってやっていただいたならば、この方々はあえて電気といわず、あえて指圧といわず御自分の経験とまた医学的根拠を修めて、理論と実際を一そうつまびらかに研究なさったならば、今までより以上の成果を国民に知らしめるのじゃないかと、こう存ずる次第でございます。
○委員長(小林英三君) ありがとうございました。
 次は、日本鍼灸師会の花田博君にお願いいたします。

○参考人(花田厚君) 私は日本鍼灸師会の代表でございますが、本日は暑いところわれわれのためにこういういい機会を与えられましたことを厚く感謝いたします。冒頭に現在、この業に対してどういう方法をとるかという政府の措置が示されております。政府から改正法律案が出ておりますが、これに対しまして、私どもはあらゆる観点から絶対賛成をいたしております。
 その賛成理由というようなものは、順次これから一、二、三、四、五、六、七とある中でほぼわかっていただけると思いますので、まず政府原案に賛成であるゆえんを明らかにいたしまして、第一の物療関係という、物療というような第一項目に対しましては、これは先ほどからその道の先生方のお話がありました通りに、私どもも、これは医師が間接もしくは直接に何らかの形で関係しておるものは、これは物療と称して医療行為であると解釈しておりますが、医業類似行為は、同じ行為である、違うことはない、同じで、はり師なりがするのであるが、これは間接にも直接にも医師が何も関係しておらなくて、独立でやっておることを医業類似行為と、こういうふうになっておるものだと、かように解釈しております。これを議会で、前の医務局長さんがよく表現された、狭義の医療が医療行為であり、広義の医療が医療類似行為であると、私はかように解釈しております。それからこのあんまと指圧の関係問題につき正しては、すでにそれぞれの問題から解明されておりますので私はあえてこれを私はあえてこれをたくさん蛇足を加えませんが、指圧の方々はあんまと違うということを盛んに主張しておられる。その中に、私は私なりの観点から、同じ指圧の中にも私が知っておる乏しい知識の中にも幾通りもあるのであります。物理的指圧療法、純血液循環療法、超指圧療法、高趣指圧、押手療法、リンパ液間歇療法等、この指圧の中でも今読み上げたのは五つ六つありますが、より以上たくさん指圧の流儀がある。これがどれが本来であるか私どもはつかむ道がわからないのであります。一がいに指圧というても、その指圧の中にかくのごとく種類があります。なお手技に至っては、これはおびただしくてとても簡単には申し上げられません。かように指圧の中でもそれぞれ違うことがあるように、あんまとマッサージも違うということを主張されるのではないかと思います。それならば確かに違うと思います。それは指圧の中にいろいろの名称をつけられておるように、それぞれ幾らかの違いがあるように、幾らか違うことがあるに違いありませんが、根本的な手技においては、これは全く同一なものであります。しかるがゆえに、私はあんまと指圧というところの関係は同一のものであって、今回政府のとられたあんま並びにマッサージとともに指圧を認めるというのは、これは社会通念による一つの判断であると、私はかように解釈しまして、この処置を、政府の処置に賛成したわけであります。
 三、指圧とその他の手技及び刺激療法との関係、これは先ほどから申されましたように、いろいろな手技と指圧というようなものはこれは総じてあんまの中に入れるべきものである、かように解釈して、その他の刺激療法あるいは温熱療法というようなことかありますが、これは俗間に流れております温きゅうとか、あるいははりを皮膚に接触しまして刺激療法とかいうような名前を掲げておられて、これが療治と称して別途にやっておられますが、こういう療法はすでにきゅう師もあるいははり師も当然許されている免許の中に行なっているのであります。でありますから、この人方が真にこの治療をもって国民に衛生奉仕したいとお考えになるならば、なぜ進んできゅうなりはりなりの免許状をおとりにならないかということを私は非常に疑うのであります。はりやきゅうの免許状をとっては自分の特技としておるところの刺激療法はやれないというのならば、これはまた話は別なんでありますが、はりやきゅうの免状をおとりになればりっぱにできるのである。そこで私どもはこれを悪く解釈いたしますと、はりやきゅうをとるのには多年、今では六・三の中学を出て五カ年の過程を経なければはりきゅうの免状はとり得ません。しかもその上には試験があります。こういうめんどうな過程を経ることが困難あるいはめんどうと考えられて、やっぱり療治という名前のもとに一緒になられて運動されるのではないかと、かように解釈しております。
 四、医業類似行為の修得方法、この問題につきましては、これは全く昭和二十二年九月までにやられた方でないと今までやられた方々はないのであります。それからあと盛んに講習だとか学校だとかいうようなのが設けられてやっておられるのは、これは国家が作った法律を無視したやり方なんです。これは私どもは断然顧慮する必要なしと考えております。なぜかというに、法律の明文にははっきり三十年十二月三十一日までは従来やっておったもの一この例をあげまして、やっておったものはよろしいが、そのほかのものはいけないということは、法律の第二百十七号の十二条に、第一条に許された免許を持っているもの以外は、医業類似行為はやってはならないと明記されておりますにかかわらず、これらをやってこられた方は、何とかしてからという考えがあるのではないか、これらの人を顧慮することになると、将来もいわゆる多数の勢力を頼んでもぐり行為をやれば何らかの方法が得られるという悪い習慣をつけると思いますので、断然そういうことはいけないと思います。従ってその以後に修得された方々は、おおむね個人のいわゆる弟子あるいは弟子でなくても、その人について習ったというような幼稚な寺小屋式の養成にすぎないと私は考えております。営業につきましては、つまびらかにいたしませんのでこれは申し上げられません。
 五、八年間の猶予をどう解釈したか、これは全く私どもも転業、廃業なすべきものである、かように解釈いたしました。
 それから改正による三年の延期、このうちで果してあんまの試験を受けるだけの科目の修得ができるかどうか、これはこの修得の方法のいかんにあると思います。せっかく政府ではこの期間の間にいわゆるあんま、はり、きゅうをのけましたいわゆる医業類似行為の方々の転業を認め、あるいは生活の方面によって救おうというお考えがあるならば、これに即応するように、この人たちがなるべく試験が受けられるように進んで講習会を開催してやるとか、あるいは修得の便をはかってやるというような方法がとられるならば、三年でもけっこう受けられるでしょう。しかしこれをそういう方法はとられないということになりますと、これはなかなか容易でないと考えます。ましてやこの人たちはすでにもう生活をしておられる。二カ年間のあんまの修業年限がありますが、これは初めからあんまになるつもりでもうからだをそのものに投げてやるのですから、当然二年毎日学校に通えましょうが、この方々はすでに生活をやり、多数の家族をかかえておられる方があるかもしれません。毎日学校に行くということはできないので、こういう点を考慮されまして、そうして修得の方法について相当の考慮を払われるならば、三年で妥当であると私は考えます。
 最後の医業類似行為の業態についてでございますが、先ほどどの先生からかしりませんが、医業類似行為は犯罪のためにつけた名前だというように、私の誤解かもしれませんが聞きましたが、私は現在の医業類似行為と称せられておるようなお医者さん以外のいわゆる医療行為者でございますが、これはお医者さんではどうしても工合が悪いとか、あるいはお医者さんでは手が回らないという観点から国民が自然に要求して生れてきた点もあり、あるいは従前からあんま、はり、きゅうのように三千年という歴史のもとに続いてきたものもあり、いろいろな点がありますが、いずれもこれは社会が強く要求するために残っておるものと存じます。従って、この際はいろいろな理屈を抜きにいたしまして、将来お医者さんが一人で人間を製造したりあるいは都合によって切りかえるという方法ができようにならざる限りは、これは社会に置いておくべきものであるというふうに考えます。むしろこの際進んでこの人たちをほんとうのお医者さんのやられる医療に近づけて、そうしてその補助になるような方向に育成助長されることが望ましい、かように考えます。
 以上で私の申し上げる点は終りでございます。
○委員長(小林英三君) どうもありがとうございました。
 次は、関野光雄君にお願いいたします。

○参考人(関野光雄君) すでに詳しく御説明がございましたからごく簡単に申し上げまして、あとは先生方の御質問にお答え申し上げたいと思います。
 そこで、まず第一の医療行為と医業類似行為との関係でございますが、先ほどからこの点につきましては詳しい御説明がございましたが、私はこの場合、普通いわれるところの医療行為、これと別に広義に解されるところのあんま、はり、きゅう、広義に解したならばこれも医療行為の一つだと解釈いたしているのでございます。特殊医療行為と申しますか、そういう解説のしてある書物も今日までに拝見いたしたことがございます。そこで純然たる医師の行われる治療と診断との関係の医療行為は別といたしまして、あんま、はり、きゅうと、いわゆる医業類似行為、私どもが呼んでおります医業類似行為でございます法律二百十七号の第十九条に規定したところの医業類似行為との関係について少しばかり申し上げたいと存じます。
 このあんま、はり、きゅう、物療と称されるものの中であんまは手を用いまして機械的刺激を身体に与えて治療ないし健康の維持あるいはその増進をはかる。その次にはり、はりは針または針状の器具器械をもちまして皮膚あるいは皮内に刺激を与えて治療を目的といたします。次にきゅうでございますが、きゅうは温熱的刺激を皮膚に与えまして、その刺激によりまして治療効果をねらうものであります。従来考えられているように、きゅうというのはもぐさを焼かなければならないものだというのがきゅうじゃない。それはきゅうの主体ではありますが、最も広くきゅうというものを考えますというと、体表の局所に温熱的な刺激を加える、これがきゅう療法である、こういうふうに解釈いたします。すなわち、物療と称しているものの中の手による機械的な刺激、器具器械によるところの刺激、温熱的刺激、これらを特別のあんま師、はり師、きゅう師という免許によって業とすることを認められているものがすなわちあんまでございます。それでは医業類似行為とは一体何をしているものかと申しますというと、電気及び光線を除きましては、ほとんどこの以上申し上げました温熱及び器具器械によるところの刺激並びに四肢によるところの身体への刺激、この範囲を出ていない。つまり医業類似行為というのは、特定の教育を受けない、特定の資格を免許されておらないものが免許されているところのあんま、はり、きゅう師と同じような行為を行うものが、これが医業類似行為である、こういうような関係に立つものと解釈いたします。
 次に、第二項のあんまと指圧との関係でございますが、これにつきましては芹澤先生から全く詳細にわたりまして御説明がございました。この御説明に対して私は全面的な賛意を表するものでございまして、あえて蛇足をつけ添える必要もないのでございますが、特に一二言申し上げたいのは、芹澤先生はあんまにおける導引というものについてお話がなかったようでございますが、あんまにおきましては関節の運動、筋、神経の伸展といったようないわゆる導引というものをやります。これが脊柱の矯正法ともなりあるいは癒着の剥離ともなりあるいは組織の短縮の伸展となる、こういうものが含まれております。
 次に申し上げておきたいことは、あんまにつきまして一般の通念とあんまの実態とが違うということでございます。これにつきましても、その原理等につきましては芹澤先生から御説明がございましたが、一般に理解されておりますあんまというものは常に、先ほど御説明がございました圧迫、按撫、操撚あるいは叩打というものを必ずいつの場合でも行うものである。いつでも総合的に施されるものがあんまである。いわゆる町で一般にやっておりますあんまをもってあんまの実態とお考えになる方が大へん多いということであります。あんまの実態はそういう小さなものではございません。先ほど御説明がございましたが、皮膚、内臓反射だけを使って圧迫だけを施すこともございます。あるいは神経痛等に対して、神経痛と申しましても、種々さまざまな原因からやって参りますので、簡単に申し上げることはできないのでございますけれども、必要のある場合、特に特別な原因を認めないような機能的な場合におきましては、圧迫を加える、あるいは圧迫法に按撫法をプラスするといったように、必要に応じて適応症に従って基本手技の一つないしは二つあるいは三つといりたように、適宜応用していっているものでございます。従って指圧とあんま、マッサージの関係は全く同一であります。科学的な根拠においても全く同一であります。あんまの形はこれこれの形があんまだ、こういう形はちょっと説明しにくいのであります。それから実際に指圧などをやっている人々でございますが、幹部の皆さんは知りませんけれども、私どもがしばしば拝見いたすところでは、決して、先ほどの御説明があったように、単独に文字の示す通り、指による圧迫だけ行なっておらない。必要に応じて関節の運動をやっている。このことはここおいでになります先生方の中にも、そうした指圧をお受けになったことがおありになることと存じますので、あえて駄弁を弄する必要がないと思いますが、そのように決して限界の、圧迫なら圧迫とはっきり固定したものではない。実態は完全にあんまの領域を侵している。もともと指圧そのものはあんまの領域でありますが、単に指圧にとどまらずにその他の手技まで侵害をしている、これがあんまと指圧との関係と存じます。
 第三番目の問題は、すでに前の方の芹澤先生なり、小守先生なり、花田先生の御説明で十分と存じますので説明を省かせていただきます。
 その次は、医業類似行為の修得方法及び営業の現況でございますが、このことについて詳しく調査をいたしたことはございませんので、申し上げにくいのでございますが、一、二存じておるところによりますというと、まあ多くの場合、先輩について指導を受ける、中には器用な方は見よう見まね、あるいはみずから指圧を受けたという経験によって、みずから独善的なものを作り上げる、そして何々派と称せられるようなものを作っている。こういうようなのが医業類似行為の修得の方法ではないかと存じます。
 なお、お断わり申し上げますが、あんま、はり、きゅうと医業類似行為の関係について申し上げておりますので、その点御了承願いたいと存じます。次に営業の現況でございますが、これも全国的にわたっては申し上げませんが、京都の場合について申し上げますというと、京都には百七十余名の医業類似行為者が現在おるのでございますが、その中でこれを生業としておるものは約六十人にすぎないのであります。その他は多くは副業、他に職業を持ちながらこれをあわせ行なっている、これが京都の現況でございます。京都の現況をもって全体を推しはかることは優越でございますが、御参考までに申し上げたいと思います。なおこのことは指圧の会長が京都府会におきまして、私どもの請願によって参考人として呼ばれた場合に、委員各位の質問にお答えしたものでございますから、まず誤りのないものだと考えておる次第でございます。
 次に、第五項でございますが、これは先ほど来御説明がございました通り、私どもは全く八年間において転業なさるか、あるいはなおこうした医業に関する仕事をなさるならば医師に発展されるか、それともあんま、はり、きゆう師になられるものと確信いたしております。昭和三十年の十二月三十一日が参りましたらあんま、はり、きゆう師、柔道整復師を除いては、日本にはそうした医業類似行為者というものの存在はないものと確信いたしておったのでございます。
 次は六番目で、改正による三年の延長期間内に指圧を除く、医業類似行為業者があんま師としての試験に耐え得るだけの勉強ができるかということでございますが、これは私は三年の必要はないと考えておるのでございます。なぜならば、あんま師が修業を終了いたしますまでに修得いたします科目は解剖、生理、病理、衛生及び治療一般と申しまして、あらゆる治療法の原理を一応指導されるのでございます。そういたしまして、決してあんまやはりなどが他の療法にすぐれたものでない、疾患に対してはこういう療法もあり、こういう療法もあるのだ、その場合われわれはそのどの療法を患者に勧めるべきか、一番早く患者が病気から救われる方法を指示するだけの知識がなければならないということから、こういう科目が設けられたことと存じますが、それから症候概論と申しまして、症候のよって来たりますところの病理学的原理について教授されます。これだけがあんま師でありましょうと、はり師でありましょうと、きゅう師でありましょうと、すべて共通の学科になっておるものでございます。それにプラスすることあんまの理論、あるいはははりの理論、きゅうの理論並びにその実技、こういうことに大体なっておるのでございます。このうち今日まで医業類似行為々業としておられた方々は、少くとも解剖学や生理学や病理学というような基礎医学については一応の御了解がなければいけないはずでございます。また治療法の一般についてもあらかじめの知識を持っておいでにならなければ、今日までこういう行為を行うことができないはずでございます。もしそれらの方々が全く医学に関して無知識であったといたしますならば、今日までにずいぶん多くの被害が出たであろうと思います。事実実害は出ておりますけれども、しかしそれほど大きくない、こういう事実もございます。それはこれらの業をやられる方々がすでこうした専門的教養を身につけていらっしゃることを証拠づけいうと、結局あんまとなるためのあんまの理論及び実技の修得が主になって参るわけでございます。電気、光線をおやりになっておいでになる方は、あんまの理論及び実技についてはこれは全く御存じない、白紙の状態でございましょうから、これは一からやっていただくことになりますが、これとても正式の養成機関におきましてさえ、あんまは五百六十時間修得することによってまず一応のピリオドを打つのでございます。もちろん五百六十時間をもって完全なあんま技術というものができるわけではございませんが、まあ一応の基本的なものが完了する、こういうことになっております。あんまの理論につきましては、最低のところ七十時間を修得すればまず最低線ができる、こういうふうになっておるのでございますから、これくらいのものを修得していくのに三年という年限は要らないのではないか。それよりも年限を短縮して早く修得される方がおやりになる方も御安心になられるはずでございますし、私どもも前途がはっきりいたしまして非常にすきっとした姿が出てくるのではないか、こういうふうにに考えておる次第でございます。
 それから第七番目でございますが、医学上から見て医業類似行為は禁止すべきかと、これは私は電気、光線は小守先生が言われたように、やはり医師あるいはレントゲン技師というものがあるわけでございます。それほどの機械を使うのならばそれだけの教育を受けなければならぬ。それだけのものでない、いわゆるしろうとが使っておるような感電のようなもの、あるいは平流五十ボルトまでのようなものでありまするならば、それほど大した問題でない。それは現在まであんま師が併用することが認められておりますし、実際先生方の指導のもとではありますが、病院などにおきましてマッサージ師が現実として使っておるのでございます。これをそういう現状にもかかわらず、あえて別のものをここに作る必要がない。また第一項において申し述べましたごとく、医業類似行為の方々の業の内容というものは、ほとんど電気、光線というものを除く限り、あんま、はり、きゅうと本質的に同一のものであるといたしますならば、あえてこれと別なものを認めていく必要はない、こういうふうに考えておる次第でございます。
 なお次に社会的に見てどうなるか、こういうことでございますが、この場合二つに問題を分けて考えてみたいと存じますが、現在まで、つまり昭和三十年の十二月三十一日までに一応特例によって営業を認められている方々については、これは何らかの方法を考えなければならないのじゃないか、これを断ち切っていただくのが私どもの希望であり、また法治国の理想であろうと思いますが、しかし実際問題として一万幾人かの方々の業がここですっかり切れてしまう。八年間の過去において、こういう今日の事態を迎えないようにすでに予測されるべき問題と存じますが、それはいろいろな事情があってすでに八年を経過した今日、過去を申し上げてもいたし方がないので、まずまずこれらの方については考えなければならぬ。しかしこの際いたずらに期間を延長するということは、今日同様の事態を招く憂いが多々あるわけでございますので、一刻もすみやかにこれを解決しなければならない、こういう建前から、先に本申し上げました通り、三年という期間は長きに過ぎる。実際問題といたしましてそれだけの期間は要しない。十分に御熱心にやっていただきますならば、先ほど申し上げました時間の程度でございますから、できるはずでございます。
 次にもう一つの問題といたしまして、今後積極的に、今日までの方でなくて、今後積極的に医業類似行為を認める必要が社会的にあるか、こういうことになって参りますと、これは社会的にない。むしろこれは、こういうことは純理論の立場からは申し上げにくいのでありますが、社会的問題というその現実的な立場からでございますので、一応遠慮なく申し上げさしていただきます。まず現在のあんま、はり、きゅう師は、これは視力障害者が非常に多いわけでございます。視力障害者がこの業で今日まで活躍しておる。あんま、はり、きゅうという業をもって活躍しております。その活躍しておるということは、視力障害者の社会的な地位が存在しておると同時に、やはりそれだけの需要があるということは社会に貢献しておるということであります。生活するだけの一つの価値を持った存在であります。ところが、そういうものの業がどんどんとおびやかされることになりますというと、それらのものは独立して社会に立つことができない。社会の保護下に立たなければならぬ。どうしても保護しなければならないものかといえば、そうじやない。事実において今日まで長い期間にわたってりっぱに社会の職業人として社会に貢献し、しかも納税の義務まで果しておる。これは世界に誇るべき現状でございます。そういう立場から申しますならば、これは社会的に今さらにこれと類似のものを認めていくということは全く必要がない、以上のように考える次第でございます。
○委員長(小林英三君) ありがとうございました。
 次は、全国療術協同組合理事松本茂君。

○参考人(松本茂君) 私はただいま御紹介いただきました全国療術協同組合の理事松本茂であります。本日は私ども全国の同志か長い間業としてきたことをなくするか続けられるかという重大な問題を御審議していただくときにあたりまして、幸いに私たちに貴重なる時間をお与え下さいましたことを、全国一万三千人を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。
 次に意見の聴取事項についてお答えを申し上げますが、第一の医療行為(物理療法)と医業類似行為との関係につきましては、われわれが長い間厚生省の委嘱によって種々の調査をしていただきました東京医大の藤井先生からお話がありましたので、これは私が申し上げるよりも、この方がよろしいと思いますので、これは御遠慮したいと思います。
 二の、あんまと指圧との関係につきましては、指圧の専門家が来ておりますので、これに譲ってお話をしていただくことにしまして、三の指圧とその他の手技及び刺激療法との関係ということについて一言申し上げたいと思います。
 手技と申しますと、昨年厚生省が地方に療術の調査々委嘱なさるときに、(技手指圧、整体)という名前で調査をしていただき、その調査に当って下さいました藤井先生も、これは手技として将来性のあるものであるから、その手技を強調すべきものであるということで、私たちは承わって以来、公式の文章あるいは言葉においては手技という名前々使ってきております。その中には、先ほどからお話がありましたが、あるいはアメリカにおけるカイロプラチック、オステオパシー、スポンジロセラピート、高い手の療法、あるいは今度は新興宗教の名に隠れておさすりさんとか、あるいはその他の方法を用い、いわゆる社会でいうインチキというようなもの等も含まれるのかもわかりませんが、われわれ全国療術協同組合の組合員がやっておりますところの手技と申すのは、指圧と整体の二通り流れておりまして、その整体の方は、先刻もお話がありましたが、脊髄を中心として治療を行なっていく、これが私たちの治療の眼目になっているのであります。これは少し長くなるかもわかりませんけれども、人間のからだが脊椎が中心となり、そうして骨格が支桂となっている関係から、後天的にからだにいろいろの違和が生じてくるわけでございます。ことに脊椎骨は三十三個ございますが、その中の二十四個の脊椎は、軽い、それこそほんとうに軽い転位といいますか、狂いといいますか、日本で訳されているのは自然脱臼と言っておりますが、自然脱臼というのは、完全脱臼でない軽い亜脱臼だということを言われているのであります。その軽い亜脱臼の結果は、椎骨の両側にありますところの脊椎と脊椎の間の椎間孔、この椎間孔を派出している脊髄神経が軽い圧迫を受けて、ちょうどガスのゴム管が圧迫を受けてますと、ガスの量が少くなって火力が弱くなる。長い時間継続されますと、この即支配下にある臓器、組織器官に悪い影響を与えていろいろの病気を誘発したり、あるいは病気になっているときにはそういう脊髄に故障があるのだと、こういうふうに私たちは教えられてきております。それでその軽い脊椎の狂いを軽く調整いたしますと、その圧迫を受けておったところの脊髄神経は、ちょうどガス管の圧迫をとったように、本来の働きを神経が始めるということになります。そうして神経が本来の働きを回復するに至りましたならば、その支配下にあるところの組織器官というものが自然癒能力あるいは自然の治病力とか、あるいは疲労回復の力が強くなって、いわゆるからだの内部から自然治癒をしてくるということになるわけであります。そういう意味で先刻芹澤先生のお話では、そういう脊椎の狂いもわれわれの中においてりっぱに調整ができる、こういうお話でございましたが、それはなるほど生物でございますから自然の回復もできましょう。脊椎の狂いが自然に回復もできましょうけれども、それは長い時間を要するわけなんです。今までに自然回復ができるようになれば、それはいつまでもそういう脊椎の狂いというものが残存しないわけなんです。そういうわけでカイロプラチックとかオステオパシーみたいな療法はその狂いを軽くアジャストする、調整する。そうしてあとを指圧して、その一方に引きつられておるところの筋肉の硬結とかあるいは弛緩の均衡を保つように整えていく、こういうことになるのでありますから、あるいは長い時間を用いるならば、それは自然回復はできましょうけれども、長い時間を用いないで、あたかも今の交通機関が昔徒歩で歩いたり、かごで歩いたりしたものが、車に乗ったりいろいろして、早く目的地に達するといったような方法が文化の発達とともにアメリカにおいてできて、それを私たちは継承したり、あるいはこれを手技の治療の中に包含してやっているわけなんです。そういうわけで、一歩また進んで行ったならば整形外科に属するだろうというお話もございますが、あるいはそういうことも考えられるかもわかりませんけれども、整形外科というものがどの限界まで来ておるか、それは私はちょっと今わかりませんけれども、整形外科に行かなければならないというほどの大きな脊椎の狂いとか、骨格の狂いというものがなくて、自分では気がついていない、しかるに幾らいろいろの治療をしたり、それこそあんまをしてもマッサージをしてもおきゅうをしてもなかなかなおらないというような場合に、脊椎を調べてみますと、相当にサブラクセーションという脊椎の狂いがあるわけなんです。それを軽く、それこそ軽く調整いたしますと、今までなかなか自分のそれば持病であると、容易になおらないと思っていたいろいろの故障が、短かい期間と短かい時間にこれが解消していく、こういうことになりますので、先刻お話がありましたように、あんまさんの技術でこれが全部整っていくならばわれわれの方に――それこそ今まで大した資格も与えられていないわれわれの方に来るわけはないのです。そうして一度来た人が、先刻もお話がありましたように、一度かかった患者が次の人を紹介する、また次の病人を紹介するということは、今まで受けでおった治療よりかこの療術の方が、手技療術の方が大へん私のからだに合いますということを実際に物語っておると考えるのであります。そういうわけで、決して私はこれがあんまさんにできないとかあるいはあんまさんのやることがどうとかということではありませんが、事実の問題といたしましてそういうふうにやってみえる。われわれは何百年も何千年も前からあるあんまあるいはその他の施術に対して、決して職業を侵害するとかそういう気持はないのでありますけれども、自然に社会の人がわれわれを求めでくる。何ゆえに求めてくるかということを考えましたならば、多少そこにわれわれが希望せられるあるよいところがあるのではないか、こういうことが考えられるのであります。それで決して独善的に私たちは手技がよいとか指圧が絶対であるとか、そういうことを申し上げて、あんまあるいはマッサージがいけないというようなことは、今までも一言も言ったことはないし、またそれは言うべきものでもないわけです。ただ現実の問題として、一人がかかったならばまた次の人を紹介しようというところに、今まで行なった人たちよりか多少その受ける人がプラスになるという実感があるというところにあるのじゃないかと思います。また先ほどお話がありました整形外科ということについては、私もよくわかりませんけれども、整形外科に行かなくちゃならないほどひどい狂いでないということなんです。そういうわけて、またそれかみんなが整形外科に行くということになっても、これはなかなかお医者さんが一々人の背中をみたり脊椎をなおしたりするということは容易なことではありません。われわれみたような、貧乏人が何もほかにすることがなくてそして自分の、たとえば私のことを申し上げますならば、あらゆる治療を加えましても三十まで生きられないと、それほど言われた私が、この療術によって初めて健康を回復して、そうして三十八歳で妻帯をして六人の子供ができて、まだもう少しは生きていられるというようなからだになったというようなことから考えて、私のからだはこの通り、あなたのからだもそうだ、しかもその骨格を調整するという治療が、アメリカのスチールという医者が自分の娘を三人同じ病気で殺したことに端を発して、苦心研究の結果、オステ・オパシーというものを発明し、またカイロプラチックというのもそういう意味かや研究完成されたものなのでありますそういうわけで、お医者さんがこれをやるということはなかなか容易でない。ですからやはりこれは理論的には、実際にこれは整形外科に属するものでありましょう、あるいはあるかもわかりませんが、お医者さんにはすべてをやっていられないというところに私たちの存在というものは必要になってくるのじゃないか、こう考えるのであります。そういうわけで、決して他のお方のお言葉を反駁するというわけではございませんが、私たちはそういう意味で治療に従事しておるわけであります。また私たちは、先ほども診断行為がいろいろ云々されましたが、決してこれも医師が行うような診断行為でなく、脊椎が狂っているかいなか、あるいはある筋肉に硬結があるかあるいは弛緩があるかという、治療に必要なものを触察しながら治療していく。そしてその治療ということがどうであるかわかりませんが、ともかくも身体にそうしたいろいろの違和が生じていることを整える。その整えることが私たちの目的になってくるわけで、整えておけば、あとは自然治癒に導いてもらえる、これは生命力のある生物として当然与えられた権利であると思います。そういうわけで、私たちの手技療法というのはそういった軽い故障、軽い狂い、そういうものを調整するというところにあるわけでございます。
 次に、刺激療法との関係については、やはり同志の専門家の宇都宮理事がおりますから、その方にお願いすることにいたします。
 それから医業類似行為の修得方法ということについて申し上げますが、これはずっと前はやり弟子入りをしたり、いろいろしていわゆる徒弟制度といったようなものがございましたのですが、社会の進歩発達につれまして講習会に進み、そうして次には学校制度に進みつつあるわけなんです。北海道における学校がその最もよき例でございますが、モデル・ケースとして、北海道では昭和十六年より今日に至りますまで三カ年の修業課程を経て、そうして公認するということになっております。この学校には、北大の現職の先生方が教鞭をとられております。また近く神奈川県におきましても、先ほど志村先生がおっしゃったように、横浜医大の講堂において、数年にわたってやはり解剖、生理、病理その他のわれわれに必要な治療医学が講習されております。そのほか全国には約三百数十名の医学者やお医者さんを講師にお願いして、そうして療術医学の研究、あるいは指導が今日に至るまでなされておるわけでございます。
 それから営業の現況につきまして一言申し上げますが、現在は保健所の指導のもとにいろいろの設備も改善されて、相当によくやっております。ことに近代科学の影響を受けまして、いろいろ治療の方にも研究考慮が払われまして、決して保健所からこれはいけませんというような注意を受けないで済む程度にまで進んでおりますし、そうして社会の認識も、この手技療術、あるいは指圧療法そういうものが次第に認識を深めてきておりますので、われわれ一万三千の業者の大部分は、この療術によって生活の安定を期しつつあるわけでございます。
 それから第五のあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法の公布(昭和二十二年十二月)以来、昭和三十年十二月三十一日までの医業類似行為の暫存期間(八年間)をいかに解釈したかということについてお話を申し上げたいと存じます。私どもは、療術は昭和五年以来、あんまとは別個に敵方条例による届出制度がとられてきたのであります。しかし私たちは全国統一した法律の制定を希望して国会に運動を続けてきたのであります。ところが特に昭和二十二年四月三十日に河合厚生大臣の時代に省令が公布され、その省令に基いて北海道初め秋田県その他各府県において試験制度を実施しておるわけでございます。ところが二十二年の十二月に突如法律第二百十七号が公布されて、私たちは八カ年という期限をつけられたわけでございます。そのときに当って時の厚生大臣一松定吉先生がこの間七月十八日にこの委員会で述べられましたごとく、この八年間は禁止するのではない、玉石混淆を選別してよいものは取り上げる期間だから、自戒自粛して、大いに研さん琢磨するようにと言われたのであります。さらにまた政府は昭和二十四年以来五カ年にわたり国費二百五十万円を計上して療術の科学的調査を全国の大学及び国立病院に委託しました。研究目標は、療術が無害有効であるかいなか、及び適応症と禁忌症その他の事項でありました。しかもその調査には全療協の組合員が動員されまして協力をしたのであり、また厚生省においても、皆さんはぜひあなたたちのためになるんだから協力をして下さいということを河野前医務課長、あるいは岩佐前技官が指示されたこともあるわけでございます。従ってわれわれ全療協の組合員は国が計上されてこれほどの調査をして下さるのでありますから、必ず昭和三十年以内に公認の日が来るものであるということを待っておりました。ところが今日、かかるあんまの中に指圧を含めると、しかも、あんまの試験を受けよという残酷な法案を見まして、私たち全国の組合員は、それこそ全身の血がとまり、天地がくずれるような思いをしたのでございます。それから昨年十二月一日にも、全国の衛生部長会議の席上で厚生当局は、療術業者はあと一年間の期間に迫ったけれども、決して職業上の不安を与えないから、安んじて業務にいそしむようというあたたかい御指示が、各府県当局からわれわれ団体に通達されたのであります。またその他のいろいろの、衆議院、参議院における療術に対する質問に対しましても、厚生省当局の公約は、われわれを絶対に転廃業せよというような印象を与えるお話は一言もなかったのでございます。そういうわけで私たちは必ず昭和三十年以内に公認されるものであるということを待っておったわけでございます。
 それから六でございますが、これはいろいろのお話もございましたけれども、今までいろいろの違って療術をやっておる者が急に違った学問をしたり、あるいはその術式を研究するといってもなかなか容易でない。ことに自分の生活を……
○委員長(小林英三君) 松本君、御発言中ですが、先ほど委員長が御注意申し上げましたが、大体十五分以内ということで、だいぶ超過しておりますから御注意願います。
○参考人(松本茂君) ではもう一言ようしゅうございますか。
○委員長(小林英三君) 大体骨子だけ言っていただけばいいんです。項目全部おっしゃっていただかなくてもいいんですか。
○参考人(松本茂君) それでは七の禁止すべきかいなかということについて一言申し上げさしていただきます。私たちは過去五十年にわたってこの療術を皆やってきておるわけでございます。そういうわけで今どうしてこれをやめなければならないか、あるいはこれがなぜいけないかということを聞きますと、昭和五年以来、警視庁令で取り締られるようになりましてから以来は、医学上これは危険であるというものは全部今までに厳重な取締りの上に処理されてきておりまして、今日残っておるものは皆安全かつ無害有効のものであるということははっきりしたのでありまして、北海道あたりには公立の病院に療術者を採用しておる事実もあるわけなんです。そういうわけですから、私たちはどこまでもこの療術というものを社会人の福祉のために、また私たちの生活のためにぜひ公認をさしていただくように御審議をお願いして、私の説明を終りにいたします。
○委員長(小林英三君) 次は、全国療術協同組合理事長の宇都宮義眞君にお願いいたします。
 なお、あとで委員諸君からの質疑が残っておりますから、時間の節約上時間をお守り下さい。

○参考人(宇都宮義眞君) 御指名によりまして発言いたします。時間も大へん経過いたしまして簡単にやれということでありまするので、なるべく省略いたしますので、ただ率直に申し上げまして、言葉の足りないところは、もし失礼がありました場合にはお許し願いたいと思います。
 初めに私ども療術行為につきまして非常に誤解があるようでありまするので、療術行為というものがいつどうしてできたか、その名称はどうしてきめたのか、だれがきめたのか、五種目というものはいつきめられたか、定義は何であるかというようなことにつきまして、御参考までに私ども昭和二十二年禁止されるまで従って参りました警視庁令療術行為取締規則の第一条につきまして、蛇足でありますが、ちょっと一言つけ加えたいと思います。
 すなわち、「本令二於ナ療術行為ー称スルハ、他ノ法令ニオイテ認メラレタル資格ヲ有シ、ソノ範囲内ニオイテ為ス診療又ハ施術ヲ除クノ他疾病ノ治療又ハ保健ノ目的ヲ以テ光、熱、機械、器具其他ノモノヲ使用シ若シクハ応用シ、叉ハ四肢ヲ運用シテ他人二施術ヲ為スモノヲイウ」、かように定められて、私どもは何らちゅうちょするところなく規則に従いまして業務を続けてきたわけであります。さてお尋ねのものが個条書になっておりまするので、その第一項から簡単に申し上げたいと思います。
 第一の医療行為と医業類似行為との関係につきまして、私はこれは広義の解釈をすれば、医療行為、医業類似行為、すなわち、あんま、はり、きゆう、柔道整復、たとえばただいま申しました療術行為はすべて医療の行為であると思います。しかしながら、法的にはただいま申し上げました警視庁令によって定められた業務及び法律二百十七号第一条及び第十九条によって定められた業務のことではないかと考えます。しからば医業類似行為というものを認めた限界につきましては、どういうことであるかということにつきましては、いろいろただいままで承わったところによりますれば、これは第一次の危害、すなわち直接危害がないということによって認めてあるのだ、そうして素養は医師ほどの素養を必要としないものに限る、こういうことになっております。そうして第二次の被害、すなわちこの治療をやっておる間に適当なる医療の器械を付するというようなことは、これは患者の責任とされておる。化学性その他の科学的効果のことについては必ずしも証明をしないというようなことでございます。しかも医業類似行為の制限につきましては、法律二百十七号第四条及び第五条によりまして、これは手術及び投薬を禁ぜられる、また医師の同意を要する場合を定められております。これらは狭い意味、狭義の医療の範囲ともまた解釈できるのであります。またこれらのことは国民の教養の程度にも関係するのではないかと考えるのでありまして、すでに売薬が認められております。また医師でなければ処方せんを書くことはできないことになっておりますが、この種の処方せんにつきましては、だれでも発行のできるいわゆる国民処方というものもめ定られておる。また先ほど来整形外科のお話がありましたが、明らかに整形外科の範囲であります柔道整復のごときも医業類似行為と認められておるのであります。
 第二のあんまと指圧との関係につきましては、これは治療の原理につきましてはあるいは非常に似ておるところがある。また方法にも似ておるところがあるかと考えまするが、元来あんまとは何ぞやはりとは何ぞや、きゅうとは何ぞやという定義は明らかにされておりません。これの定義をあとから次々と作っていけば、あるいはあんま、はり、きゅう、柔道整復は含まれるかもしれませんが、この点は私どもは必ずしも承服できないのであります。また指圧はあるいはあんま等の影響は多少受けておるかもしれませんが、今日治療を受けておる人の立場から考えますると、必ずしも業者の言われるようなことでなくて、実は自分はあんまを受けておるつもりで指圧を受けた、あんまの中に指圧は入っておるのか、あんまの方はしてくれなかった。指圧もどうも同じような連繋もあるのじゃないかと思いますが、これらは要するに社会進化の原則は分化分業でありますので、おのおの特長とするものが分化分業してきたのではないかと考えます。また警視庁令、二百十七号につきましても、先ほど申し上げましたように「その他のもの」として、明らかに医業類似行為、指圧等はあんま、はり、きゅうとは区別されておるのであります。
 その次の第三の指圧とその他の手技及び刺激療法との関係ということにつきましては、先ほどこの解釈は不明瞭であるというお話もたびたびございましたが、これは医業類似行為の中の指圧その他の関係ではないかと考えます。それにつきましては、これは治療の原理は全く同一であります。ただその手段方法として相違があるのであって、多数の療術業者はこれらを兼業しているものも少くないのであります。なお、これらの原理につきまして経穴、経絡によっていないということが特徴であります。
 第四の医業類似行為の修得方法及び営業の現況につきまして申し上げます。医業類似行為の中のあんま、はり、きゅう柔道整復につきましては、先ほど来いろいろお話がございましたので省略いたします。療術の場合につきましては、これらは学校教育と試験免許の制度が必要であるということを私どもはすでに数十年前から感じまして、このことを政府当局その他にたびたびお願いいたしてきたのでありまするが、不幸にして今日までまだ実現されるに至らなかったのであります。そうしてやはり昔の医師、弁護士、あんま、はり、きゅう等のように、やはり発生当時の状態はやや似たものがありまして、内弟子とか講習とか、不完全な教育を免れなかったのであります。しかしながら私どもには皆様のようなりっぱな肩書もありません。あるいは死亡診断書を書くというような権利もありませんので、万一間違いを起したならば大へんである。信用もありません。従って実力にたよる以外にないのでありまして、学校に行かないができるだけの勉学は努めてきたのであります。幸いにいたしまして社会の信用も得まして各階層の御支持を得ておるのであります。なお国会内におきましても先生方の治療に従事いたしまして、そうして国家のために御健闘願っておるような次第であります。
 なお、制度においては届出制でありましたが、その後の厳重な取締りが行われまして、これは免許制にも劣らないような取締りを受けておりまするので、幸いにして今日まであまり間違いを起さずに参ったような次第であります。
 第五のあんま師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法の公布(昭和二十二年十二月)以来、昭和三十年十二月三十一日までの医業類似行為業の暫存期間(八年間)をいかに解決したか、この点につきましては、私どもは必ず私どもの多年やってきた業務が復活をされるとかたく信じてきたのであります。しかしながら私どもは決して法律を守る意思がなかったというようなことではないのでありまして、これは多年の職業が何ら社会に危害を及ぼさなかったという場合には、これは必ず日本の憲法で守ってくれる、またりっぱな日本の基本法律となりまする憲法でさえも改正することができる、あるいは最近お話を承わりますと、医薬の分業の法律のようなものがたびたび改正の議が出ておるようなわけであまりして、必ず私どもの希望する線に改正される日が来たることを信じておったような次第であります。
 なおこの法律の出たときには、私どもはこれには反対をしたのであります。しかしながら占領政策であるからやむを得ない、これは至上命令であるというようなお話も承わりまして、これは不可抗力であるというようなことで、いずれはこれは是正されるものだという考えのもとに、今日までそれを期待して参ったのであります。なお先ほども松本参考人から申し上げましたが、当局のたびたびの言明がありましてこれを信用いたしまして、そして業務の改善にひたすら努力したのでありまして、この八年間を決して私どもは惰眠をむさぼって空費したわけではなかったのであります。また厚生省当局におかれましても、この私どもの意思をよく御参酌下さいまして、そして私どもの再教育には用紙の少いときにおいて用紙の特別配給をしてくれましたり、あるいは多額の国費を費して調査研究をして下さったというようなこともあったのであります。なおこれは厚生省、国会、その他におきまして今日失業対策がやかましく言われておりますので、私ども全国一万数千人のものが同時に失業するというようなことになる場合に、必ずや、これにつきましてはあるいは職業の補導とか、あるいは転業資金を準備されるとか、そういったような措置も必ずある。それができないのだから私どもは転業を期待してないということをかたく信じておった次第であります。
 次に、第六の改正による三年の延長期間内において、指圧を除く、医業類似行為業者(電気、光線、温熱、その他の業者)は、あんま師試験の受験科目及び技能について修得し得るかどうかということでありますが、この点で私どもは特に申し上げたいのは、何ゆえに電気、光線、温熱その他の業者が軽視されるかということであります。この点につきましては、私どもはいまだ納得がいかないのであります。なおあんまに転業せよということでありますが、業者の中には老齢の者もありますし、病気している者もあります。そのようなために、これは熟練を要するものでありますので、ただ技術の修得をすれば、その日から飯が食えるということではないのでありまして、これは非常に困難ではないかとただいまから心配しているわけであります。なお療術につきまして、特にこれらの電気、光線、器械器具等につきましては、世上非常な誤解があるように私は考えるのであります。中には非常に危険なものだと思っている。また中には非常にこれらは高級なものであって、とうてい医師以外のしろうとのものが使用できるものではないとお考えのような方もあるのじゃないかと考えておりますが、これらは今日すでに家庭用としまして市中に販売されているものであります。多くはそういったようなあまり高度なものは使っていないのであります。電気につきましては、先ほど来あんま、はり、きゅうでも使用しているというお話でありますが、感伝、平流、高周波を用いまして、弱電流をもって身体に弱い刺激を与えるというようなものでありまして、これは技術的にも出力において制限ができるのであります。また光線におきましては電球、アーク灯を使用しておりまして、これはこの光りというものは地上における日光程度のものでありまして、しかも波長においてこれは制限をすることもできるのであります。また温熱刺激につきましては、温熱はこれはきゅうのうちだ、刺激ははりのうちだということを申されましたが、これも非常に拡大解釈されているのじゃないかと考えるのであります。温熱におきましては温湿布のようなものを主として使用しております。温湿布はこれはおきゅうであるということは社会の通念から考えられません。しかもやけどをしないということが条件になっておるのであります。また刺激におきましても、小さな器具を用いまして皮膚の表面に刺激を与えるものでありまして、これも先のまるいもの、先の広いもの、これもはりであるというようなことはこれはとうてい考えられないのでありまして、これは皮膚に傷をつけないというような程度のものを使用いたしておるのであります。なおこれらの器械、器具、電気、光線等につきましては、従来、戦前は届出の際に図面、性能等を添付することになっておりまして、勝手にいかさまなものを使用することができなかったのであります。なお特につけ加えたいことは、これらのものが、あらゆる病気にきくというようなことはあり得ないということでありますが、これは他の医業類似行為――あんま、はり、きゅう、柔道整復と同様でありまして、もちろんあらゆる病気にきくものではありません。しかしながら危害が非常に針小棒大、誇大に宣伝されておるために、それが国民保健のために貢献されておる面が非常に閉却されておるという点については、私は非常に残念に考へておるのであります。なおこれらについて試験の方法がないというようなことを申される方もありまするが、先般衆議院の社会労働委員会におきまして、三沢教授のお話を承わりますと、これらの物療に類するものは物理療法の原則について試験を行うことができるのであると、こまかなことは必要がないというようなお話もありますので、私は意を強くした次第であります。
 次には、最後の医業類似行為の業態は、医学上の理由から禁止すべきであるか、あるいは社会的に認める必要があるかという問題であります。これは非常にむずかしいい問題であります。先ほど申し上げましたように、これは理想から申し上げましたならば、これらは全部禁止すべきであります。明らかにその必要があると思いまするが、現実はそうはいかないのでありまして、やはり何らかの方法においてこれを認めるということが現実に即した方法ではないかと考えます。なお、根本問題は、先ほど参考人からのお話がありましたが、世の中には医師とあんま、はり、きゅう、柔道整復だけがあれば、その他のものは必要ないと、その他のものがあるわけがないというようなことをお話ありましたが、実際ににあるのであります。これに現実な問題でありまして、これに何ゆえに業者が医師、あんま、はり、きゅう、柔道整復というようなりっぱなものがあるにもかかわらず、社会に発生したかということが根本問題であろうと思うのであります。この点につきましては、業者にもいささか罪があるかもわかりませんが、これに社会もそれらを要求しているということにも多少の責任がないとは言われないと私は考えるのであります。なお先ほども申し上げましたが、器械器具、電気、光線のようなものは、今日ではあまりお医者さんの方ではお使いになっていないというような種類のものが多いのであります。
 今後の問題につきましては、ただいま全国の業者一万数千人及び七万入の家族がまさに死活の関頭に立ちまして、日々不安な生活をいたしております。これはどこに訴えたらいいか、天に訴え、地に叫び、その声が私の耳にもただいま入るのであります。どうかこれらの点につきましては先生方の御判断に訴えまして、一つ何分の御処置をお願い申したいのであります。
 いろいろ申し上げたいのでありまするが、時間がないそうでありまするので、私は簡単に以上の通り苦哀を述べた次第であります。終り。
○委員長(小林英三君) 次は、日本指圧協会会長の浪越徳治郎君にお願いいたします。

○参考人(浪越徳治郎君) 私は指圧に関係するものでありますから、主として指圧の問題について私の所見を申し述べて皆様の御参考に供したいと存じます。
 今回政府が提案されましたあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法の一部改正案なるものを拝見いたしますと、第一条中に、「「マッサージ」の下に「及び指圧」を加える。」、これが今度の改正案のおもなる点であります。私どもの立場からこれを見てどう感じたかと申しますと、善意にながめますと、この法文の中に指圧という文字が入れられたことは、指圧が認められたことでこれは大へんうれしかったのであります。いまだかって日本国の法律の法文の中に指圧という文字は出てこなかったのであります。その意味におきましては、とにかく今度の改正法案のおもなる点として指圧を取り上げたということは、政府自体も指圧の存在をはっきり認めた証拠であります。この点で私どもは日ごろ指圧の業務に打ち込んだかいがあったと喜んだものであります。ところが、ところがであります。ただ一つ遺憾な点があるのです。それは指圧をあんまの中に入れて、あんまの試験をわれわれ指圧業者に受けよというこの一字であります。この点ははなはだ迷惑であります。私どもは断じて承服のできないところであります。これは結局指圧に対する認識不足というところからきた結果だと存じます。私どものこれから説明いたしますことをよく聞いていただきまして、そしてまた社会の実情をも十分に観察していただいて、指圧に対する正しい認識を持って正しい法文を作っていただきたい、これが私どもの希望するところであります。今や日本国において、いな漸次世界的となりつつありますが、この指圧の存在というものは何人といえども否定のできない厳然たる事実であります。一番身近な例をとりますと、この国会の中にも指圧室が存在して、議員の皆さんが御利用しておることは、御承知の通りであります。そのほか社会の木鐸といわれる新聞社、たとえば朝日新聞社の中にも指圧室が設けられております。最も知識層、紳士層が出入りするといわれる交詢社の中にも指圧室があります。また時代の感覚が一番鋭敏に感ずるといわれる兜町の取引所の中にもちゃんと指圧室が設けられ、それぞれ指圧の恩恵を受けている。この事実を見ていただきたいのであります。この人々はあんまと指圧を区別して受けておられるのであります。もしもあんまと指圧の区別を公平に判断してもらうなら、これらあんまも受けた、指圧も受けたという第三者の国民大衆に判断してもらうことが一番正しいのであります。適者生存という言葉があります。もし国民大衆の支持がありませんでしたら、私ども指圧業者は今日おそらく姿を消しておったでしょう。あの昭和二十三年一月一日公布されたこの法律の二百十七号の発布によりまして、私ども指圧業者はどんなに受難の道を歩んだか言葉には尽せないのであります。すなわち、先日も高田医務局次長が言明されましたように、この法律の立法精神は医業類似行為者の転廃業を目的としたのだ、そうしてこの八年間を転廃業の意思を持って続けてきたのだ、こういうお気持からこの八年間は私どもに冷淡なる態度で臨まれたのであります。そしてまた一方には、全国七万と称せられるあんま業者からは、指圧はもうだめなんだよ、昭和三十年に禁止されるのですよと、あのめくらめっぽうな宣伝力で、全く会う人ごとに、つかまる人ことに悪宣伝をせられてきたのであります。大ていのものならこれほど猛宣伝をされましたら八年間にはつぶれてしまっております。あるいは厚生省の一部の方もこれを期待していたかもしれません。あんま業者もそう信じたからこそ、われわれの業者排撃に馬力をかけたのでしょう。どうでしょう。八年後の今日事実どうだったでしょう。事実は相違して、指圧を信頼される国民は日増しに増加して、信頼の度が深まり、しかも最近では外国からさえわざわざ日本の指圧を習いに来ているという現状を御存じでしょうか。識者はよく認めておるのであります。そこで私はあらためて政府要路の人々、あんま業者の人々に提案申し上げます。政府では二百十七号の制定によって業者は転廃業するものなりと、この八年間においては転廃の見込みをつけてその態度をとっておられる。ところが依然として今日厳然としておるこの事実、これを見ていただきたい。あんま業者の方々にも、あなた方があれほど努力して排撃されましたにもかかわらず、この指圧業者が厳然として国民の支持を受けておるというこの事実をもう一度見直していただきたいのであります。また私があんま業者にもう一言申し上げたいことは、あんまの人々が指圧業者がふえますと自分のあんま業が衰えてお客が減るのではないかという不安と焦燥から、こういうふうに指圧を排撃されたかとも思われるのであります。私ども最近の調査をいたしますと、最近の指圧業者が発展しておりますと同じようにあんま業者も発展しているという事実をつかんだのであります。その一例では、私どものところへあんま業者から、方々からとても忙しくて手が回らないから助手をお願いするという御依頼がたくさん来るのであります。しかしお気の毒ながら、私どもは指圧を教えておるので、あんまを教えておりませんから、お気の毒ですがあんまの御依頼には応じかねております。その点をよく認識されるならば、いわゆるあんまさんにかかるお客さんと、指圧を求めるところの患者さんとは、そのお客層が違うということであります。そこにお気がついたならば、何も排撃することはないのであります。日本人本来の精神に立ち戻っていただいいて、そうして共存共栄の道を踏んでいただきたいことを私はこの席からお願いいたします。そうして私は国会議員の皆様にお願いいたします。どうぞこの現実をよく御観察、御認識下さいまして、私どもが要望いたしておりますところの、この法案の中に指圧師という三字を加えられ、あん摩師、はり師、きゅう師のごとく、指圧師として堂々の御取扱いをされますよう御懇願申し上げます。
 以上はきわめて概念的抽象論のようにとられますが、実はこの社会的事実こそが現実に即する現実政治の根本的あり方であると私は信じておるのであります。
 次に、私はこまかいところの指圧とあんまの相違点でありますが、先ほどから時間の詰まったことを言われますので、詳細は省きます。私は刷物を刷って六カ条あげておりますから、いずれ皆様にお目を通していただきたいと思います。その名称だけ申しますと、まず第一、あんまと指圧の相違点に名称の相違がある。指圧とあんまは、いわゆる名は体を現わすと言いますが、結局内容の違うところ名称も違うのであります。また歴史的な相違があります。あんまというのは、御承知の通り大百科事典をごらんになりましても、また医科辞典をお読みになりましても、あのシナから渡来して、奈良朝時代に渡って、そうして師匠から弟子へ、弟子から弟子へとその技術が伝承されてきたということは、何人もいなめない事実であります。ところがこの指圧は、何らあんまの影響を受けることなく、いわゆる人間の本能的操作、たとえば頭が痛ければ頭に手が行く、歯が痛ければ歯を押える、腹が痛ければ腹を押えるという人間の本能的操作に由来しまして、自然発生的に生れて随時行われ、自分の病気、肉身の病気からこれが行われて今日の発達を見たのであります。大正年代アメリカのカイロプラスチックの原理を取り入れて、指圧と呼称して今日に及んでおる。歴史はきわめて浅いものでありますが、かように歴史的相違があるのであります。また施術法の相違は、まさに、先ほど申されましたごとく、あんま、マッサージが六種、七種の種類を持ち、おのおのその種類により内容が異なっておりますが、この指圧は読んで字のごとく、指で押すという単一方法であります。そこが問題になりますが、先ほど芹澤さんは、指圧の圧迫は単に神経機能を抑圧するという目的であるときわめて学問的な御発表になりました。それはまことに貴重な文献と思いますが、お気の毒ながらまだ芹澤先生は指圧というものをほんとうに御研究になっていないところから出る結論でありまして、私ははばかりながらかってあん摩法違反に問われまして警察に抑留されまして、検事局に書類を送られ、少年がゆえに不起訴となり、私は意を決してあんま術を習いました。東京の新宿区の小田川義松という師匠について四年間の修業をいたしました。あんま、マッサージの試験を大正十四年三月、この馬場先門の警視庁において試験を受けて合格して免許を持ったものであります。私は四年間あんま、マッサージを身をもって修業したものであります。その結果、四年間の修業をするに及んで、ますます指圧とあんまの相違を身をもって体験した一人であります。それゆえに免許をとりつつ私は指圧と名乗り、何らマッサージ、あんまを名乗らず、あんまの組合にも入りませんでした。昭和十年警視庁において、あんまと指圧はどう違うかという質問に対しまして、私は言いました。先ほどからいうところのあんまの発達過程、いわゆる指圧の発達過程との相違、技術の相違、やり方の相違、すべてをやりましてそこに認識を得られましたので、その場で私はあんま術、マッサージ試験のいわゆる免許を御返納申し上げたのであります。かくのごとく私は指圧というものを信じ、指圧をこの世に広めたいという信念で参っておる一人であります。その意味から言いますと、あんまにおけるところの圧迫は、今いかように御解釈なさいましても、私どもがその試験を受けたときには、マッサージにおける圧迫法とは強度の刺激を必要とするときに用うと教えられております。今日その意味が変ったとしましても、一歩譲って、芹澤さんの言うがごとくに、圧迫法が神経をして抑圧せしめるという意味ならば、これは真の指圧を知らないからであります。指圧の行うところは、麻痺しておるところの神経に対しては発奮せしめ、興奮せる神経に対しては抑圧できましょう。この両者を兼ね得るところに指圧の妙味があるのであります。もし良心的な芹澤さんが指圧の門に入って一年も御研究になったら、がく然として指圧の真価をお認めになって、この指圧療法にはせ参ずるだろうと私は信じます。(笑声)
 それから第五段に、社会通念の問題でありますが。これは先ほど申し上げたごとくに、国会内の治療室においても、あんま指圧は区別して扱われ、もし手近にあれば、職業別の電話帳をひもといてごらんなさい。「あ」の部を見ればあんまが出ております。「し」の部には指圧が出ております。大百科事典を見てもやはり「あ」の部にはあんまの歴史が出てくる。「し」の部には指圧がちゃんと出てます。こういう事実は社会に通っておる事実なんです。この事実を押し曲げて物事をするということは私どもは賛成できない。
 次に、新しき酒は新しき皮袋にという言葉があります。明治四十四年に初めてあんまの規則ができました。そのときに目の見えない盲人は、二年の修業年限であんまの試験が受けられたのです。ところが目の見える正眼者は四年の修業年限の証明がなければ、あんまの試験を受ける資格がなかったのです。こういう常識はずれのこの矛盾は何によってくるか。明治政府がとったところの盲人を保護する立法精神に基いたものであります。この五十年前の盲人保護という立法精神を、この時代の進んだ、民主主義か流布されている今日、厚生省当局がいまだにそのからから抜け出せないということは私には考えられない。もっと広い意味において、指圧の存在というものをもっと認めていただいて、そうして厚生医療は国民の健康体位を向上するという本来の目的に向って立法していただきたいと思うのであります。
 最後に、この七月十五日に、私どもは指圧師総決起大会を開きましたそれは政府当局に対して、本案の検討をいたしまして、われわれは今後いかにすべきかということをいろいろ論議した結果、次の決議をしたのであります。その第一の決議には、
 一、われらは今回政府提案の法律第二百十七号一部改正案に断固反対する。
 これはいわゆる川カッコして「マッサージ」の下に「指圧」を入れるというこのこそくな方法に断固反対しておるのであります。
○委員長(小林英三君) 時間が来ております。
○参考人(浪越徳治郎君) 二、われらは指圧師法制定に総力を結集してその実現に邁進することを誓う。
 これば私は単独法を望むのであません。今のあんま師、はり師、きゅう師のほかに、指圧師という名称を入れてもらいたい。ところが先ほど藤井先生が非常にいい提案をされた。
○委員長(小林英三君) 浪越君。
○参考人(浪越徳治郎君) これで終ります。手技操法という言葉がある。この中に入れたらどうか。私全面的に賛成いたします。
 もう一つ最後に、
 われらは不幸にして政府原案通過したる場合もあんま術試験は断固受けざることを誓う。
 このことをはっきり申し上げます。私どもの決意はここにあります。二百十七号制定当時、指圧業者は転廃業するお見込みをもって作られ、今度この法律をやるとあんま術試験を受けるというお見込みですか。このお見込みは大へんな見込み違いであるということを御認識願いたい。
 以上をもって私の説明を終ります。
○委員長(小林英三君) 最後に、東京大学医学部教授三木威勇治君にお願いをいたします。




○参考人(三木威勇治君) 私は医学の教育をやっておりますものでございますので、社会的のことには至ってうといかと存じます。ただ理論的のことのみ申し上げます。
 第一項の御質問は、法律的の定義は私はよく存じませんが、医療行為というのは、医師自身または医師の処方によって行う治療行為を意味するものと考えます。医業類似行為の方は医師以外のものが病気の症状に対して何らかの施術をする行為というふうに解釈しております。従って行為そのものは似ておるし、また同一の場合もあることは当然であります。ただ医療行為の場合には、医師が病気または病人全体を把握しておりまして、治療の一環として、たとえば物理療法を行います。従って物理療法の中でも、あんま、マッサージまたは電気、光線療法というこの選択の自由が医師の手にあります。しかし医業類似行為では、特定の方法がきまっておりまして、痛みならば痛みという一つの症状に対して行われる行為でありますので、この選択の自由に欠けているという点が違っていると存じます。すなわち医学でいいます治療の適用という点において、医業類似行為は欠けているのであろうと私は信じます。
 次に、あんまと指圧の関係でございます。特に私はこの方面の研究をしておりませんので、的はずれになるかも存じませんが、私の承知しておりまするあんまというのは、日本式あんまと西洋式のマッサージとが合併して行われておる手抜でありまして、先ほど芹澤さんが言われましたのを漢字で申しますと、軽擦法――軽くこするとか強擦法、揉握法――こね回すとか、叩打――たたく、振顛――ゆすぶるというようなそのほかに、これは西洋式マッサージで使われておる手技でありますが、伸展法あるいは圧迫法というものを、これはなくなられました金子博士が加えられております。従って医学的に考えますと、血液またはリンパ液の循環をよくいたしまして、それによりましていろいろな病気の回復をはかる、痛みもとれましょうし、またある場合には筋肉の力も増してくるというわけであります。これに伸展法なり圧迫法というものが加わります場合には、これは私整形外科でございますが、整形外科の医者がやっておりますたとえば坐骨神経痛に対して伸展法を用いますとか、また圧迫法、これは現在私の知っておりますところでは、マッサージ、あんまの方ではあまり用いられていないようでございますが、やはり神経痛みたいなものにも一部用いられているように存じております。で指圧というのは現在から申しますと、ストレス・テォリーというようなものが出て参りましたが、また新潟大学の生理の高木教授などは、圧反射ということを御研究になっておりまして、皮膚をつねりますと、それによつて自律神経、汗の出が違ってくるとか、また筋の緊張が変って参りますとか、また内臓に影響を与えるというようなことが知られてきておりますので、この原理を利用されてやっておられるものと考えます。で、現在の状態では、あんまというのがマッサージの方に幾分傾いているのではなかろうか、で、日本式のあんまで伸展法でありますとかまたは圧迫法というようなものがもとになりまして、先にもお話がございましたようにカイロプラチックというようなものが加わってきたものが、指圧法という形で出て、きたのではなかろうかと考えおります。
 第三のお尋ねでございますが、私は刺激療法というものを非常に広く考えております。指圧も刺激療法でございます。これは機械的の手の圧力というものによって起りますところの刺激であります。きゅうは先ほどからちょっとお話が出ましたが、これはきゅうによりましてそこにやけどがある程度起きます。そのための化学物質が化学的の刺激となって刺激を与えるものであるというふうに考えております。ただその他の実技の中にもしカイロプラクック、さっきお話のありましたようにオステオパシーというようなものを入れますならば、これはむしろ私はマッサージに近いものであろうと考えております。カイロプラクチックの実技というものは、私詳しくは存じませんが、私ども整形外科の方でも適応によっては応用いたしております。たとえば椎間軟骨ヘルニアというようなものがございまして、軟骨が神経孔を圧迫しますために坐骨神経痛を起したような場合にこれが使われております。しかし先ほどから御説明がありましたように、簡単な半脱臼を起すということは医学常識上私はどうしても考えることはできません。
 あと四、五、六につきましては、私の申し出るところはほとんどございませんが、第七の医療類似行為の業態は、私も医学者の一人といたしまして、これは禁止すべきものであると考えております。ただ、もしこれを社会的に認める必要がありますならば、たとえば看護婦またはレントゲン技術者というように医師と共同して、医師の協力者として残していただくならば、これはあんま、はり、きゅうまたは柔道整復、電気、温熱そういうものというふうななわ張りをはずして私どもの方では大いに協力したいと考えております。
 以上申し上げます。
○委員長(小林英三君) ありがとうございました。
 それではただいまより参考人のお述べになりました点につきまして、委員諸君からの質疑をお願いいたします。
○竹中勝男君 簡単でけっこうですけれども、先ほどの指圧師会長の浪越君の最後に言われたもし指圧という言葉を入れてこの改正案が通過するならば、この指圧師はあんま師の試験を受けないということは確認していいですか。
○参考人(浪越徳治郎君) 何ですか、もう一ぺん。
○竹中勝男君 あなたがさいぜん、最後に、もしこの法律案が通るならば、指圧師はこの法律に従わないと言われたのですが、それを確認していいですか。
○参考人(浪越徳治郎君) その通りであります。
○相馬助治君 私関連して。浪越さんに質問が出たですから関連してお尋ねいたしますが、この指圧がいいか悪いかというようなことを抜きにして、私は事実問題を特にあなたに尋ねておきたいと思うのです。というのは、今の竹中委員の質問に対して断固としてお答えになっておりまするから、これは影響するところきわめて重大だと思うので、以下お尋ねします。浪越さんは最近指圧学校という学校をお作りになって養成をされているやに承わっておりまするが、事実でございますか。



○参考人(浪越徳治郎君) お答えいたします。私は昭和十五年の二月十一日、いわゆる紀元二千六百年を記念いたしまして日本指圧学院というものを創設いたしました。そうして指圧師を養成いたして参りました。今回だんだんと制度が高まって参りまして、私の信念ではおよそ指圧師法案が通るという見込みのもとに、どうしても将来に備えて学校を作っておかなければならないという考えから、私は指圧学校の設立認可を昨年の七月二十九日に東京都へお願いをいたしました。いろいろとすったもんだありましたけれども、本年の二月にその認可が下りました。六月の一日を期しまして、日本指圧学校という名前をつけて開校いたしております。
○相馬助治君 その指圧学校を正式にまじめに卒業した者は、現行法が規定するあんな術試験に合格し得るものですか、全く範疇が別ですから合格しないとお認めでございますか。
○参考人(浪越徳治郎君) 私はあんまの手はただ一つも教えておりません。指圧のみを教えておりますから、私の学校を二年卒業しましてもおそらくあんまは落第すると思います。またあんま術は受験させません。その意思がありません。
○相馬助治君 実は先ほど来申します通りに、指圧がいいか悪いかということはしばらくおきまして、日本は法治国家であり、また極端な言葉をいえば、たとえば悪法も法であって、そういう形においてあなたの学校を出られて営業者としての将来を期待して勉強する子弟が、現実にあると、かように存じますが、現行法によれば昭和二十三年度に届け出でた以外のものは営業できないという法の建前上、このことを入るものには全部納得させてしかる上で教育されておりますか。どのようなことになっておりますか承わりたい。
○参考人(浪越徳治郎君) 私は現在の法規を十分に知っております。それゆえに入学者にも現在の法規をよく説明いたしております。そしてしかもこれを習いに来る者は御自分が病気であるか、一家族に病人があるか、もっと学問的に指圧を研究したいという人々が参っております。そして将来指圧師法が通ったならばこの試験を受けようという人もおります。また別に職業として立たなくとも、ほんとうに学究的にこの指圧を掘り下げていきたいという好学の士もたくさんあることも事実であります。
○相馬助治君 私は練達の指圧というもののお世話になった経験をもっております。また指圧というものが相当すばらしいということも知っております。しかし私は立法府に席を置くものとして心配いたしますることは、あなたの善意の意思にもかかわりませず、もぐり業者を養成し、法律違反を起す者が出ることが懸念されるように思うのでございますが、このことは指圧師法が直ちに生れるという前提に立つならば、さようなことはないと思うのですが、先般の委員会におきまして私は厚生当局の見解をただしました。それは指圧師というものをあんま師の下にカッコして書き加えることによって指圧師自身が非常に勉強をし指圧師の手練に上達し、患者をなおす自信がついたとしても、この者が指圧師だけで試験を受けて現行法で免許される道があるかという質問に対して厚生当局のお答えは、残念ながらこのことは困難であるという趣旨の答弁でございました。私はいいか悪いか、厚生省のこの見解が妥当であるかないかということをここで問題にするのではなくて、現行法においては、その厚生省の答えのほかにやむを得ないというふうに今考えたのでございますが、これらの点について浪越さんはその学校が認可されたということでございまするが、どのようにお考えでございますか。
○参考人(浪越徳治郎君) 私はあくまでも指圧師法が通るものと信念を持っております。官尊民卑の昔はいざ知らず、浅学でありますけれども、今日は民主政治下だと思っております。正しい民衆の輿論というものが政治に反映されると思うのです。政府で立法されたものをそのままうのみすると考えること自体が、今日の、今の政治現状からの矛盾だと思っております。その意味で、私は、議員の皆様のはっきりとした認識をもっていただきたくここにまかり出たのでありまして、そういう意味で、もしも不幸にしてこれが通らなくても、私の門下生でも、私はやはり違反者は厳に注意しております。しかしながら、先ほど相馬先生が言われたごとく、その末端の一、二の者が違反行為を起したとするならば、それは私の意思じゃございません。本人の心得違いであるから、十分御処罰願って何ら差しつかえございません。
○榊原亨君 浪越さんに私お尋ねしたいのでありますが、先ほど、この政府原案が通った場合には、指圧としては、どう申しますか、あんまの試験を受くる意思がないというお話でありました。そのことは、相馬君によってさらに確認されたのでありまするが、そういたしますると、あなたのおっしゃいましたその趣旨は、ただいまございます指圧と名づけて免許を届出によって許されておるところの全国の指圧師の御意見を代表しておられるんでございまするか。あるいはまた一派としての御意見でございまするか、承わりさしていただきたいと思います。
○参考人(浪越徳治郎君) 私の知っている限りにおきましては、全国の組合は、全国療術協同組合というものがあります。これはその前身日本治療師会と申しまして、私はその創立当時から関係いたしております。終戦後全国療術協同組合、全療と申しておりますが、一応歴史を持つ大きな団体であります。私はその教学委員長をいたしております。そのほかにいろいろな団体もあると聞いております。先般手技療法協会として松原秀雄君が名乗り出ておりましたが、その実態は私もよく知りません。しかしこの人ももと私どもの同志であったことも事実であります。この松原君は、この指圧師法案はけっこうだと言ったことは、松原個人としての意見であると思って私は憤慨いたしております。そのほか私が関係しております日本指圧協会がございます。これは相当な数でございまして、あるいははっきりした数字は――あれはでたらめだ云々という誤解を受けますから、会員と私の信ずる友人とをもって、昭和二十三年の一月十日に日本指圧協会というものを結成いたしております。その日本指圧協会の総決起大会における決議でございます。
○榊原亨君 そういたしますると、先ほどから浪越さんのお話にございますその意思は、日本指圧協会の決議と申しますか、指圧協会における御意見でありまして、全国におきまして、そのほかに指圧と称せられるいろいろな方々がおるんでありますが、それらの方については、はっきりわからぬということと了解してよろしゅうございますか。
○参考人(浪越徳治郎君) 人の心でありますから、私の気持と同じとも言えませんし、またそうでないとも断じられません。
○榊原亨君 芹澤さんにお尋ねするのでありますが、ここにマッサージカイモグラフというものをお回しいただき、ここにも印刷物が回っておるのでありますが、これは、先ほど、このカーブはこの六つの稀類しかないのだとそこで、このカーブを見れば、指圧のときの押し方とマッサージ、あんまのときの押し方とが同じであるというような御意見のように拝聴したのでありますが、さよう了解いたしてもよろしゅうございますか。
○参考人(芹澤勝助君) 私どもは、マッサージの基本手技を六種に分け、これに、三木先生からお話になりました伸展運動法が加わる場合があるのでありますが、これはやマッサージ・カイモグラフで分析いたしました結果、大体マッサージにおける圧迫法は先ほどお回しいたしましたカーブ以外に、どういう押し方をしても他の分類にならないものであります。
○榊原亨君 私はこの器械を見たことがまだないのでございますが、ここの絵に書いてあるところを見ますというと、空気枕のようなものを押すことによってカイモグラフに描写がされるということでございますが、こういう空気を伝達したことだけで、これらの押し方の性質がはっきりするということは、学界的に認められましょうか。その点につきまして藤井先生でもよろしゅうございますし、三木先生からでもいかがでございましょうか。
○参考人(藤井尚久君) 私もカイモグラフをよく存じておりません。しかしこういうような装置をわれわれが日常血圧をはかることに大体用います。これに類似のものを。これは今榊原委員が言われた通り非常に複雑であります。ある一定の場所に圧力を加えますということは、単純なるパスカルの原理で行くか行かないかということは非常に問題でありますことに御存じのように、近来理学理論が非常に発達いたしまして、いわゆる在来の物理的の理論は古典的理論となり、相対性原理が通っております今日、そういいましたものだけでは私は言い得ないものと思います。
○榊原亨君 芹澤さんにもう一つお伺いしたいのでございますが、あなたの学校では、マッサージの実技とあんまの実技を別々に試験をされ教育をされておられますか。あるいはあんま・マッサージとして総括して実技を試験され教授されておられますか。その点承わりたい。
○参考人(芹澤勝助君) ただいま全国の盲学校の理療科・あんま・はり・きゅう科は六・三の上に五年の課程を持っておりますが、昭和二十六年文部省が制定されました理療科指導要領に基いてやっておりますあんまの授業は、あんま(マッサージを含む)、こういう理論で教えまして、その中の小単元の中にはマッサージより分化した各種用手療法との関係という一項を設けて、この中で私どもはマッサージより分化したも応としてオステオパシー、スポンジロセラピート、さらに指圧というような項目の指導を行なつております。なお実技については、あんまとマッサージは全く別の体系の指導要領に基いて教えておりまして、これは私の学校でなく、文部省が厚生省との合意の上で作った指導要領に基いて指導しております。
 それからもう一つ、ゴム球セットというお話でございますが、その中の説明をお読みになっていただくとわかりますが、大体このゴム球セットは前腫と同じ大体長さ、それから太さにしてあります。これを紺野式の筋硬度計ではかりまして、大体私どもは成人の男女の筋硬度計で四十から四十五の実験値に押えまして、この実験値を出すまでこのゴム球セットに空気を入れて、前陣の筋硬度とゴム球セット内の空気が一致するときに、初めて前腫に行うマッサージと同じような手技を行なった場合に分析されるのであります。これはたとえば腹部であれば、腹部の筋硬度をとりまして、筋肉の実験値を読みまして、それと同じ筋硬度になるまでの緊張した状態まで空気をゴム球セットに入れまして、これにマッサージを行なって分析した一つのカーブでありますから、一応申し上げておきたいと思います。
○榊原亨君 先ほど芹澤さんのお話によりますというと、実技の試験あるいは実技の教授につきましては、マッサージとあんまと別々にやっておられるということを了解したのでありますが、この際私は、これは重要な一点でございますので、厚生省からこのことを聞きたいのでありますが、委員長お許し願えますか。
○委員長(小林英三君) 差しつかえございません。
○榊原亨君 それでは厚生省当局、この点はさようでございますかどうか、はっきりお答えを願いたい。
○政府委員(高田浩運君) あんま師試験の科目等については、資料として御提出申し上げておりますが、その中にありますようにあんま理論、それから実曲試験としましてあんま実技というのがありますが、このうちにそれぞれ一本として処理をいたしております。
○榊原亨君 ただいまの厚生省のお話、と、芹澤さんの御答弁とは違うように私は思うのでありますが、芹澤さん、厚生省の御答弁がいいのでありますか、芹澤さんのお話が正しいのでありますか、はっきりお答えを願いたい。
○参考人(芹澤勝助君) 実際には厚生省から正規には試験科目その他あんま理論、あんま実技としてあります。文部省の実際に定めました盲学校指導要領に基きましては、あんまとマッサージの実技はおのおの別として指導しております。さらに東京都におきます試験の場合を、私は試験委員の一人として申し上げます。厚生省からのはあんま理論、あんま実技とありますが、実際あんま理論を一と二に分けまして、あんま理論、実技の一は、古来の日本あんまの純粋な手技を行う実技であります。あんま実技二は、西洋式のマッサージの純粋な実技をとりまして、これを総合したものをもって東京都試験では現実にあんま実技として評価しておる現状であります。
○榊原亨君 この点につきましては、厚生省御当局のお話が少し食い違いがあると思うのでありますが、今日は参考人に対して御質問をすることでございまするし、時間が切迫しておりますので、御迷惑でございまするから、厚生省当局のお話につきましては保留させていただきたいと思っております。
 次いでもう一点私は伺いたいのでありますが、先ほど松本さんでございまするか、オステオパシーあるいはカイロプラクチックのお話をなさったかと聞いておりますが、先ほど三木教授のお話によりまするというと、やはりごく軽度の脊椎がゆがんだとか何とかいうようなことは学理上は考えることができない。また先ほど藤井教授のお話によりましても、これは一つの筋肉の反射である。その反射の点を押えて症状が軽快すれば自然と症状的な脊椎の彎曲異常もなおるというお話があったのでありますが、どなたでも、藤井先生でもよろしゅうございますし、三木先生でもよろしゅうございますが、先ほど参考人の松本さんがお話になりましたようなオステオパシーあるいはカイロプラクチックというものに対する原理と申しますか、御主張でございますか、これは学問的に認めることができるのでございますか、いかがでございますか、承わりたい。
○参考人(三木威勇治君) お尋ねでございますので私申し上げますが、私カイロプラクチックというものの本が日本に来ておることは知っておりますが、実は読んでおりませんので、ただ、今松本さんが言われました半脱臼という意味だけについて先ほど申し上げました。すなわち脊椎骨、脊椎並びにその脊椎に付着しておりまするところの筋などがわずかな力でもし脱臼を起すといたしますならば、われわれは危くてとても歩いていられないと思うのであります。すぐ麻痺が起ったりするはずだと私は考えますので、それは脱臼1いわゆるわれわれが学問的に考えております半脱臼とは違うものであるということを申し上げた次第でございます。
○参考人(藤井尚久君) 私は先ほど申し上げましたように、昭和二十四年、二十五年にいわゆる医業類似行為の調査研究を命ぜられましたときに、業者ともいろいろ話し合いまして、これはサブラクセ一ションという言葉を、カイロプラクチック並びにオステオパシーの方で言っております言葉をただいま半脱臼とおっしゃいますし、ある本には、亜脱臼と書いてあります。実は私はそれを研究するために実は資料を渉猟したことさえあるのであります。ところがそんなものはレントゲンに写るようなものではないのであります。それはわずかな筋肉の緊張のアンバランスないしは矯正によります脊柱の曲りという意味で、私はこのごろはやりのストレス、ストレインの学説に準じまする、ストレイン、いわゆるひずみという意味に解して業者の意をくんでやったのであります。これは決してレントゲンで見るとかあるいは具体的にこうだと証明せられるものではないのであります。従って整形外科とははなはだ縁の遠いものであります。どちらかといいますと、神経症にやや近い観念を持つものと私は思っております。
○榊原亨君 今後この法律を審議いたす上において非常に重要なことでございまするが、全国療術協同組合理事の松本さんは、ただいま三木先生あるいは藤井先生のお話しになりましたことをお認めになるのでございまするか。あるいはそれはその先生の言うことはえらくともそれは違うのだ。こればかりは違うのだと御主張になるのでありますか。その点だけをはっきり。

○参考人(松本茂君) ただいま三木先生から私の申し上げました脊椎の狂いということについてのお話がありましたが、私は半脱臼ということを申し上げません。しばしばこのカイロプラチックにおいてただいま藤井先生がおっしゃいましたこの狂いというのはサブラクセーション、これはわずかの亜脱臼である。脱臼という言葉々使うことは当らないぐらいのものなんです。それでことに半脱臼なんかを脊椎がしたならば、これはとうてい人間は生きていないだろうと思うわけなんです。それでただいま藤井先生がおっしゃいましたひずみ、ほんの少しの狂いなんです。その脊椎のわずかの狂いで、レントゲンで見ればやはりわかるということを、先刻の浪越参考人はアメリカで見てきたということを申しましたが、私はただ本と師匠によってこれを技術と理論を習ったのでありますが、脊椎がその一カ所においてはほんのわずかな狂いなんですが、三個以上も狂ったときには大きな彎曲のあることは、これは医学者においてははっきりと御認識があり、その他の人のからだを扱う人であったならばおわかりだと思うのです。それが一カ所にあるときに、それをかりに転位と私たちは呼んでおります。脱臼という言葉は当らぬと思うぐらいなんですが、そういうわけで、アメリカにおきましてはこれを……。
○榊原亨君 お話し中ですが、私のお聞きしたのは、藤井先生あるいは三木先生方のおっしゃったことをお認めになるかどうか。それだけをはっきり、それでいいのです。時間がありませんですから。
○参考人(松本茂君) それは私たちはそれ右認められないわけなんです。
○参考人(藤井尚久君) ただいま浪越参考人からいろいろお話がありまして、試験を受ける、受けない、これは非常に事が大きい問題であります。しかしながら、その前に前提か私は抜けておると思うのであります。この試験はどういう試験かという問題すなわち六・三・二・六・三の義務教育を経まして、二年の特殊教育をやりまするが、その試験科目はいかようなことかということであります。それでここにいただきましたのに出ておりまする教科目の中に、あんま理論と書いてあります。あんま実技と書いてあります。そうすると今度の法令改正で「マッーサージ及び指圧を含む」という、そのマッサージと指圧はこれは全然入らぬのでありましょうかどうですか。これ壱一つ厚生当局にはっきりしていただきたい。
 それから私は二回医師の国家試験もやりましたし、あるいはまた看護婦試験などにも関与したことがありますが、それでこういう技術者試験には前期試験、後期試験、いわゆる理論試験、学術試験と実地試験とがあるわけであります。それでおそらくそういうふうになさるものと思いますが、その点をはっきりしていただきまするというと、今浪越君の言った問題もおのずから氷解すると思います。ともに六・三・二の予備的医学知識夕試験するのでありましたならば、あんまもそれからマッサージも指圧も一緒でいいわけであります。また別々にやる必要――冗費が伴いますし必要がありません。実地試験だけであんまを標擁したいという者はあんまだけ、あるいは指圧を標榜したい者は指圧だけ、あるいはマッサージを標榜したいという者はマッサージだけ、ともかくも三者をすでに第一条に許した以上は、ここに実地試験において別個にするというふうにしたならば、これは浪越君の言われたことがおのずから氷解するのじゃないかと私は考えます。これはただ実地試験だけであります。単科試験は六・三・二という基本が出ておりますから、これは同等であっていいわけであります。ありますから前期試験、後期試験  必ずや前期試験、後期試験はあるべきものと思います。技術試験は厚生当局の答弁にありますように、技術者の試験は全部ただいまそういうふうになっておりますが、それは理論は共通である、これは医学常識にあるわけであります。というのは、こういつた営業類似行為を行いますについての基本の知識でありますから共通はけっこうであります。しかも六・三・二でありますから。しかしながら実地試験というものは、学術試験を及第したものにのみ課せられるものであります。かくして免許が与えられるものであります。その実地試験を三者別にやるか、また教科目の中にマッサージ理論と書いてありますけれども、この三つを加えて下されば今までの問題が解消せんかと私は思うのであります。
○委員長(小林英三君) 委員各位にお諮りいたします。参考人に対する御質疑及び本件に関する審議はこの程度にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林英三君) 御異議ないものと認めます。参考人の諸君に委員会を代表いたしましてごあいさつをいたします。諸君にはお暑いところ長い間貴重な御意見を拝聴させていただきまして大へんにありがとうございました。ここに委員会を代表して感謝をいたします。本日は、これにて散会いたします。
   午後五時二十五分散会

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平成18年05月29日 001/009] 164 - 参 - 行政監視委員会 - 5号無資格取締りと警察官、タイ式マッサージ

平成十八年五月二十九日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     紙  智子君     吉川 春子君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     広田  一君     田名部匡省君
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     加治屋義人君     三浦 一水君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     三浦 一水君     加治屋義人君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     大塚 耕平君     蓮   舫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         荒木 清寛君
    理 事
                太田 豊秋君
                中原  爽君
                福島啓史郎君
                岩本  司君
                浮島とも子君
                風間  昶君
    委 員
                加治屋義人君
                柏村 武昭君
                北岡 秀二君
                山東 昭子君
                田中 直紀君
                松山 政司君
                足立 信也君
                小川 勝也君
                岡崎トミ子君
                芝  博一君
                田名部匡省君
                松岡  徹君
                蓮   舫君
                福本 潤一君
                吉川 春子君
                近藤 正道君
                荒井 広幸君
                亀井 郁夫君
   国務大臣
       法務大臣     杉浦 正健君
       外務大臣     麻生 太郎君
       環境大臣     小池百合子君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 安倍 晋三君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  額賀福志郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        与謝野 馨君
       国務大臣     中馬 弘毅君
   副大臣
       総務副大臣    山崎  力君
       外務副大臣    金田 勝年君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       西川 京子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        西澤 利夫君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       伊佐敷眞一君
       内閣官房構造改
       革特区推進室長
       兼内閣府構造改
       革特区担当室長  大前  忠君
       防衛庁運用局長  山崎信之郎君
       金融庁検査局長  西原 政雄君
       金融庁監督局長  佐藤 隆文君
       総務省郵政行政
       局長       鈴木 康雄君
       法務省刑事局長  大林  宏君
       外務大臣官房審
       議官       丸山 純一君
       外務大臣官房参
       事官       深田 博史君
       厚生労働省医政
       局長       松谷有希雄君
       厚生労働省健康
       局長       中島 正治君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    中谷比呂樹君
       農林水産大臣官
       房長       白須 敏朗君
       農林水産大臣官
       房技術総括審議
       官        染  英昭君
       林野庁長官    川村秀三郎君
       資源エネルギー
       庁次長      細野 哲弘君
       海上保安庁長官  石川 裕己君
       環境大臣官房審
       議官       笹谷 秀光君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    由田 秀人君
       環境省自然環境
       局長       南川 秀樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (大都市地域における大気環境の保全に関する
 政策評価に関する件)
 (大都市地域における大気環境の保全に関する
 政策の現状等に関する件)


○足立信也君 昨年から今年まで話合いを持ったことがどれだけの要因だったかは別として、政令の改正も臨まれると。今、私も、できるだけ多くの子に漏れなく二回の接種ができるようにという趣旨の提案、私も、十分そのことも酌んでいただいてきっと臨まれるんだろうと期待しております。よろしくお願いします。
 最後に、三点目なんですが、あんまマッサージ指圧、はり、きゅう師、いわゆるあはき業、これが、私も厚生労働委員会で何度か取り上げましたが、要は、無資格の方がやられているというこの事態なんですね。 これ、なぜ何回も取り上げているかといいますと、一昨年の九月に、取締りを徹底するために基準を定めてほしいという請願が四十六の都道府県議会で採択されているんですね。そして、衆参の議長と内閣総理大臣に意見書が出されているんです。ですから、これはきちっとしなきゃいけないと。実際、私の地元の大分なんか観光地では、もしそういう無資格の方が観光地の中でやられておったら、これは非常に困るんですね。ですから何度か取り上げている。
 昨年の十二月は、要はこれ、ちょっと説明しますと、実際に警察官が自分のお金で、そのマッサージ、疑わしいと言われているマッサージ、あるいは無資格であると疑われているところへ行って実際にその行為を受けて、そしてこの点を厚生労働省に、私が受けたこのような行為はマッサージでしょうかと問い合わせをして、その答えを待って、マッサージであると断定された場合は、じゃ無資格の人は逮捕しようという事態なんですね。去年取り上げたのは、これが厚生労働省の返答まで三か月掛かっていると、とんでもないと、よく逃げなかったなということを私言ったんですが、警察の方に聞いたら、三か月で返るなんか夢のようですということもあります。
 ですから、基準がないというこれに対して、昨年十二月に、警察庁及び厚労省の担当者と会議の場を設けました。そして、取締りを速やかに進める体制づくりが必要だと、これは共通認識ですよ。そのためには、やっぱりマッサージという行為の定義がきちっとされなければいけないということで、事例集を作ろうじゃないかということもありました。
 その点について、その後の進捗状況を教えていただきたい。
○政府参考人(松谷有希雄君) お尋ねのとおり、昨年十二月に行われました関係の団体と担当者との間の意見交換の場におきまして、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律違反にかかわる事例集を作成すべきではないかといったような御提案をいただいたところでございます。
 この御提案につきましては、改めて検討させていただいておりますが、個別の行為があん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の違反に該当するかどうかについて、個々の事例に即して判断する必要があるために、事例集を作成して違法性の有無の判断に活用するということはなかなか難しいのではないかというふうに考えているところでございます。
 もちろん、個別の行為について疑義照会があった場合には、今、時間が掛かるという御指摘もございましたけれども、これまでと同様、可能な限り速やかにこれは対応していきたいというふうに考えております。
○足立信也君 事例集の作成は難しいんではないかということだけは伝わってまいりました。個別に事例を検討するしかないんだということですね。
 そこで、もう私、提案なんですけれども、今は、警察の方がそこへ行って、こうこうこういう行為をされたと、これはマッサージでしょうかとお伺いを立てる、先ほど、私、説明しましたけれども。これはどう考えたって二度手間で、しかも回答も遅いと、努力するとおっしゃいましたが。ひとつ、保健所はマッサージのその施術所に対して衛生面とか構造面で行政指導、立入調査をやるわけですよね。そこでその行為を見たら、調べたら、一発で回答が出るんじゃないですか。警察に見てもらって、そして厚生労働省にお伺いを立ててという段階が省かれるんじゃないですかね。いかがでしょう。
○政府参考人(松谷有希雄君) あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律で禁止されています行為が行われている場合には、各都道府県に衛生規制の観点から指導が行われ、また警察による捜査、取締りの対象ともなっているわけでございます。
 厚生労働省としても、各都道府県に対しまして、こういった医業類似行為に関する取扱い等の通知の発出や全国医政関係主管課長会議を通じまして無資格者の取締り等について周知徹底を図っているところでございまして、引き続き適切に対処してまいりたいと思いますが、今御指摘の、保健所が速やかに入るべきではないかということでございますけれども、保健所はもちろん衛生規制の観点から、そこの施術所が清潔に行われているかあるいは安全に行われているかといったような観点で立入りをするということでございますので、その権限の範囲内で指導を行うということになろうかと思っております。
 そこの行われている、立入りする場所はもちろん正規の施術所ですので、そこではきちんとした体制が通常は行われているわけですけれども、そこでの対応がきちんと行われているかどうか、法律に基づいてそこで判断をして指導していると、こういう状況でございます。
○足立信也君 僕の認識では、多いのは、施術所の開設者は資格を持っている方で、どういう人を雇っているかということなんですよ。だから行けるんですよ、保健所は。是非利用していただきたい。ちょっと思い付きのような提案で申し訳ないですけど、それしかないんじゃないかとある意味思っていますので、検討してください。
 次に、タイとのEPA交渉で、タイ式マッサージの受入れの件、これは去年の時点、三月の時点では、あはき法においてあんまマッサージ指圧は有資格者のみが行われることとなっているので、外国人に対しても同様に対処するという回答を私は得ております。
 その後、交渉が恐らく進んでいるんだろうと思いますが、その後の状況の変化あるいは決まったことがあれば教えてください。
○政府参考人(松谷有希雄君) 委員今御指摘の日タイ経済連携協定交渉、EPAでございますが、これにつきましては昨年の九月に大筋合意に至ったところでございます。
 この大筋合意におきましては、タイ側が要望しておりましたスパ・セラピストの取扱いにつきまして、協定発効後二年以内に結論を出すよう協議するとされたところでございます。いつ協定が発効するかということについてはまだ未定というふうに伺っております。
 現時点では、タイ側よりスパ・セラピストの具体的内容は必ずしも明らかにされておりませんけれども、仮にあんまマッサージ指圧の業務が含まれるということであれば、昨年三月に大臣から御答弁申し上げたとおり、我が国の免許を取得していただく必要があるというふうに考えております。
○足立信也君 ありがとうございます。
 じゃ、最後になりますが、視覚障害のあるあんまマッサージ指圧師が資格を取った後に研修する場として盲人ホームというのが全国二十七か所今ございますね。私が聞いたところでは、その利用のされ方が本来の研修というものになってないような事態のところがかなりあるということも聞いておりますし、自分の事業所のような使われ方もしているようなところもあるという、人から聞いた話ですから正確なところは分かりませんけれども、この調査を厚生労働省でされたと思います。その結果の分析と、それから本来の目的として使われてないんでしたら、その後の改善計画を教えてください。
○政府参考人(中谷比呂樹君) まず、調査結果について御答弁申し上げます。
 御指摘のとおり、施設数が二十七か所、定員数五百十三人、利用者数百八十五人ということで、充足率が三六・一%と、このような利用状況になってございます。
 この充足率が低い原因につきましては、種々原因があろうかと思いますけれども、若年の視覚障害者の方が減りまして、事実、盲学校の在学者の方の数も減っておりますので、いわゆる典型的な利用パターンでございます盲学校など出られましてそしてこの盲人ホームで既にあんまマッサージ指圧師などの資格を取った方がすぐには就労できないので様々な訓練、指導を受けると、こういうようなことがなかなかうまくいっていないというような現状かと思います。
 そこで、障害者自立支援法におきましては、障害者の方々が地域で自立した生活ができるように就労支援という事業を行うこととしております。例えば、本格的な就労に向けました就労移行支援事業ですとか、あるいは雇用が困難である場合にはやはり福祉的な就労を継続するという意味で就労継続支援事業、こういうことを行う、制度的にはできております。
 したがって、ここの盲人ホームにつきましても、やはり事業者の方々、それから私たち知恵を出し合いまして、やはり新たな時代にそぐったようなサービスが提供できるように、私たちも知恵を絞ってまいりますし、本年の十月から五年の移行期間がございます、その期間に十分な関係者の皆様との御相談をしていきたいというふうに思っております。
○足立信也君 終わります。
 視覚障害者が自立を目的とした本来のその盲人ホームの在り方というものを是非運営していってほしいなと、そのように思います。どうかよろしくお願いします。
 ありがとうございました。

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トルコ・サウナ風呂施設内で行なわれるマッサージ行為について

○トルコ・サウナ風呂施設内で行なわれるマッサージ行為について

(昭和四三年五月九日)
(医事第六〇号の二各都道府県衛生主管部(局)長・各政令市衛生局長あて厚生省医務局医事課長通知)
標記について、神戸市からの別紙1の照会に対し、別紙2のとおり回答したので通知する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

別紙1
トルコ・サウナぶろ施設内で理容行為等を行なうことについて
(昭和四三年二月二日 神衛公衆第六八四号)
(厚生省環境衛生局長あて神戸市衛生局長照会)
標記のことについて、疑義が生じましたので、左記の点につき至急ご回答たまわりたく照会申しあげます。
1 トルコ又はサウナぶろ利用客に対して、客の要請のあった場合のみ、顔そり、洗髪、ドライ器具等による整髪を行なう行為は、理容師法にいう理容に該当すると思われるが、ご意見を承わりたい。
2 客の要請のあった場合に、整髪のみを行なう場合は如何。
3 理容師がトルコ又はサウナの従業員として雇用され、浴場業の附随サービス行為として、無料で整髪のみを行なう場合、又は若干の料金徴収をする場合は如何。
4 従業員(いわゆるトルコ嬢)のマッサージ行為は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師等に関する法律に抵触するかどうか。
なお、トルコぶろ等において女子従業員が、浴場施設内で行なう洗髪、顔そり、美顔術、整髪等が理容業に該当するとすれば、全国的に関連を有するものと思考されるので、取締りの統一的な通達を出されたく要望いたします。

別紙2
トルコ・サウナ風呂施設内で従業員が行なうマッサージ行為について
(昭和四三年五月九日 医事第六○号)
(神戸市衛生局長あて厚生省医務局医事課長回答)
昭和四十三年二月二日貴市衛生局長からの当省環境衛生局長あての照会中標記については、左記のとおり回答する。
いわゆるトルコ風呂等において行なわれるもみ、たたき等の行為であっても、時間、刺戟の強さ等から総合的に判断してあん摩行為と認められる場合があるが、かかる行為を業として無資格者が行なうことはあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法第一条の規定違反に該当するものとして実情に応じ同法により規制すべきものであることは、すでに昭和三十二年十一月二十日発医第一六六号「無免許あん摩師等の取締等について」左記3及び昭和三十八年一月九日医発第八号の二「あん摩師、はり師、きゅう師又は柔道整復師の学校又は養成所等に在学している者の実習等の取り扱いについて」別紙2左記の「3について」において指示したところである。照会のトルコ・サウナ風呂施設内で従業員が行なういわゆる「マッサージ」と称せられる行為も、同様にその呼称、施術の実態からみた場合、前記法律を改正したあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師等に関する法律第一条に規定するマッサージに該当する場合も少なくないと考えられるので、その広告の状況、実態等を調査のうえ、適切な措置を講ぜられたい。
なお、前記二通達を添付するから、前記の措置の場合に参照されたい。

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指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について 機能訓練指導員

○指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について
(平成一一年九月一七日)
(老企第二五号)
(各都道府県介護保険主管部(局)長あて厚生省老人保健福祉局企画課長通知)
介護保険法(平成九年法律第一二三号。以下「法」という。)第四二条第一項第二号並びに第七四条第一項及び第二項の規定に基づく「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(以下「基準」という。)については、平成一一年三月三一日厚生省令第三七号をもって公布され、平成一二年四月一日より施行されるところであるが、基準の趣旨及び内容は左記のとおりであるので、御了知の上、管下市町村、関係団体、関係機関等にその周知徹底を図るとともに、その運用に遺憾のないようにされたい。
第一 基準の性格
1 基準は、指定居宅サービスの事業がその目的を達成するために必要な最低限度を定めたものであり、指定居宅サービス事業者は、常にその事業の運営の向上に努めなければならないこと。
2 指定居宅サービスの事業を行う者が満たすべき基準を満たさない場合には、指定居宅サービスの指定は受けられず、また、運営開始後、基準に違反することが明らかになった場合は、都道府県知事の指導等の対象となり、この指導等に従わない場合には、当該指定を取り消すことができるものであること。
3 運営に関する基準に従って事業の運営をすることができなくなったことを理由として指定が取り消された直後に再度当該事業者から当該事業所について指定の申請がなされた場合には、当該事業者が運営に関する基準を遵守することを確保することに特段の注意が必要であり、その改善状況等が確認されない限り指定を行わないものとすること。
第二 総論
1 事業者指定の単位について
事業者の指定は、原則としてサービス提供の拠点ごとに行うものとするが、例外的に、待機や道具の保管、着替え等を行う出張所等であって、次の要件を満たすものについては、一体的なサービス提供の単位として「事業所」に含めて指定することができる取扱いとする。
① 利用申込みに係る調整、サービス提供状況の把握、職員に対する技術指導等が一体的に行われること。
② 職員の勤務体制、勤務内容等が一元的に管理されること。必要な場合に随時、主たる事業所や他の出張所等との間で相互支援が行える体制(例えば、当該出張所等の従業者が急病等でサービスの提供ができなくなった場合に、主たる事業所から急遽代替要員を派遣できるような体制)にあること。
③ 苦情処理や損害賠償等に際して、一体的な対応ができる体制にあること。
④ 事業の目的や運営方針、営業日や営業時間、利用料等を定める同一の運営規程が定められること。
⑤ 人事、給与・福利厚生等の勤務条件等による職員管理が一元的に行われること。
2 用語の定義
基準第二条において、一定の用語についてその定義を明らかにしているところであるが、以下は、同条に定義が置かれている用語について、その意味をより明確なものとするとともに、基準中に用いられている用語であって、定義規定が置かれていないものの意味を明らかにするものである。
(1) 「常勤換算方法」
当該事業所の従業者の勤務延時間数を当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき時間数(三二時間を下回る場合は三二時間を基本とする。)で除することにより、当該事業所の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法をいうものである。この場合の勤務延時間数は、当該事業所の指定に係る事業のサービスに従事する勤務時間の延べ数であり、例えば、当該事業所が訪問介護と訪問看護の指定を重複して受ける場合であって、ある従業者が訪問介護員等と看護婦等を兼務する場合、訪問介護員等の勤務延時間数には、訪問介護員等としての勤務時間だけを算入することとなるものであること。
(2) 「勤務延時間数」
勤務表上、当該事業に係るサービスの提供に従事する時間又は当該事業に係るサービスの提供のための準備等を行う時間(待機の時間を含む。)として明確に位置付けられている時間の合計数とする。なお、従業者一人につき、勤務延時間数に算入することができる時間数は、当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき勤務時間数を上限とすること。
(3) 「常勤」
当該事業所における勤務時間が、当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(三二時間を下回る場合は三二時間を基本とする。)に達していることをいうものである。同一の事業者によって当該事業所に併設される事業所の職務であって、当該事業所の職務と同時並行的に行われることが差し支えないと考えられるものについては、それぞれに係る勤務時間の合計が常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していれば、常勤の要件を満たすものであることとする。例えば、一の事業者によって行われる指定訪問介護事業所と指定居宅介護支援事業所が併設されている場合、指定訪問介護事業所の管理者と指定居宅介護支援事業所の管理者を兼務している者は、その勤務時間の合計が所定の時間に達していれば、常勤要件を満たすこととなる。
(4) 「専ら従事する」「専ら提供に当たる」
原則として、サービス提供時間帯を通じて当該サービス以外の職務に従事しないことをいうものである。この場合のサービス提供時間帯とは、当該従事者の当該事業所における勤務時間「指定通所介護及び指定通所リハビリテーションについては、サービスの単位ごとの提供時間)をいうものであり、当該従業者の常勤・非常勤の別を問わない。ただし、通所介護及び通所リハビリテーションについては、あらかじめ計画された勤務表に従って、サービス提供時間帯の途中で同一職種の従業者と交代する場合には、それぞれのサービス提供時間を通じて当該サービス以外の職務に従事しないことをもって足りるものである。
(5) 「前年度の平均値」
① 基準第一一一条第四項(介護老人保健施設である指定通所リハビリテーション事業所における医師、理学療法士若しくは作業療法士又は支援相談員の員数を算定する場合の利用者の数の算定方法)、第一二一条第三項(指定短期入所生活介護に係る生活相談員、介護職員又は看護職員の員数を算定する場合の利用者の数の算定方法)、第一四二条第二項(老人性痴呆疾患療養病棟を有する病院であって介護療養型医療施設でない指定短期入所療養介護事業所における看護職員又は介護職員の員数を算定する場合の入院患者の数の算定方法)、第一五七条第二項(指定痴呆対応型共同生活介護に係る共同生活住居における介護従業者の員数を算定する場合の利用者の数の算定方法)及び第一七五条第二項(指定特定施設における生活相談員、看護職員若しくは介護職員の人員並びに計画作成担当者の人員の標準を算定する場合の利用者の数の算定方法)における「前年度の平均値」は、当該年度の前年度(毎年四月一日に始まり翌年三月三一日をもって終わる年度とする。以下同じ。)の平均を用いる。この場合、利用者数等の平均は、前年度の全利用者等の延数を当該前年度の日数で除して得た数とする。この平均利用者数等の算定に当たっては、小数点第二位以下を切り上げるものとする。
② 新たに事業を開始し、若しくは再開し、又は増床した事業者又は施設においては、新設又は増床分のベッドに関しては、前年度において一年未満の実績しかない場合(前年度の実績が全くない場合を含む。)の利用者数等は、新設又は増床の時点から六月未満の間は、便宜上、ベッド数の九〇%を利用者数等とし、新設又は増床の時点から六月以上一年未満の間は、直近の六月における全利用者等の延数を六月間の日数で除して得た数とし、新設又は増床の時点から一年以上経過している場合は、直近一年間における全利用者等の延数を一年間の日数で除して得た数とする。また、減床の場合には、減床後の実績が三月以上あるときは、減床後の利用者数等の延数を延日数で除して得た数とする。ただし、短期入所生活介護及び特定施設入所者生活介護については、これらにより難い合理的な理由がある場合には、他の適切な方法により利用者数を推定するものとする。
第三 訪問介護に関する基準
1 人員に関する基準
(1) 訪問介護員等の員数(基準第五条第一項)
① 指定訪問介護事業所における訪問介護員等の員数については、常勤換算方法で二・五人以上と定められたが、これについては、職員の支援体制等を考慮した最小限の員数として定められたものであり、各地域におけるサービス利用の状況や利用者数及び指定訪問介護の事業の業務量を考慮し、適切な員数の職員を確保するものとする。
② 勤務日及び勤務時間が不定期な訪問介護員等(以下「登録訪問介護員等」という。)についての勤務延時間数の算定については、次のとおりの取扱いとする。
イ 登録訪問介護員等によるサービス提供の実績がある事業所については、登録訪問介護員等一人当たりの勤務時間数は、当該事業所の登録訪問介護員等の前年度の週当たりの平均稼働時間(サービス提供時間及び移動時間をいう。)とすること。
ロ 登録訪問介護員等によるサービス提供の実績がない事業所又は極めて短期の実績しかない等のためイの方法によって勤務延時間数の算定を行うことが適当でないと認められる事業所については、当該登録訪問介護員等が確実に稼働できるものとして勤務表に明記されている時間のみを勤務延時間数に算入すること。なお、この場合においても、勤務表上の勤務時間数は、サービス提供の実績に即したものでなければならないため、勤務表上の勤務時間と実態が乖離していると認められる場合には、勤務表上の勤務時間の適正化の指導の対象となるものであること。
③ 出張所等があるときは、常勤換算を行う際の事業所の訪問介護員等の勤務延時間数には、出張所等における勤務延時間数も含めるものとする。
(2) サービス提供責任者(基準第五条第二項)
事業の規模に応じて一人以上の者をサービス提供責任者としなければならないこととされたが、その具体的取扱は次のとおりとする。
① 管理者がサービス提供責任者を兼務することは差し支えないこと。
② サービス提供責任者の配置の基準は、以下のいずれかに該当する員数を置くこととする。
イ 当該事業所の月間の延べサービス提供時間(事業所における待機時間や移動時間を除く。)が概ね四五〇時間又はその端数を増すごとに一人以上
ロ 当該事業所の訪問介護員等の数が一〇人又はその端数を増すごとに一人以上
従って、例えば、常勤割合が比較的高いなど、訪問介護員等一人当たりのサービス提供時間が多い場合は、月間の延べサービス提供時間が四五〇時間を超えていても、訪問介護員等の人数が一〇人以下であれば、ロの基準によりサービス提供責任者は一人で足りることとなる(具体的には、例えば、常勤職員四人で、そのサービス提供時間が合わせて三二〇時間、非常勤職員が六人で、そのサービス提供時間が合わせて二〇〇時間である場合、当該事業所の延べサービス提供時間は五二〇時間となるが、ロの基準により、配置すべきサービス提供責任者は一人で足りることとなる)。
③ サービス提供責任者については、次のいずれかに該当する常勤の職員から選任するものとすること。
イ 介護福祉士
ロ 訪問介護員に関する省令(平成一二年厚生省令第二三号)第一条に規定する一級課程の研修を修了した者
ハ 同条に規定する二級課程の研修を修了した者であって、三年以上介護等の業務に従事したもの
④ ③のハに掲げる「二級課程の研修を修了した者であって、三年以上介護等の業務に従事したもの」とは、社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六二年法律第三〇号)第四〇条第二項第一号に規定する「三年以上介護等の業務に従事した者」と同様とし、その具体的取扱いについては、「指定施設における業務の範囲等及び介護福祉士試験の受験資格に係る介護等の業務の範囲等について」(昭和六三年二月一二日社庶第二九号厚生省社会局長、児童家庭局長連名通知)の別添2「介護福祉士試験の受験資格の認定に係る介護等の業務の範囲等」を参考とされたい。
なお、三年間の実務経験の要件が達成された時点と二級課程の研修修了時点との前後関係は問わないものであること。
また、介護等の業務に従事した期間には、ボランティアとして介護等を経験した期間は原則として含まれないものであるが、特定非営利活動法(平成一〇年法律第一号)に基づき設立された特定非営利活動法人が法第七〇条第一項の規定に基づき訪問介護に係る指定を受けている又は受けることが確実に見込まれる場合であって、当該法人が指定を受けて行うことを予定している訪問介護と、それ以前に行ってきた事業とに連続性が認められるものについては、例外的に、当該法人及び法人格を付与される前の当該団体に所属して当該事業を担当した経験を有する者の経験を、当該者の三年の実務経験に算入して差し支えないものとする。
なお、この場合において、介護福祉士国家試験の受験資格としても実務経験の算入を認められたものと解してはならないこと。
⑤ 二級課程の研修を修了した者であって、三年以上介護等の業務に従事したものをサービス提供責任者とする取扱いは暫定的なものであることから、指定訪問介護事業者は、できる限り早期に、これに該当するサービス提供責任者に一級課程の研修を受講させ、又は介護福祉士の資格を取得させるよう努めなければならないこと。
(3) 管理者(基準第六条)
指定訪問介護事業所の管理者は常勤であり、かつ、原則として専ら当該事業所の管理業務に従事するものとする。ただし、以下の場合であって、当該事業所の管理業務に支障がないときは、他の職務を兼ねることができるものとする。なお、管理者は、訪問介護員等である必要はないものである。
① 当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等としての職務に従事する場合
② 同一敷地内にある又は道路を隔てて隣接する等、特に当該事業所の管理業務に支障がないと認められる範囲内に他の事業所、施設等がある場合に、当該他の事業所、施設等の管理者又は従業者としての職務に従事する場合(この場合の他の事業所、施設等の事業の内容は問わないが、例えば、管理すべき事業所数が過剰であると個別に判断される場合や、併設される入所施設において入所者に対しサービス提供を行う看護・介護職員と兼務する場合などは、管理業務に支障があると考えられる。ただし、施設における勤務時間が極めて限られている職員である場合等、個別に判断の上、例外的に認める場合があっても差し支えない。)
2 設備に関する基準(基準第七条)
(1) 指定訪問介護事業所には、事業の運営を行うために必要な面積を有する専用の事務室を設けることが望ましいが、間仕切りする等他の事業の用に供するものと明確に区分される場合は、他の事業と同一の事務室であっても差し支えない。なお、この場合に、区分がされていなくても業務に支障がないときは、指定訪問介護の事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものとする。
(2) 事務室又は区画については、利用申込の受付、相談等に対応するのに適切なスペースを確保するものとする。
(3) 指定訪問介護事業者は、指定訪問介護に必要な設備及び備品等を確保するものとする。特に、手指を洗浄するための設備等感染症予防に必要な設備等に配慮すること。ただし、他の事業所、施設等と同一敷地内にある場合であって、指定訪問介護の事業又は当該他の事業所、施設等の運営に支障がない場合は、当該他の事業所、施設等に備え付けられた設備及び備品等を使用することができるものとする。
なお、事務室・区画、又は設備及び備品等については、必ずしも事業者が所有している必要はなく、貸与を受けているものであっても差し支えない。
3 運営に関する基準
(1) 内容及び手続の説明及び同意
基準第八条は、指定訪問介護事業者は、利用者に対し適切な指定訪問介護を提供するため、その提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者又はその家族に対し、当該指定訪問介護事業所の運営規程の概要、訪問介護員等の勤務体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制等の利用申込者がサービスを選択するために必要な重要事項について、わかりやすい説明書やパンフレット等の文書を交付して懇切丁寧に説明を行い、当該事業所から指定訪問介護の提供を受けることにつき同意を得なければならないこととしたものである。なお、当該同意については、利用者及び指定訪問介護事業者双方の保護の立場から書面によって確認することが望ましいものである。
(2) 提供拒否の禁止
基準第九条は、指定訪問介護事業者は、原則として、利用申込に対しては応じなければならないことを規定したものであり、特に、要介護度や所得の多寡を理由にサービスの提供を拒否することを禁止するものである。提供を拒むことのできる正当な理由がある場合とは、①当該事業所の現員からは利用申込に応じきれない場合、②利用申込者の居住地が当該事業所の通常の事業の実施地域外である場合、その他利用申込者に対し自ら適切な指定訪問介護を提供することが困難な場合である。
(3) サービス提供困難時の対応
指定訪問介護事業者は、基準第九条の正当な理由により、利用申込者に対し自ら適切な指定訪問介護を提供することが困難であると認めた場合には、基準第十条の規定により、当該利用申込者に係る居宅介護支援事業者への連絡、適当な他の指定訪問介護事業者等の紹介その他の必要な措置を速やかに講じなければならないものである。
(4) 受給資格等の確認
① 基準第一一条第一項は、指定訪問介護の利用に係る費用につき保険給付を受けることができるのは、要介護認定又は要支援認定を受けている被保険者に限られるものであることを踏まえ、指定訪問介護事業者は、指定訪問介護の提供の開始に際し、利用者の提示する被保険者証によって、被保険者資格、要介護認定等の有無及び要介護認定等の有効期間を確かめなければならないこととしたものである。
② 同条第二項は、利用者の被保険者証に、指定居宅サービスの適切かつ有効な利用等に関し当該被保険者が留意すべき事項に係る認定審査会意見が記載されているときは、指定訪問介護事業者は、これに配慮して指定訪問介護を提供するように努めるべきことを規定したものである。
(5) 要介護認定等の申請に係る援助
① 基準第一二条第一項は、要介護認定等の申請がなされていれば、要介護認定等の効力が申請時に遡ることにより、指定訪問介護の利用に係る費用が保険給付の対象となりうることを踏まえ、指定訪問介護事業者は、利用申込者が要介護認定等を受けていないことを確認した場合には、要介護認定等の申請が既に行われているか否かを確認し、申請が行われていない場合は、当該利用申込者の意向を踏まえて速やかに当該申請が行われるよう必要な援助を行わなければならないこととしたものである。
② 同条第二項は、要介護認定等の有効期間が原則として六か月ごとに終了し、継続して保険給付を受けるためには要介護更新認定又は要支援更新認定を受ける必要があること及び当該認定が申請の日から三〇日以内に行われることとされていることを踏まえ、指定訪問介護事業者は、居宅介護支援(これに相当するサービスを含む。)が利用者に対して行われていない等の場合であって必要と認めるときは、要介護認定等の更新の申請が、遅くとも当該利用者が受けている要介護認定等の有効期間が終了する三〇日前にはなされるよう、必要な援助を行わなければならないこととしたものである。
(6) 法定代理受領サービスの提供を受けるための援助
基準第一五条は、介護保険法施行規則(平成一一年厚生省令第三六号。以下「施行規則」という。)第六四条第一号イからロまでのいずれかに該当する利用者は、指定訪問介護の提供を法定代理受領サービスとして受けることができることを踏まえ、指定訪問介護事業者は、施行規則第六四条第一号イからロまでのいずれにも該当しない利用申込者又はその家族に対し、指定訪問介護の提供を法定代理受領サービスとして受けるための要件の説明、居宅介護支援事業者に関する情報提供その他の法定代理受領サービスを行うために必要な援助を行わなければならないこととしたものである。
(7) 居宅サービス計画等の変更の援助
基準第一七条は、指定訪問介護を法定代理受領サービスとして提供するためには当該指定訪問介護が居宅サービス計画に位置付けられている必要があることを踏まえ、指定訪問介護事業者は、利用者が居宅サービス計画の変更を希望する場合(利用者の状態の変化等により追加的なサービスが必要となり、当該サービスを法定代理受領サービスとして行う等のために居宅サービス計画の変更が必要となった場合で、指定訪問介護事業者からの当該変更の必要性の説明に対し利用者が同意する場合を含む。)は、当該利用者に係る居宅介護支援事業者への連絡、サービスを追加する場合に当該サービスを法定代理受領サービスとして利用する場合には支給限度額の範囲内で居宅サービス計画を変更する必要がある旨の説明その他の必要な援助を行わなければならないこととしたものである。
(8) 身分を証する書類の携行
基準第一八条は、利用者が安心して指定訪問介護の提供を受けられるよう、指定訪問介護事業者は、当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等に身分を明らかにする証書や名札等を携行させ、初回訪問時及び利用者又はその家族から求められたときは、これを提示すべき旨を指導しなければならないこととしたものである。この証書等には、当該指定訪問介護事業所の名称、当該訪問介護員等の氏名を記載するものとし、当該訪問介護員等の写真の貼付や職能の記載を行うことが望ましい。
(9) サービスの提供の記録
基準第一九条は、利用者及びサービス事業者が、その時点での支給限度額の残額やサービスの利用状況を把握できるようにするために、指定訪問介護事業者は、指定訪問介護を提供した際には、当該指定訪問介護の提供日、内容(例えば身体介護と家事援助の別)、保険給付の額その他必要な事項を、利用者の居宅サービス計画の書面又はサービス利用票等に記載しなければならないこととしたものである。
(10) 利用料等の受領
① 基準第二〇条第一項は、指定訪問介護事業者は、法定代理受領サービスとして提供される指定訪問介護についての利用者負担として、居宅介護サービス費用基準額又は居宅支援サービス費用基準額の一割(法第五〇条若しくは第六〇条又は第六九条第三項の規定の適用により保険給付の率が九割でない場合については、それに応じた割合)の支払を受けなければならないことを規定したものである。
② 基準第二〇条第二項は、利用者間の公平及び利用者の保護の観点から、法定代理受領サービスでない指定訪問介護を提供した際に、その利用者から支払を受ける利用料の額と、法定代理受領サービスである指定訪問介護に係る費用の額の間に、一方の管理経費の他方への転嫁等による不合理な差額を設けてはならないこととしたものである。
なお、そもそも介護保険給付の対象となる指定訪問介護のサービスと明確に区分されるサービスについては、次のような方法により別の料金設定をして差し支えない。
イ 利用者に、当該事業が指定訪問介護の事業とは別事業であり、当該サービスが介護保険給付の対象とならないサービスであることを説明し、理解を得ること。
ロ 当該事業の目的、運営方針、利用料等が、指定訪問介護事業所の運営規程とは別に定められていること。
ハ 会計が指定訪問介護の事業の会計と区分されていること。
③ 同条第三項は、指定訪問介護事業者は、指定訪問介護の提供に関して、前二項の利用料のほかに、利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域の居宅において指定訪問介護を行う場合の交通費(移動に要する実費)の支払を利用者から受けることができることとし、保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないこととしたものである。
④ 同条第四項は、指定訪問介護事業者は、前項の交通費の支払を受けるに当たっては、あらかじめ、利用者又はその家族に対してその額等に関して説明を行い、利用者の同意を得なければならないこととしたものである。
(11) 保険給付の請求のための証明書の交付
基準第二一条は、利用者が市町村に対する保険給付の請求を容易に行えるよう、指定訪問介護事業者は、法定代理受領サービスでない指定訪問介護に係る利用料の支払を受けた場合は、提供した指定訪問介護の内容、費用の額その他利用者が保険給付を請求する上で必要と認められる事項を記載したサービス提供証明書を利用者に対して交付しなければならないこととしたものである。
(12) 指定訪問介護の基本的取扱方針及び具体的取扱方針
基準第二二条及び第二三条にいう指定訪問介護の取扱方針について、特に留意すべきことは、次のとおりである。
① 提供された介護サービスについては、目標達成の度合いや利用者及びその家族の満足度等について常に評価を行うとともに、訪問介護計画の修正を行うなど、その改善を図らなければならないものであること。
② 指定訪問介護の提供に当たっては、介護技術の進歩に対応した適切なサービスが提供できるよう、常に新しい技術を習得する等、研鑽を行うべきものであること。
(13) 訪問介護計画の作成(基準第二四条)
① サービス提供責任者は、訪問介護計画の目標や内容等については、利用者及びその家族に、理解しやすい方法で説明を行うとともに、その実施状況や評価についても説明を行うものとする。
② 訪問介護計画書の作成に当たっては、利用者の状況を把握・分析し、訪問介護の提供によって解決すべき問題状況を明らかにし(アセスメント)、これに基づき、援助の方向性や目標を明確にし、担当する訪問介護員等の氏名、訪問介護員等が提供するサービスの具体的内容、所要時間、日程等を明らかにするものとする。なお、訪問介護計画書の様式については、各事業所毎に定めるもので差し支えない。
③ サービス提供責任者は、他の訪問介護員等の行うサービスが訪問介護計画に沿って実施されているかについて把握するとともに、助言、指導等必要な管理を行わなければならない。
(14) 利用者に関する市町村への通知
基準第二六条は、偽りその他不正な行為によって保険給付を受けた者及び自己の故意の犯罪行為又は重大な過失等により、要介護状態等又はその原因となった事故を生じさせるなどした者については、市町村が、法第二二条第一項に基づく既に支払った保険給付の徴収又は法第六四条に基づく保険給付の制限を行うことができることに鑑み、指定訪問介護事業者が、その利用者に関し、保険給付の適正化の観点から市町村に通知しなければならない事由を列記したものである。
(15) 緊急時等の対応
基準第二七条は、訪問介護員等が現に指定訪問介護の提供を行っているときに利用者に病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、運営規程に定められた緊急時の対応方法に基づき速やかに主治の医師(以下「主治医」という。)への連絡を行う等の必要な措置を講じなければならないこととしたものである。
(16) 管理者及びサービス提供責任者の責務
基準第二八条は、指定訪問介護事業所の管理者とサービス提供責任者の役割分担について規定したものであり、管理者は、従業者及び業務の一元的管理並びに従業者に基準第二章第四節(運営に関する基準)を遵守させるための指揮命令を、サービス提供責任者は、指定訪問介護の利用の申込みに係る調整、訪問介護員等に対する技術指導等のサービスの内容の管理を行うものである。
(17) 運営規程
基準第二九条は、指定訪問介護の事業の適正な運営及び利用者に対する適切な指定訪問介護の提供を確保するため、同条第一号から第七号までに掲げる事項を内容とする規程を定めることを指定訪問介護事業所ごとに義務づけたものであるが、特に次の点に留意するものとする。なお、同一事業者が同一敷地内にある事業所において、複数のサービス種類について事業者指定を受け、それらの事業を一体的に行う場合においては、運営規程を一体的に作成することも差し支えない(この点については他のサービス種類についても同様とする。)。
① 指定訪問介護の内容(第四号)
「指定訪問介護の内容」とは、身体介護、家事援助等のサービスの内容を指すものであること。
② 利用料その他の費用の額(第四号)
「利用料」としては、法定代理受領サービスである指定訪問介護に係る利用料(一割負担)及び法定代理受領サービスでない指定訪問介護の利用料を、「その他の費用の額」としては、基準第二〇条第三項により徴収が認められている交通費の額及び必要に応じてその他のサービスに係る費用の額を規定するものであること(以下、他のサービス種類についても同趣旨。)。
③ 通常の事業の実施地域(第五号)
通常の事業の実施地域は、客観的にその区域が特定されるものとすること。なお、通常の事業の実施地域は、利用申込に係る調整等の観点からの目安であり、当該地域を越えてサービスが行われることを妨げるものではないものであること(以下、基準第五三条第五号、第七三条第五号、第八二条第五号、第一〇〇条第六号、第一一七条第六号及び第二〇〇条第五号についても同趣旨。)。
(18) 介護等の総合的な提供
基準第二九条の二は、基準第四条の基本方針等を踏まえ、指定訪問介護の事業運営に当たっては、多種多様な訪問介護サービスの提供を行うべき旨を明確化したものである。指定訪問介護事業は、生活全般にわたる援助を行うものであることから、指定訪問介護事業者は、入浴、排せつ、食事等の介護(身体介護)又は調理、洗濯、掃除等の家事(家事援助)を総合的に提供しなければならず、また、指定訪問介護事業所により提供しているサービスの内容が、身体介護のうち特定のサービス行為に偏ったり、家事援助のうち特定のサービス行為に偏ったりしてはならないこととしたものである。また、サービス提供の実績から特定のサービス行為に偏っていることが明らかな場合に限らず、事業運営の方針、広告、従業者の勤務体制、当該事業者の行う他の事業との関係等の事業運営全般から判断して、特定のサービス行為に偏ることが明らかであれば、本条に抵触することとなる。
なお、「偏っている」とは、特定のサービス行為のみを専ら行うことはもちろん、特定のサービス行為に係るサービス提供時間が月単位等一定期間中のサービス提供時間の大半を占めていれば、これに該当するものである。
また、基準第二九条の二は、基準該当訪問介護事業者には適用されない。
(19) 勤務体制の確保等
基準第三〇条は、利用者に対する適切な指定訪問介護の提供を確保するため、職員の勤務体制等について規定したものであるが、次の点に留意する必要がある。
① 指定訪問介護事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表を作成し、訪問介護員等については、日々の勤務時間、職務の内容、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係、サービス提供責任者である旨等を明確にすること。
② 同条第二項は、当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等によって指定訪問介護を提供するべきことを規定したものであるが、指定訪問介護事業所の訪問介護員等とは、雇用契約その他の契約により、当該事業所の管理者の指揮命令下にある訪問介護員等を指すものであること。
③ 同条第三項は、当該指定訪問介護事業所の従業者たる訪問介護員等の質の向上を図るため、研修機関が実施する研修や当該事業所内の研修への参加の機会を計画的に確保することとしたものであること。特に、訪問介護員のうち、三級課程の研修を修了した者について、身体介護を担当することは、暫定的な措置であることにかんがみ、できる限り早期に二級課程の研修を受講させ、又は介護福祉士の資格を取得させるよう努めなければならないこと。
(20) 衛生管理等
基準第三一条は、指定訪問介護事業者は、訪問介護員等の清潔の保持及び健康状態の管理並びに指定訪問介護事業所の設備及び備品等の衛生的な管理に努めるべきことを規定したものである。特に、指定訪問介護事業者は、訪問介護員等が感染源となることを予防し、また訪問介護員等を感染の危険から守るため、使い捨ての手袋等感染を予防するための備品等を備えるなど対策を講じる必要がある。
(21) 秘密保持等
① 基準第三三条第一項は、指定訪問介護事業所の訪問介護員等その他の従業者に、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密の保持を義務づけたものである。
② 同条第二項は、指定訪問介護事業者に対して、過去に当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等その他の従業者であった者が、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を取ることを義務づけたものであり、具体的には、指定訪問介護事業者は、当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等その他の従業者が、従業者でなくなった後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、従業者との雇用時等に取り決め、例えば違約金についての定めをおくなどの措置を講ずべきこととするものである。
③ 同条第三項は、訪問介護員等がサービス担当者会議等において、課題分析情報等を通じて利用者の有する問題点や解決すべき課題等の個人情報を、介護支援専門員や他のサービスの担当者と共有するためには、指定訪問介護事業者は、あらかじめ、文書により利用者又はその家族から同意を得る必要があることを規定したものであるが、この同意は、サービス提供開始時に利用者及びその家族から包括的な同意を得ておくことで足りるものである。
(22) 居宅介護支援事業者に対する利益供与の禁止
基準第三五条は、居宅介護支援の公正中立性を確保するために、指定訪問介護事業者は、居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、利用者に対して特定の事業者によるサービスを利用させることの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならないこととしたものである。
(23) 苦情処理
① 基準第三六条第一項にいう「必要な措置」とは、具体的には、相談窓口、苦情処理の体制及び手順等当該事業所における苦情を処理するために講ずる措置の概要について明らかにし、利用申込者にサービスの内容を説明する文書に苦情に対する措置の概要についても併せて記載するとともに、事業所に掲示すること等である。
② 同条第二項は、介護保険法上、苦情処理に関する業務を行うことが位置付けられている国民健康保険団体連合会のみならず、住民に最も身近な行政庁であり、かつ、保険者である市町村が、サービスに関する苦情に対応する必要が生ずることから、市町村についても国民健康保険団体連合会と同様に、指定訪問介護事業者に対する苦情に関する調査や指導、助言を行えることを運営基準上、明確にしたものである。
(24) 事故発生時の対応
基準第三七条は、利用者が安心して指定訪問介護の提供を受けられるよう、指定訪問介護事業者は、利用者に対する指定訪問介護の提供により事故が発生した場合は、市町村、当該利用者の家族、当該利用者に係る居宅介護支援事業者等に対して連絡を行う等の必要な措置を講じるべきこととするとともに、利用者に対する指定訪問介護の提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならないこととしたものである。
このほか、以下の点に留意するものとする。
① 利用者に対する指定訪問介護の提供により事故が発生した場合の対応方法については、あらかじめ指定訪問介護事業者が定めておくことが望ましいこと。
② 指定訪問介護事業者は、賠償すべき事態において速やかに賠償を行うため、損害賠償保険に加入しておくか、又は賠償資力を有することが望ましいこと。
③ 指定訪問介護事業者は、事故が生じた際にはその原因を解明し、再発生を防ぐための対策を講じること。
(25) 会計の区分
基準第三八条は、指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所ごとに経理を区分するとともに、指定訪問介護の事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならないこととしたものであるが、具体的な会計処理の方法等については、別に通知するところによるものであること。
(26) 記録の整備
基準第三九条第二項により、指定訪問介護事業者は、少なくとも次に掲げる記録をその完結の日から二年間備えておかなければならないこととしたものであること。
① 指定訪問介護に関する記録
イ 訪問介護計画書
ロ 提供した個々の指定訪問介護に係る記録
② 基準第二六条に係る市町村への通知に係る記録
4 基準該当訪問介護に関する基準
(1) 訪問介護員等の員数(基準第四〇条)
基準該当訪問介護事業所における訪問介護員等の員数については、三人以上と定められたが、これについては、訪問介護員等の勤務時間の多寡にかかわらず員数として三人以上確保すれば足りるものである。ただし、各地域におけるサービス利用の状況や利用者数等を考慮し、適切な員数の職員を確保するものとする。その他については、指定訪問介護事業所の場合と同趣旨であるため第三の1の(1)及び(2)に準じて取り扱うべきものである。
なお、サービス提供責任者については、常勤である必要はないが、指定訪問介護における配置に準じて配置することが望ましい。
(2) 管理者(基準第四一条)
指定訪問介護の場合と基本的に同趣旨であるため、第三の1の(3)を参照されたい。ただし、管理者は常勤である必要はないことに留意するものとする。
(3) 設備及び備品等
基準第四二条は、基準該当訪問介護事業所の設備及び備品等についての規定であるが、指定訪問介護事業所の場合と基本的に同趣旨であるため、第三の2を参照されたい。
(4) 同居家族に対するサービス提供の制限
基準第四二条の二は、同条第一項各号に定める場合に限り、同居家族である利用者に対するサービス提供を例外的に認めることを定めたものである。
特に、同条第一項第一号にあるとおり、離島、山間のへき地その他の地域であって、指定訪問介護による訪問介護だけでは必要な訪問介護の見込量を確保することが困難であると市町村が認めた地域において認められるものであり、市町村は、その運用に際して次に掲げる点に留意するとともに、当該地域における指定訪問介護の確保に努めることとする。
① 市町村は、同居家族に対する訪問介護を行おうとする訪問介護員等が所属する訪問介護事業所から、居宅サービス計画の写し等、同居家族に対する訪問介護が認められるための要件に満たされていることを確認できる書類を届け出させ、これに基づき基準該当居宅サービスとしての実施を認めるものとする。
② 市町村は、いったん認めた同居家族に対する訪問介護について、事後的にその要件を満たしていないと認めるときは、保険給付を行わず、又は既に行った保険給付の返還を求めるものとする。
③ 市町村は、基準第四二条の二第一項各号に規定する要件に反した訪問介護が行われている場合の是正の指導のほか、当該同居家族に対して行われている居宅サービスとして、当該訪問介護員等による訪問介護のほか、他の居宅サービスが適切に組み合わされているかどうか等を点検し、状況に応じて必要な助言を当該同居家族及び基準該当訪問介護事業者に対して行うものとする。
④ 基準第四二条の二第一項第五号に規定する、訪問介護員等が同居家族の訪問介護に従事する時間の合計時間が当該訪問介護員等が訪問介護に従事する時間の合計時間のおおむね二分の一を超えないという要件は、同居家族の訪問介護が「身内の世話」ではなく、「訪問介護事業所の従業者による介護」として行われることを担保する趣旨で設けられたものであるが、こうした趣旨を踏まえつつ、当該市町村の訪問介護の基盤整備の状況など地域の実情に応じて、当該要件をある程度の幅をもって運用することは差し支えないものとする。
(5) 運営に関する基準
基準第四三条の規定により、基準第一五条、第二〇条第一項、第二五条、第二九条の二及び第三六条第三項を除き、指定訪問介護の運営に関する基準が基準該当訪問介護に準用されるものであるため、第三の3の(1)から(5)まで及び(7)から(26)まで((10)の①及び(18)を除く。)を参照されたい。この場合において、準用される基準第二〇条第二項の規定は、基準該当訪問介護事業者が利用者から受領する利用料について、当該サービスが結果的に保険給付の対象となる場合もならない場合も、特例居宅介護サービス費又は特例居宅支援サービス費を算定するための基準となる費用の額(一〇〇分の九〇を乗ずる前の額)との間に不合理な差額が生じることを禁ずることにより、結果的に保険給付の対象となるサービスの利用料と、保険給付の対象とならないサービスの利用料との間に、一方の管理経費の他方への転嫁等による不合理な差額を設けることを禁止する趣旨である。なお、当該事業所による訪問介護が複数の市町村において基準該当訪問介護と認められる場合には、利用者の住所地によって利用料が異なることは認められないものである。
第四 訪問入浴介護に関する基準
1 人員に関する基準
(1) 従業者の員数(基準第四五条)
指定訪問入浴介護事業所における訪問入浴介護従業者の員数については、最低限必要の数を定めたものであり、訪問入浴介護の提供量に応じて、基準第五十条第四号の規定に基づく体制に必要な員数を確保するものとする。
(2) 管理者(基準第四六条)
訪問介護の場合と同趣旨であるため、第三の1の(3)を参照されたい。
2 設備に関する基準(基準第四七条)
(1) 指定訪問入浴介護事業所には、事業の運営を行うために必要な面積を有する専用の事務室を設けることが望ましいが、間仕切りをする等他の事業の用に供するものと明確に区分される場合は、他の事業と同一の事務室であっても差し支えない。なお、この場合に、区分がされていなくても業務に支障がないときは、指定訪問入浴介護の事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものとする。
(2) 専用の事務室又は区画については、利用申込の受付、相談等に対応するのに適切なスペース及び浴槽等の備品・設備等を保管するために必要なスペースを確保する必要がある。
(3) 専用の事務室又は区画については、指定訪問入浴介護に必要な浴槽(身体の不自由な者が入浴するのに適したもの)、車両(浴槽を運搬し又は入浴設備を備えたもの)等の設備及び備品等を確保する必要がある。特に、手指を洗浄するための設備等感染症予防に必要な設備等に配慮する必要がある。ただし、他の事業所、施設等と同一敷地内にある場合であって、指定訪問入浴介護の事業及び当該他の事業所、施設等の運営に支障がない場合は、当該他の事業所、施設等に備え付けられた設備及び備品等を使用することができるものとする。
3 運営に関する基準
(1) 利用料の受領
① 基準第四八条第一項、第二項及び第四項は、指定訪問介護に係る第二〇条第一項、第二項及び第四項と同趣旨であるため、第三の3の(10)の①、②及び④を参照されたい。
② 基準第四八条第三項は、指定訪問入浴介護事業者は、指定訪問入浴介護の提供に関して、利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域の居宅において指定訪問入浴介護を行う場合の交通費、及び利用者の選定により提供される特別な浴槽水等に係る費用については、前二項の利用料のほかに利用者から支払を受けることができることとし、保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないこととしたものである。
(2) 指定訪問入浴介護の基本取扱方針及び具体的取扱方針
指定訪問入浴介護の基本取扱方針及び具体的取扱方針については、基準第四九条及び五〇条の定めるところによるほか、次の点に留意するものとする。
① 指定訪問入浴介護の提供に当たっては、利用者の心身の状況により、訪問時に全身入浴が困難な場合は、利用者の希望により、「清しき」又は「部分浴(洗髪、陰部、足部等)」を実施するなど、適切なサービス提供に努めること。
② 基準第五〇条第二号に定める「サービスの提供方法等」とは、入浴方法等の内容、作業手順、入浴後の留意点などを含むものであること。
③ 基準第五〇条第四号に定める「サービスの提供の責任者」については、入浴介護に関する知識や技術を有した者であって、衛生管理や入浴サービスの提供に当たって他の従業者に対し作業手順など適切な指導を行うとともに、利用者が安心してサービス提供を受けられるように配慮すること。また、同号に定める「主治の医師の意見の確認」については、利用者又は利用者の承諾を得て当該事業者が、利用者の主治医に確認することとし、併せて、次に確認すべき時期についても確認しておくこと。
④ 基準第五〇条第五号に定める「サービスの提供に用いる設備、器具その他の用品」の安全衛生については、特に次の点について留意すること。
イ 浴槽など利用者の身体に直に接触する設備・器具類は、利用者一人ごとに消毒した清潔なものを使用し、使用後に洗浄及び消毒を行うこと。また、保管に当たっても、清潔保持に留意すること。
ロ 皮膚に直に接するタオル等については、利用者一人ごとに取り替えるか個人専用のものを使用する等、安全清潔なものを使用すること。
ハ 消毒方法等についてマニュアルを作成するなど、当該従業者に周知させること。
(3) 緊急時等の対応
基準第五一条は、訪問入浴介護従業者が現に指定訪問入浴介護の提供を行っているときに利用者に病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、運営規程に定められた緊急時の対応方法に基づき速やかに主治医又はあらかじめ当該指定訪問入浴介護事業者が定めた協力医療機関への連絡を行う等の必要な措置を講じなければならないこととしたものである。協力医療機関については、次の点に留意するものとする。
① 協力医療機関は、事業の通常の実施地域内にあることが望ましいものであること。
② 緊急時において円滑な協力を得るため、当該協力医療機関との間であらかじめ必要な事項を取り決めておくこと。
(4) 管理者の責務
基準第五二条は、指定訪問入浴介護事業所の管理者の責務を、指定訪問入浴介護事業所の従業者の管理及び指定訪問入浴介護の利用の申込みに係る調整、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行うとともに、当該指定訪問入浴介護事業所の従業者に基準の第三章第四節の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行うこととしたものである。
(5) 運営規程
基準第五三条は、指定訪問入浴介護の事業の適正な運営及び利用者に対する適切な指定訪問入浴介護の提供を確保するため、同条第一号から第八号までに掲げる事項を内容とする規定を定めることを指定訪問入浴介護事業所ごとに義務づけたものであるが、基準第五三条第六号の「サービスの利用に当たっての留意事項」とは、利用者が指定訪問入浴介護の提供を受ける際に、利用者側が留意すべき事項(入浴前の食事の摂取に関すること等)を指すものであることに留意するものとする。
(6) 準用
基準第五四条の規定により、基準第八条から第一九条まで、第二一条、第二六条及び第三〇条から第三九条までの規定は、指定訪問入浴介護の事業について準用されるため、第三の3の(1)から(9)まで、(11)、(14)及び(18)から(25)までを参照されたい。この場合において、次の点に留意するものとする。
① 基準第三一条中「設備及び備品等」とあるのは「指定訪問入浴介護に用いる浴槽その他の設備及び備品等」と読み替えられること。
② 準用される基準第三九条により、整備すべき記録は以下のとおりであること。
イ 提供した個々の指定訪問入浴介護に係る記録
ロ 基準第二六条に係る市町村への通知に係る記録
4 基準該当訪問入浴介護に関する基準
(1) 従業者の員数(基準第五五条)
基準該当訪問入浴介護事業所の訪問入浴介護従業者の員数については、最低限必要な数を定めたものであり、訪問入浴介護の提供量に応じて、第五八条により準用する基準第五〇条第四号の規定に基づく体制に必要な員数を確保するものとする。
(2) 管理者(基準第五六条)
指定訪問入浴介護の場合と基本的に同趣旨であるため、第四の1の(2)を参照されたい。ただし、管理者は常勤である必要はないことに留意するものとする。
(3) 設備及び備品等(基準第五七条)
指定訪問入浴介護の場合と基本的に同趣旨であるため、第四の2を参照されたい。
(4) 運営に関する基準
基準第五八条の規定により、基準第八条から第一四条まで、第一六条から第一九条まで、第二一条、第二六条、第三〇条から第三五条まで、第三六条第一項及び第二項、第三七条から第三九条まで、第四四条並びに第四節(第四八条第一項及び第五四条を除く。)の規定は、基準該当訪問入浴介護の事業について準用されるものであるため、第三の3の(1)から(5)まで、(7)から(9)まで、(11)、(14)及び(18)から(25)まで並びに第四の3を参照されたい。この場合において、準用される基準第四八条第二項の規定は、基準該当訪問入浴介護事業者が利用者から受領する利用料について、当該サービスが結果的に保険給付の対象となる場合もならない場合も、特例居宅介護サービス費又は特例居宅支援サービス費を算定するための基準となる費用の額(一〇〇分の九〇を乗ずる前の額)との間に不合理な差額が生じることを禁ずることにより、結果的に保険給付の対象となるサービスの利用料と、保険給付の対象とならないサービスの利用料との間に、一方の管理経費の他方への転嫁等による不合理な差額を設けることを禁止する趣旨である。なお、当該事業所による訪問入浴介護が複数の市町村において基準該当訪問入浴介護と認められる場合には、利用者の住所地によって利用料が異なることは認められないものである。
第五 訪問看護に関する基準
1 人員に関する基準
(1) 看護婦等の員数(基準第六〇条)
① 指定訪問看護ステーションの場合(基準第六〇条第一項第一号)
イ 指定訪問看護ステーションにおける保健婦、保健士、看護婦、看護士、准看護婦又は准看護士(以下「看護職員」という。)の員数については、常勤換算方法で二・五人以上と定められたが、これについては、職員の支援体制等を考慮した最小限の員数として定められたものであり、各地域におけるサービス利用の状況や利用者数及び指定訪問看護の事業の業務量を考慮し、適切な員数の人員を確保するものとする。
ロ 勤務日及び勤務時間が不定期な看護婦等についての勤務延時間数の算定については、指定訪問介護の場合と同様である。
ハ 理学療法士及び作業療法士については、実情に応じた適当数を配置するものとする(配置しないことも可能である。)。
ニ 出張所等があるときは、常勤換算を行う際の事業所の看護職員の勤務延時間数とは、出張所等における勤務延時間数も含めるものとする。
② 指定訪問看護を担当する医療機関の場合(基準第六〇条第一項第二号)
指定訪問看護事業所ごとに、指定訪問看護の提供に当たる看護職員を適当数置かなければならない。
(2) 指定訪問看護ステーションの管理者(基準第六一条)
① 指定訪問看護ステーションの管理者は常勤であり、かつ、原則として専ら当該指定訪問看護ステーションの管理業務に従事するものとする。ただし、以下の場合であって、当該指定訪問看護ステーションの管理業務に支障がないときは、他の職務を兼ねることができるものとする。
イ 当該指定訪問看護ステーションの看護職員としての職務に従事する場合
ロ 当該指定訪問看護ステーションが健康保険法による指定を受けた訪問看護ステーションである場合に、当該訪問看護ステーションの管理者又は看護職員としての職務に従事する場合
ハ 同一敷地内にある又は道路を隔てて隣接する等、特に当該指定訪問看護ステーションの管理業務に支障がないと認められる範囲内に他の事業所、施設等がある場合に、当該他の事業所等の管理者又は従業者としての職務に従事する場合(この場合の他の事業所、施設等の事業の内容は問わないが、例えば、併設される入所施設における看護業務(管理業務を含む。)との兼務は管理者の業務に支障があると考えられるが、施設における勤務時間が極めて限られている職員の場合には、例外的に認められる場合もありうる。)
② 指定訪問看護ステーションの管理者は、管理者としてふさわしいと認められる保健婦、保健士、看護婦又は看護士であって、保健婦助産婦看護婦法(昭和二三年法律第二〇三号)第一四条第三項の規定により保健婦、保健士、看護婦又は看護士の業務の停止を命ぜられ、業務停止の期間終了後二年を経過しない者に該当しないものである。
③ 管理者の長期間の傷病又は出張等の緊急やむを得ない理由がある場合には、老人の福祉の向上に関し相当の知識、経験及び熱意を有し、過去の経歴等を勘案して指定訪問看護ステーションの管理者としてふさわしいと都道府県知事に認められた者であれば、管理者として保健婦、保健士、看護婦及び看護士以外の者をあてることができるものとする。ただし、この場合においても、可能な限り速やかに常勤の保健婦、保健士、看護婦及び看護士の管理者が確保されるように努めなければならないものである。
④ 指定訪問看護ステーションの管理者は、医療機関における看護、訪問看護又は老人保健法第一九条の訪問指導の業務に従事した経験のある者である必要がある。さらに、管理者としての資質を確保するために関連機関が提供する研修等を受講していることが望ましい。
2 設備に関する基準
(1) 指定訪問看護ステーションの場合(基準第六二条第一項)
① 指定訪問看護ステーションには、運営に必要な面積を有する専用の事務室を設ける必要がある。ただし、当該指定訪問看護ステーションが健康保険法による指定を受けた訪問看護ステーションである場合には、両者を共用することは差し支えない。また、当該指定訪問看護ステーションが、他の事業の事業所を兼ねる場合には、必要な広さの専用の区画を有することで差し支えないものとする。なお、この場合に、区分されていなくても業務に支障がないときは、指定訪問看護の事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものである。
② 事務室については、利用申込みの受付、相談等に対応するのに適切なスペースを確保するものとする。
③ 指定訪問看護に必要な設備及び備品等を確保する必要がある。特に、感染症予防に必要な設備等に配慮する必要がある。ただし、他の事業所、施設等と同一敷地内にある場合であって、指定訪問看護の事業又は当該他の事業所、施設等の運営に支障がない場合は、当該他の事業所、施設等に備え付けられた設備及び備品等を使用することができるものとする。
(2) 指定訪問看護を担当する医療機関の場合(基準第六二条第二項)
① 指定訪問看護を担当する病院又は診療所には、指定訪問看護の事業を行うために必要な専用の区画を設ける必要がある。なお、業務に支障がないときは、指定訪問看護の事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものである。
② 指定訪問看護の事業に必要な設備及び備品等を確保する必要がある。ただし、設備及び備品等については、当該医療機関における診療用に備え付けられたものを使用することができるものである。
3 運営に関する基準
(1) サービス提供困難時の対応
指定訪問看護事業者が、指定訪問看護の提供を拒否する正当な理由としては、第三の3の(2)に示した理由のほか、利用申込者の病状等により、自ら適切な訪問看護の提供が困難と判断した場合が該当するが、これらの場合には、基準第六三条の規定により、指定訪問看護事業者は、主治医及び居宅介護支援事業者への連絡を行い、適当な他の指定訪問看護事業者等を紹介する等の必要な措置を速やかに講じなければならない。
(2) 健康手帳への記載
基準第六五条は、提供した指定訪問看護に関して、次のとおりその記録を利用者の健康手帳の医療の記録に係るページに記載しなければならないことを定めたものである。なお、健康手帳の医療に係るページの様式については、「健康手帳の医療の受給資格を証するページ及び医療の記録に係るページの様式」(昭和五七年一一月厚生省告示第一九二号)により定められているものである。
① 「医療機関等名称・所在地・電話」の欄には、指定訪問看護事業所の名称、所在地及び電話番号を記載すること。
② 「外来・入退院年月日」の欄には、利用開始及び終了年月日を記載すること。
(3) 利用料等の受領
① 基準第六六条第一項、第三項及び第四項については、第三の3の(10)の①、③及び④を参照されたいこと。
② 基準第六六条第二項は、利用者間の公平及び利用者の保護の観点から、法定代理受領サービスでない指定訪問看護を提供した際にその利用者から支払を受ける利用料の額及び法定代理受領サービスである指定訪問看護に係る費用の額と、医療保険給付又は老人訪問看護療養費の対象となる健康保険法及び老人保健法上の指定訪問看護の費用の額の間に不合理な差異を設けてはならないこととしたものであること。
なお、そもそも介護保険給付、医療保険給付又は老人訪問看護療養費の給付対象となる訪問看護と明確に区分されるサービスについては、第三の3の(10)の②のなお書きを参照されたいこと。
(4) 指定訪問看護の基本取扱方針及び具体的取扱方針
基準第六七条及び第六八条にいう指定訪問看護の取扱方針において、特に留意すべきことは、次のとおりであること。
① 指定訪問看護は、利用者の心身の状態を踏まえ、妥当適切に行うとともにその生活の質の確保を図るよう、主治医との密接な連携のもとに訪問看護計画に沿って行うこととしたものであること。
② 指定訪問看護の提供については、目標達成の度合いやその効果等について評価を行うとともに、訪問看護計画の修正を行い改善を図る等に努めなければならないものであること。
③ 利用者の健康状態と経過、看護の目標や内容、具体的な方法その他療養上必要な事項について利用者及び家族に理解しやすいよう指導又は説明を行うこと。
④ 指定訪問看護の提供に当たっては、医学の進歩に沿った適切な看護技術をもって対応できるよう、新しい技術の習得等、研鑽を積むことを定めたものであること。
⑤ 医学の立場を堅持し、広く一般に認められていない看護等については行ってはならないこと。
(5) 主治医との関係(基準第六九条)
① 指定訪問看護事業所の管理者は、指示書に基づき指定訪問看護が行われるよう、主治医との連絡調整、指定訪問看護の提供を担当する看護婦等の監督等必要な管理を行わなければならないこと。なお、主治医とは、利用申込者の選定により加療している医師をいい、主治医以外の複数の医師から指示書の交付を受けることはできないものであること。
② 基準第六九条第二項は、指定訪問看護の利用対象者は、その主治医が指定訪問看護の必要性を認めたものに限られるものであることを踏まえ、指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の提供の開始に際しては、利用者の主治医が発行する訪問看護指示の文書(以下「指示書」という。)の交付を受けなければならないこととしたものであること。
③ 指定訪問看護事業所の管理者は、主治医と連携を図り、適切な指定老人訪問看護を提供するため、定期的に訪問看護計画書及び訪問看護報告書を主治医に提出しなければならないこと。
④ 訪問看護の実施に当たっては、特に医療施設内の場合と異なり、看護婦等が単独で行うことに十分留意するとともに慎重な状況判断等が要求されることを踏まえ、主治医との密接かつ適切な連携を図ること。
⑤ 保険医療機関が指定訪問看護事業者である場合には、主治医の指示は診療録に記載されるもので差し支えないこと。また、訪問看護計画書及び訪問看護報告書についても看護記録等の診療記録に記載されるもので差し支えないこと。
(6) 訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成
① 基準第七〇条は、看護婦等(准看護婦及び准看護士を除く。)が利用者ごとに、訪問看護計画書及び訪問看護報告書を作成することとしたものである。
② 看護婦等は、訪問看護計画書には、利用者の希望、主治医の指示及び看護目標、具体的なサービス内容等を記載する。なお、既に居宅サービス計画等が作成されている場合には、当該計画に沿って訪問看護の計画を立案する。
③ 看護婦等は、訪問看護計画書の目標・内容等について、利用者及びその家族に理解しやすい方法で説明を行うとともに、その実施状況や評価についても説明を行う必要がある。
④ 看護婦等は、訪問看護計画書には、訪問を行った日、提供した看護内容、サービス提供結果等を記載する。なお、第七〇条に規定する報告書は、訪問の都度記載する記録とは異なり、主治医に定期的に提出するものをいう。
⑤ 管理者にあっては、訪問看護計画に沿った実施状況を把握し、計画書及び報告書に関し、助言、指導等必要な管理を行わなければならない。
⑥ 指定訪問看護事業者は、主治医との連携を図り、適切な指定訪問看護を提供するため、訪問看護計画書及び訪問看護報告書を定期的に主治医に提出しなければならない。
(7) 準用
基準第七四条の規定により、基準第八条、第九条、第一一条から第一三条まで、第一五条から第一九条まで、第二一条、第二六条、第三〇条から第三九条まで及び第五二条の規定は、指定訪問看護の事業について準用されるものであるため、第三の3の(1)、(2)、(4)から(9)まで、(11)、(14)及び(18)から(25)まで並びに第四の3の(4)を参照されたい。この場合において、次の点に留意するものとする。
① 基準第十三条(心身の状況等の把握)中「心身の状況」とあるのは、「心身の状況、病歴」と読み替えられること。
② 準用される基準第三〇条については、指定訪問看護ステーションにおいては、原則として月ごとの勤務表を作成し、看護婦等については、日々の勤務時間、職務の内容、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係等を明確にすること。指定訪問看護を担当する医療機関においては、指定訪問看護事業所ごとに、指定訪問看護に従事する看護婦等を明確にし、原則として月ごとの勤務表を作成し、それらの者の職務の内容、常勤・非常勤の別等を明確にすること。なお、指定訪問看護事業所の看護婦等については、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六〇年法律第八八号。以下「労働者派遣法」という。)に規定する派遣労働者であってはならないものであること。
③ 準用される基準第三九条により整備すべき記録は、以下のとおりであること。
イ 指定訪問看護に関する記録
a 指示書、訪問看護計画書及び訪問看護報告書(指定訪問看護事業所が保険医療機関である場合は、診療録及び診療記録の保存でも差し支えない。)
b 記録書
ロ 準用される基準第二六条に係る市町村への通知に係る記録
第六 訪問リハビリテーションに関する基準
1 人員に関する基準(基準第七六条)
指定訪問リハビリテーション事業者は、指定訪問リハビリテーション事業所ごとに、指定訪問リハビリテーションの提供に当たる理学療法士又は作業療法士を適当数置かなければならない。
2 設備に関する基準
(1) 基準第七七条は、指定訪問リハビリテーション事業所については、
① 病院又は診療所であること。
② 指定訪問リハビリテーションの事業の運営を行うために必要な広さ(利用申込の受付、相談等に対応するのに適切なスペース)を有する専用の区画を設けていること。なお、業務に支障がないときは、指定訪問リハビリテーションの事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものとすること。
③ 指定訪問リハビリテーションの提供に必要な設備及び備品等を備えていること。
としたものである。
(2) 設備及び備品等については、当該病院又は診療所における診療用に備え付けられたものを使用することができるものである。
3 運営に関する基準
(1) 利用料等の受領
基準第七八条の規定は、指定訪問看護に係る基準第六六条の規定と基本的に同趣旨であるため、第五の3の(3)を参照されたいこと。
(2) 指定訪問リハビリテーションの基本取扱方針及び具体的取扱方針(基準第七九条及び第八〇条)
① 指定訪問リハビリテーションは、利用者の心身の状態、生活環境を踏まえて、妥当適切に行うとともにその生活の質の確保を図るよう、主治の医師との密接な連携のもとに訪問リハビリテーション計画に沿って行うこととしたものであること。
② 指定訪問リハビリテーションの提供については、目標達成の度合いやその効果等について評価を行うとともに、訪問リハビリテーション計画の修正を行い改善を図る等に努めなければならないものであること。
③ 指定訪問リハビリテーションの提供に当たっては、利用者の心身状態、リハビリテーションの内容やそれを提供する目的、具体的な方法、リハビリテーションに必要な環境の整備、療養上守るべき点及び療養上必要な目標等、療養上必要な事項について利用者及びその家族に理解しやすいよう指導又は説明を行うこと。
④ 指定訪問リハビリテーションの提供に当たっては、医学の進歩に沿った適切な技術をもって対応できるよう、新しい技術の習得等、研鑽を積むことを定めたものであること。
⑤ 指定訪問リハビリテーションを行った際には、速やかに、指定訪問リハビリテーションを実施した要介護者等の氏名、実施日時、実施した訪問リハビリテーションの要点及び担当者の氏名を記録すること。
(3) 訪問リハビリテーション計画の作成(基準第八一条)
① 訪問リハビリテーション計画は、利用者ごとに、利用者の心身の状態、生活環境を踏まえて作成することとしたものである。利用者の希望、主治医の指示及び目標、具体的なリハビリテーション内容等を記載する。なお、既に居宅サービス計画等が作成されている場合には、当該計画に沿って訪問リハビリテーション計画を立案する。
② 訪問リハビリテーション計画の目標や内容等について、利用者及びその家族に理解しやすい方法で説明を行うとともに、その実施状況や評価についても説明を行う。
(4) 準用
基準第八三条の規定により、基準第八条から第一三条まで、第一五条から第一九条まで、第二一条、第二六条、第三〇条から第三三条まで、第三五条から第三九条まで、第五二条、第六四条及び第六五条の規定は、指定訪問リハビリテーションの事業について準用されるものであるため、第三の3の(1)から(9)まで、(11)、(14)及び(18)から(25)まで、第四の3の(4)並びに第五の3の(2)を参照されたいこと、この場合において、次の点に留意するものとする。
① 基準第一三条中「心身の状況」とあるのは「心身の状況、病歴」と読み替えられること。
② 準用される基準第一三条については、指定訪問リハビリテーション事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表を作成し、指定訪問リハビリテーションに従事する理学療法士及び作業療法士を明確にするとともに、それらの者の職務の内容、常勤・非常勤の別等を明確にすること。なお、指定訪問リハビリテーション事業所の理学療法士及び作業療法士については、労働者派遣法に規定する派遣労働者であってはならないものであること。
③ 準用される基準第三九条により、整備すべき記録は以下のとおりであること。
イ 指定訪問リハビリテーションに関する記録
a 訪問リハビリテーション計画書
b 診療記録その他の個々の指定訪問リハビリテーションに係る記録
ロ 準用される基準第二六条に係る市町村への通知に係る記録
第七 居宅療養管理指導に関する基準
1 人員に関する基準(基準第八五条)
指定居宅療養管理指導事業所ごとに置くべき居宅療養管理指導従業者の員数は、次に掲げる指定居宅療養管理指導事業所の種類の区分に応じ、次に定めるとおりとしたものである。
(1) 病院又は診療所である指定居宅療養管理指導事業所
① 医師又は歯科医師
② 薬剤師、歯科衛生士(歯科衛生士が行う居宅療養管理指導に相当するものを行う保健婦、保健士、看護婦、看護士、准看護婦及び准看護士を含む。以下同じ。)又は管理栄養士
その提供する指定居宅療養管理指導の内容に応じた適当数
(2) 薬局である指定居宅療養管理指導事業所 薬剤師
2 設備に関する基準
(1) 基準第八六条は、指定居宅療養管理指導事業所については、
① 病院、診療所又は薬局であること。
② 指定居宅療養管理指導の事業の運営に必要な広さを有していること。
③ 指定居宅療養管理指導の提供に必要な設備及び備品等を備えていること。
としたものである。
(2) 設備及び備品等については、当該病院又は診療所における診療用に備え付けられたものを使用することができるものである。
3 運営に関する基準
(1) 利用料等の受領
① 基準第八七条第一項及び第四項の規定は、基準第二〇条第一項及び第四項の規定と同趣旨であるため、第三の3の(10)の①及び④を参照されたい。
② 基準第八七条第二項の規定は、基準第六六条第二項の規定と基本的に同趣旨であるため、第五の3の(3)の②を参照されたい。
③ 基準第八七条第三項は、指定居宅療養管理指導の提供に関して、前二項の利用料のほかに、指定居宅療養管理指導の提供に要する交通費(通常の事業の実施地域内の交通費を含む。)の額の支払を利用者から受けることができることとし、保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないこととしたものである。
(2) 指定居宅療養管理指導の具体的取扱方針
指定居宅療養管理指導の具体的取扱方針については、基準第八九条の定めるところによるほか、次の点に留意するものとする。
① 医師又は歯科医師の行う指定居宅療養管理指導は、訪問診療等により常に利用者の病状及び心身の状況を把握し、計画的な医学的管理又は歯科医学的管理を行っている要介護者等に対して行うものであること。
② 指定居宅療養管理指導事業者は、要介護者等にサービスを提供している事業者に対して、必要に応じて迅速に指導又は助言を行うために、日頃からサービスの提供事業者や提供状況を把握するように努めること。
③ 薬剤師、歯科衛生士及び管理栄養士は、指定居宅療養管理指導を行った際には、速やかに、指定居宅療養管理指導を実施した要介護者等の氏名、実施日時、実施した居宅療養管理指導の要点及び担当者の氏名を記録すること。
(3) 運営規程
基準第九〇条は、指定居宅療養管理指導の事業の適正な運営及び利用者に対する適切な指定居宅療養管理指導の提供を確保するため、同条第一号から第五号までに掲げる事項を内容とする規程を定めることを指定居宅療養管理指導事業所ごとに義務づけたものであること。なお、第四号の「指定居宅療養管理指導の種類」としては、当該事業所により提供される指定居宅療養管理指導の提供者の職種(医師、歯科医師、薬剤師、歯科衛生士、管理栄養士)ごとの種類を規定するものであること。
(4) 準用
基準第九一条の規定により、基準第八条から第一三条まで、第一六条、第一八条、第一九条、第二一条、第二六条、第三〇条から第三三条まで、第三五条から第三九条まで、第五二条、第六四条及び第六五条の規定は、指定居宅療養管理指導の事業について準用されるものであるため、第三の3の(1)から(5)まで、(8)、(9)、(11)、(14)及び(18)から(25)まで、第四の3の(4)並びに第五の3の(2)を参照されたい。この場合において、次の点に留意するものとする。
① 基準第一三条中「心身の状況」とあるのは「心身の状況、病歴、服薬歴」と、第一八条中「初回訪問時及び利用者」とあるのは「利用者」と読み替えられること。
② 準用される基準第三〇条については、居宅療養管理指導従業者は、その職種によっては、労働者派遣法に規定する派遣労働者であってはならないものであること。
③ 準用される基準第三九条により、整備すべき記録は以下のとおりであること。
イ 指定居宅療養管理指導に関する記録
a 事業所が病院又は診療所の場合
診療録その他の提供した個々の指定居宅療養管理指導に関する記録
b 事業所が薬局の場合
医師又は歯科医師が交付した処方せんその他の提供した個々の指定居宅療養管理指導に関する記録
ロ 準用される基準第二六条に係る市町村への通知に係る記録
第八 通所介護に関する基準
1 人員に関する基準
(1) 従業者の員数(基準第九三条)
① 指定通所介護の単位とは、同時に、一体的に提供される指定通所介護をいうものであることから、例えば、次のような場合は、二単位として扱われ、それぞれの単位ごとに必要な従業者を確保する必要がある。
イ 指定通所介護が同時に一定の距離を置いた二つの場所で行われ、これらのサービスの提供が一体的に行われているといえない場合
ロ 午前と午後とで別の利用者に対して指定通所介護を提供する場合
ハ 一の事業所内で、痴呆を有する利用者のみを対象とする指定通所介護と、それ以外の指定通所介護を行っている場合
② 提供時間帯を通じて専ら当該指定通所介護の提供に当たる従業者を確保するとは、指定通所介護の単位ごとに生活相談員、看護職員、介護職員について、提供時間帯に当該職種の従業者が常に確保されるよう必要な配置を行うよう定めたものである(例えば、提供時間帯を通じて専従する生活相談員の場合、その員数は一人となるが、提供時間帯の二分の一ずつの時間専従する生活相談員の場合は、その員数としては二人が必要となる。)。
③ なお、ここでいう利用者の数又は利用定員は、単位ごとの指定通所介護についての利用者の数又は利用定員をいうものであり、利用者の数は実人員、利用定員は、あらかじめ定めた利用者の数の上限をいうものである。従って、例えば、一日のうちの午前の提供時間帯に利用者一〇人に対して指定通所介護を提供し、午後の提供時間帯に別の利用者一〇人に対して指定通所介護を提供する場合であって、それぞれの指定通所介護の定員が一〇人である場合には、当該事業所の利用定員は一〇人、必要となる介護職員の員数は午前午後それぞれ一人ということとなり、人員算定上午前の利用者の数と午後の利用者の数が合算されるものではない。
④ 同一事業所で複数の単位の指定通所介護を同時に行う場合には、同時に行われる単位の数の常勤の従業者が必要となるものである(基準第九三条第五項・第六項関係)。
(2) 生活相談員(基準第九三条第一項第一号)
生活相談員については、特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成一一年三月三一日厚生省令第四六号)第五条第二項に定める生活相談員に準ずるものである。
(3) 機能訓練指導員(基準第九三条第四項)
機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者とされたが、この「訓練を行う能力を有する者」とは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する者とする。ただし、利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練については、当該事業所の生活相談員又は介護職員が兼務して行っても差し支えない。
(4) 管理者(基準第九四条)
訪問介護の場合と同趣旨であるため、第三の1の(3)を参照されたい。
2 設備に関する基準(基準第九五条)
(1) 事業所
事業所とは、指定通所介護を提供するための設備及び備品を備えた場所をいう。原則として一の建物につき、一の事業所とするが、利用者の利便のため、利用者に身近な社会資源(既存施設)を活用して、事業所の従業者が当該既存施設に出向いて指定通所介護を提供する場合については、これらを事業所の一部とみなして設備基準を適用するものである。
(2) 食堂及び機能訓練
① 指定通所介護事業所の食堂及び機能訓練室(以下「指定通所介護の機能訓練室等」という。)については、三平方メートルに利用定員を乗じて得た面積以上とすることとされたが、指定通所介護が原則として同時に複数の利用者に対し介護を提供するものであることに鑑み、狭隘な部屋を多数設置することにより面積を確保すべきではないものである。ただし、指定通所介護の単位をさらにグループ分けして効果的な指定通所介護の提供が期待される場合はこの限りではない。
② 指定通所介護の機能訓練室等と、指定通所介護事業所と併設の関係にある医療機関や介護老人保健施設における指定通所リハビリテーションを行うためのスペースについては、以下の条件に適合するときは、これらが同一の部屋等であっても差し支えないものとする。
イ 当該部屋等において、指定通所介護の機能訓練室等と指定通所リハビリテーションを行うためのスペースが明確に区分されていること。
ロ 指定通所介護の機能訓練室等として使用される区分が、指定通所介護の設備基準を満たし、かつ、指定通所リハビリテーションを行うためのスペースとして使用される区分が、指定通所リハビリテーションの設備基準を満たすこと。
3 運営に関する基準
(1) 利用料等の受領
① 基準第九六条第一項、第二項及び第四項の規定は、指定訪問介護に係る第二〇条第一項、第二項及び第四項の規定と同趣旨であるため、第三の3の(10)の①、②及び④を参照されたい。
② 基準第九六条第三項は、指定通所介護事業者は、指定通所介護の提供に関して、
イ 利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域に居住する利用者に対して行う送迎に要する費用
ロ 指定通所介護に通常要する時間を超える指定通所介護であって利用者の選定に係るものの提供に伴い必要となる費用の範囲内において、通常の指定通所介護に係る居宅介護サービス費用基準額又は居宅支援サービス費用基準額を超える費用
ハ 食材料費
ニ おむつ代
ホ 前各号に掲げるもののほか、通所介護の提供において提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その利用者に負担させることが適当と認められるもの
については、前二項の利用料のほかに利用者から支払を受けることができることとし、保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないこととしたものである。なお、ホの費用の具体的な範囲については、別に通知するところによるものである。
(2) 指定通所介護の基本取扱方針及び具体的取扱方針
指定通所介護の基本取扱方針及び具体的取扱方針については、基準第九七条及び第九八条の定めるところによるほか、次の点に留意するものとする。
① 指定通所介護は、個々の利用者に応じて作成された通所介護計画に基づいて行われるものであるが、グループごとにサービス提供が行われることを妨げるものではないこと。
② 基準第九八条第二号で定める「サービスの提供方法等」とは、通所介護計画の目標及び内容や利用日の行事及び日課等も含むものであること。
③ 痴呆の状態にある要介護者等で、他の要介護者等と同じグループとして、指定通所介護を提供することが困難な場合には、必要に応じグループを分けて対応すること。
(3) 通所介護計画の作成
① 基準第九九条で定める通所介護計画については、介護の提供に係る計画等の作成に関し経験のある者や、介護の提供について豊富な知識及び経験を有する者にそのとりまとめを行わせるものとし、当該事業所に介護支援専門員の資格を有する者がいる場合は、その者に当該計画のとりまとめを行わせることが望ましい。
② 指定通所介護計画は、サービスの提供に関わる従業者が共同して個々の利用者ごとに作成するものである。
③ 指定通所介護計画の目標及び内容については、利用者又は家族に説明を行うとともに、その実施状況や評価についても説明を行うものとする。
(4) 運営規程
基準第一〇〇条は、指定通所介護の事業の適正な運営及び利用者に対する適切な指定通所介護の提供を確保するため、同条第一号から第一〇号までに掲げる事項を内容とする規程を定めることを指定通所介護事業所ごとに義務づけたものであるが、特に次の点に留意するものとする。
① 指定通所介護の利用定員(第四号)
利用定員とは、当該指定通所介護事業所において同時に指定通所介護の提供を受けることができる利用者の数の上限をいうものであること(第一一七条第四号の「指定通所リハビリテーションの利用定員」についても同趣旨)。
② 指定通所介護の内容及び利用料その他の費用の額(第五号)
「指定通所介護の内容」については、入浴、食事の有無等のサービスの内容を指すものであること(第一一七条第五号の「指定通所リハビリテーションの内容」についても同趣旨)。
③ サービス利用に当たっての留意事項(第七号)
利用者が指定通所介護の提供を受ける際に、利用者側が留意すべき事項(機能訓練室を利用する際の注意事項等)を指すものであること(第一一七条第七号についても同趣旨)。
④ 非常災害対策
(6)の非常災害に関する具体的計画を指すものであること(第一一七条第八号、第一三七条第八号、第一五三条第六号、第一六八条第六号及び第一八九条第八号についても同趣旨)。
(5) 勤務体制の確保等
基準第一〇一条は、利用者に対する適切な指定通所介護の提供を確保するため、職員の勤務体制等について規定したものであるが、このほか次の点に留意するものとする。
① 指定通所介護事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表を作成し、通所介護従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、専従の生活相談員、看護職員及び介護職員の配置、管理者との兼務関係等を明確にすること。
② 同条第二項は、原則として、当該指定通所介護事業所の従業者たる通所介護従業者によって指定通所介護を提供するべきであるが、調理、洗濯等の利用者の処遇に直接影響を及ぼさない業務については、第三者への委託等を行うことを認めるものであること。
(6) 非常災害対策
基準第一〇三条は、指定通所介護事業者は、非常災害に際して必要な具体的計画の策定、避難、救出訓練の実施等の対策の万全を期さなければならないこととしたものである。なお「非常災害に関する具体的計画」とは、消防法施行規則第三条に規定する消防計画(これに準ずる計画を含む。)及び風水害、地震等の災害に対処するための計画をいう。この場合、消防計画の策定及びこれに基づく消防業務の実施は、消防法第八条の規定により防火管理者を置くこととされている指定通所介護事業所にあってはその者に行わせるものとする。また、防火管理者を置かなくてもよいこととされている指定通所介護事業所においても、防火管理について責任者を定め、その者に消防計画に準ずる計画の樹立等の業務を行わせるものとする。
(7) 衛生管理等
基準第一〇四条は、指定通所介護事業所の必要最低限の衛生管理等について規定したものであるが、このほか、次の点に留意するものとする。
① 指定通所介護事業者は、食中毒及び感染症の発生を防止するための措置等について、必要に応じ保健所の助言、指導を求めるとともに、密接な連携を保つこと。
② 空調設備等により施設内の適温の確保に努めること。
(8) 準用
基準第一〇五条の規定により、基準第八条から第一七条まで、第一九条、第二一条、第二六条、第二七条、第三二条から第三九条まで及び第五二条は、指定通所介護の事業について準用されるものであるため、第三の3の(1)から(7)まで、(9)、(11)、(14)、(15)及び(20)から(25)並びに第四の3の(4)を参照されたい。この場合において、準用される基準第三九条により、整備すべき記録は以下のとおりである。
イ 指定通所介護に関する記録
a 通所介護計画書
b 提供した個々の指定通所介護に係る記録
ロ 準用される基準第二六条に係る市町村への通知に係る記録
4 基準該当通所介護に関する基準
(1) 従業者の員数及び管理者(基準第一〇六条及び第一〇七条)
常勤の従業者を置く必要がない点及び管理者が常勤である必要がない点を除けば、指定通所介護の基準と同様であり、第八の1を参照されたい。
(2) 設備に関する基準(基準第一〇八条)
指定通所介護の場合と異なり、機能訓練や食事のためのスペースが確保されればよく、そのスペースが「機能訓練室」「食堂」といえるものである必要はないが、この点を除けば、指定通所介護の基準と同様であり、第八の2を参照されたい。
(3) 運営に関する基準
基準第一〇九条の規定により、基準第八条から第一四条まで、第一六条、第一七条、第一九条、第二一条、第二六条、第二七条、第三二条から第三九条まで、第五二条、第九二条及び第七章第四節(第九六条第一項及び第一〇五条を除く。)の規定は、基準該当通所介護の事業について準用されるものであるため、第三の3の(1)から(5)まで、(7)、(9)、(11)、(14)、(15)及び(20)から(25)まで、第四の3の(4)並びに第八の3を参照されたいこと。この場合において、準用される基準第九六条第二項の規定は、基準該当通所介護事業者が利用者から受領する利用料について、当該サービスが結果的に保険給付の対象となる場合もならない場合も、特例居宅介護サービス費又は特例居宅支援サービス費を算定するための基準となる費用の額(一〇〇分の九〇を乗ずる前の額)との間に不合理な差額が生じることを禁ずることにより、結果的に保険給付の対象となるサービスの利用料と、保険給付の対象とならないサービスの利用料との間に、一方の管理経費の他方への転嫁等による不合理な差額を設けることを禁止する趣旨である。なお、当該事業所による通所介護が複数の市町村において基準該当通所介護と認められる場合には、利用者の住所地によって利用料が異なることは認められないものである。
第九 通所リハビリテーション
1 人員に関する基準
(1) 指定通所リハビリテーション事業所が病院又は診療所である場合(ただし(2)の診療所である場合を除く)(基準第一一一条第一項)
① 医師(第一号)
イ 専任の常勤医師が一人以上勤務していること。
ロ 利用者数は、専任の常勤医師一人に対し一日四〇人以内であること。
② 理学療法士若しくは作業療法士又は看護婦、看護士、准看護婦若しくは准看護士(以下「従事者」という。)(第二号)
イ 利用者数は、専従する従事者二人に対し一単位二〇人以内とし、一日二単位を限度とすること。
ロ 専従する従事者二人のうち一人については、作業療法士若しくは理学療法士又は経験を有する看護婦であること。
ハ ロの従事者が経験を有する看護婦である場合(要するに、理学療法士又は作業療法士が専従する従業者に含まれない場合)にあっては、一単位につき週一日以上作業療法士又は理学療法士が勤務していること。
ニ 経験を有する看護婦とは、老人保健法の規定による医療に要する費用の額の算定に関する基準(以下「老人診療報酬点数表」という。)に定める老人デイケア、重度痴呆患者デイケア、精神科デイケア、作業療法(老人作業療法を含む。)、理学療法(老人理学療法を含む。)に係る施設設備の届出を行った保険医療機関等において、それらに一年以上従事した者であること。
ホ 専従する従業者二人のうちロの従事者以外の者については、看護職員で差し支えないものであること。
③ 介護職員(第三号)
利用者の要介護状態等の実情を勘案して適当な数を配置すること。
(2) 指定通所リハビリテーション事業所が診療所である場合(基準第一一一条第二項)
① 医師(第一号)
イ 専任の医師が一人勤務していること。
ロ 患者数は、専任の医師一人に対し一日四〇人以内であること。
② 理学療法士若しくは作業療法士又は看護婦、看護士、准看護婦若しくは准看護士(以下「従事者」という。)(第二号)
イ 利用者数は、専従する従事者二人に対し一単位一〇人以内とし、一日二単位を限度とする。
ロ 専従する従事者二人のうち一人については、作業療法士若しくは理学療法士又は経験を有する看護婦であること。
ハ 経験を有する看護婦とは、老人診療報酬点数表に定める老人デイケア・重度痴呆患者デイケア、精神科デイケア、作業療法(老人作業療法を含む。)、理学療法(老人理学療法を含む。)に係る施設基準の届出を行った保険医療機関等において、それらに一年以上従事した者であること。
ニ 専従する従事者二人のうち前記②以外の者については、看護職員又は介護職員で差し支えないこと。
(3) 指定通所リハビリテーション事業所が介護老人保健施設である場合(基準第一一一条第三項)
介護老人保健施設が行う指定通所リハビリテーション事業における人員に関する基準については、基準上は、指定通所リハビリテーションに係る人員についてのみの規定としているが、介護老人保健施設の入所者に係る人員の員数の合計は、以下のとおりとなるものである。
① 医師(第一号)
イ 入所定員が一〇〇人に満たない介護老人保健施設で、常勤医師が一人以上配置されている場合にあっては、一人に加え、一〇〇から入所定員を除いた数に入所定員の三割を加えた数を超える利用者の数を二〇〇で除した数以上の医師が常勤又は非常勤で配置されていることが必要であること。例えば、入所定員八〇人の介護老人保健施設の場合で五四人の利用者がある場合は、介護老人保健施設の基準において必要な一人に、〔54-{(100-80)+80×3割}〕/200の計算による〇・〇五人分を加えた一・〇五人分が必要であること。
ロ イ以外の介護老人保健施設の場合にあっては、介護老人保健施設の基準において最低限配置することとされている医師の数に加え、入所定員の三割を超える利用者の数を二〇〇で除した数以上の医師が常勤又は非常勤で配置されていることが必要であること。例えば、入所定員一二〇人の介護老人保健施設で五六人の利用者がある場合は、介護老人保健施設の基準において必要な一・二人の医師に、(56-120×3割)/200の計算による〇・一人分を加えた一・三人分の配置が必要であること。
② 理学療法士又は作業療法士(第二号)
常勤換算方法で、利用者数に入所者数を加えた合計数を一〇〇で除して得た数以上の員数を配置するものである。
③ 看護職員又は介護職員(第三号)
イ 専従の看護・介護職員は、指定通所リハビリテーションの提供時間帯以外の時間帯において介護老人保健施設の入所者に対するサービスの提供に当たることは、差し支えないものである。ただし、介護老人保健施設の看護・介護職員の常勤換算方法における勤務延時間数に、指定通所リハビリテーションに従事した勤務時間は含まれないものである。
ロ 専従の従事者の中に看護職員が含まれていない場合においても、専任の看護職員を少なくとも一名配置するものとする。ただし、当該専任の看護職員は、通所リハビリテーション業務に支障がない限り、入所者に対する業務と兼務しても差し支えない。
④ 支援相談員(第四号)
常勤換算方法で、利用者数に入所者数を加えた合計数を一〇〇で除して得た数以上の員数を配置するものである。
2 設備に関する基準
(1) 指定通所リハビリテーション事業を行う事業所ごとに備える設備については、専ら当該事業の用に供するものでなければならないこととされているが、病院、診療所、介護老人保健施設が互いに併設される場合(同一敷地内にある場合、又は公道をはさんで隣接している場合をいう。)であって、そのうちの複数の施設において、指定通所リハビリテーション事業を行う場合には、以下の条件に適合するときは、それぞれの指定通所リハビリテーションを行うためのスペースが同一の部屋等であっても差し支えないものとする。
① 当該部屋等において、それぞれの指定通所リハビリテーションを行うためのスペースが明確に区分されていること。
② それぞれの指定通所リハビリテーションを行うためのスペースが、次に掲げる面積要件(基準第一一二条各号)を満たしていること。
イ 病院又は診療所(基準第一一一条第二項の適用を受けるものを除く。)の場合 利用定員が一五人までは四五平方メートル以上、それ以上利用定員が一人増すごとに三平方メートルを加えた面積以上のものを有すること。
ロ 基準第一一一条第二項の適用を受ける診療所の場合 利用定員が一〇人までは三〇平方メートル以上、それ以上利用定員が一人増すごとに三平方メートル加えた面積以上のものを有すること。
ハ 介護老人保健施設の場合 当該部屋等の面積と利用者用に確保されている食堂の面積の合計が、三平方メートルに利用定員数を乗じて得た面積以上であるものを有すること。
(2) 指定通所リハビリテーションを行うためのスペースと、当該指定通所リハビリテーション事業所と併設の関係にある特別養護老人ホーム、社会福祉施設等における指定通所介護の機能訓練室等との関係については、第八の2の(2)の②を参照されたい。
3 運営に関する基準
(1) 通所リハビリテーションの具体的取扱方針及び通所リハビリテーション計画の作成
基準第一一四条及び第一一五条に定めるところによるほか、次の点に留意するものとする。
① 指定通所リハビリテーションは、個々の利用者に応じて作成された通所リハビリテーション計画に基づいて行われるものであるが、グループごとにサービス提供が行われることを妨げるものではないこと。
② 指定通所リハビリテーション計画は、医師の診察内容及び運動機能検査等の結果を基に、指定通所リハビリテーションの提供に関わる従業者が共同して個々の利用者ごとに作成するものであること。
③ 指定通所リハビリテーション計画の目標及び内容については、利用者又は家族に説明を行うとともに、その実施状況や評価についても説明を行うこと。
④ 痴呆の状態にある要介護者等で、他の要介護者と同じグループとして、指定通所リハビリテーションを提供することが困難な場合には、必要に応じグループを分けて対応すること。
⑤ 指定通所リハビリテーションをより効果的に実施するため、支援相談員や医療ソーシャルワーカー等の協力を得て実施することが望ましいこと。
⑥ 主として痴呆等の精神障害を有する利用者を対象とした指定通所リハビリテーションにあっては、作業療法士等の従業者により、主として脳血管疾患等に起因する運動障害を有する利用者にあっては、理学療法士等の従業者により効果的に実施されるべきものであること。
(2) 管理者等の責務
基準第一一六条第一項は、指定通所リハビリテーション事業所の管理者は、医師、理学療法士、作業療法士又は専ら指定通所リハビリテーションの提供に当たる看護婦又は看護士のうちから選任した者に、必要な管理の代行をさせることができる旨を明記したものであること。この場合、組織図等により、指揮命令系統を明確にしておく必要がある。
(3) 衛生管理等
基準第一一八条第一項は、指定通所リハビリテーション事業所の必要最低限の衛生管理等を規定したものであるが、このほか、次の点に留意するものとする。
① 指定通所リハビリテーション事業者は、食中毒及び感染症の発生を防止するための措置等について、必要に応じ保健所の助言、指導を求めるとともに、密接な連携を保つこと。
② 医薬品の管理については、当該指定通所リハビリテーション事業所の実情に応じ、地域の薬局の薬剤師の協力を得て行うことも考えられること。
③ 空調設備等により施設内の適温の確保に努めること。
(4) 準用
基準第一一九条の規定により、基準第八条から第一三条まで、第一五条から第一七条まで、第一九条、第二一条、第二六条、第二七条、第三二条、第三三条、第三五条から第三九条まで、第六四条、第六五条、第九六条及び第一〇一条から第一〇三条までの規定は、指定通所リハビリテーションの事業について準用されるものであることから、第三の3の(1)から(7)まで、(9)、(11)、(14)、(15)及び(20)から(25)まで、第五の3の(2)並びに第八の3の(1)、(5)及び(6)を参照されたい。この場合において、特に次の点に留意するものとする。
① 基準第一三条中「心身の状況」とあるのは「心身の状況、病歴」と読み替えられることに留意されたいこと。
② 準用される基準第三九条により、整備すべき記録は以下のとおりであること。
イ 指定通所リハビリテーションに関する記録
a 通所リハビリテーション計画書
b 診療記録その他の提供した個々の指定通所リハビリテーションに係る記録
ロ 準用される基準第二六条に係る市町村への通知に係る記録
③ 準用される基準第六五条は、指定通所リハビリテーションの提供に当たっては、これまでどおり健康手帳の医療に関するページに、指定通所リハビリテーションの提供開始日及び指定通所リハビリテーション事業者の名称を記載することとしたものであること。ただし、特定疾病の患者等で健康手帳を有さない要介護者については、記載しなくてもよいこととなったこと。
④ 準用される基準第一〇一条第一項については、指定通所リハビリテーション事業所ごとに、通所リハビリテーション従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、専従の理学療法士、作業療法士、経験看護婦等、看護職員及び介護職員の配置、管理者との兼務関係等を勤務表上明確にし、人員に関する基準が満たされていることを明らかにする必要があること。
第一〇 短期入所生活介護
1 人員に関する基準(基準第一二一条及び第一二二条)
(1) 従業者の員数
① 基準第一二一条第二項の適用を受ける特別養護老人ホームとは、入所者に利用されていない居室又はベッドを利用して指定短期入所生活介護を行う特別養護老人ホームを意味するものである。
② 併設事業所については、
イ 基準第一二一条第四項の「特別養護老人ホーム等と一体的に運営が行われる」とは、併設本体施設の事業に支障が生じない場合で、かつ、夜間における介護体制を含めて指定短期入所生活介護を提供できる場合である。
ロ 医師、栄養士及び機能訓練指導員については、併設本体施設に配置されている場合であって当該施設の事業に支障を来さない場合は兼務させて差し支えない。
ハ 生活相談員、介護職員及び看護職員の員数については、併設されているのが特別養護老人ホームである場合には、特別養護老人ホームとして確保すべき員数と指定短期入所生活介護事業所として確保すべき員数の合計を、特別養護老人ホームの入所者と併設事業所の利用者の数とを合算した数について常勤換算方法により必要とされる従業者の数とするものである。例えば、入所者五〇人、利用者一〇人の場合の看護・介護職員の員数は、50÷3=17(端数切り上げ)と10÷3=4(端数切り上げ)の合計で二一人となるのではなく、(50+10)÷3=20人となる。
ニ また、併設されているのが特別養護老人ホームでない場合も、従業者の員数の計算上、特別養護老人ホームの場合と同様の端数の処理を行うことができるものとする。例えば、特定施設に併設されている場合で、特定施設入所者生活介護の利用者が一一〇人、短期入所生活介護の利用者が二〇人である場合の生活相談員の員数は、110+20=130人について計算するため、合計で二人ということとなる。
(2) 生活相談員(基準第一二一条第一項第二号)
生活相談員については、特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成一一年三月三一日厚生省令第四六号)第五条第二項に定める生活相談員に準ずるものとする。
(3) 機能訓練指導員(基準第一二一条第六項)
機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者とされたが、この「訓練を行う能力を有する者」とは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する者とする。ただし、利用者の日常生活やレクリエーション、行事等を通じて行う機能訓練については、当該事業所の生活相談員又は介護職員が兼務して行っても差し支えない。
(4) 栄養士
基準第一二一条第一項ただし書に規定する「他の社会福祉施設等の栄養士との連携を図ることにより当該指定短期入所生活介護事業所の効果的な運営を期待することができる場合であって、利用者の処遇に支障がないとき」とは、隣接の他の社会福祉施設や病院等の栄養士との兼務や地域の栄養指導員(栄養改善法第九条第一項に規定する栄養指導員をいう。)との連携を図ることにより、適切な栄養管理が行われている場合である。
(5) 管理者
指定短期入所生活介護事業所の管理者は常勤であり、かつ、原則として専ら当該事業所の管理業務に従事するものである。ただし、以下の場合であって、当該事業所の管理業務に支障がないときは、他の職務を兼ねることができるものとする。
① 当該指定短期入所生活介護事業所の短期入所生活介護従業者としての職務に従事する場合
② 同一敷地内にある又は道路を隔てて隣接する等、特に当該事業所の管理業務に支障がないと認められる範囲内に他の事業所、施設等がある場合に、当該他の事業所、施設等の管理者又は従業者としての職務に従事する場合(この場合の他の事業所、施設等の事業の内容は問わないが、例えば、併設される訪問系サービスの事業所のサービス提供を行う従業者との兼務は一般的には管理業務に支障があると考えられるが、訪問系サービス事業所における勤務時間が極めて限られている職員の場合には、例外的に認められる場合もありうる。)
(6) 経過措置(基準附則第二条)
平成一七年三月三一日までの間は、介護職員又は看護職員の員数を、常勤換算方法で、利用者の数が四・一又はその端数を増すごとに一人以上でよいものとされている。ただし、できるだけ早期に三:一へ移行できるよう努めるものとする。なお、平成一二年四月一日以降に新たに開始される事業所にあっては、既存の施設に対する経過措置として設けた趣旨にかんがみ、可能な限り、職員配置を三:一以上とすることが望ましい。
2 設備に関する基準(基準第一二三条及び第一二四条)
(1) 指定短期入所生活介護事業所の建物は、利用者が身体的、精神的に障害を有する者であることに鑑み、利用者の日常生活のために使用しない附属の建物を除き耐火建築物としなければならない。ただし、利用者の日常生活に充てられる居室、静養室、食堂、浴室及び機能訓練室を二階以上の階及び地階のいずれにも設けていない建物については、準耐火建築物とすることができる。
(2) 指定短期入所生活介護事業所の設備は、当該指定短期入所生活介護の運営上及びサービス提供上当然設けなければならないものであるが、同一敷地内に他の社会福祉施設が設置されている場合等であって、当該施設の設備を利用することにより指定短期入所生活介護事業所の効果的な運営が図られ、かつ、当該指定短期入所生活介護事業所の利用者及び当該施設の入所者のサービス提供に支障がない場合には、利用者が日常継続的に使用する設備以外の調理室等の設備について、その一部を設けないことができる。なお、指定短期入所生活介護事業者が利用する他の施設の当該設備については、本基準に適合するものでなければならない。
(3) 便所等面積又は数の定めのない設備については、それぞれの設備の持つ機能を十分に発揮し得る適当な広さ又は数を確保するよう配慮するものとする。
(4) 指定短期入所生活介護事業所における廊下の幅は、利用者の身体的、精神的特性及び非常災害時における迅速な避難、救出の確保を考慮して定められたものである。なお、「中廊下」とは、廊下の両側に居室、静養室等利用者の日常生活に直接使用する設備のある廊下をいう。
(5) 指定短期入所生活介護事業所に設置する傾斜路は、利用者の歩行及び輸送車、車椅子等の昇降並びに災害発生時の避難、救出に支障がないようその傾斜はゆるやかにし、表面は、粗面又はすべりにくい材料で仕上げるものとする。
(6) 調理室には、食器、調理器具等を消毒する設備、食器、食品等を清潔に保管する設備並びに防虫及び防鼠の設備を設けるものとする。
(7) 汚物処理室は、他の設備と区別された一定のスペースを有すれば足りるものである。
(8) 焼却路、浄化槽その他の汚物処理設備及び便槽を設ける場合には、居室、静養室、食堂及び調理室から相当の距離を隔てて設けるものとする。
(9) 経過措置(基準附則第三条)
この省令の施行の際現に存する老人短期入所事業を行っている施設又は老人短期入所施設(基本的な設備が完成されているものを含み、この省令の施行の後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)については、設備基準のうち一の居室の定員に関する基準(四人以下)、利用者一人当たりの床面積に関する基準(一〇・六五平方メートル以上)、食堂及び機能訓練室の面積に関する基準(三平方メートルに利用定員を乗じて得た面積以上)並びに構造設備の基準(廊下の幅の基準、常夜灯の設置、傾斜路の設置等)を適用しないものである。
3 運営に関する基準
(1) 内容及び手続の説明及び同意
基準第一二五条における「サービスの内容及び利用期間等についての同意」については、書面によって確認することが望ましいものである。
(2) 指定短期入所生活介護の開始及び終了
基準第一二六条第二項は、利用者が指定短期入所生活介護の利用後においても、利用前と同様のサービスを受けられるよう、指定短期入所生活介護事業者は、居宅介護支援事業者その他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携により、指定短期入所生活介護の提供の開始前から終了後に至るまで利用者が継続的に保健医療サービス又は福祉サービスを利用できるよう必要な援助に努めなければならないこととしたものである。
(3) 利用料等の受領
① 基準第一二七条第一項、第二項及び第四項の規定は、指定訪問介護に係る第二〇条第一項、第二項及び第四項の規定と同趣旨であるため、第三の3の(10)の①、②及び④を参照されたい。
② 基準第一二七条第三項は、指定短期入所生活介護事業者は、指定短期入所生活介護の提供に関して、
イ 厚生大臣の定める基準に基づき利用者が選定する特別な居室(国若しくは地方公共団体の負担若しくは補助又はこれらに準ずるものを受けて建築され、買収され、又は改造されたものを除く。)の提供を行ったことに伴い必要となる費用
ロ 送迎に要する費用(厚生大臣が別に定める場合を除く。)
ハ 食材料費
ニ 理美容代

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指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について

○指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について
(平成一一年七月二九日)
(老企第二二号)
(各都道府県介護保険主管部(局)長あて厚生省老人保健福祉局企画課長通知)
介護保険法(平成九年法律第一二三号)第四七条第一項第一号並びに第八一条第一項及び第二項の規定に基づく「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(以下「基準」という。)については、平成一一年三月三一日厚生省令第三八号をもって公布され、平成一二年四月一日より施行されるところであるが、基準の趣旨及び内容は左記のとおりであるので、御了知の上、管下市町村、関係団体、関係機関等にその周知徹底を図るとともに、その運用に遺憾のないようにされたい。
第一 基準の性格
一 基準は、指定居宅介護支援の事業及び基準該当居宅介護支援の事業がその目的を達成するために必要な最低限度の基準を定めたものであり、指定居宅介護支援事業者及び基準該当居宅介護支援事業者は、基準を充足することで足りるとすることなく常にその事業の運営の向上に努めなければならないものである。
二 基準第一章から第三章までを満たさない場合には、指定居宅介護支援事業者の指定を受けることはできず、また、運営開始後、基準に違反することが明らかになった場合は、都道府県知事の指導等の対象となり、この指導等に従わない場合には、当該指定を取り消すことができるものである。
三 運営に関する基準に従って事業の運営をすることができなくなったことを理由として指定が取り消された直後に再度当該事業者から指定の申請がなされた場合には、当該事業者が運営に関する基準を遵守することを確保することに特段の注意が必要であり、その改善状況等が確認されない限り指定を行わないものとする。
第二 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準
一 基本方針
介護保険制度においては、要介護者及び要支援者(以下「要介護者等」という。)である利用者に対し、個々の解決すべき課題、その心身の状況や置かれている環境等に応じて保健・医療・福祉にわたる指定居宅サービス等が、多様なサービス提供主体により総合的かつ効率的に提供されるよう、居宅介護支援を保険給付の対象として位置づけたものであり、その重要性に鑑み、保険給付率についても特に一〇割としているところである。
基準第一条第一項は、「在宅介護の重視」という介護保険制度の基本理念を実現するため、指定居宅介護支援の事業を行うに当たってのもっとも重要な基本方針として、利用者からの相談、依頼があった場合には、利用者自身の立場に立ち、常にまず、その居宅において日常生活を営むことができるように支援することができるかどうかという視点から検討を行い支援を行うべきことを定めたものである。
このほか、指定居宅介護支援の事業の基本方針として、介護保険制度の基本理念である、高齢者自身によるサービスの選択、保健・医療・福祉サービスの総合的、効率的な提供、利用者本位、公正中立等を掲げている。介護保険の基本理念を実現する上で、指定居宅介護支援事業者が極めて重要な役割を果たすことを求めたものであり、指定居宅介護支援事業者は、常にこの基本方針を踏まえた事業運営を図らなければならない。
二 人員に関する基準
指定居宅介護支援事業者は、指定居宅介護支援事業所に介護支援専門員を配置しなければならないが、利用者の自立の支援及び生活の質の向上を図るための居宅介護支援の能力を十分に有する者を充てるよう心がける必要がある。
また、基準第二条及び第三条に係る運用に当たっては、次の点に留意する必要がある。
(一) 介護支援専門員の員数
介護支援専門員は、指定居宅介護支援事業所ごとに必ず一人以上を常勤で置くこととされており、常勤の考え方は(三)の①のとおりである。常勤の介護支援専門員を置くべきこととしたのは、指定居宅介護支援事業所の営業時間中は、介護支援専門員は常に利用者からの相談等に対応できる体制を整えている必要があるという趣旨であり、介護支援専門員がその業務上の必要性から、又は他の業務を兼ねていることから、当該事業所に不在となる場合であっても、管理者、その他の従業者等を通じ、利用者が適切に介護支援専門員に連絡が取れる体制としておく必要がある。
なお、介護支援専門員については、他の業務との兼務を認められているところであるが、これは、居宅介護支援の事業が、指定居宅サービス等の実態を知悉する者により併せて行われることが、より効果的であると考えられるためである。
また、当該常勤の介護支援専門員の配置は利用者の数五〇人に対して一人を標準とするものであり、利用者の数が五〇人又はその端数を増すごとに増員することが望ましい。ただし、当該増員に係る介護支援専門員については非常勤とすることを妨げるものではない。
また、当該非常勤の介護支援専門員に係る他の業務との兼務については、介護保険施設に置かれた常勤専従の介護支援専門員との兼務を除き、差し支えないものであり、当該他の業務とは必ずしも指定居宅サービス事業の業務を指すものではない。
(二) 管理者
指定居宅介護支援事業所に置くべき管理者は、専らその職務に従事する常勤の者でなければならないが、当該指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員の職務に従事する場合及び管理者が同一敷地内にある他の事業所の職務に従事する場合(その管理する指定居宅介護支援事業所の管理に支障がない場合に限る。)はこの限りでないこととされている。この場合、同一敷地内にある他の事業所とは、必ずしも指定居宅サービス事業を行う事業所に限るものではなく、例えば、介護保険施設、病院、診療所、薬局等の業務に従事する場合も、当該指定居宅介護支援事業所の管理に支障がない限り認められるものである。
指定居宅介護支援事業所の管理者は、指定居宅介護支援事業所の営業時間中は、常に利用者からの利用申込等に対応できる体制を整えている必要があるものであり、管理者が介護支援専門員を兼務していて、その業務上の必要性から当該事業所に不在となる場合であっても、その他の従業者等を通じ、利用者が適切に管理者に連絡が取れる体制としておく必要がある。
また、例えば、訪問系サービスの事業所において訪問サービスそのものに従事する従業者との兼務は一般的には管理者の業務に支障があると考えられるが、訪問サービスに従事する勤務時間が限られている職員の場合には、支障がないと認められる場合もありうる。また、併設する事業所に原則として常駐する老人介護支援センターの職員、訪問介護、訪問看護等の管理者等との兼務は可能と考えられる。なお、介護保険施設の常勤専従の介護支援専門員との兼務は認められないものである。
(三) 用語の定義
「常勤」及び「専らその職務に従事する」の定義はそれぞれ次のとおりである。
① 「常勤」
当該事業所における勤務時間(当該事業所において、指定居宅介護支援以外の事業を行っている場合には、当該事業に従事している時間を含む。)が、当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(週三二時間を下回る場合は週三二時間を基本とする。)に達していることをいうものである。同一の事業者によって当該事業所に併設される事業所の職務であって、当該事業所の職務と同時並行的に行われることが差し支えないと考えられるものについては、その勤務時間が常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していれば、常勤の要件を満たすものであることとする。例えば、同一の事業者によって指定訪問介護事業所が併設されている場合、指定訪問介護事業所の管理者と指定居宅介護支援事業所の管理者を兼務している者は、その勤務時間が所定の時間に達していれば、常勤要件を満たすこととなる。
② 「専らその職務に従事する」
原則として、サービス提供時間帯を通じて当該サービス以外の職務に従事しないことをいうものである。
③ 「事業所」
事業所とは、介護支援専門員が居宅介護支援を行う本拠であり、具体的には管理者がサービスの利用申込の調整等を行い、居宅介護支援に必要な利用者ごとに作成する帳簿類を保管し、利用者との面接相談に必要な設備及び備品を備える場所である。
三 運営に関する基準
(一) 内容及び手続きの説明及び同意
基準第四条は、基本理念としての高齢者自身によるサービス選択を具体化したものである。利用者は指定居宅サービスのみならず、指定居宅介護支援事業者についても自由に選択できることが基本であり、指定居宅介護支援事業者は、利用申込があった場合には、あらかじめ、当該利用申込者又はその家族に対し、当該指定居宅介護支援事業所の運営規程の概要、介護支援専門員の勤務の体制、秘密の保持、事故発生時の対応、苦情処理の体制等の利用申込者がサービスを選択するために必要な重要事項を説明書やパンフレット等の文書を交付して説明を行い、当該指定居宅介護支援事業所から居宅介護支援を受けることにつき同意を得なければならないこととしたものである。なお、当該同意については、利用者及び指定居宅介護支援事業者双方の保護の立場から書面によって確認することが望ましいものである。
なお、この場合、指定居宅介護支援は、利用者の意思及び人格を尊重し、常に利用者の立場に立って行うものであり、居宅サービス計画は利用者の希望を基礎として作成されるものであること、このため、指定居宅介護支援について利用者の主体的な参加が重要であることにつき十分説明を行い、理解を得なければならない。
(二) 提供拒否の禁止
基準第五条は、居宅介護支援の公共性にかんがみ、原則として、指定居宅介護支援の利用申込に対しては、これに応じなければならないことを規定したものであり、正当な理由なくサービスの提供を拒否することを禁止するものである。
なお、ここでいう正当な理由とは、①当該事業所の現員からは利用申込に応じきれない場合、②利用申込者の居住地が当該事業所の通常の事業の実施地域外である場合、③利用申込者が他の指定居宅介護支援事業者にも併せて指定居宅介護支援の依頼を行っていることが明らかな場合等である。
(三) 要介護認定等の申請に係る援助
① 基準第八条第一項は、法第二七条第一項及び第三二条第一項に基づき、被保険者が居宅介護支援事業者に要介護認定等の申請に関する手続きを代わって行わせることができること等を踏まえ、被保険者から要介護認定等の申請の代行を依頼された場合等においては、居宅介護支援事業者は必要な協力を行わなければならないものとしたものである。
② 基準第二項は、要介護認定等の申請がなされていれば、要介護認定等の効力が申請時に遡ることにより、指定居宅介護支援の利用に係る費用が保険給付の対象となり得ることを踏まえ、指定居宅介護支援事業者は、利用申込者が要介護認定等を受けていないことを確認した場合には、要介護認定等の申請が既に行われているか否かを確認し、申請が行われていない場合は、当該利用申込者の意向を踏まえて速やかに当該申請が行われるよう必要な援助を行わなければならないこととしたものである。
③ 基準第三項は、要介護認定等の有効期間が付されているものであることを踏まえ、指定居宅介護支援事業者は、要介護認定等の有効期間を確認した上、要介護認定等の更新の申請が、遅くとも当該利用者が受けている要介護認定等の有効期間が終了する一月前にはなされるよう、必要な援助を行わなければならないこととしたものである。
(四) 身分を証する書類の携行
基準第九条は、利用者が安心して指定居宅介護支援の提供を受けられるよう、指定居宅介護支援事業者が、当該指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員に身分を証する証書や名刺等を携行させ、初回訪問時及び利用者又はその家族から求められたときは、これを提示すべき旨を指導するべきこととしたものである。当該証書等には、当該指定居宅介護支援事業所の名称、当該介護支援専門員の氏名を記載した上、写真を貼付したものとすることが望ましい。なお、当該介護支援専門員は、当該証書等に併せて都道府県知事又は都道府県知事が指定した団体が発行する携帯用介護支援専門員実務研修修了証明書を携行するものとする。
(五) 利用料等の受領
① 基準第一〇条第一項は、利用者間の公平及び利用者の保護の観点から、保険給付がいわゆる償還払いとなる場合と、保険給付が利用者に代わり指定居宅介護支援事業者に支払われる場合(以下「代理受領がなされる場合」という。)の間で、一方の経費が他方へ転嫁等されることがないよう、償還払いの場合の指定居宅介護支援の利用料の額と、居宅介護サービス計画費又は居宅支援サービス計画費の額(要するに、代理受領がなされる場合の指定居宅介護支援に係る費用の額)との間に、不合理な差額を設けてはならないこととするとともに、これによって、償還払いの場合であっても原則として利用者負担が生じないこととする趣旨である。
② 基準第二項は、指定居宅介護支援の提供に関して、利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域の居宅において指定居宅介護支援を行う場合の交通費の支払いを利用者から受けることができることとし、保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないこととしたものである。
③ 基準第三項は、指定居宅介護支援事業者は、前項の交通費の支払いを受けるに当たっては、あらかじめ、利用者又はその家族に対してその額等に関して説明を行い、利用者の同意を得なければならないこととしたものである。
(六) 保険給付の請求のための証明書の交付
基準第一一条は、居宅介護支援に係る保険給付がいわゆる償還払いとなる場合に、利用者が保険給付の請求を容易に行えるよう、指定居宅介護支援事業者は、利用料の額その他利用者が保険給付を請求する上で必要と認められる事項を記載した指定居宅介護支援提供証明書を利用者に対して交付するべきこととしたものである。
(七) 指定居宅介護支援の基本取扱方針及び具体的取扱方針
基準第一三条は、居宅介護支援が我が国にはじめて導入されるものであることから、その確立を図るため、利用者の課題分析、サービス担当者会議の開催、居宅サービス計画の作成、居宅サービス計画の実施状況の把握などの居宅介護支援を構成する一連の業務のあり方及び当該業務を行う介護支援専門員の責務を明らかにしたものである。
① 介護支援専門員による居宅サービス計画の作成(基準第一三条第一号)
指定居宅介護支援事業所の管理者は、居宅サービス計画の作成に関する業務の主要な過程を介護支援専門員に担当させることとしたものである。
② 利用者自身によるサービスの選択(第二号)
介護支援専門員は、利用者自身がサービスを選択することを基本に、これを支援するものである。このため、介護支援専門員は、当該利用者が居住する地域の指定居宅サービス事業者等に関するサービスの内容、利用料等の情報を適正に利用者またはその家族に対して提供することにより、利用者にサービスの選択を求めるべきものであり、特定の指定居宅サービス事業者に不当に偏した情報を提供するようなことや、利用者の選択を求めることなく同一の事業主体のサービスのみによる居宅サービス計画原案を最初から提示するようなことがあってはならないものである。
③ 課題分析の実施(第三号)
居宅サービス計画は、個々の利用者の特性に応じて作成されることが重要である。このため介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成に先立ち利用者の課題分析を行うこととなる。
課題分析とは、利用者の有する日常生活上の能力や利用者が既に提供を受けている指定居宅サービスや介護者の状況等の利用者を取り巻く環境等の評価を通じて利用者が生活の質を維持・向上させていく上で生じている問題点を明らかにし、利用者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握することであり、利用者の生活全般についてその状態を十分把握することが重要である。
なお、当該課題分析は、介護支援専門員の個人的な考え方や手法のみによって行われてはならず、その者の課題を客観的に抽出するための手法として合理的なものと認められる適切な方法を用いなければならないものであるが、この課題分析の方法については、別途通知するところによるものである。
④ 課題分析における留意点(第四号)
介護支援専門員は、解決すべき課題の把握に当たっては、必ず利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族に面接して行わなければならない。この場合において、利用者やその家族との間の信頼関係、協働関係の構築が重要であり、介護支援専門員は、面接の趣旨を利用者及びその家族に対して十分に説明し、理解を得なければならない。なお、このため、介護支援専門員は面接技法等の研鑽に努めることが重要である。
⑤ 居宅サービス計画原案の作成(第五号)
介護支援専門員は、居宅サービス計画が利用者の生活の質に直接影響する重要なものであることを十分に認識し、居宅サービス計画原案を作成しなければならない。したがって、居宅サービス計画原案は、利用者及びその家族の希望並びに利用者について把握された解決すべき課題をまず明らかにした上で、当該地域における指定居宅サービス等が提供される体制を勘案し、実現可能なものとする必要がある。
なお、当該居宅サービス計画原案には、提供される居宅サービスについて、その長期的な目標及びそれを達成するための短期的な目標並びにそれらの達成時期等を明確に盛り込み、当該達成時期には居宅サービス計画及び各指定居宅サービス等の評価を行い得るようにすることが重要である。
⑥ サービス担当者会議等による専門的意見の聴取(第六号)
介護支援専門員は、効果的かつ実現可能な質の高い居宅サービス計画とするため、各サービスが共通の目標の達成のため、具体的なサービスの内容として何ができるかなどについて居宅サービス計画原案に位置づけた指定居宅サービス等の担当者からなるサービス担当者会議の開催又は当該担当者への照会等により、専門的な見地からの意見を求め調整を図ることが重要である。なお、介護支援専門員は、利用者の状態を分析し、複数職種間で直接に意見調整を行う必要の有無について十分見極める必要があるものである。
⑦ 居宅サービス計画の説明及び同意(第七号)
居宅サービス計画に位置付ける指定居宅サービス等の選択は、利用者自身が行うことが基本であり、また、当該計画は利用者の希望を尊重して作成されなければならない。利用者に選択を求めることは介護保険制度の基本理念である。このため、当該計画原案の作成に当たって、これに位置付けるサービスについて、また、サービスの内容についても利用者の希望を尊重することとともに、作成された居宅サービス計画の原案についても、最終的には、その内容について説明を行った上で文書によって利用者の同意を得ることを義務づけることにより、利用者によるサービスの選択やサービス内容等への利用者の意向の反映の機会を保障しようとするものである。
⑧ 居宅サービス計画の実施状況等の把握及び評価等(第八号)
指定居宅介護支援においては、利用者の有する解決すべき課題に即した適切なサービスを組み合わせて利用者に提供し続けることが重要である。このために介護支援専門員は、利用者の解決すべき課題の変化に留意することが重要であり、居宅サービス計画の作成後においても、利用者及びその家族、指定居宅サービス事業者等との連絡を継続的に行うことにより、居宅サービス計画の実施状況や利用者についての解決すべき課題の把握を行い、必要に応じて居宅サービス計画の変更、指定居宅サービス事業者等との連絡調整その他の便宜の提供を行うものとする。
なお、利用者の解決すべき課題の変化は、利用者に直接サービスを提供する指定居宅サービス事業者等により把握されることも多いことから、介護支援専門員は、当該指定居宅サービス事業者等のサービス担当者と緊密な連携を図り、利用者の解決すべき課題の変化が認められる場合には、円滑に連絡が行われる体制の整備に努めなければならない。
⑨ 介護保険施設への紹介その他の便宜の提供(第九号)
介護支援専門員は、利用者がその居宅において日常生活を営むことが困難となったと認める場合又は利用者が介護保険施設への入院又は入所を希望する場合には、介護保険施設はそれぞれ医療機能等が異なることに鑑み、主治医の意見を参考にする、主治医に意見を求める等をして介護保険施設への紹介その他の便宜の提供を行うものとする。
⑩ 介護保険施設との連携(第一〇号)
介護支援専門員は、介護保険施設等から退院又は退所しようとする要介護者等から居宅介護支援の依頼があった場合には、居宅における生活へ円滑に移行できるよう、あらかじめ、居宅での生活における介護上の留意点等の情報を介護保険施設等の従業者から聴取する等の連携を図るとともに、居宅での生活を前提とした課題分析を行った上で居宅サービス計画を作成する等の援助を行うことが重要である。
⑪ 主治の医師等の意見等(第一一号・第一二号)
訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、居宅療養管理指導及び短期入所療養介護については、主治の医師又は歯科医師(以下「主治の医師等」という。)等がその必要性を認めたものに限られるものであることから、介護支援専門員は、これらの医療サービスを居宅サービス計画に位置付ける場合にあっては主治の医師等の指示があることを確認しなければならない。
このため、利用者がこれらの医療サービスを希望している場合その他必要な場合には、介護支援専門員は、あらかじめ、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めなければならない。
なお、医療サービス以外の指定居宅サービス等を居宅サービス計画に位置付ける場合にあって、当該指定居宅サービス等に係る主治の医師等の医学的観点からの留意事項が示されているときは、介護支援専門員は、当該留意点を尊重して居宅介護支援を行うものとする。
⑫ 認定審査会意見等の居宅サービス計画への反映(第一三号)
指定居宅サービス事業者は、法第七三条第二項の規定に基づき認定審査会意見が被保険者証に記されているときは、当該意見に従って、当該被保険者に当該指定居宅サービスを提供するように努めなければならないこと、法第三七条第一項の規定により居宅サービスの種類が指定されたときには、当該指定されたサービス以外のサービスについては保険給付が行われないことから、介護支援専門員は、利用者が提示する被保険者証にこれらの記載がある場合には、利用者にその趣旨(法第三七条第一項の指定に係る居宅サービス種類については、その変更の申請ができることを含む。)について説明し、理解を得た上で、その内容に沿って居宅サービス計画を作成しなければならない。
⑬ 計画的な指定居宅サービス等の利用(第一四号)
利用者の自立した日常生活の支援を効果的に行うためには、利用者の心身又は家族の状態等に応じて、継続的かつ安定的に居宅サービスが提供されることが重要である。介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成又は変更に当たり、継続的な支援という観点に立ち、計画的に指定居宅サービス等の提供が行われるようにすることが必要であり、居宅サービス計画に指定居宅サービス等を位置づける際には、法第一一六条第一項に規定する基本指針に定められた同条第二項第二号の参酌すべき標準を基礎として算定される要介護者等一人当たりの居宅サービスの量との均衡を勘案して行わなければならない。ここでいう要介護者等一人当たりの居宅サービスの量とは、訪問通所サービス区分に係る居宅サービスについて、介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針(平成一一年五月厚生省告示第一二九号)別表第二において示された標準的な組合わせから計算される一週当たりのサービスの量を指すものであり、従って、一週当たりの訪問通所サービス区分の支給限度基準額に係る単位数(具体的にはおおむね以下のとおり)を基に利用者がその居宅において生活をする期間に応じて計算される単位数が、利用可能なサービス量の上限の目安となるものである。なお、訪問通所サービス区分の支給限度基準額の上乗せが行われている市町村においては、利用可能なサービス量の上限の単位数もそれに応じて計算されるものであること。
一 要支援  一週当たり一四二〇単位
二 要介護一 一週当たり三八三〇単位
三 要介護二 一週当たり四五〇〇単位
四 要介護三 一週当たり六一七〇単位
五 要介護四 一週当たり七〇六〇単位
六 要介護五 一週当たり八二七〇単位
⑭ 総合的な居宅サービス計画の作成(第一五号)
居宅サービス計画は、利用者の日常生活全般を支援する観点に立って作成されることが重要である。このため、居宅サービス計画の作成または変更に当たっては、利用者及びその家族の希望や課題分析の結果に基づき、介護給付等対象サービス以外の、例えば、市町村保健婦等が居宅を訪問して行う指導・教育等の保健サービス、老人介護支援センターにおけるソーシャルワーク及び市町村が一般施策として行う配食サービス、寝具乾燥サービスや当該地域の住民による見守り、配食、会食などの自発的な活動によるサービス等、更には、こうしたサービスと併せて提供される精神科訪問看護等の医療サービス、はり師・きゅう師による施術、保健婦・看護婦・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師による機能訓練なども含めて居宅サービス計画に位置づけることにより総合的な計画となるよう努めなければならない。
⑮ 指定居宅介護支援の基本的留意点(第一六号)
指定居宅介護支援は、利用者及びその家族の主体的な参加及び自らの課題解決に向けての意欲の醸成と相まって行われることが重要である。このためには、指定居宅介護支援について利用者及びその家族の十分な理解が求められるものであり、介護支援専門員は、指定居宅介護支援を懇切丁寧に行うことを旨とし、サービスの提供方法等について理解しやすいように説明を行うことが肝要である。
(八) 法定代理受領サービスに係る報告
① 基準第一四条第一項は、居宅介護サービス費又は居宅支援サービス費を利用者に代わり当該指定居宅サービス事業者に支払うための手続きとして、指定居宅介護支援事業者に、市町村(国民健康保険団体連合会に委託している場合にあっては当該国民健康保険連合会)に対して、居宅サービス計画において位置付けられている指定居宅サービス等のうち法定代理受領サービスとして位置付けたものに関する情報を記載した文書(給付管理票)を毎月提出することを義務づけたものである。
② 基準第二項は、指定居宅介護支援事業者が居宅サービス計画に位置付けられている基準該当居宅サービスに係る情報を指定居宅サービスに係る情報と合わせて市町村(国民健康保険団体連合会に委託している場合にあっては当該国民健康保険団体連合会)に対して提供することにより、基準該当居宅サービスに係る特例居宅介護サービス費又は特例居宅支援サービス費の支払事務が、居宅サービス計画に位置付けられている指定居宅サービスに係る居宅介護サービス費又は居宅支援サービス費の支払を待つことなく、これと同時並行的に行うことができるようにするための規定である。
(九) 利用者に対する居宅サービス計画等の書類の交付
基準第一五条は、利用者が指定居宅介護支援事業者を変更した場合に、変更後の指定居宅介護支援事業者が滞りなく給付管理票の作成・届出等の事務を行うことができるよう、指定居宅介護支援事業者は、利用者が他の居宅介護支援事業者の利用を希望する場合その他利用者からの申し出があった場合には、当該利用者に対し、直近の居宅サービス計画及びその実施状況に関する書類を交付しなければならないこととしたものである。
(一〇) 利用者に関する市町村への通知
基準第一六条は、偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた者及び自己の故意の犯罪行為若しくは重大な過失等により、要介護状態等若しくはその原因となった事故を生じさせるなどした者については、市町村が、介護保険法第二二条第一項に基づく既に支払った保険給付の徴収又は第六四条に基づく保険給付の制限を行うことができることに鑑み、指定居宅介護支援事業者が、その利用者に関し、保険給付の適正化の観点から市町村に通知しなければならない事由を列記したものである。
(一一) 運営規程
基準第一八条は、指定居宅介護支援の事業の適正な運営及び利用者等に対する適切な指定居宅介護支援の提供を確保するため、同条第一号から第六号までに掲げる事項を内容とする規定を定めることを指定居宅介護支援事業所ごとに義務づけたものである。特に次の点に留意する必要がある。
① 職員の職種、員数及び職務内容(第二号)
職員については、介護支援専門員とその他の職員に区分し、員数及び職務内容を記載することとする。
② 指定居宅介護支援の提供方法、内容及び利用料その他の費用の額(第四号)
指定居宅介護支援の提供方法及び内容については、利用者の相談を受ける場所、課題分析の手順等を記載するものとする。
③ 通常の事業の実施地域(第五号)
通常の事業の実施地域は、客観的にその区域が特定されるものとすること。なお、通常の事業の実施地域は、利用申込に係る調整等の観点からの目安であり、当該地域を越えて指定居宅介護支援が行われることを妨げるものではない。
(一二) 勤務体制の確保
基準第一九条は、利用者に対する適切な指定居宅介護支援の提供を確保するため、職員の勤務体制等を規定したものであるが、次の点に留意する必要がある。
① 指定居宅介護支援事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表を作成し、介護支援専門員については、日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係等を明確にする。
なお、当該勤務の状況等は、基準第一七条により指定居宅介護支援事業所の管理者が管理する必要があり、非常勤の介護支援専門員を含めて当該指定居宅介護支援事業所の業務として一体的に管理されていることが必要である。従って、非常勤の介護支援専門員が兼務する業務の事業所を居宅介護支援の拠点とし独立して利用者ごとの居宅介護支援台帳の保管を行うようなことは認められないものである。
② 基準第二項は、当該指定居宅介護支援事業所の従業者たる介護支援専門員が指定居宅介護支援を担当するべきことを規定したものであり、当該事業所と介護支援専門員の関係については、当該事業所の管理者の指揮命令が介護支援専門員に対して及ぶことが要件となるが、雇用契約に限定されるものではないものである。
③ 基準第三項は、より適切な指定居宅介護支援を行うために、介護支援専門員の研修の重要性について規定したものであり、指定居宅介護支援事業者は、介護支援専門員の資質の向上を図る研修の機会を確保しなければならない。
(一三) 設備及び備品等
基準第二〇条に掲げる設備及び備品等については、次の点に留意するものである。
① 指定居宅介護支援事業所には、事業の運営を行うために必要な面積を有する専用の事務室を設けることが望ましいが、他の事業の用に供するものと明確に区分される場合は、他の事業との同一の事務室であっても差し支えないこと。なお、同一事業所において他の事業を行う場合に、業務に支障がないときは、それぞれの事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものとする。
② 専用の事務室又は区画については、相談、サービス担当者会議等に対応するのに適切なスペースを確保することとし、相談のためのスペース等は利用者が直接出入りできるなど利用しやすい構造とすること。
③ 指定居宅介護支援に必要な設備及び備品等を確保すること。ただし、他の事業所及び施設等と同一敷地内にある場合であって、指定居宅介護支援の事業及び当該他の事業所及び施設等の運営に支障がない場合は、当該他の事業所及び施設等に備え付けられた設備及び備品等を使用することができるものとする。
(一四) 掲示
基準第二二条は、基準第四条の規定により居宅介護支援の提供開始時に利用者のサービスの選択に資する重要事項(その内容については(一)参照)を利用者及びその家族に対して説明を行った上で同意を得ることとしていることに加え、指定居宅介護支援事業所への当該重要事項の掲示を義務づけることにより、サービス提供が開始された後、継続的にサービスが行われている段階においても利用者の保護を図る趣旨である。
(一五) 秘密保持
① 基準第二三条第一項は、指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員その他の従業者に、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密の保持を義務づけたものである。
② 基準第二項は、指定居宅介護支援事業者に対して、過去に当該指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員その他の従業者であった者が、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を取ることを義務づけたものであり、具体的には、指定居宅介護支援事業者は、当該指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員その他の従業者が、従業者でなくなった後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、従業者との雇用時に取り決め、例えば違約金についての定めをおくなどの措置を講ずべきこととするものである。
③ 基準第三項は、介護支援専門員及び居宅サービス計画に位置付けた各居宅サービスの担当者が課題分析情報等を通じて利用者の有する問題点や解決すべき課題等の個人情報を共有するためには、あらかじめ、文書により利用者及びその家族から同意を得る必要があることを規定したものであるが、この同意については、指定居宅介護支援事業者が、指定居宅介護支援開始時に、利用者及びその家族の代表から、連携するサービス担当者間で個人情報を用いることについて包括的に同意を得ることで足りるものである。
(一六) 居宅サービス事業者等からの利益収受の禁止等
① 基準第二五条第一項は、指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員が利用者に利益誘導のために特定の居宅サービス事業者等によるサービスを利用すべき旨の指示等を行うことを禁じた規定である。これは、例えば、指定居宅介護支援事業者又は介護支援専門員が、同一法人系列の居宅サービス事業者のみを利用するように指示すること等により、事実上他の居宅サービス事業者の利用が妨げられることとなり、居宅介護支援の公正中立性や利用者のサービス選択の自由が損ねられることを防止するための規定である。
② 基準第二五条第二項は、居宅介護支援の公正中立性を確保するために、指定居宅介護支援事業者及びその従業者が、利用者に対して特定の居宅サービス事業者等によるサービスを利用させることの対償として、当該居宅サービス事業者等から、金品その他の財産上の利益を収受してはならないこととしたものである。
(一七) 苦情処理
① 基準第二六条第一項は、利用者の保護及び適切かつ円滑な指定居宅介護支援、指定居宅サービス等の利用に資するため、自ら提供した指定居宅介護支援又は自らが居宅サービス計画に位置付けた指定居宅サービス等に対する利用者からの苦情に迅速かつ適切に対応しなければならないこととしたものである。具体的には、指定居宅介護支援等についての苦情の場合には、当該事業者は、利用者や指定居宅サービス事業者等から事情を聞き、苦情に係る問題点を把握の上、対応策を検討し必要に応じて利用者に説明しなければならないものである。
なお、介護保険法第二三条の規定に基づき、市町村から居宅サービス計画の提出を求められた場合には、基準第二六条第二項の規定に基づいて、その求めに応じなければならないものである。
② 基準第二項は、介護保険法上、苦情処理に関する業務を行うことが位置付けられている国民健康保険団体連合会のみならず、住民に最も身近な行政庁である市町村が、一次的には居宅サービス等に関する苦情に対応することが多くなることと考えられることから、市町村についても国民健康保険団体連合会と同様に、指定居宅介護支援事業者に対する苦情に関する調査や指導、助言を行えることを運営基準上、明確にしたものである。
③ なお、指定居宅介護支援事業者は、当該事業所における苦情を処理するために講ずる措置の概要について明らかにし、相談窓口の連絡先、苦情処理の体制及び手順等を利用申込者にサービスの内容を説明する文書に記載するとともに、事業所に掲示するべきものである。
(一八) 事故発生時の対応
基準第二七条は、利用者が安心して指定居宅介護支援の提供を受けられるよう事故発生時の速やかな対応を規定したものである。指定居宅介護支援事業者は、利用者に対する指定居宅介護支援の提供により事故が発生した場合には、市町村、当該利用者の家族等に連絡し、必要な措置を講じるべきこととするとともに、利用者に対する指定居宅介護支援の提供により賠償すべき事故が発生した場合には、損害賠償を速やかに行うべきこととしたものである。
このほか、以下の点に留意されたい。
① 指定居宅介護支援事業者は、利用者に対する指定居宅介護支援の提供により事故が発生した場合の対応方法について、あらかじめ定めておくことが望ましい。
② 指定居宅介護支援事業者は、賠償すべき事態となった場合には、速やかに賠償しなければならない。そのため、事業者は損害賠償保険に加入しておくか若しくは賠償資力を有することが望ましい。
③ 指定居宅介護支援事業者は、事故が生じた際にはその原因を解明し、再発生を防ぐための対策を講じる。
(一九) 会計の区分
基準第二八条は、指定居宅介護支援事業者に係る会計の区分について定めたものである。なお、具体的な会計処理の方法等については、別に通知するところによるものである。
(二〇) 記録の整備
基準第二九条第二項は、少なくとも次に掲げる記録をその完結の日から二年間備えておかなければならないこととしたものである。
① 指定居宅サービス事業者等との連絡調整に関する記録
② 個々の利用者ごとに次の事項を編綴した居宅介護支援台帳
イ 課題分析
ロ 居宅サービス計画
ハ サービス担当者会議等記録
ニ 居宅サービス計画作成後の継続したサービス実施状況等の把握の記録
③ 基準第一六条に係る市町村への通知に係る記録
四 基準該当居宅介護支援に関する基準
基準第一章から第三章(第一四条及び第二六条第四項を除く。)の規定は、基準該当居宅介護支援の事業について準用されるため、一から三まで(「基本方針」「人員に関する基準」及び「運営に関する基準」)を参照されたい。この場合において、準用される基準第一〇条第一項の規定は、基準該当居宅介護支援事業者が利用者から受領する利用料と、原則として特例居宅介護サービス計画費又は特例居宅支援サービス計画費との間に不合理な差異が生じることを禁ずることにより、基準該当居宅介護支援についても原則として利用者負担が生じないこととする趣旨であることに留意されたい。

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有料老人ホームの設置運営標準指導指針について平成14年7月18日)

厚生省新指針対応の有料老人ホームの理論と実務 (開設実務全書)

有料老人ホームの設置運営標準指導指針について
(平成14年7月18日)
(老発第0718003号)
(各都道府県知事あて厚生労働省老健局長通知)
介護保険制度の施行に伴い、有料老人ホームが提供する介護等のサービスについては、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)の要件を満たして、介護保険の「指定特定施設入所者生活介護」の給付を受けることができるなど、有料老人ホームをめぐる環境は大きく変化している。
また、特別養護老人ホームについては、質の高いサービスを提供していく観点から、従来の4人部屋を主体とする居住環境を抜本的に改善し、全室個室・ユニットケアを特徴とする特別養護老人ホーム(新型特養)の整備を推進することとしており、今般、「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第46号)の一部を改正することとしているが、有料老人ホームについても高齢者の居住の場としてふさわしいものにしていくことが必要である。
このため、今般、別添のとおり「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」(以下「標準指導指針」という。)を定めたので、次の事項に留意の上、貴管内の有料老人ホームに対して適切な指導を行われたい。
また、本通知の施行に伴い、「有料老人ホームの設置運営指導指針について」(平成9年12月19日付け老振第141号厚生省老人保健福祉局長通知)は廃止する。ただし、類型及び重要事項説明書に係る規定は、平成15年3月31日までの間については、なお従前の例によることができるものとする。
なお、本通知は、地方自治法第245条の4第1項に規定する技術的な助言に該当するものである。
1 標準指導指針の性格
有料老人ホームは民間の活力と創意工夫により高齢者の多様なニーズに応えていくことが求められるものであり、一律の規制には馴染まない面があるが、一方、高齢者が長年にわたり生活する場であり、入居者の側からも介護を始めとするサービスに対する期待が大きいこと、入居に当たり高額の一時金を支払う場合が多いことから、行政としても、サービス水準の確保等のため十分に指導を行う必要がある。特に、有料老人ホーム事業は、施設設置者と入居者との契約が基本となることから、契約の締結及び履行に必要な情報が、入居者に対して十分提供されることが重要である。
このような事業の性格を踏まえ、各都道府県は、本標準指導指針を参考として、地域の状況に応じて指導指針を定め、これに基づき設置前及び事業開始後において継続的な指導を行われたい。なお、指導指針を作成していない場合は、本標準指導指針に基づき指導を行うこととして差し支えないが、できる限り速やかに指導指針を作成されたい。
2 指導上の留意点
(1) 有料老人ホームの届出の徹底
老人福祉法(昭和38年法律第133号)第29条第1項の「常時10人以上の老人を入所させ、食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設であって、老人福祉施設でないもの」に該当するにもかかわらず、廊下の幅員等が指導指針に適合しないことを理由に有料老人ホームの届出が行われない場合があるが、指導指針に適合しなくとも届出義務がある。
老人福祉法の観点からは、重要事項の説明や情報開示など有料老人ホームの運営が適切に行われることが重要であり、指導の徹底をお願いしたい。
(2) 地域の状況に応じた指導指針の策定
標準指導指針においては、介護居室の床面積等について規定しているが、本来これらは地域の状況に応じて求められる水準が異なる場合も想定され、必ずしも全国一律に適用しなければならないものではない。このため、指導指針の策定又は変更に当たっては、地域の状況に応じて規定することも差し支えない。
(3) 情報開示、報告の徴収等
有料老人ホーム事業は、設置者と入居者の契約が基本となることから、できる限り多くの情報が開示されることが重要である。特に、高齢者の多くは有料老人ホームにおいて提供される介護サービスに対して大きな期待を寄せていることから、当該有料老人ホームにおいて提供される介護サービスの内容、費用負担等について、重要事項説明書等において明確にするよう指導するとともに、重要事項説明書の交付及び説明の徹底、体験入居制度の実施、財務諸表及び事業収支計画書の開示等について、設置者に対し十分な指導を行われたい。
また、必要に応じて、貸借対照表、損益計算書等の財務諸表の提出を求めること等により、経営状況の把握を行い、届出時の事業収支計画と財務諸表に乖離がある場合には対処方針等を報告させるなど、適切な措置を講ずるよう指導するとともに、重要事項説明書、入居契約書、管理規程、入居案内パンフレット等について、定期的に又は変更の都度、提出を求め、表示と実態が乖離することのないよう指導されたい。
さらに、各都道府県においても、各有料老人ホーム情報開示等一覧表を作成し、公開するとともに、重要事項説明書等についても公開するよう努められたい。
(4) 立入調査の定期的実施等
管内の有料老人ホームについて、定期的な立入調査を実施するほか、必要に応じ適宜調査を実施されたい。立入調査に当たっては、介護保険担当部局とも連携を図り、重要事項説明書の記載内容等に照らしつつ、居室の状況や介護サービスの実施状況等について調査し、必要に応じ、指導指針に基づく指導を行うとともに、入居者の処遇に関する不当な行為が認められたときは、入居者の保護を図る観点から、迅速にその改善に必要な措置をとることを指導し、又は命じられたい。
(5) 全国有料老人ホーム協会との連携
有料老人ホームに対する指導及び協議に当たっては、必要に応じ、社団法人全国有料老人ホーム協会と連携を図ることとし、同協会への入会や同協会に設けられている有料老人ホーム入居者基金の加入についても十分配慮するよう指導されたい。
(6) 介護サービスに係る表示の留意事項
介護が必要となった場合に、介護保険の訪問介護等を利用することとなっている有料老人ホームについては、当該有料老人ホームが自ら介護サービスを提供しているとは認められないため、重要事項説明書等における職員数の表示に訪問介護事業所等の勤務時間を重複して計上することや、広告等において「介護付終身利用型有料老人ホーム」、「ケア付き高齢者住宅」、「終身介護マンション」等の表示を行うことは不当表示となるおそれがあるので留意されたい。
(7) 関係機関との連携
有料老人ホームの指導に当たっては、以下の関係機関と十分な連携を図られたい。
① 管内市町村
・介護サービス基盤の整備等について
② 開発許可・建築確認担当部局(管内の市町村を含む。)
有料老人ホームの設置計画の事前把握について
③ 消防担当部局(所轄の消防署を含む。)
有料老人ホームの防火安全対策の推進について
④ 景品表示法担当部局
有料老人ホームの表示の適正化について
⑤ 消費生活センター、国民健康保険団体連合会等
・苦情対応、入居者保護等について
3 主要な改正点
(1) 介護居室の個室化及び構造設備に係る規定の適正化
有料老人ホームの介護居室について全室個室とするとともに、一定の要件を満たす場合に廊下の幅員の規定を緩和するなど、構造設備の規定の適正化を図ったこと。
(2) 借地・借家により設置運営する場合の規定の適正化
土地や建物を借りて有料老人ホームを設置する場合には、契約期間を30年以上、増改築の禁止特約がないこと、地主が個人の場合に相続開始後の財産管理人を定めておく等の規定があったが、利用料が一時金方式ではなく月払い方式で、入居契約の契約期間が終身でない場合は、当該規定を必ずしも適用する必要はないため、規定の適正化を図ったこと。
(3) 有料老人ホームの類型の見直し
有料老人ホームの類型について、介護保険法施行後の状況等を踏まえ、「限定介護付利用権存続型」及び「限定介護付利用権解約型」を廃止し、3種類の類型にまとめたこと。また、居住の権利形態、入居時の要件、介護居室区分、介護にかかわる職員体制等について、高齢者の選択に資するための重要な表示事項を併記することとしたこと。
4 その他
(1) 本通知の適用
本通知及び標準指導指針は、平成14年10月1日から適用する。
ただし、各都道府県が指導指針を別に定めている場合は、当該指導指針が適用される。従って、各都道府県において本標準指導指針を参考に指導指針を改正しようとする場合にあっては、できる限り速やかに改正を行うこととし、その適用日についても、平成14年10月1日以前とすることが可能であるので、念のため申し添える。
(2) 経過措置
本標準指導指針の適用の際現に存する有料老人ホーム、既に着工している有料老人ホーム等については、構造設備に係る規定を満たさない場合、従前の規定によることとして差し支えないが、介護居室の相部屋については、できる限り速やかに個室に改造するよう指導されたい。
有料老人ホーム設置運営標準指導指針
1 基本的事項
有料老人ホームの事業を計画するに当たっては、次の事項に留意すること。
(1) 有料老人ホーム経営の基本姿勢としては、入居者の福祉を重視するとともに、安定的かつ継続的な事業運営を確保していくことが求められること。特に、介護サービスを提供する有料老人ホームにあっては、より一層、入居者の個人としての尊厳を確保しつつ福祉の向上を図ることが求められること。
また、入居者等に対し、サービス内容等の情報を開示するなどにより施設運営について理解を得るように努め、入居者等の信頼を確保することが求められること。
(2) 本指針を満たすだけでなく、より高い水準の施設運営に向けて努力することが期待されること。
(3) 介護保険法第70条の規定により特定施設入所者生活介護事業者の指定を受けた有料老人ホームにあっては、本指針に規定することのほか、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」を遵守すること。
(4) 都市計画法による開発許可若しくは建築許可申請前又は開発許可対象外の場合については建築確認申請前から地元市町村及び都道府県と十分な事前協議を行うこと。
(5) 建築確認後速やかに都道府県知事への届出を行うこと。
(6) 都道府県知事への届出後に入居募集を行うこと。
2 設置主体
(1) 有料老人ホームの設置主体は、老人福祉施設の場合と異なり、地方公共団体及び社会福祉法人に限定されるものではないこと。
(2) 公益法人にあっては、有料老人ホームの事業を行うに当たって主務官庁の承認を得ていること。
(3) 事業を確実に遂行できるような経営基盤が整っているとともに、社会的信用の得られる経営主体であること。
(4) 個人経営でないこと。また少数の個人株主等による独断専行的な経営が行われる可能性のある体制でないこと。
(5) 他業を営んでいる場合には、その財務内容が適正であること。
(6) 役員等の中には、有料老人ホーム運営について知識、経験を有する者等を参画させること。
さらに、介護サービスを提供する有料老人ホームの場合は、役員等の中に高齢者の介護について知識、経験を有する者を参画させるなど介護サービスが適切に提供される運営体制が確保されていること。
3 立地条件
(1) 入居者が健康で安全な生活を維持できるよう、交通の利便性、地域の環境、災害に対する安全性及び医療機関等との連携等を考慮して立地すること。特に、有料老人ホームは、入居者である高齢者が介護等のサービスを受けながら長期間にわたり生活する場であることから、住宅地から遠距離であったり、入居者が外出する際に不便が生じるような地域に立地することは好ましくないこと。
(2) 有料老人ホームの事業の用に供する土地及び建物については、有料老人ホーム事業以外の目的による抵当権その他の有料老人ホームとしての利用を制限するおそれのある権利が存しないことが登記簿謄本及び必要に応じた現地調査等により確認できること。
(3) 借地・借家により有料老人ホームを設置する場合には、入居契約の契約期間中における入居者の居住の継続を確実なものとするため、契約関係について次の要件を満たすこと。
なお、借地・借家等の契約関係が複数になる場合にあっては、土地信託方式、生命保険会社による新借地方式及び実質的には二者間の契約関係と同一視できる契約関係であって当該契約関係が事業の安定に資する等やむを得ないと認められるものに限られること。
また、定期借地・借家契約による場合には、入居者との入居契約の契約期間が当該借地・借家契約の契約期間を超えることがないようにするとともに、入居契約に際して、その旨を十分に説明すること。なお、入居者との入居契約の契約期間が終身である場合には、定期借地・借家契約ではなく、通常の借地・借家契約とすること。
ア 借地の場合
(ア) 有料老人ホーム事業のための借地であること及び土地の所有者は有料老人ホーム事業の継続について協力する旨を契約上明記すること。
(イ) 建物の登記をするなど法律上の対抗要件を具備すること。
(ウ) 入居者との入居契約の契約期間が終身である場合には、当初契約の契約期間は30年以上であることとし、自動更新条項が契約に入っていること。
(エ) 無断譲渡、無断転貸の禁止条項が契約に入っていること。
(オ) 増改築の禁止特約がないこと、又は、増改築について当事者が協議し土地の所有者は特段の事情がない限り増改築につき承諾を与える旨の条項が契約に入っていること。
(カ) 賃料改定の方法が長期にわたり定まっていること。
(キ) 相続、譲渡等により土地の所有者が変更された場合であっても、契約が新たな所有者に承継される旨の条項が契約に入っていること。
(ク) 借地人に著しく不利な契約条件が定められていないこと。
イ 借家の場合
(ア) 有料老人ホーム事業のための借家であること及び建物の所有者は有料老人ホーム事業の継続について協力する旨を契約上明記すること。
(イ) 入居者との入居契約の契約期間が終身である場合には、当初契約の契約期間は20年であることとし、更新後の契約期間(極端に短期間でないこと)を定めた自動更新条項が契約に入っていること。
(ウ) 無断譲渡、無断転貸の禁止条項が契約に入っていること。
(エ) 賃料改定の方法が長期にわたり定まっていること。
(オ) 相続、譲渡等により建物の所有者が変更された場合であっても、契約が新たな所有者に承継される旨の条項が契約に入っていること。
(カ) 借家人に著しく不利な契約条件が定められていないこと。
(キ) 入居者との入居契約の契約期間が終身である場合には、建物の優先買取権が契約に定められていることが望ましいこと。
4 規模及び構造設備
(1) 建物は、入居者が快適な日常生活を営むのに適した規模及び構造設備を有すること。
(2) 建物は、建築基準法に規定する耐火建築物又は準耐火建築物とし、かつ、建築基準法、消防法等に定める避難設備、消火設備、警報設備その他地震、火災、ガスもれ等の防止や事故・災害に対応するための設備を十分設けること。
また、緊急通報装置を設置する等により、入居者の急病等緊急時の対応を図ること。
(3) 建物の設計に当たっては、「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」(平成13年国土交通省告示第1301号)を参考として、入居者の身体機能の低下や障害が生じた場合にも対応できるよう配慮すること。
(4) 建物の配置及び構造は、日照、採光、換気等入居者の保健衛生について十分考慮されたものであること。
(5) 有料老人ホームが提供するサービス内容に応じ、次の機能を有する設備を設けること。
一般居室又は介護居室 注1、
一時介護室 注2、食堂、浴室 注3、便所 注3、洗面設備 注3、
医務室(又は健康管理室)、談話室(又は応接室)、
事務室、宿直室、洗濯室、汚物処理室、
看護・介護職員室、機能訓練室 注4、健康・生きがい施設 注5
注1) 「介護居室」とは、有料老人ホームが自ら介護サービスを提供するための専用の居室であり、入居者の状況等に応じて適切な数を確保すること。なお、一般居室で介護サービスが提供される場合又は有料老人ホームが自ら介護サービスを提供しない場合は介護居室を設置しなくてもよいこと。
注2) 「一時介護室」とは、一時的な介護サービスを提供するための居室であり、入居者の状況等に応じて適切な数を確保すること。なお、一般居室又は介護居室で一時的な介護サービスを提供することが可能である場合は一時介護室を設置しなくてもよいこと。
注3) 居室内に設置されている場合を含む。
注4) 他に機能訓練を行うために適当な広さの場所が確保できる場合には設置しなくてもよいこと。
注5) 入居者が健康で生きがいを持って生活することに資するため、例えば、スポーツ、レクリエーション施設、図書室等を設けることが望ましいこと。
(6) (5)に定める設備の基準は、次によること。
ア 一般居室は個室とすること。
イ 介護居室は次によること。
(ア) 個室とすることとし、入居者1人当たりの床面積は13平方メートル以上とすること。
(イ) 各個室は、建築基準法第30条の規定に基づく界壁により区分されたものとすること。
ウ 一時介護室を設置する場合には、イによること。
エ 医務室を設置する場合には、医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第16条に規定する診療所の構造設備の基準に適合したものとすること。
オ 要介護者等が使用する浴室は、身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。
カ 要介護者等が使用する便所は、居室内又は居室のある階ごとに居室に近接して設置することとし、緊急通報装置等を備えるとともに、身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。
キ 介護居室のある区域の廊下は、入居者が車いす等で安全かつ円滑に移動することが可能となるよう、次の(ア)又は(イ)によること。
(ア) すべての介護居室が個室で、1室当たりの床面積が18平方メートル(面積の算定方法はバルコニーの面積を除き、壁芯〈へきしん〉方法による。)以上であって、かつ、居室内に便所及び洗面設備が設置されている場合
廊下の幅は1.4メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は1.8メートル以上とすること。
(イ) 上記以外の場合
廊下の幅は1.8メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は2.7メートル以上とすること。
(7) 既存の建物を転用して開設される有料老人ホームについて、建物の構造上(6)に定める基準を満たすことが困難である場合においては、すべての居室が個室であり、かつ、代替の措置を講ずること等により同等の効果が得られると認められるときは、この基準によらないことができること。
5 職員の配置等
(1) 職員の配置
ア 職員の配置については、入居者の数及び提供するサービス内容に応じ、その呼称にかかわらず、次の職員を配置すること。
施設長、事務員、生活相談員、介護職員、看護職員(看護師又は准看護師)、機能訓練指導員、栄養士、調理員
イ 入居者の実態に即し、夜間の介護、緊急時に対応できる数の職員を配置すること。
ウ 介護サービスを提供する有料老人ホームの場合は、上記ア及びイの他、次によること。
(ア) 要介護者等を直接処遇する職員(介護職員及び看護職員をいう。以下「直接処遇職員」という。)については、介護サービスの安定的な提供に支障がない職員体制とすること。
(イ) 看護師は入居者の健康管理に必要な数を配置すること。ただし、看護師の確保が困難な場合には、准看護師を充てることができるものとすること。
(ウ) 施設長等介護サービスの責任者の地位にある者は高齢者の介護について知識、経験を有する者であること。
(2) 職員の研修
職員に対しては、採用時及び採用後において定期的に研修を実施すること。特に、生活相談員及び直接処遇職員については、高齢者の心身の特性、実施するサービスのあり方及び内容、介護に関する知識及び技術、作業手順等について研修を行うこと。
(3) 職員の衛生管理
職員の心身の健康に留意し、職員の疾病の早期発見及び健康状態の把握のために、採用時及び採用後において定期的に健康診断を行うとともに、就業中の衛生管理について十分な点検を行うこと。
6 施設の管理・運営
(1) 管理規程等の制定
入居者の定員、利用料、サービスの内容及びその費用負担、介護を行う場合の基準、医療を要する場合の対応などを明示した管理規程等を設けること。
(2) 名簿等の整備
入居者及びその身元引受人等の氏名及び連絡先を明らかにした名簿並びに設備、職員、会計及び入居者の状況に関する帳簿を整備しておくこと。
(3) 緊急時の対応
事故・災害及び急病・負傷に迅速かつ適切に対応できるよう具体的な計画を立てるとともに、避難等必要な訓練を定期的に行うこと。
(4) 入居者の安否確認
入居者の安否確認については、安全・安心の確保の観点のみならず、プライバシーの確保について十分に考慮する必要があることから、安否確認の方法等については、運営懇談会その他の機会を通じて入居者の意向の確認、意見交換等を行い、できる限りそれを尊重したものとすること。
(5) 医療機関等との連携
医療機関と協力契約を結び、当該協力医療機関との協力内容、当該協力医療機関の診療科目等について入居者に周知しておくこと。また、協力内容に医師の訪問による健康相談、健康診断が含まれていない場合には嘱託医を確保しておくこと。
(6) 運営懇談会の設置等
施設長、職員及び入居者代表により組織する運営懇談会を設けるとともに、入居者のうちの要介護者等についてはその身元引受人等に対し出席を呼びかけること。また、施設の運営について外部からの点検が働くよう、施設関係者及び入居者以外の第三者的立場にある学識経験者、民生委員などを加えるよう努めること。
運営懇談会では、入居者の状況、サービス提供の状況及び管理費、食費の収支等の内容等を定期的に報告し、説明するとともに、入居者の要望、意見を運営に反映させるよう努めること。
7 サービス
入居者に対して、契約内容に基づき、食事、相談助言、健康管理、治療への協力、介護、機能訓練、レクリエーション等に関し、その心身の状況に応じた適切なサービスが提供されること。
(1) 食事サービス
ア 高齢者に適した食事を提供すること。
イ 栄養士による献立表を作成すること。
ウ 食堂において食事をすることが困難な入居者に対しては、居室において食事を提供するなど必要な配慮を行うこと。
(2) 相談・助言等
入居時には、心身の健康状況等について調査を行い、入居後は入居者の各種の相談に応ずるとともに適切な助言等に努めなければならないこと。
(3) 健康管理と治療への協力
ア 入居時及び1年に2回以上健康診断を受ける機会を与えるとともに、常に入居者の健康の状況に注意し、必要に応じて健康保持のための適切な措置をとるよう努めること。また、健康診断及び健康保持のための措置の記録を適切に保存しておくこと。
イ 入居者が一時的疾病等のため日常生活に支障がある場合には介助等日常生活の世話が行えるよう配慮するとともに、医療機関での治療が必要な場合には適切な治療が受けられるよう医療機関への連絡、紹介、受診手続、通院介助等の協力に努めること。
(4) 介護サービス
ア 介護サービスを提供する有料老人ホームにあっては、契約に定めるところにより、当該有料老人ホーム又はその提携有料老人ホーム(一定限度以上の要介護状態になった場合に入居者が住み替えてそこで介護サービスを行うことが入居契約書に明定されていてるものに限る。)において行うこととし、当該有料老人ホームが行うべき介護サービスを介護老人保健施設、病院、診療所又は特別養護老人ホーム等に行わせてはならないこと。なお、この場合の介護サービスには、医療行為は含まれないものであること。
イ 契約内容に基づき、入居者を一般居室、一時介護室又は介護居室において入居者の自立を支援するという観点に立って処遇するとともに、常時介護に対応できる職員の勤務体制をとること。
ウ 介護記録を作成し、保管するとともに、主治医との連携を十分図ること。
エ 介護サービスの提供に当たっては、入居者の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束その他入居者の行動を制限する行為を行ってはならないこと。ただし、緊急やむを得ず身体拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入居者の心身の状況、緊急やむを得なかった理由を記録しなければならないこと。
(5) 機能訓練
介護サービスを提供する有料老人ホームにあっては、要介護者等の生活の自立の支援を図る観点から、その身体的、精神的条件に応じた機能訓練等を実施すること。
(6) レクリエーション
入居者の要望を考慮し、運動、娯楽等のレクリエーションを実施すること。
(7) 身元引受人への連絡等
入居者の生活において必要な場合には、身元引受人等への連絡等所要の措置をとるとともに、本人の意向に応じ、関連諸制度、諸施策の活用についても迅速かつ適切な措置をとること。要介護者等については、入居者の生活及び健康の状況並びにサービスの提供状況を身元引受人等へ定期的に報告すること。
(8) 金銭等管理
入居者の金銭、預金等の管理は入居者自身が行うことを原則とすること。ただし、入居者本人が特に施設に依頼した場合、又は入居者本人が痴呆等により十分な判断能力を有せず金銭等の適切な管理が行えないと認められる場合であって、身元引受人等の承諾を得たときには、施設において入居者の金銭等を管理することもやむを得ないこと。
この場合にあっては、依頼又は承諾を書面で確認するとともに、金銭等の具体的な管理方法、本人又は身元引受人等への定期的報告等を管理規程等で定めること。
8 事業収支計画
(1) 市場調査等の実施
構想段階における地域特性、需要動向等の市場分析や、計画が具体化した段階における市場調査等により、相当数の者の入居が見込まれること。
(2) 資金の確保等
初期総投資額の積算に当たっては、開設に際して必要となる次のような費用を詳細に検討し積み上げて算定し、必要な資金を適切な方法で調達すること。また、資金の調達に当たっては主たる取引金融機関等を確保しておくこと。
ア 調査関係費 イ 土地関係費 ウ 建築関係費 エ 募集関係費 オ 開業準備関係費 カ 公共負担金 キ 租税公課 ク 期中金利 ケ 予備費
(3) 資金収支計画及び損益計画
次のような点に留意し、長期の資金収支計画及び損益計画を策定すること。
ア 長期安定的な経営が可能な計画であること。
イ 最低30年以上の長期的な計画を策定し、少なくとも3年ごとに見直しを行うこと。
ウ 借入金の返済に当たっては、資金計画上無理のない計画となっていること。
エ 適切かつ実行可能な募集計画に基づいていること。
オ 長期推計に基づく入居時平均年齢、男女比、単身入居率、入退去率、入居者数及び要介護者発生率を勘案すること。
カ 人件費、物件費等の変動や建物の修繕費等を適切に見込んでいること。
キ 一時金(入居時に前払い金として一括して受領する利用料)の償却年数は平均余命を勘案し決められていること。
ク 常に適正な資金残高があること。
(4) 経理・会計の独立
有料老人ホーム以外にも事業経営を行っている経営主体については、当該有料老人ホームについての経理・会計を明確に区分し、他の事業に流用しないこと。
9 利用料等
有料老人ホームは、契約に基づき入居者の負担により賄われるものであり、その支払方法については、月払い方式、一時金方式又はこれらを組み合わせた方式等多様な方法が考えられるが、いずれの場合にあっても、家賃相当額、介護費用、食費、管理費等の取扱いについては、それぞれ次によること。
(1) 家賃相当額
ア 家賃相当額は、当該有料老人ホームの整備に要した費用、修繕費、管理事務費、地代に相当する額等を基礎として合理的に算定したものとし、近傍同種の住宅の家賃から算定される額を大幅に上回るものでないこと。
イ 月払い方式の場合で、家賃相当額に関する保証金を受領する場合には、その額は6か月分を超えないこととし、退去時に居室の原状回復費用を除き全額返還すること。なお、原状回復の費用負担については、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(平成10年3月建設省住宅局・(財)不動産適正取引推進機構)を参考にすること。
ウ 一時金方式(終身にわたって受領すべき家賃相当額の全部又は一部を前払い金として一括して受領する方式)により受領する場合については、一定期間内に死亡又は退居したときの入居月数に応じた返還金の算定方式を明らかにしておくとともに、一時金の返還金債務を確実に履行すること。
また、一時金のうち返還対象とならない部分の割合が適切であること。ただし、入居後の短期間の解約については、滞在日数に応じた費用及び居室の原状回復のための費用等を除き、一時金を全額返還することが望ましいこと。
なお、着工時において、相当数の者の入居が見込まれない場合については、十分な入居者を確保し安定的な経営が見込まれるまでの間については、一時金の返還金債務について銀行保証等が付されていること。
(2) 介護費用(介護保険対象外の費用)
ア 都度払い方式(サービスを提供した都度個々にその費用を受領する方式)又は月払い方式による場合については、提供するサービスの内容に応じて人件費、材料費等を勘案した適切な額とすること。
イ 一時金方式による場合については、開設後の経過年数に応じた要介護発生率、介護必要期間、職員配置等を勘案した合理的な積算方法によるものとすること。
ただし、介護保険の利用者負担分の受領方法として、有料老人ホームが一時金により受け取ることは、利用者負担分が不明確となるので不適当であること。
ウ 一時金方式に係る返還金の取扱いについては、(1)ウによること。
エ 手厚い職員体制であるとして介護保険外に別途費用を受領できる場合は、「特定施設入所者生活介護事業者が受領する介護保険の給付対象外の介護サービス費用について」(平成12年3月30日付け老企第52号厚生省老人保健福祉局長企画課長通知)の規定によるものに限られていることに留意すること。
(3) 食費、管理費等
ア 入居者に対するサービスに必要な費用の額(食費、管理費、その他の運営費等)を基礎とする適切な額とすること。
イ 食費、管理費等を含め、多額の一時金を払えば毎月の支払は一切なく生涯生活を保証するという終身保証契約は、その後において入居者の心身の状況や物価、生活費等の経済情勢が著しく変化することがあり得るので、原則として好ましくないこと。
10 契約内容等
(1) 契約締結に関する手続等
ア 契約に際して、契約手続、利用料等の支払方法などについて事前に十分説明すること。特定施設入所者生活介護事業者の指定を受けたホームにあっては、入居契約時には特定施設入所者生活介護の提供に関する契約を締結しない場合であっても、入居契約時に、当該契約の内容について十分説明すること。
イ 一時金の内金は一時金の20%以内とし、残金は引渡し日前の合理的な期日以降に徴収すること。
ウ 入居開始可能日前の契約解除の場合については、既受領金の全額又は申込金を除いた全額を返還すること。
(2) 契約内容
ア 入居契約書において、有料老人ホームの類型、利用料等の費用負担の額及びこれによって提供されるサービス等の内容、入居開始可能日、身元引受人の権利・義務、契約当事者の追加、契約解除の要件及びその場合の対応、一時金の返還金の有無、返還金の算定方式及びその支払時期等が明示されていること。
イ 介護サービスについては、心身の状態等に応じて介護サービスが提供される場所、介護サービスの内容、頻度及び費用負担等を入居契約書又は管理規程上明確にしておくこと。
ウ 利用料等の改定のルールを入居契約書又は管理規程上明らかにしておくとともに、利用料等の改定に当たっては、その根拠を入居者に明確にすること。
エ 契約書に定める設置者の契約解除の条件は、信頼関係を著しく害する場合に限るなど入居者の権利を不当に狭めるものとなっていないこと。また、入居者、設置者双方の契約解除条項を契約書上定めておくこと。
オ 要介護状態になった入居者を一時介護室において処遇する場合には、医師の意見を聴いて行うものとし、その際本人の意思を確認するとともに、身元引受人等の意見を聴くことを契約書又は管理規程上明らかにしておくこと。
カ 一定の要介護状態になった入居者が、一般居室から介護居室若しくは提携ホームに住み替える契約の場合、入居者が一定の要介護状態になったことを理由として契約を解除する契約の場合、又は、介護居室の入居者の心身の状況に著しい変化があり介護居室を変更する契約の場合にあっては、次の手続を含む一連の手続を契約書又は管理規程上明らかにしておくこと。また、一般居室から介護居室若しくは提携ホームに住み替える場合の家賃相当額の差額が発生した場合の取扱いについても考慮すること。
(ア) 医師の意見を聴くこと。
(イ) 本人又は身元引受人等の同意を得ること。
(ウ) 一定の観察期間を設けること。
(3) 重要事項の説明等
ア 入居契約に関する重要な事項を説明するため、別紙様式に基づき「有料老人ホーム重要事項説明書」(以下「重要事項説明書」という。)を作成するものとし、入居者に誤解を与えることがないよう必要な事項を実態に即して正確に記載すること。なお、同様式の別添「介護サービス等の一覧表」は、重要事項説明書の一部をなすものであることから、重要事項説明書に必ず添付すること。
イ 重要事項説明書は、入居相談があったときに交付するほか、求めに応じ交付すること。特に入居希望者に対しては、設置者の概要、有料老人ホームの類型及び指定居宅サービスの種類(当該有料老人ホームの設置主体が介護保険法第70条の規定により指定された居宅サービスの種類(指定居宅介護支援を含む。)。以下同じ。)、契約内容を十分理解した上で契約を締結できるよう、契約締結前に十分な時間的余裕を持って重要事項説明書について十分な説明を行うこととし、その際には説明を行った者及び説明を受けた者の署名を行うこと。
(4) 体験入居
開設後においては、契約締結前に体験入居の途を設けること。
(5) 入居募集等
ア 入居募集に当たっては、パンフレット、募集広告等において、有料老人ホームの類型及び指定居宅サービスの種類を明示すること。
イ 募集広告等入居募集の際、誇大広告等により、入居者に不当に期待をいだかせたり、それによって損害を与えるようなことがないよう、実態と乖離のない正確な表示をすること。特に、介護が必要となった場合の介護を行う場所、介護に要する費用の負担、介護を行う場所が入居している居室でない場合の当該居室の利用権の存否等については、入居者に誤解を与えるような表示をしないこと。
(6) 苦情解決、損害賠償
ア 入居者の苦情に対し迅速かつ円滑な解決を図るため、設置主体において苦情処理体制を整備するとともに、外部の苦情処理機関について入居者に周知すること。
イ 入居者に対するサービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、入居者に対しての損害賠償を速やかに行うものとすること。
11 情報開示
(1) 有料老人ホームの運営に関する情報
有料老人ホームにおいて、パンフレットの他、重要事項説明書、契約書(特定施設入所者生活介護の提供に関する契約書を含む。)、管理規程等を公開するものとし、求めに応じ交付すること。
一時金を受領する施設にあっては、一時金が将来の居住費用、サービス費用に充てられるものであることから、貸借対照表及び損益計算書又はそれらの要旨についても、入居者及び入居希望者の求めに応じ閲覧に供すること。さらに、有料老人ホームの経営状況・将来見通しに関する入居者等の理解に資する観点から、事業収支計画についても閲覧に供するよう努めるとともに、貸借対照表等の財務諸表について、入居者等の求めがあればそれらの写しを交付するよう配慮すること。
(2) 有料老人ホーム類型の表示
有料老人ホームの類型は、別表「有料老人ホームの類型」のとおり分類するものとすること。
この類型については、パンフレット、新聞等において広告を行う際には、施設名と併せて表示することとし、同別表中の表示事項についても類型に併記すること。ただし、表示事項については、同別表の区分により難いと特に認められる場合には、同別表の区分によらないことができること。
なお、表示事項のうち、特に、介護に関わる職員体制について「1.5:1以上」、「2:1以上」又は「2.5:1以上」の表示を行おうとする有料老人ホームにあっては、介護に関わる職員の割合を年度ごとに算定し、表示と実態の乖離がないか自ら検証するとともに、入居者等に対して算定方法及び算定結果について説明すること。

別紙様式

有料老人ホーム重要事項説明書

作成日 平成  年  月  日

 1 事業主体概要

事業主体名

 

代表者名

 

所在地

 

基本財産・資本金

 

主な出捐者・出資者とその金額

 

他の主な事業

 

 2 施設概要

施設名

 

施設の類型及び表示事項

 

介護保険の指定居宅サービスの種類 注1

 

施設長(施設の管理者)名

 

開設年月日

 

所在地・電話番号

 

交通の便

 

敷地概要(権利関係)

 

建物概要(権利関係)

 

居室(一般居室・介護居室)、一時介護室の概要

 一般居室   室 定員    名

      最多    m 2 (    m 2 ~    m 2 )

 介護居室(全室個室)注2

       室  定員  名

      最多    m 2 (    m 2 ~    m 2 )

 介護居室(相部屋あり)注3

       室(  人部屋  室)  定員    名

        人部屋    m 2

 一時介護室 室(  人部屋  室) ベッド数   床

        人部屋    m 2

浴室、食堂、機能訓練室の概要

 

共用施設概要

 

緊急通報装置等緊急連絡・安否確認

 

 注1) 介護保険法第70条の規定により指定された居宅サービスの種類(指定居宅介護支援を含む。)を記入。

  2) 介護居室が全室個室の場合に記入。

  3) 介護居室が全室個室でない場合に記入。

 3 利用料

費用の納入方式

 

一時金(介護費用の一時金を除く)

    人入居の場合    万円~    万円

(最多      万円台   戸)

 

使途

 

解約時の返還金

 

介護費用の一時金

       万円

 

解約時の返還金

 

月額利用料

    人入居の場合    円~      円/月

 

内訳

管理費

 

 

使途

 

食費

 

介護費用

(介護保険に係る利用料を除く)

 

光熱水費

 

家賃相当額

 

その他

 

改定ルール

 

介護保険に係る利用料

 

一時金の返還金の保全措置

 ・銀行保証の有無及び内容

 ・その他の保全措置の有無及び内容

 有・無

  (            )

 有・無

  (            )

損害賠償額の予定の定めの有無及び内容

 有・無

  (            )

消費税

 

有料老人ホーム法令通知ハンドブック

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平成一一年一〇月二〇日柔道整復師の施術に係る療養費について

 

柔道整復師の施術に係る療養費について
(平成一一年一〇月二〇日)
(保険発第一三八号)
(各都道府県民生主管部(局)保険・国民健康保険主管課(部)長あて厚生省保険局医療課長通知)
標記については、平成一一年一〇月二〇日付老発第六八二号・保発第一四四号をもって通知されたところであるが、これに関連する事項について、左記のとおり定めたので、関係者に対し周知徹底を図るとともに、その実施に遺憾のないよう御配慮願いたい。
1 柔道整復師の施術に係る療養費について
(1) 柔道整復師が受領委任の取扱いを届け出又は申し出た場合は、受領委任の取扱いの中止が行われた場合には、原則として中止後五年間は再登録又は再承諾をしないが、不正若しくは不当な請求の金額又はその金額及び件数の割合が軽微であると認められる柔道整復師については、受領委任の取扱いの中止後、二年以上五年未満で受領委任の取扱いを再登録又は再承諾することができること。
また、次に掲げる場合に該当する柔道整復師から受領委任の取扱いの届け出又は申し出があった場合は、受領委任の取扱いを登録又は承諾しないことができること。
① 受領委任の取扱いの中止を受けた施術管理者に代えて施術所の開設者から施術管理者に選任された者であるとき
② 不正又は不当な請求に係る返還金を納付しないとき
③ 二度以上重ねて受領委任の取扱いを中止されたとき
(2) 今後、柔道整復師が患者から一部負担金を徴収した際の領収書及び施術明細書の交付について、より一層指導すること。
(3) 地方社会保険事務局長及び都道府県知事は、柔道整復施術療養費支給申請書の記載要領を別紙を参考にして定めること。
(4) 改正後の受領委任の取扱いに係る協定及び契約の締結日を平成一二年一月一日に統一するため、都道府県知事及び保険者等は、現に締結している協定及び契約の有効期限を平成一一年一二月三一日にする等、所要の措置を講じられたいこと。
2 柔道整復師の施術に係る算定基準の実施上の留意事項等について(平成九年四月一七日付保険発第五七号)の一部改正について 略
3 適用について
本通知は、平成一二年一月一日から適用し、これに伴い、昭和六一年六月六日保険発第五七号通知及び昭和六三年七月一四日付保険発第七六号通知を廃止すること。ただし、1の(4)については、本通知受理後、可能な限り早期に対処されたいこと。

別紙
柔道整復施術療養費支給申請書の記載要領(参考例)
第一 一般的事項
1 柔道整復師は、療養費を保険者に請求する場合は、別添様式又はそれに準ずる様式により行うこと。
2 柔道整復施術療養費支給申請書(以下「申請書」という。)の用紙の大きさは日本工業規格A列4番とすること。
3 申請書に記載した数字等の訂正を行うときは、修正液を使用することなく、誤って記載した数字等を=線で抹消の上、正しい数字等を記載すること。
なお、申請書の記載に当たっては、黒若しくは青色のインク又はボールペン等を使用すること。
第二 記載上の留意事項
1 保険者番号等の欄
(1) 「市町村番号」欄について
健康手帳の医療受給者証に記入されている市町村番号を記載すること。
(2) 「老人医療の受給者番号欄」について
健康手帳の医療受給者証に記入されている受給者番号を記載すること。
(3) 「保険者番号」欄について
設定された保険者番号を記載すること。
(4) 「保険種別」欄について
該当する保険種別を〇で囲むこと。
(5) 「被保険者証等の記号・番号」「生年月日」「被保険者の氏名」「被保険者の住所」欄について
健康保険被保険者証等に記入されている各項目の内容を記載すること。
2 施術の内容欄
(1) 「療養を受けた者の氏名」「生年月日」欄について
療養を受けた者の氏名及び生年月日を記載すること。
(2) 「負傷名」欄について
① 「負傷名」欄には、別に厚生省保険局長が定める「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準」に基づく施術料算定の単位となる所定部位の名称及び負傷名を明確に記載すること。
なお、負傷名の記載に際しては、部位の左・右・上・下等を特定するとともに、次の名称を使用して差し支えないものとすること。
(打撲の部)
ア 背部(肩部を含む。) 背部打撲、肩部打撲又は肩甲部打撲
イ 手根・中手部     手根部打撲又は中手部打撲
ウ 腰臀部        腰部打撲又は臀部打撲
エ 足根・中足部     足根部打撲又は中足部打撲
(捻挫の部)
ア 頚部         頚椎捻挫
イ 中手指・指関節    中手指関節捻挫又は指関節捻挫
ウ 腰部         腰椎捻挫
エ 中足趾・趾関節    中足趾関節捻挫又は趾関節捻挫
② 負傷名の記載の順序については、負傷年月日順(施術録の記載順)を原則とするが、逓減率を勘案して、骨折、不全骨折及び脱臼については初検時のみ優先して記入して差し支えないこと。なお、初検時の負傷名の順序は、以後変更できないこと。
(3) 「負傷年月日」欄について
当該負傷部位に係る負傷した年月日を記載すること。
(4) 「初検年月日」欄について
当該負傷部位に係る初検年月日を記載すること。
(5) 「施術開始」欄について
申請対象月(期間)における当該部位について初めて施術を行った年月日を記載すること。
(6) 「施術終了」欄について
申請対象月(期間)における当該部位について最後に施術を行った年月日を記載すること。
(7) 「実日数」欄について
申請対象月(期間)における当該部位について施術を行った日数を記載すること。
(8) 「転帰」欄について
治癒の場合は「治癒」、保険医療機関に引き継いだ場合は「転医」、施術を中止した場合及び他の事情で患者に対する施術を止めた場合は「中止」を〇で囲むこと。施術が継続中の場合は無表示とすること。
(9) 「経過」欄について
患部の状態、施術経過等を記載すること。
(10) 「請求区分」欄について
当該患者に係る申請書を初めて提出する場合(初検料を算定する場合)は「新規」、第二回目以降の申請書を提出する場合は「継続」を〇で囲むこと。
患者の負傷が治癒した後、同一月内に新たに発生した負傷に対し施術を行った場合は、「新規」と「継続」の両方を〇で囲むこと。
(11) 「初検料」欄について
初検料を記載し、休日、深夜又は時間外加算を算定する場合は、該当する文字を〇で囲んで加算額を記載すること。また、施術時間を「摘要」欄に記載すること。
(12) 「往療料」欄について
往療した患家までの直線距離(km)、回数及び往療料を記載し、夜間、難路又は暴風雨雪加算を算定する場合は、該当する文字を〇で囲んで加算額を記載すること。
また、「摘要」欄に次の事項を記載すること。
a 歩行困難等真にやむを得ない理由
b 暴風雨雪加算を算定した場合は、当該往療を行った日時
c 難路加算を算定した場合は、当該往療を行った日時及び難路の経路
d 片道一六kmを超える往療料を算定した場合は、往療を必要とする絶対的な理由
(13) 「整復料・固定料、施療料」欄、「逓減開始月日」欄、「後療料」欄、「冷罨法料」欄、「温罨法料」欄、「電療料」欄、左側の「計」欄、中央の「計」欄、「長期」欄、右側の「計」欄及び「施術の証明」欄について
① 施術部位数が三部位以上の場合の三部位目から四部位目までの部分については、それぞれの部位の逓減率に応じた所定欄に記載すること。
一部の部位に係る負傷が先に治癒したことにより逓減率が変更となった場合は、変更後の逓減率に応じた所定欄に記載するとともに、当該月日を「逓減開始月日」欄に記載すること。
また、五部位以降の負傷名については「摘要」欄に記載し、五部位以降の当該施術に係る整復料、固定料及び施療料については、「整復料・固定料・施療料」欄の「(5)」の項に六部位以降を含めた合計額を記載し、「摘要」欄にその旨を記載すること。
② 「後療料」欄には、単価、回数及び合計額を記載すること。
なお、長期・多部位の施術の場合の定額料金を算定する場合は、「後療料」欄の最下位欄に所定料金を記載すること。
③ 「冷罨法料」欄には、回数及び合計額を記載すること。
④ 「温罨法料」欄には、回数及び合計額を記載すること。
⑤ 「電療料」欄には、回数及び合計額を記載すること。
⑥ 左側の「計」欄には、後療料、冷罨法料、温罨法料及び電療料の合計額を記載すること。
⑦ 中央の「計」欄には、左側の「計」欄に記載された金額に所定の逓減率を乗じた金額を記載すること。
逓減率を乗じた金額に一円未満の端数が生じた場合は、その小数点以下一桁目を四捨五入することにより端数処理を行うものとすること。
⑧ 「長期」欄には、五か月を超える施術(骨折又は不全骨折に係るものを除く。)に係るものについて、長期逓減率(〇・八)を該当欄に記載すること。
⑨ 右側の「計」欄には、多部位の逓減のない負傷部位については左側の「計」欄の金額に長期逓減率(〇・八)を乗じた金額を、多部位の逓減がある負傷部位については中央の「計」欄の金額に長期逓減率(〇・八)を乗じた金額を、長期逓減に該当しない負傷部位については長期逓減率を乗じない金額を、それぞれ該当欄に記載すること。
逓減率を乗じた金額に一円未満の端数が生じた場合は、その小数点以下一桁目を四捨五入することにより端数処理を行うものとすること。
(14) 「摘要」欄について
① 医療機関からの依頼を受けて膝蓋骨骨折等の後療を算定した場合は、後療を依頼した医師又は医療機関名を記載すること。
② 長期、多部位の施術の場合の定額料金を算定中、一部の部位に係る負傷が先に治癒し、部位数が二部位以下となった場合は、二部位以下になった旨及び当該年月日を記載すること。
この場合における一部位目及び二部位目に係る後療料、温罨法料等については、一部位目及び二部位目の所定欄を使用すること。
③ 以上のほか、負傷部位の所定欄に記載できなかった逓減率の変更等について記載すること。
(15) 「一部負担金」欄について
「二割」、「三割」等の記載でも差し支えないこと。
(16) その他
「負傷年月日」欄、「初検年月日」欄、「施術開始」欄及び「施術終了」欄については、年月日の文字を省略して、「11.4.1」の例のように記載又は印字して差し支えないこと。
3 施術証明欄
柔道整復師は、申請書に記載した施術の内容等を確認の上、「柔道整復師氏名」欄に記名押印すること。
なお、柔道整復師が自署した場合には、押印が不要であること。
4 支払機関欄
療養費の支払先を記載すること。
5 受取代理人の欄
患者から受領委任を受けた場合は、「受取代理人」欄に患者の自筆により被保険者の住所、氏名、委任年月日の記入を受けること。患者が記入することができない場合には、柔道整復師が自筆により代理記入し患者から押印を受けること。(患者が印を有さず、やむを得ず患者のぼ印を受けることも差し支えないこと。)
なお、被保険者の住所については、予め、「上記と同じ」等と印刷しておくこと及び委任年月日については、機械打ち出しすることは差し支えないこと。

(別添)

柔道整復施術療養費支給申請書

〇市町村番号

〇老人医療の受給者番号

〇保険者番号

〇保険種別

 

 

 

政・組・船・国・退・老

〇被保険者証等の記号・番号

〇生年月日

〇被保険者(世帯主・受給者)の氏名

〇被保険者(世帯主・受給者)の住所

 

明・大・昭・平

年  月  日

 

 

施術の内容欄

〇療養を受けた者の氏名

〇生年月日

〇負傷の原因

 

明・大・昭・平

年  月  日

 

〇負傷名

〇負傷年月日

〇初検年月日

〇施術開始

〇施術終了

〇実日数

〇転帰

(1)

年 月 日

年 月 日

年 月 日

年 月 日

 

治癒・中止・転医

(2)

年 月 日

年 月 日

年 月 日

年 月 日

 

治癒・中止・転医

(3)

年 月 日

年 月 日

年 月 日

年 月 日

 

治癒・中止・転医

(4)

年 月 日

年 月 日

年 月 日

年 月 日

 

治癒・中止・転医

(5)

年 月 日

年 月 日

年 月 日

年 月 日

 

治癒・中止・転医

〇経過

請求区分

新規・継続

初検料  円

再検料   円

往療料  km  回     円

加算(夜間・難路・暴風雨雪) 円

金属副子加算(大・中・小) 円

施術情報提供料      円

加算(休日・深夜・時間外) 円

整復料・固定料・施療料

(1)  円

(2)   円

(3)  円

(4)  円

(5)    円

部位

逓減

逓減開始

月日

後療料

円 回 円

冷罨法料80円

回 円

温罨法料80円

回 円

電療料30円

回 円

計円

多部位

計円

長期

計円

1

100

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2

100

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3

80

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

0.8

 

 

 

100

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4

45

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

0.45

 

 

 

80

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

0.8

 

 

 

100

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇摘要

 

合計

 

 

 

 

 

一部負担金

 

 

 

 

 

請求金額

 

 

 

 

 

施術証明欄

 上記のとおり施術したことを証明します。

      年   月   日                      所在地

                               施 術 所 名 称

                                     電 話

    登録記号番号      ―    ―    柔道整復師 氏 名                 印

支払機関欄

〇支払区分

1:振込   3:郵便局送金

2:銀行送金 4:当地払

〇預金の種類

1:普通  3:通知

2:当座  4:別段

〇金融機関

             銀行         本店

             金庫         支店

〇口座名称

 

〇口座番号

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郵便局

受取代理人の欄

 上記請求に基づく給付金の受領方を下記の者に委任します。

    年   月   日

住所                

被保険者(世帯主・受給者)                   

氏名                

(この欄は、患者が記入して下さい。ただし、患者が記入することができない場合には、代理記入の上、押印して下さい。)

〇代理人の氏名

柔道整復師                   印

〇代理人の住所

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平成一一年一〇月二〇日柔道整復師の施術に係る療養費について各都道府県知事あて厚生省老人保健福祉局長・厚生省保険局長通知

 

柔道整復師の施術に係る療養費について
(平成一一年一〇月二〇日)
(保発第一四四号・老発第六八二号)
(各都道府県知事あて厚生省老人保健福祉局長・厚生省保険局長通知)
標記については、昭和六三年七月一四日付保発第八九号通知により実施しているところであるが、下記のとおり取り扱うこととしたので、関係者に対して周知徹底を図るとともに、その実施に遺憾のないよう御配慮願いたい。
一 改正の目的
国民健康保険法等の一部を改正する法律(平成一〇年法律第一〇九号)の主旨等を踏まえ、柔道整復師の施術に係る療養費(以下「柔道整復療養費」という。)の適正な制度運営をより一層図るため、柔道整復療養費の受領委任の取扱い(以下「受領委任の取扱い」という。)に係る所要の改正を行ったこと。
二 改正の内容
受領委任の取扱いについては、社団法人日本柔道整復師会の会員にあっては、別添一により、また、その他の柔道整復師にあっては、別添二及び別添三により、それぞれ取り扱うものとすること。
なお、別添一の別紙二及び別添三については、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(平成一一年法律第八七号)の施行に伴い、平成一二年四月一日に設置が予定されている地方社会保険事務局長を含めた受領委任の取扱いを定めたものであること。
三 適用
本通知は、平成一二年一月一日から適用し、これに伴い、昭和六三年七月一四日付保発第八九号通知を廃止すること。

別添一
協定書
柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任の取扱いについて、次のとおり合意する。
平成一二年三月三一日までは、別紙一により取り扱うこと。また、平成一二年四月一日からは、別紙二により取り扱うこと。
○〇都道府県知事〇〇〇〇  印
(〇〇社会保険事務局長〇〇〇〇印)
社団法人〇〇都道府県柔道整復師会長 〇〇〇〇  印

別紙一
第一章 総則
(目的)
一 本協定は、柔道整復師が健康保険法及び船員保険法に基づく政府管掌健康保険、組合管掌健康保険及び船員保険の被保険者又は被扶養者に係る療養費並びに国民健康保険法の被保険者に係る療養費及び老人保健法に基づく受給対象者に係る医療費(以下単に「療養費」という。)の受領の委任を被保険者又は被扶養者から受け、保険者又は市町村(以下「保険者等」という。)に請求する場合の取扱い(以下「受領委任の取扱い」という。)を、〇〇都道府県知事(以下「甲」という。)と社団法人〇〇都道府県柔道整復師会長(以下「乙」という。)との間で合意し、これに基づき、乙の会員である者(以下「会員」という。)に対して受領委任の取扱いを行わせることを目的とする。
(委任)
二 甲は、乙と本協定の締結を行うに当たっては、健康保険組合連合会会長又は国民健康保険及び老人保健に係る保険者又は市町村からの委任を受けた国民健康保険中央会理事長から、受領委任の契約に係る委任を受けること。
三 二の委任は、本協定の締結並びに第二章及び第八章に係る事務等の委任であって、保険者等(政府を除く。)における療養費の支給決定の権限の委任ではないこと。
(受領委任の施術管理者)
四 施術所の開設者である者を受領委任に係る施術管理者(以下「施術管理者」という。)とすること。
ただし、開設者が会員でない場合又は開設者である会員が施術所で施術を行わない場合は、当該施術所に勤務する会員の中から開設者が選任した者を施術管理者とすること。
五 施術管理者は、第二章に定める手続きを行うこと。ただし、開設者が選任した者が施術管理者である場合は、開設者が選任したことを証明する書類を六の確約を行うに当たって甲及び乙に提出すること。
第二章 確約及び登録等
(確約)
六 受領委任の取扱いを希望する施術管理者である会員は、様式第一号により、本協定に定める事項を遵守することについて、甲及び乙に確約しなければならないこと。
(受領委任の届け出)
七 六の確約を行った会員は、様式第二号(様式第二号の二を含む。)により、会員が施術を行う施術所において勤務する他の柔道整復師(以下「勤務する柔道整復師」という。)から、第三章に定める事項を遵守し、第二章九及び一二並びに第八章の適用を受けることについて同意を受け、当該施術所及び勤務する柔道整復師に関する事項について、乙を経由して甲に届け出ること。
(受領委任の登録)
八 甲は、七の届け出を行った会員について、次の事項に該当する場合を除き、受領委任の取扱いに係る登録を行い、登録年月日以後、受領委任の取扱いを認めること。また、その場合は、様式第三号により、乙を経由して登録された当該会員(以下「丙」という。)に登録した旨を通知すること。
(一) 施術管理者である会員又は勤務する柔道整復師が受領委任の取扱いの中止を受け、原則として中止後五年を経過しないとき。
(二) その他、受領委任の取扱いを認めることが不適当と認められるとき。
(勤務する柔道整復師の施術)
九 八により登録された勤務する柔道整復師は、受領委任の取扱いに係る施術を行うことができること。その場合、当該施術に係る療養費の請求は、丙が行うこと。
(施術所の制限)
一〇 受領委任の取扱いは、八により登録された施術所(以下「登録施術所」という。)においてのみ認められること。
したがって、丙が登録施術所以外の施術所において受領委任の取扱いを行う場合は、別途、六及び七の手続きを経て、甲が受領委任の取扱いに係る登録を行う必要があること。
(届出事項の変更等)
一一 丙は、七の届出事項の内容に変更が生じたとき又は受領委任の取扱いを行うことができなくなったときは、様式第四号により、速やかに乙を経由して甲に届け出ること。
(受領委任の取扱いの中止)
一二 甲は、丙又は勤務する柔道整復師が次の事項に該当する場合は、受領委任の取扱いを中止すること。
(一) 本協定に定める事項を遵守しなかったとき。
(二) 療養費の請求内容に不正又は著しい不当の事実が認められたとき。
(三) その他、受領委任の取扱いを認めることが不適当と認められるとき。
第三章 保険施術の取扱い
(施術の担当方針)
一三 丙は、関係法令及び通達を遵守し、懇切丁寧に柔道整復に係る施術(以下「施術」という。)を行うこと。
また、施術は、被保険者又は被扶養者である患者(以下「患者」という。)の療養上妥当適切なものとすること。
(受給資格の確認等)
一四 丙は、患者から施術を求められた場合は、その者の提出する被保険者証(健康保険継続療養証明書、日雇特例被保険者受給資格者票、日雇特例被保険者特別療養費受給票、船員保険被扶養者証、老人保健においては健康手帳を含む。以下同じ。)によって療養費を受領する資格があることを確認すること。
ただし、緊急やむを得ない事由によって被保険者証を提出することができない患者であって、療養費を受領する資格が明らかなものについてはこの限りでないが、この場合には、その事由がなくなった後、遅滞なく被保険者証を確認すること。
(療養費の算定、一部負担金の受領等)
一五 丙は、施術に要する費用について、別に厚生省保険局長が定める「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準」(以下「算定基準」という。)により算定した額を保険者等に請求するとともに、患者から健康保険法、船員保険法、国民健康保険法及び老人保健法に定める一部負担金に相当する金額の支払いを受けるものとし、これを減免又は超過して徴収しないこと。
ただし、算定基準の備考五により算定する場合は、当該施術に要する費用の範囲内に限り、算定基準により算定した費用の額を超える金額の支払いを受けることができること。
また、請求に当たって他の療法に係る費用を請求しないこと。
(意見書の交付)
一六 丙は、患者から傷病手当金を受けるために必要な傷病手当金意見書の交付を求められたときは、無償で交付すること。
(施術録の記載)
一七 丙は、受領委任に係る施術に関する施術録をその他の施術録と区別して作成し、必要な事項を記載した上で、施術が完結した日から五年間保存すること。
一八 丙は、骨折及び脱臼に対する施術を医師の同意を得て行った場合は、施術録にその旨を記載すること。
(通知)
一九 丙は、患者が次の事項に該当する場合は、遅滞なく意見を附してその旨を保険者等に通知すること。
(一) 闘争、泥酔又は著しい不行跡によって事故を起こしたと認められたとき。
(二) 正当な理由がなくて、施術に関する指揮に従わないとき。
(三) 詐欺その他不正な行為により、施術を受け、又は受けようとしたとき。
(施術の方針)
二〇 丙は、施術の必要があると認められる負傷に対して、的確な判断のもとに患者の健康の保持増進上妥当適切に施術を行うほか、以下の方針によること。
(一) 施術に当たっては、懇切丁寧を旨とし、患者の治療上必要な事項は理解しやすいように指導すること。
(二) 施術は療養上必要な範囲及び限度で行うものとし、とりわけ、長期又は濃厚な施術とならないよう努めること。
(三) 現に医師が診療中の骨折又は脱臼については、当該医師の同意が得られている場合のほかは、施術を行わないこと。ただし、応急手当をする場合はこの限りでないこと。
この場合、同意を求めることとしている医師は、原則として当該負傷について診療を担当している医師とするが、当該医師の同意を求めることができないやむを得ない事由がある場合には、この限りではないこと。
(四) 柔道整復師法等関係法令に照らして医師の診療を受けさせることが適当であると判断される場合は、医師の診療を受けさせること。
第四章 療養費の請求
(申請書の作成)
二一 丙は、保険者等に療養費を請求する場合は、次に掲げる方式により支給申請書(以下「申請書」という。)を作成し、速やかな請求に努めること。
(一) 申請書の様式は、様式第五号又はそれに準ずる様式とすること。
(二) 申請書を月単位で作成すること。
(申請書の送付)
二二 丙は、申請書を保険者等毎に取りまとめ、乙に送付する。乙は、様式第六号及び様式第七号又はそれに準ずる様式の総括票を記入の上、それぞれを添付し、原則として、毎月一〇日までに、保険者等(健康保険組合を除く。)の所在地の都道府県知事若しくは国民健康保険団体連合会(二四により国民健康保険等柔道整復療養費審査委員会が設置されている場合に限る。以下「国保連合会」という。)又は健康保険組合へ送付すること。
(申請書の返戻)
二三 甲又は国保連合会は、二四の柔整審査会の審査対象である申請書の事前点検を行い、申請書に不備がある場合は、当該保険者等に代わり丙が所属する各都道府県社団法人柔道整復師会長を経由して丙に返戻すること。
ただし、健康保険組合に係る申請書の返戻については、当該健康保険組合が同様に行うこと。
第五章 柔整審査会
(柔整審査会の設置)
二四 甲は、政府管掌健康保険及び船員保険に係る申請書を審査するため、各都道府県に柔道整復療養費審査委員会を設置すること。
また、国民健康保険及び老人保健に係る申請書について、当該保険者等に代わり国保連合会に審査を行わせるため、甲は、国民健康保険団体連合会と協議の上、国民健康保険団体連合会に国民健康保険等柔道整復療養費審査委員会(以下、各都道府県の柔道整復療養費審査委員会と合わせて「柔整審査会」という。)を設置させることができること。ただし、既に各都道府県の柔道整復療養費審査委員会において、国民健康保険及び老人保健に係る申請書の審査の委任を受けている場合は、引き続き審査を行うことができること。
なお、組合管掌健康保険に係る申請書を審査するため、都道府県健康保険組合連合会会長は甲と協議の上、甲に審査を委任することができること。
(審査に必要な報告等)
二五 甲又は国保連合会は、柔整審査会の審査に当たり必要と認める場合は、乙を経由して丙から報告等を徴することができること。
第六章 療養費の支払い
(療養費の支払い)
二六 保険者等(健康保険組合を除く。)及び都道府県知事に審査を委任している健康保険組合(以下「審査委任保険者等」という。)は、受領委任の取扱いに係る療養費の支払いを行う場合は、それぞれの審査委任保険者等が所在する都道府県の柔整審査会の審査を経ること。
二七 保険者等による点検調査の結果、申請書を返戻する必要がある場合は、二三と同様の取扱いによること。
二八 審査委任保険者等は、点検調査の結果、請求内容に疑義がある場合は、甲又は国保連合会にその旨を申し出ること。
二九 保険者等は、療養費の支給を決定する際には、適宜、患者等に施術の内容及び回数等を照会して、施術の事実確認に努めること。また、柔整審査会の審査等を踏まえ、速やかに療養費の支給の適否を判断し処理すること。
なお、調査に基づき不支給等の決定を行う場合において、患者が施術者に施術料金を支払う必要がある場合は、保険者等は、適宜、当該患者に対して指導を行うこと。
三〇 丙は、申請書の記載内容等について乙又は保険者等から照会を受けた場合は、的確に回答すること。
三一 保険者等は、請求額に対する支給額の減額又は不支給等がある場合は、様式第八号又はそれに準ずる様式の書類を記入の上、申請書の写しを添えて、丙が所属する各都道府県社団法人柔道整復師会長を経由して丙へ送付すること。
三二 保険者等は、申請書の支払機関欄に記載された支払機関に対して療養費を支払うこと。
第七章 再審査
(再審査の申し出)
三三 丙は、保険者等の支給決定において、柔整審査会の審査内容に関し不服がある場合は、その理由を附した書面により、乙及び健康保険組合(都道府県知事に審査を委任している場合に限る。)を経由して審査委任保険者等の所在地の都道府県知事又は国保連合会に対して再審査を申し出ることができること。
なお、丙は、再審査の申し出はできる限り早期に行うよう努めること。また、同一事項について、再度の再審査の申し出は、特別の事情がない限り認められないものであることを留意すること。
三四 甲又は国保連合会は、審査委任保険者等から請求内容に疑義がある旨及び丙から再審査の申し出があった場合は、柔整審査会に対して、再審査を行わせること。
第八章 指導・監査
(指導・監査)
三五 丙及び勤務する柔道整復師は、甲が必要があると認めて施術に関して指導又は監査を行い、帳簿及び書類を検査し、説明を求め、又は報告を徴する場合は、これに応じること。
三六 丙及び勤務する柔道整復師が関係法令若しくは通達又は本協定に違反した場合は、甲はその是正等について指導を行うこと。
第九章 その他
(情報提供等)
三七 甲は、八の受領委任の取扱いに係る登録を行った丙に関し、所要の事項を記載した名簿を備えるとともに、一二により受領委任の取扱いを中止した場合は、速やかに他の都道府県知事にその旨を連絡すること。
(広報及び講習会)
三八 乙は、本協定に基づく受領委任の取扱いを徹底するため、適宜、広報及び講習会の開催を行うものとすること。
(協力)
三九 甲は、受領委任の取扱いに当たっては、必要に応じ乙と協議する等、乙の協力を得て円滑な実施に努めること。
(契約期間)
四〇 本協定の有効期間は、平成一二年一月一日から三年間とする。ただし、期間満了一月前までに特段の意思表示がない場合は、期間満了の日の翌日において、更に三年間順次更新したものとすること。
(前協定の廃止等)
四一 昭和(平成)〇〇年〇〇月〇〇日付で甲と乙の間で締結した協定書は、平成一一年一二月三一日をもって廃止すること。また、平成一一年一二月三一日までに行った施術の療養費の請求に関しては、従前の例によること。

(様式第1号)

確約書

  柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任の取扱いを届け出るに当たり、次の事項を確約します。

 1 平成12年3月31日までは、平成11年10月20日老発第682号・保発第144号通知(以下「平成11年通知」という。)別添1の協定書の別紙1を遵守すること。

 2 平成12年4月1日からは、〇〇都道府県知事及び社団法人〇〇都道府県柔道整復師会長に対し、平成11年通知別添1の協定書の別紙2を遵守すること。

  なお、併せて、同日設置が予定されている〇〇社会保険事務局長に対しても、平成11年通知別添1の協定書の別紙2を遵守することを確約すること。

    平成  年  月  日

  〇〇都道府県知事

            〇〇〇〇

                     殿

  社団法人〇〇都道府県柔道整復師会長

            〇〇〇〇

柔道整復師氏名          印

住所           

(受領委任の取扱いを行う施術所)

 

 

 

 

 

 

 

 (注) 確約書の管理は、社団法人〇〇都道府県柔道整復師会長が行うものとすること。

(様式第2号)

柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いに係る届け出(施術所の届け出)

柔道整復師

(受領委任の施術管理者)

第1

ふりがな

 

氏名

明・大・昭  年  月  日生

免許

番号        (取得年月日)大・昭・平  年  月  日

施術所

ふりがな

 

名称

 

(電話番号:    (    )          )

所在地

 

 

届け出前5年間における受領委任の取扱いの中止

有・無

中止年月日

 

当該都道府県知事

 

柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の備考5に基づく施術所の届出

定額料金の徴収を(行う・行わない)

注1 施術所において勤務する他の柔道整復師について、様式第2号の2で届け出ること。

 2 届け出に当たっては、施術所及び勤務する柔道整復師等の確認できる書類の写し等を添付すること。

 3 施術管理者が複数の施術所において受領委任の取扱いを行う場合は、備考欄に各施術所における勤務形態等を記入すること。

(備考)

 

 

(柔道整復師(施術管理者)が都道府県柔道整復師会に入会した年月日を記入すること。)

  上記のとおり、届け出します。

   平成  年  月  日

    〇〇都道府県知事 〇〇〇〇 殿

柔道整復師氏名          印

住所           

(様式第2号の2)

柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いに係る届け出(同意書)

  施術所において勤務する他の柔道整復師として、協定書(平成11年10月20日老発第682号・保発第144号通知の別添1の別紙1)の第3章に定める事項を遵守し、第2章9及び12並びに第8章の適用を受けることについて同意します。

施術所に勤務する他の柔道整復師

第2

ふりがな

 

氏名

印    明・大・昭   年   月   日生

免許

番号              (取得年月日)大・昭・平   年   月   日 

届け出前5年間における受領委任の取扱い中止

有・無

中止年月日

 

当該都道府県知事

 

第3

ふりがな

 

氏名

印    明・大・昭   年   月   日生

免許

番号              (取得年月日)大・昭・平   年   月   日 

届け出前5年間における受領委任の取扱い中止

有・無

中止年月日

 

当該都道府県知事

 

第4

ふりがな

 

氏名

印    明・大・昭   年   月   日生

免許

番号              (取得年月日)大・昭・平   年   月   日 

届け出前5年間における受領委任の取扱い中止

有・無

中止年月日

 

当該都道府県知事

 

 (注) 施術所に勤務する他の柔道整復師は、署名押印をすること。

(様式第3号)

柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いの登録について

柔道整復師氏名

(受領委任の施術管理者)

 

施術所

名称

 

所在地

 

備考

 

 

 

  平成  年  月  日付で届け出のあった標記の件について、これを登録したので通知します。

  登録記号番号 〇〇〇〇〇〇〇〇―〇―〇

  登録年月日  平成   年   月   日

          〇〇〇〇殿

〇〇都道府県知事 〇〇〇〇 印

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柔道整復師の施術に係る療養費に関する審査委員会の設置及び指導監査について

 

柔道整復師の施術に係る療養費に関する審査委員会の設置及び指導監査について
(平成一一年一〇月二〇日)
(保発第一四五号・老発第六八三号)
(各都道府県知事あて厚生省老人保健福祉局長・厚生省保険局長通知)
標記については、下記のとおり取り扱うこととしたので、関係者に対して周知徹底を図るとともに、その実施に遺憾のないよう御配慮願いたい。
また、審査及び指導監査の体制整備を各都道府県における実状等を踏まえ、原則として、平成一二年一月一日までに行うよう努めること。
一 改正の目的
今般、平成一一年一〇月二〇日老発第六八二号・保発第一四四号により、柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任の取扱い(以下「受領委任」という。)に関して所要の改正を行ったことに伴い、当該療養費の支給申請書の審査及び指導監査の適正かつ効率的な実施を図るため、審査委員会の設置及び指導監査に係る基準を新たに定めたこと。
二 改正の内容
(一) 審査委員会の設置の基準を別添一のとおり定めたこと。
(二) 指導監査の基準を別添二のとおり定めたこと。

別添一
柔道整復師の施術に係る療養費の審査委員会設置要綱
一 目的
柔道整復師の施術に係る療養費の支給申請書を適正かつ効率的に審査するため、柔道整復療養費審査委員会(以下「柔整審査会」という。)の設置要綱を定めることを目的とする。
二 組織
(一) 柔整審査会の委員は、施術担当者を代表する者、保険者を代表する者及び学識経験者のうちから、都道府県保険主管部(局)長等が委嘱する。
(二) 前項の委嘱は、施術担当者を代表する者及び保険者を代表する者については、それぞれ関係団体の推薦により、行わなければならない。また、学識経験者の委嘱に当たっては、医師及び柔道整復に係る療養費制度に精通した者の中から選定するものとする。
(三) 委員の総数は、各都道府県における療養費の支給申請書(以下「申請書」という。)の審査件数等に応じて、都道府県保険主管部(局)長等が定めるものとする。
(四) 委員の構成は、次のとおりとする。
・ 施術担当者を代表する者、保険者を代表する者及び学識経験者の委員は、原則としてそれぞれ同数とする。
・ 施術担当者を代表する者、保険者を代表する者の委員は、必ず同数とする。
・ 学識経験者の委員は、複数とする。
三 任期
(一) 審査委員の任期は、二年とする。ただし、欠員が生じた場合において任命された審査委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(二) 審査委員は、再任されることができる。
(三) 都道府県保険主管部(局)長等は、審査委員が職務を怠り又は職務の遂行に堪えないときは、任期内でもこれを解嘱することができる。
四 審査委員長
(一) 柔整審査会に学識経験者から委員の互選により審査委員長一人を置く。
(二) 審査委員長は、会務を総理し、柔整審査会を代表する。
五 柔整審査会の招集
柔整審査会は、審査委員長がこれを招集するものとする。
六 審査
(一) 柔整審査会は、健康保険法等の関係法令、柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準、受領委任の規程等及び都道府県知事が別に定める柔整審査会審査要領に基づき、申請書の審査を行う。
(二) 柔整審査会は、審査委員の二分の一以上の出席がなければ、審査の決定をすることができない。
(三) 柔整審査会は、公正かつ適正な審査を行わなければならない。
(四) 柔整審査会は、審査に当たり必要と認める場合は、都道府県知事に対し、柔道整復師から報告等を徴するよう申し出ることができる。
七 審査結果の通知等
(一) 審査委員長は、都道府県知事に対し、次の方法等により柔整審査会の審査結果を報告するものとする。
① 柔整審査会は、請求額の減額又は不支給等の措置が必要な場合は、その理由を附せん等に記載し、支給申請書に貼付する。
② 柔整審査会は、保険者等が患者に対する調査を行った上で療養費の支給の適否を判断すべきものがある場合は、その理由を附せん等に記載し、支給申請書に貼付する。
③ 柔整審査会は、保険者等が柔道整復師に対する質問を行った上で療養費の支給の適否を判断すべきものがある場合は、その理由を附せん等に記載し、支給申請書に貼付する。
④ 柔整審査会は、申請書の内容が不正若しくは不当なものである場合又は受領委任の規程等に違反しているものと認められる場合は、速やかに書面で報告しなければならない。
(二) 都道府県知事は、他の保険者等から審査の委任を受けている場合、当該保険者等に柔整審査会の審査結果を通知する。
(三) 柔整審査会は、保険者等の療養費の支給決定に際し、保険者等から審査の説明又は報告を求められたときは、これに応じなければならない。
八 再審査
柔整審査会は、保険者等からの請求内容の疑義及び柔道整復師からの再審査の申し出があった場合は、再審査を行わなければならない。この場合は、審査委員の二分の一以上の出席がなければ、再審査の決定をすることができない。
九 守秘義務
審査委員又は審査委員の職にあった者は、申請書の審査に関して知得した柔道整復師の業務上の秘密又は個人の秘密を漏らしてはならない。
一〇 その他
(一) この要綱に定めるもののほか、柔整審査会の運営に関し必要な事項は、都道府県知事が定めること。
(二) 保険者、社団法人都道府県柔道整復師会等の協力を求め円滑な実施に努めること。

別添二
柔道整復師の施術に係る療養費の指導監査要綱
一 目的
本要綱は、都道府県知事が受領委任の取扱いにより療養費を請求する柔道整復師(施術所に勤務する他の柔道整復師を含む。以下同じ)に対して行う指導監査の基本的事項を定めることを目的とする。
二 指導監査委員会の設置
都道府県知事は、柔道整復師に対する指導及び監査の実施において、各都道府県の保険主管課、国民健康保険主管課及び老人保健主管課(以下「関係各課」という。)で構成する指導監査委員会を設置する。
指導監査委員会においては、柔道整復師に対する指導及び監査の実施に係る連絡及び調整等を行うこととし、指導及び監査の円滑な実施に努める。
三 指導監査の担当者
柔道整復師に対する指導及び監査の担当者は、関係各課の指導医療官、技術吏員、事務官、吏員等とする。
四 指導
(一) 指導の形態
指導の形態は、集団指導及び個別指導とする。
(二) 集団指導
① 対象者の選定
ア 概ね一年以内に受領委任の取扱いを承諾した柔道整復師を選定する。
イ 受領委任の規程等の内容を遵守させる必要があると認められる柔道整復師を選定する。
② 指導の方法
ア 都道府県知事は、あらかじめ文書により、集団指導の日時及び場所等を①ア又はイにより選定した柔道整復師に通知し、出席を求める。
イ 指導の方法は、講習会等の形式により、療養費制度の概要、受領委任の規程及び柔道整復師の施術に係る算定基準等について指導する。
(三) 個別指導
① 対象者の選定
ア 受領委任の規程等に違反しているものと認められる柔道整復師を選定する。
イ 柔道整復療養費審査委員会、保険者及び患者等からの情報に基づき指導が必要と認められる柔道整復師を選定する。
ウ ③アの経過監察の対象となり、改善が認められない柔道整復師又は改善状況の確認を要する柔道整復師を選定する。
② 指導の方法
ア 都道府県知事は、あらかじめ文書により、個別指導の日時及び場所等を①アからウにより選定した柔道整復師に通知し、出席を求める。
イ 指導に当たっては、必要に応じて、患者等に係る調査を事前に行う。
ウ 指導の方法は、面接懇談方式により行うとともに、療養費の支給申請書(以下「申請書」という。)等の関係書類を検査した上で、個々の事例に応じて必要な事項について指導する。
③ 個別指導後の対応
個別指導の後、療養費の請求内容が妥当適切でない場合は、次のいずれかの措置を講じる。
ア 経過観察
療養費の請求内容が妥当適切でないが、その程度が軽微である場合又は以後改善が期待できる場合は、経過観察を行う。
なお、経過観察の結果、改善が認められない場合又は改善状況の確認を要する場合は、柔道整復師に対して再指導を行う。
イ 監査
療養費の請求内容が著しく妥当適切でない場合は、速やかに監査を行う。
④ 指導記録の作成
指導担当者は、指導内容を記録する。
⑤ 個別指導の結果の通知等
ア 指導担当者は、個別指導が終了した時点において、柔道整復師に対し口頭で指導の結果を説明する。
イ 都道府県知事は、個別指導の結果について文書により柔道整復師に通知し、指摘した事項について改善報告書の提出を求める。
⑥ 指導拒否等への対応
柔道整復師が正当な理由がなく個別指導を拒否した場合は、監査を行う。
五 監査
(一) 監査の実施
都道府県知事は、柔道整復師による療養費の請求内容が不正又は著しい不当なものであるとの疑義を認める場合、四(三)③イ又は四(三)⑥に該当する場合は、当該柔道整復師に対し、監査を実施する。
(二) 監査の方法及び内容
① 都道府県知事は、あらかじめ文書により、監査の日時及び場所等を(一)の柔道整復師に通知し、出席を求める。
② 監査に当たっては、必要に応じて、患者等に係る調査を事前に行う。
③ 監査の方法は、柔道整復師による療養費の請求内容が不正又は著しく不当なものであるとの疑義を認める事例について、その事実関係の有無を確認するとともに、その他、療養費の請求内容が妥当適切であるかについて、申請書等の関係書類を検査する。
(三) 監査後の措置
① 都道府県知事は、療養費の請求内容に不正又は著しい不当の事実が認められた場合は、受領委任の取扱いを中止する。
なお、受領委任の取扱いの中止は、次の基準によって行う。
ア 故意に不正又は著しい不当な療養費の請求を行ったもの
イ 重大な過失により、不正又は著しい不当な療養費の請求をしばしば行ったもの
② 都道府県知事は、不正又は不当な請求を行った柔道整復師に対し、その返還すべき金額(請求時から原則として五年間を経過しないものをいう。以下「返還金」という。)を速やかに保険者に返還するよう指導するとともに、当該保険者に対し、返還金の請求を行うよう指示する。
③ 都道府県知事は、返還金の返還により、患者に一部負担金の過払いが生じている場合は、柔道整復師に対して、当該過払分を返還するよう指導する。
(四) 監査記録の作成
監査担当者は、監査内容を記録する。
(五) 監査結果の通知等
都道府県知事は、監査の結果について、文書により柔道整復師に通知する。
六 その他
(一) この要綱に定めるもののほか、指導監査の実施に当たって必要な事項は、都道府県知事が定めること。
(二) 保険者、社団法人都道府県柔道整復師会等の協力を求め円滑な実施に努めること。

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平成九年四月一七日保険発第五七号柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について

 

柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について
(平成九年四月一七日)
(保険発第五七号)
(各都道府県民生主管部(局)保険・国民健康保険主管課(部)長あて厚生省保険局医療課長通知)
柔道整復師の施術に係る療養費の算定及び審査の適正を図るため、今般、算定基準の実施上の留意事項等に関する既通知及び疑義等を整理し、別紙のとおり定め、本年五月一日より適用することとしたので、貴管下の関係者に柔道整復師を対象とする講習会の開催等を通じ周知徹底を図るとともに、その取扱いに遺漏のないよう御配慮願いたい。

別紙
柔道整復師の施術に係る算定基準の実施上の留意事項
第一 通則
1 療養費の支給対象となる柔道整復師の施術は、柔道整復師法(昭和四五年四月一四日法律第一九号)に違反するものであってはならないこと。
2 脱臼又は骨折(不全骨折を含む。以下第一において同じ。)に対する施術については、医師の同意を得たものでなければならないこと。また、応急手当をする場合はこの限りではないが、応急手当後の施術は医師の同意が必要であること。
3 医師の同意は個々の患者が医師から得てもよく、又施術者が直接医師から得てもよいが、いずれの場合であっても医師の同意は患者を診察した上で書面又は口頭により与えられることを要すること。なお、実際に医師から施術につき同意を得た旨が施術録に記載してあることが認められれば、必ずしも医師の同意書の添付を要しないこと。
また、施術につき同意を求める医師は、必ずしも整形外科、外科等を標榜する医師に限らないものであること。
4 現に医師が診療中の骨折又は脱臼については、当該医師の同意が得られている場合のほかは、施術を行ってはならないこと。ただし、応急手当をする場合はこの限りでないこと。
この場合、同意を求めることとしている医師は、原則として当該負傷について診療を担当している医師とするが、当該医師の同意を求めることができないやむを得ない事由がある場合には、この限りではないこと。
なお、この場合における当該骨折又は脱臼に対する施術料は、医師が整復又は固定を行っている場合は整復料又は固定料は算定せず、初検料、後療料等により算定すること。
5 療養費の支給対象となる負傷は、急性又は亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲及び捻挫であり、内科的原因による疾患は含まれないこと。なお、急性又は亜急性の介達外力による筋、腱の断裂(いわゆる肉ばなれをいい、挫傷を伴う場合もある。)については、第五の3の(5)により算定して差し支えないこと。
6 単なる肩こり、筋肉疲労に対する施術は、療養費の支給対象外であること。
7 柔道整復の治療を完了して単にあんま(指圧及びマッサージを含む。)のみの治療を必要とする患者に対する施術は支給対象としないこと。
8 既に保険医療機関での受診又は他の施術所での施術を受けた患者及び受傷後日数を経過して受療する患者に対する施術については、現に整復、固定又は施療を必要とする場合に限り初検料、整復料、固定料又は施療料を算定できること。なお、整復、固定又は施療の必要がない場合は、初検料、後療料等により算定すること。
9 保険医療機関に入院中の患者の後療を医師から依頼された場合の施術は、当該保険医療機関に往療した場合、患者が施術所に出向いてきた場合のいずれであっても、支給対象としないこと。
10 骨折、脱臼、打撲及び捻挫に対する施術料は、膏薬、湿布薬等を使用した場合の薬剤料、材料代等を含むものであること。
11 患者の希望により後療において新しい包帯を使用した場合は、療養費の支給対象とならないので、患者の負担とするもやむを得ないものであること。なお、その際、患者が当該材料の使用を希望する旨の申出書を患者から徴するとともに、徴収額を施術録に記載しておくこと。
12 柔道整復師宅に滞在して手当てを受けた場合に要した食費、寝具費、室代等は支給対象としないこと。
第二 初検料
1 患者の負傷が治癒した後、同一月内に新たに発生した負傷に対し施術を行った場合の初検料は算定できること。
2 現に施術継続中に他の負傷が発生して初検を行った場合は、それらの負傷に係る初検料は合わせて一回とし、一回目の初検のときに算定するものであること。
3 同一の施術所において同一の患者に二以上の負傷により同時に初検を行った場合であっても、初検料は一回とすること。この場合、施術者が複数であっても、初検料は合わせて一回のみとすること。
4 患者が任意に施術を中止し、一月以上経過した後、再び同一の施術所において施術を受けた場合には、その施術が同一負傷に対するものであっても、当該施術は初検として取り扱うこと。
なお、この場合の一月の期間の計算は暦月によること。すなわち、二月一〇日~三月九日、七月一日~七月三一日、九月一五日~一〇月一四日等であること。
5 同一の患者について、自費施術途中に受領委任の取扱いができることとなった場合は、同一の負傷に関するものである限り、その切り替え時の施術について初検料は算定できないこと。その際、施術録及び支給申請書の「摘要」欄に「〇月〇日自費初検、〇月〇日健保被保険者資格取得」等の記載をしておくこと。
なお、保険種別に変更があった場合も同様とすること。その際、施術録及び支給申請書の「摘要」欄に「〇月〇日初検、〇月〇日保険種別変更による健保被保険者資格取得」等の記載をしておくこと。
6 患者が異和を訴え施術を求めた場合で、初検の結果何ら負傷と認むべき徴候のない場合は、初検料のみ算定できること。
7 時間外加算及び深夜加算の取扱いについては、以下によること。
(1) 休日加算と時間外加算又は深夜加算との重複算定は認められないこと。
(2) 時間外加算又は深夜加算は、初検が時間外又は深夜に開始された場合に認められるものであるが、施術所においてやむを得ない事情以外の都合により時間外又は深夜に施術が開始された場合は算定できないこと。
(3) 各都道府県の施術所における施術時間の実態、患者の受療上の便宜等を考慮して一定の時間以外の時間をもって時間外として取り扱うこととし、その標準は、概ね午前八時前と午後六時以降(土曜日の場合は、午前八時前と正午以降)及び休日加算の対象となる休日以外の日を終日休術日とする施術所における当該休術日とすること。
(4) 施術時間外でも実態上施術応需の体制をとっているならば、時間外加算は認められないこと。
(5) 深夜加算は、深夜時間帯(午後一〇時から午前六時までの間をいう。ただし、当該施術所の表示する施術時間が深夜時間帯にまで及んでいる場合は、深夜時間帯のうち当該表示する施術時間と重複していない時間をいう。)を施術時間としていない施術所において、緊急やむを得ない理由により受療した患者について算定すること。したがって、常態として又は臨時に当該深夜時間帯を施術時間としている施術所に受療した患者の場合は該当しないこと。
(6) 施術所は、施術時間をわかりやすい場所に表示すること。
8 休日加算の取扱いについては、以下によること。
(1) 休日加算の算定の対象となる休日とは、日曜日及び国民の祝日に関する法律(昭和二三年法律第一七八号)第三条に規定する休日をいうものであること。なお、一二月二九日から一月三日まで(ただし一月一日を除く。)は、年末・年始における地域医療の確保という見地から休日として取扱って差し支えないこと。
(2) 休日加算は、当該休日を休術日とする施術所に、又は当該休日を施術日としている施術所の施術時間以外の時間に、緊急やむを得ない理由により受療した患者の場合に算定できるものとすること。したがって、当該休日を常態として又は臨時に施術日としている施術所の施術時間内に受療した患者の場合は該当しないものであること。
(3) 施術所の表示する休日に往療した場合は、往療料に対する休日加算は算定できないこと。
第三 往療料
1 往療は、往療の必要がある場合に限り行うものであること。
2 往療料は、下肢の骨折又は不全骨折、股間節脱臼、腰部捻挫等による歩行困難等真に安静を必要とするやむを得ない理由により患家の求めに応じて患家に赴き施術を行った場合に算定できるものであり、単に患者の希望のみにより又は定期的若しくは計画的に患家に赴いて施術を行った場合には算定できないこと。
3 二戸以上の患家に対して引き続き往療を行った場合の往療順位第二位以下の患家に対する往療距離の計算は、柔道整復師の所在地を起点とせず、それぞれ先順位の患家の所在地を起点とするものであること。ただし、先順位の患家から次順位の患家へ行く途中で、その施術所を経由するときは、第二患家への往療距離は、その施術所からの距離で計算すること。
この場合、往療距離の計算は、最短距離となるように計算すること。
4 往療の距離は施術所の所在地と患家の直線距離によって算定すること。
5 片道一六kmを超える往療については、当該施術所からの往療を必要とする絶対的な理由がある場合に認められるものであるが、かかる理由がなく、患家の希望により一六kmを超える往療をした場合の往療料は、全額患者負担とすること。
6 同一家屋内の二人目以降の患者を施術した場合の往療料は、別々に算定できないこと。
7 難路加算における難路とは、常識で判断されるもので、第三者に納得され得る程度のものでなければならないこと。
8 暴風雨雪加算における暴風雨又は暴風雪とは、気象警報の発せられているものに限られ、気象警報の発せられない場合は原則として認められないこと。
9 夜間加算については、以下によること。
(1) 夜間の取扱いについては、おおむね午後六時から翌日の午前六時まで、又は、午後七時から翌日午前七時までのように、一二時間を標準として各都道府県において統一的に取扱うこと。
(2) 後療往療の場合は算定できないこと。
10 往療に要した交通費については、患家の負担とすること。往療時に要したバス、タクシー、鉄道、船等の交通費は、その実費とすること。自転車、スクーター等の場合は、土地の慣例、当事者間の合議によるべきであるが、通例は交通費に該当しないこと。
第四 再検料
1 再検料は、初検料を算定する初検の日後最初の後療の日のみ算定できるものであり、二回目以降の後療においては算定できないこと。
2 医師から後療を依頼された患者、既に保険医療機関での受診又は他の施術所での施術を受けた患者及び受傷後日数を経過して受療する患者の場合は、初検料を算定した初検の日後最初の後療の日に算定できること。
第五 その他の施術料
1 骨折の部・不全骨折の部
(1) 肋骨骨折における施術料金は、左右側それぞれを一部位として所定料金により算定するものであること。
(2) 指・趾骨の骨折における施術料は、骨折の存する指・趾一指(趾)を単位として所定料金により算定し、指・趾骨の不全骨折における施術料金は、一手又は一足を単位とし所定料金により算定するものであること。
(3) 関節近接部位の骨折又は不全骨折の場合、同時に生じた当該関節の捻挫に対する施術料金は骨折又は不全骨折に対する所定料金のみにより算定すること。
(4) 膝蓋骨骨折の後療については、特に医師から依頼があった場合に限り算定できるものであること。
この場合の料金は初検料と骨折の後療料等により算定することとし、支給申請書の「摘要」欄に後療を依頼した医師又は医療機関名を付記すること。
(5) 頭蓋骨骨折又は不全骨折、脊椎骨折又は不全骨折、胸骨骨折その他の単純ならざる骨折又は不全骨折については原則として算定できないが、特に医師から後療を依頼された場合に限り算定できるものであること。その場合は、支給申請書の摘要欄に後療を依頼した医師又は医療機関名を付記すること。
(6) 肋骨骨折にて喀血し、又は皮下気泡を触知する場合、負傷により特に神経障害を伴う場合、観血手術を必要とする場合、臓器出血を認め又はその疑いのある場合には、必ず医師の診療を受けさせるようにすること。
(7) 近接部位の算定方法については、第五の4の(1)を参照すること。
2 脱臼の部
(1) 指・趾関節脱臼における施術料金は、脱臼の存する指・趾一指(趾)を単位として所定料金により算定するものであること。
(2) 先天性股関節脱臼等の疾病は、支給対象としないこと。
(3) 顎関節脱臼は左右各一部位として算定して差し支えないが、同時に生じた同側の顔面部打撲に対する施術料金は、脱臼に対する所定料金のみにより算定すること。
(4) 近接部位の算定方法については、第五の4の(1)を参照すること。
3 打撲・捻挫の部
(1) 打撲・捻挫の施術が初検の日から三月を超えて継続する場合は、負傷部位、症状及び施術の継続が必要な理由を明らかにした別紙様式1による長期施術継続理由書を支給申請書に添付すること。
なお、同様式を支給申請書の裏面に印刷及びスタンプ等により調製し、又は、「摘要」欄に長期施術継続理由を記載して差し支えないこと。
(2) 指・趾の打撲・捻挫における施術料は、一手又は一足を単位として所定料金により算定するものであること。
(3) 打撲の部においては、顔面部、胸部、背部(肩部を含む。)及び殿部は左右合わせて一部位として算定すること。
(4) 肩甲部打撲は、背部打撲として取扱うものであること。なお、肩甲部打撲の名称を使用しても差し支えないが、肩甲部及び背部の二部位として取扱うものではないこと。
(5) 筋又は腱の断裂(いわゆる肉ばなれをいい、挫傷を伴う場合もある。)については、打撲の部の所定料金により算定して差し支えないこと。
算定に当たっては、以下によること。
ア 支給の対象は、介達外力による筋、腱の断裂(いわゆる肉ばなれ)であって柔道整復師の業務の範囲内のものとすること。
なお、打撲及び捻挫と区分する必要があることから、支給申請書に記載する負傷名は挫傷として差し支えないこと。
イ 算定部位は次のものに限ること。
(ア) 胸部挫傷
胸部を走行する筋の負傷であって、肋間筋、胸筋等の損傷であるもの
(イ) 背部挫傷
背部を走行する筋の負傷であって、広背筋、僧帽筋等の損傷であるもの
(ウ) 上腕部挫傷
上腕部を走行する筋の負傷であって、上腕二頭筋、上腕三頭筋等、肩関節と肘関節の間の損傷であるもの
(エ) 前腕部挫傷
上腕部を走行する筋の負傷であって、円回内筋、手根屈筋、腕橈骨筋等、肘関節と手関節との間の損傷であるもの
(オ) 大腿部挫傷
大腿部を走行する筋の負傷であって、大腿四頭筋、内転筋、大腿二頭筋等、股関節と膝関節の間の損傷であるもの
(カ) 下腿部挫傷
下腿部を走行する筋の負傷であって、腓腹筋、ヒラメ筋、脛骨筋等、膝関節と足関節の間の損傷であるもの
ウ 胸部及び背部は、左右合わせて一部位として算定すること。
(6) 近接部位の算定方法については、第五の4の(1)を参照すること。
4 その他の事項
(1) 近接部位の算定方法
ア 頚部、腰部又は肩関節のうちいずれか二部位の捻挫と同時に生じた背部打撲(肩部を含む。)又は挫傷に対する施術料は、捻挫に対する所定料金のみにより算定すること。
イ 左右の肩関節捻挫と同時に生じた頚部捻挫又は背部打撲に対する施術料は、左右の肩関節捻挫に対する所定料金のみにより算定すること。
ウ 顎関節の捻挫は、捻挫の部の料金をもって左右各一部位として算定して差し支えないが、同時に生じた同側の顔面部打撲に対する施術料は、捻挫に対する所定料金のみにより算定すること。
エ 指・趾骨の骨折又は脱臼と同時に生じた不全骨折、捻挫又は打撲に対する施術料は、骨折又は脱臼に対する所定料金のみにより算定すること。
オ 関節近接部位の骨折の場合、同時に生じた当該骨折の部位に最も近い関節の捻挫に対する施術料は、骨折に対する所定料金のみにより算定すること。
また、関節捻挫と同時に生じた当該関節近接部位の打撲又は挫傷に対する施術料は、別にその所定料金を算定することなく、捻挫に対する所定料金のみにより算定すること。この場合の近接部位とは、次の場合を除き、当該捻挫の部位から上下二関節までの範囲のものであること。
① 手関節捻挫と前腕部打撲又は挫傷(上部に限る。)
② 肘関節捻挫と前腕部打撲又は挫傷(下部に限る。)
③ 肘関節捻挫と上腕部打撲又は挫傷(上部に限る。)
④ 肩関節捻挫と上腕部打撲又は挫傷(下部に限る。)
⑤ 足関節捻挫と下腿部打撲又は挫傷(上部に限る。)
⑥ 膝関節捻挫と下腿部打撲又は挫傷(下部に限る。)
⑦ 膝関節捻挫と大腿部打撲又は挫傷(上部に限る。)
⑧ 股関節捻挫と大腿部打撲又は挫傷(下部に限る。)
(注) 上部、下部とは、部位を概ね上部、幹部、下部に三等分した場合のものであること。
なお、当該負傷の施術継続中に発生した同一部位又は近接部位の負傷に係る施術料は、当該負傷と同時に生じた負傷の場合と同様の取扱いとすること。
カ 近接部位の算定例は次のとおりであること。
① 算定できない近接部位の負傷例(骨折・不全骨折の場合)

骨折・不全骨折の種類
算定できない近接部位の負傷例
1 鎖骨骨折
肩部の打撲、肩関節捻挫
2 肋骨骨折
同側の一~一二肋骨の骨折

同側の胸部打撲又は挫傷
同側の背部打撲又は挫傷
3 上腕骨骨折(上部)
肩部打撲、肩関節捻挫
4 上腕骨骨折(下部)
肘部打撲、肘関節捻挫
5 前腕骨骨折(上部)
肘部打撲、肘関節捻挫
6 前腕骨骨折(下部)
手関節捻挫、手根・中手部打撲
7 手根骨骨折
手関節捻挫、中手部打撲、中手指関節捻挫
8 中手骨骨折
中手骨一~五個々の骨折

手関節捻挫、手根部打撲、中手指関節捻挫
指部打撲、指関節捻挫
9 指骨骨折
手根・中手部打撲、中手指関節捻挫指部打撲、指関節捻挫
10 大腿骨骨折(上部)
殿部打撲、股関節捻挫
11 大腿骨骨折(下部)
膝部打撲、膝関節捻挫
12 下腿骨骨折(上部)
膝部打撲、膝関節捻挫
13 下腿骨骨折(下部)
足根部打撲、足関節捻挫
14 足根骨骨折
足関節捻挫、中足部打撲、中足趾関節捻挫
15 中足骨骨折
中足骨一~五個々の骨折

足関節捻挫、足根部打撲
中足趾・趾関節捻挫、趾部打撲
16 趾骨骨折
足根・中足部打撲、中足趾関節捻挫趾部打撲、趾関節捻挫

② 算定できない近接部位の負傷例(脱臼・打撲・捻挫・挫傷の場合)

脱臼・打撲・捻挫・挫傷の種類
算定できない近接部位の負傷例
1 頚部捻挫
肩峰より内側の肩部打撲
2 肩関節脱臼・捻挫