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平成16年11月04日 004/004] 161 - 参 - 厚生労働委員会 - 2号 社会保障及び労働問題等に関する調査 無資格者対策

○足立信也君 今年十月の介護保険サミット二〇〇四、認定の妥当性に対して、妥当だと、わずか九千人の調査ではありますけれども、妥当だと答えている人は六五%しかいないということを念頭に置いて改革に進んでいただきたいと、そのように考えます。
 次に、続きまして、あんま、マッサージ、指圧、医業類似行為についてです。あんま、マッサージ、指圧、はり、きゅう、柔道整復、カイロプラクティック、整体や足裏マッサージなどの医療の周辺産業です。
 なぜ今回このような質問をするかといいますと、一つには、医療の現場で、病院を受診する前にこういった業者に行き、麻痺や神経障害、骨折を起こす患者さんがいるということです。もう一つは、私の地元の県議会の方から、医業に類似する行為について明確な基準がないので取り締まれないという要望があるからです。
 まず、医業に類似する行為について、判例や厚生労働省の通知に基づいて私が解釈していることを述べます。医業に類似する行為には、法で認められた医業類似行為と、法に規定されていない医業類似行為があって、法で認められた医業類似行為には、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律、略称があはき法です、に基づくあん摩マッサージ指圧、はり、きゅうと柔道整復師法に基づく柔道整復があります。
 もう一つ次に、法に規定されない医業類似行為については、人の健康に害を及ぼすおそれのある業務に限局して禁止処罰の対象になる、このように解釈しておるんですが、これでよろしいでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) よろしいかと思います。
 あはき法は、一条において、医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅうを業とする者は、それぞれの免許を受けなきゃならないと規定しておりますし、柔道整復師法は十五条において、医師である場合を除き、柔整師でなければ、業としてその柔整を行っちゃならないということを規定しております。
 それから、今のあん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔整以外の医業類似行為についても、あはき法の十二条では禁止されておりますが、ここで禁止されているのは、先生おっしゃったように、人の健康に害を及ぼすおそれのある行為に限られているということでございます。

○足立信也君 今の答弁で、あはき法の第十二条に、何人も、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう以外、医業類似行為を業としてはならないという条文があるけれども、最高裁の判決で、人の健康に害を及ぼすおそれがない場合は職業選択の自由があるのでよろしいということだと思います。それでよろしいかどうか。
 あわせて、あはき法違反者、先ほどの法の違反者に対して実際にどのように規制を行っているか、その点について教えてください。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 昭和三十五年の一月に最高裁の判決が出て、この十二条の禁止というのは、人の健康に害を及ぼすおそれのある行為ということで限られました。
 このような行為が行われている場合、それから取締りでございますが、免許を有さない者があんま、マッサージ、指圧を行っている、このような場合に、各都道府県による衛生規制の観点の指導が行われております。また、警察による捜査、取締りの対象となっているということでございます。
 私ども、各都道府県に対しまして、この医業類似行為に対する取扱い等の通知の発出、それから全国の主管課長会議を通じましてこのあはき法違反等に関する周知徹底を図っているところでございます。

○足立信也君 あはき業、略称のですね、あはき業以外の医業類似行為に関しては、カイロプラクティックについてのみ平成三年に規制事項が定められて医事課長通知という形で出ています。基本的に、それ以外は基準も規制もない状態かと思います。最高裁判決で、健康に害を及ぼすおそれがある場合のみ禁止となったため、行政側も対応に苦慮している状態です。
 害を及ぼすかどうかというものは結果でしか分からないわけで、つまり、医業に類似する行為をまず業として黙認する、人体に害があったら規制する。職業の自由としてはそれでいいかもしれませんが、しかし、無資格の医業類似行為で被害を被った患者さんや、きちんと三年間勉強して国家試験にも合格して、業を営んでいるあはき業の方たちは実際に圧迫を受けているわけです。
 特に、私が今日問題として取り上げたいのは、足裏マッサージとか何々式マッサージという業種です。ある無資格者が行っている行為があはき業なのか、それともあはき業以外の医業類似行為なのか、どのように区別しているのか、その基準を教えてください。
○政府参考人(岩尾總一郎君) もむとか押す、たたく、摩擦するという行為をやるわけですが、どの程度の力を加えるとか、それから置かれているその患者さんの状態にも違うかと思いますが、実は、このあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師に関する法律では、このあん摩マッサージ指圧業等の定義が置かれておりません。何が法律に規定されたあん摩マッサージ指圧業なのであるか、またそれ以外の医業類似行為なのかというのは、現在まではそれぞれ個々のケースに応じて、社会通念に照らして総合的に判断してきたところでございます。
 御指摘の足裏マッサージなど、マッサージと称することにより、一般人がそこであはき法に言うマッサージ業が行われているものと誤認するおそれがある場合は好ましくないということで、その旨の指導を行うように都道府県にもお願いしてございます。しかし、御指摘の業種が無資格のあはき業に該当するか否かについては、実際に行われている行為の個々具体的な態様により判断されているところでございまして、業態の名称だけで取締りの対象にするというのは困難であるというふうに考えております。
○足立信也君 今、正に基準はないということをおっしゃったわけですね。確かに私は難しいとは思うんですが、このことで地方自治体も非常に頭を悩ませているわけですし、資格を持っている方々からも強い批判が確かにあるんですね。
 で、実際上、全く資格がなくて無資格の方が、自分の行っているのはマッサージではないと、何とか式マッサージなんだから法律上はあはき業ではないんだと主張してしまえば、これもう取締りできないわけですね。
 先ほどおっしゃったのは、多分昭和三十八年の厚生省医務局長の東京都知事あての回答だと思いますが、確かにそこには、あんま、マッサージとは、病的状態の除去、疲労の回復という効果を目的として行われる、もむ、押す、たたく、摩擦するなどの行為の総称であるとされています。だとしたら、足裏マッサージや何々式マッサージという業種は無資格であはき業を行っていると認識できるんじゃないですか。その点についてはいかがでしょう。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 先ほども申し上げましたけれども、そういう何々マッサージ、マッサージという言葉自体はもう一般名詞化しているかと思いますが、そういうようなものに足裏とか何か付けるということで、いわゆる業としてやっているようなものなのか、それともいわゆるあはき業に該当するのか否かというのが、私どもの解釈としては、そこで行われている個々の具体的な行為というものを見ない限り判断できないということで、単なる名前だけではなかなか取り締まれないということを申し上げさせていただきました。
○足立信也君 今のお答えで、多分整理して、こちらが整理しないとなかなかどのようにしていっていいのか難しいというニュアンスの回答だと私は思いますので、言わせていただきます。
 専門の学校に三年間通って卒業して国家試験も通っていると、そういう有資格者と全くの
無資格者が同じように併存している現状では、資格制度そのものが形骸化していると言ってもいいと思うんですね。
 我々民主党は、努力した人が報われる社会を作りたいと、そのように思っています。あはき業の方は多くが視覚障害者です。相当に努力をしてその資格を取った方々だと私は思います。
 あはき業とあはき業以外の医業類似行為を区別する分かりやすい基準を作成して広く国民に伝える、
無資格であはき業を行う者を厳しく取り締まり、有資格者の保護をすべきです。この点が、先ほどどのような方策がいいのか分からないという感じの答弁だったと思います。でも、このことは、専門的知識、技能を有する資格者によって適切、安全なサービスを受けることができるという国民の利益でもあるわけです。その利益を保護することでもあります。
 まず第一に、
無資格者が国民にあたかも資格を持っているように誤認させることを規制しなければいけない。その手段、方法として、現在無資格者が、私はマッサージ師ですと名のることや、自分が仕事をしているところが何々マッサージ、あるいは何々マッサージ所、何々マッサージ施設と勝手に言うことも、マッサージを私はやっています、成人病が治りますよ、生活習慣病を治しますよ、そういう広告をすることもすべて自由なんですね、資格がない人が。
 厚生労働省は、今年の三月、先ほど出ました全国課長会議で、国家資格を持つあはき業者によるあんま、マッサージ、指圧が行われていないのに、マッサージと広告することは看過できないので指導するようにと発言されております。また、資格を持ったあはき業者の広告規制を緩和することについて、もっと広告してもいいようにするために、昨年七月の衆議院の厚生労働委員会で、パブリックコメントを出しているところだと答弁されております。その後、どうなっておりますでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) このあはきに関する法律の第七条及びこの規定で広告できる事項が制限されているということで、昨今、医療においても広告規制の緩和ですとか、関係団体からも広告規制の緩和についての要望があったということを踏まえまして、昨年の六月に、このあん摩マッサージ指圧業、それから柔道整復業等の広告可能事業の追加についてパブリックコメントを実施いたしました。一般からの御意見というのは昨年の七月に締め切ったんですが、残念ながら広告規制の緩和についてはなお慎重であるべきという趣旨の御意見が多数寄せられたものですから、今日まで、そのような意見があるということで、どのように対応すべきかということを慎重に検討している状況でございます。

○足立信也君 パブリックコメント、それは業者の方からの回答がということで理解してよろしいんですか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) インターネットの回答でございますので、回答する際には相手に対して職種までを求めていなかったかと思いますが、電子メール、それからファクシミリ、郵送ということで、あっ、済みません、意見の提出は、個人の場合は住所、氏名、年齢、職業、法人の場合は法人名、所在地ということでございますので、いろいろな方から来ていると思いますが、ちょっと今詳細には内容は把握しておりません。
○足立信也君 自分の行っている業の広告規制をどうしたらいいかという問題を、その業者の方々に特に集中的には出していないということですね。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 一応、パブリックコメントということで通常の手続でやっておりますので、特定の団体の意見ということではございません。
○足立信也君 慎重であるべきだという意見が多かったと。これは、その母体がどういうことにあるか、また、この業者の方々が先ほど言いましたように視覚障害者が半分近くを占めて、全体としては非常に少ない、それに対してパブリックコメントが慎重であるべきだというのは、ある意味予測された回答といいますか、そのような気がします。
 それよりも、今の問題はあはき業者が広告できる内容を広げたらどうかということなんですが、私が言っているのは、それよりも必要なことは、
無資格者への広告内容の規制だと思うんですね。そのことで、昨年十一月に医政局の医事課長から、痛みを感じるほどの強さで人体に危害を及ぼす、又はおそれのある行為があはき業だと、そのように誤解されるような、今までの解釈とは違う解釈の意味の回答がされております。また、今年三月には、先ほど言いました、あんま、マッサージ、指圧が行われていないのにマッサージと広告することは看過できないと、こういう、基準が行ったり来たりなんですね。ですから、実際に地方の方でも取締りができないということになっているんだと思います。現実は、足裏マッサージや何々式マッサージという看板は乱立しております。
 まず行うべきこと。繰り返しになりますが、あはき業の定義を明確にすること、国家資格を持ったこの独占業務を保護すること、
無資格者があたかも国家資格を持ってマッサージを行っていると国民が誤認しないようにすることです。そのためには、先ほども言いました、無資格者が資格の名称を勝手に使うことは禁止しなきゃいけない、それから場所も何々マッサージ所とかいう名称を使うことはやはり禁止しなければいけないと思います。そして、そのようなマッサージ師という名前や場所の名称を禁止しても、私はやっていますよと、マッサージをやっています、ちゃんと治していますよということを言っては何の意味がないわけですから、独占業務であるあんま、マッサージ、指圧を無資格者が行う旨の表示を行う、その表示を行うことそのものも禁止しなければいけないと私は思います。繰り返しになりますけれども、これはやはり国民の利益を保護することになると。専門的知識、技能を有する資格者による適切、安全なサービスということなんですね。
 私が今順番を追って挙げましたが、そのような規制、あるいはこれは立法というふうになっていくかもしれませんが、国家資格を持った独占業務を保護すること、この考え方について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○副大臣(西博義君) 先ほどからの議論のまとめのような形の御答弁になるかと思いますが、お答えを申し上げたいと思います。
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律、いわゆるあはき法第一条においては、医師以外の者で、あんま、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅうを業としようとする者は、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゅう師免許を受けなければならないと、これが規定をされております。
 あはき法上、これらの定義を定める規定はないというふうに先ほど局長からも答弁申し上げましたが、特定の、もむだとかたたく等の行為があはき法第一条に規定するあんま、マッサージ又は指圧に該当するか否かということにつきましては、当該行為の具体的な態様から総合的に判断されるべきものであるために、一般的にそれを類型化したり、また定義を明確にとことん突き詰めるということは大変困難であるというふうに考えております。
 無資格者についての御指摘の点につきましては、マッサージという既に普及した、言わば一般名詞の使用を特定の資格だけに許すということについての逆に影響があるのではないか。また、もむ、たたくなどの行為にあっても、人体に危害のない範囲であれば法律違反とはならない、これも先ほど判例がございましたが、そのような一般的な業務を行うことの表示を禁止することが合理的であるんだろうかというような点を十分に今後考慮していく必要があると、こういうように考えております。
○足立信也君 まとめられてもちょっと困るようなところがあるんですが、一つ今お伺いした中で、今までの通知、判例の中で、人体に被害というものの中に痛みを伴うようなというのがございまして、今挙げられた無資格者が行っている行為は大体痛みがあるんですね。これは今までの解釈では通用しない部分があるということを、一つ抜けているんではないかということを感じましたし、やはり国家資格ですから、国家資格を持って業を行う方が、無資格者がやっているのと似たようなことをやられていながらも、簡単に言い逃れできると。このことは、非常に失礼な言い方かもしれませんが、弱い立場の人で視覚障害者が多い業種、そのことをやっぱり守っていかなければいけないんではないかと。
 その点に関しては、国家資格を持った独占業務を保護するという観点では先ほどお答えの中に入っていなかったと思います。その二点について、更にお答えください。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 先生御指摘のように、このあはき業は、業務は独占しておりますけれども名称は独占しておりませんし、それから定義もございません。こういう法律の中で、私どもが、そのときの局長通知ですとかそれから最高裁の判例などを踏まえて、現在まで最大限、このような免許を持っている方々の業を法律上保護しながら様々な解釈なり運用をしてきたということでございますので、先生おっしゃいますように、やはり視覚障害者にとっての最大の職場だろうと思いますので、今後そのような先生の御意見を踏まえながら、この先どのようにしたら免許取得者が保護されるのか、無資格者との区別ができるのかということは、もう少し検討させていただければというふうに思っております。
○足立信也君 分かりました。
 私は、もっと積極的に、あはき業以外の医業類似行為についても、その効果、副作用あるいは危険性などについてちゃんと評価をして、得られた情報を関係者、国民に広く伝える、業者への指導監督をすべきだと私は思います。国民の生命と健康を守り、資格制度の形骸化を防ぐためにも、以上のような対策を早急に積極的にやっていただきたいと、そのように思います。
   〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
 時間がもうありませんので、まだ質問事項あるんですけれども、ちょっと要望というか、注意喚起みたいな形に終わってしまうかもしれませんが、少しお聞きください。
 卒後臨床研修の必修化によって、研修医を指導する医師の確保という観点から、それにまた、国立大学の独立行政法人化によって、医師の派遣先の選定に、もっと採算性のいい、高い施設を優先するようになりました。そのことによって、地域の中核病院、特に公立病院で小児科医、産婦人科医、麻酔医が不足した、あるいは全くいなくなったという事態が現在生じております。今日はその中でも、時間がありませんので、麻酔医についてちょっと御説明いたします。
 麻酔は麻酔医が掛けるということが今もう医師あるいは患者さんの間でも浸透しております。ところが現状は、先ほど言いましたように、地域の中核病院から麻酔の常勤医がいなくなりました。そのため、それらの病院は大学へ麻酔医の派遣要請を行っております。麻酔医側は、例えば関東地区では協定があるので、手術のうち、麻酔料の七五%を出さないといけないというふうに回答が多くございます。麻酔料の要求が高くて、一時代前のように、今外科医が麻酔を掛ける病院が多くなっております。以上のような独占的な協定がなされていると、このような実態がございます。
 このことは今後また私も問題にしていきたいと思うんですが、現実は、卒後臨床研修の必修化、それと国立大学の独立行政法人化が相まってそのような事態になっているという注意を喚起して、私の質問を終わらせたいと思います。
 どうもありがとうございました。

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