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老人福祉法

 

老人福祉法
(昭和三十八年七月十一日)
(法律第百三十三号)
第四十三回通常国会
第二次池田内閣
老人福祉法をここに公布する。
老人福祉法
目次
第一章 総則(第一条―第十条の二)
第二章 福祉の措置(第十条の三―第十三条の二)
第三章 事業及び施設(第十四条―第二十条の七の二)
第三章の二 老人福祉計画(第二十条の八―第二十条の十一)
第四章 費用(第二十一条―第二十八条)
第四章の二 指定法人(第二十八条の二―第二十八条の十四)
第四章の三 有料老人ホーム(第二十九条―第三十一条の四)
第五章 雑則(第三十二条―第三十七条)
第六章 罰則(第三十八条―第四十三条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もつて老人の福祉を図ることを目的とする。
(基本的理念)
第二条 老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする。
(平二法五八・一部改正)
第三条 老人は、老齢に伴つて生ずる心身の変化を自覚して、常に心身の健康を保持し、又は、その知識と経験を活用して、社会的活動に参加するように努めるものとする。
2 老人は、その希望と能力とに応じ、適当な仕事に従事する機会その他社会的活動に参加する機会を与えられるものとする。
(平二法五八・一部改正)
(老人福祉増進の責務)
第四条 国及び地方公共団体は、老人の福祉を増進する責務を有する。
2 国及び地方公共団体は、老人の福祉に関係のある施策を講ずるに当たつては、その施策を通じて、前二条に規定する基本的理念が具現されるように配慮しなければならない。
3 老人の生活に直接影響を及ぼす事業を営む者は、その事業の運営に当たつては、老人の福祉が増進されるように努めなければならない。
(老人の日及び老人週間)
第五条 国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促すため、老人の日及び老人週間を設ける。
2 老人の日は九月十五日とし、老人週間は同日から同月二十一日までとする。
3 国は、老人の日においてその趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めるものとし、国及び地方公共団体は、老人週間において老人の団体その他の者によつてその趣旨にふさわしい行事が実施されるよう奨励しなければならない。
(平一三法五九・全改)
(定義)
第五条の二 この法律において、「老人居宅生活支援事業」とは、老人居宅介護等事業、老人デイサービス事業、老人短期入所事業、小規模多機能型居宅介護事業及び認知症対応型老人共同生活援助事業をいう。
2 この法律において、「老人居宅介護等事業」とは、第十条の四第一項第一号の措置に係る者又は介護保険法(平成九年法律第百二十三号)の規定による訪問介護に係る居宅介護サービス費、夜間対応型訪問介護に係る地域密着型介護サービス費若しくは介護予防訪問介護に係る介護予防サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者につき、これらの者の居宅において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜であつて厚生労働省令で定めるものを供与する事業をいう。
3 この法律において、「老人デイサービス事業」とは、第十条の四第一項第二号の措置に係る者又は介護保険法の規定による通所介護に係る居宅介護サービス費、認知症対応型通所介護に係る地域密着型介護サービス費、介護予防通所介護に係る介護予防サービス費若しくは介護予防認知症対応型通所介護に係る地域密着型介護予防サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者(その者を現に養護する者を含む。)を特別養護老人ホームその他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、これらの者につき入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練、介護方法の指導その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業をいう。
4 この法律において、「老人短期入所事業」とは、第十条の四第一項第三号の措置に係る者又は介護保険法の規定による短期入所生活介護に係る居宅介護サービス費若しくは介護予防短期入所生活介護に係る介護予防サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者を特別養護老人ホームその他の厚生労働省令で定める施設に短期間入所させ、養護する事業をいう。
5 この法律において、「小規模多機能型居宅介護事業」とは、第十条の四第一項第四号の措置に係る者又は介護保険法の規定による小規模多機能型居宅介護に係る地域密着型介護サービス費若しくは介護予防小規模多機能型居宅介護に係る地域密着型介護予防サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者につき、これらの者の心身の状況、置かれている環境等に応じて、それらの者の選択に基づき、それらの者の居宅において、又は厚生労働省令で定めるサービスの拠点に通わせ、若しくは短期間宿泊させ、当該拠点において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜であつて厚生労働省令で定めるもの及び機能訓練を供与する事業をいう。
6 この法律において、「認知症対応型老人共同生活援助事業」とは、第十条の四第一項第五号の措置に係る者又は介護保険法の規定による認知症対応型共同生活介護に係る地域密着型介護サービス費若しくは介護予防認知症対応型共同生活介護に係る地域密着型介護予防サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者につき、これらの者が共同生活を営むべき住居において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の援助を行う事業をいう。
(平二法五八・追加・一部改正、平九法一二四・平一一法一六〇・平一七法七七・一部改正)
第五条の三 この法律において、「老人福祉施設」とは、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター及び老人介護支援センターをいう。
(平二法五八・追加、平六法五六・一部改正)
(福祉の措置の実施者)
第五条の四 六十五歳以上の者(六十五歳未満の者であつて特に必要があると認められるものを含む。以下同じ。)又はその者を現に養護する者(以下「養護者」という。)に対する第十条の四及び第十一条の規定による福祉の措置は、その六十五歳以上の者が居住地を有するときは、その居住地の市町村が、居住地を有しないか、又はその居住地が明らかでないときは、その現在地の市町村が行うものとする。ただし、同条第一項第一号若しくは第二号又は生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第三十条第一項ただし書の規定により入所している六十五歳以上の者については、その六十五歳以上の者が入所前に居住地を有した者であるときは、その居住地の市町村が、その六十五歳以上の者が入所前に居住地を有しないか、又はその居住地が明らかでなかつた者であるときは、入所前におけるその六十五歳以上の者の所在地の市町村が行うものとする。
2 市町村は、この法律の施行に関し、次に掲げる業務を行わなければならない。
一 老人の福祉に関し、必要な実情の把握に努めること。
二 老人の福祉に関し、必要な情報の提供を行い、並びに相談に応じ、必要な調査及び指導を行い、並びにこれらに付随する業務を行うこと。
(平二法五八・追加、平六法五六・平九法一二四・平一一法八七・一部改正)
(市町村の福祉事務所)
第五条の五 市町村の設置する福祉事務所(社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所をいう。以下同じ。)は、この法律の施行に関し、主として前条第二項各号に掲げる業務を行うものとする。
(平二法五八・追加、平一二法一一一・一部改正)
(市町村の福祉事務所の社会福祉主事)
第六条 市及び福祉事務所を設置する町村は、その設置する福祉事務所に、福祉事務所の長(以下「福祉事務所長」という。)の指揮監督を受けて、主として次に掲げる業務を行う所員として、社会福祉主事を置かなければならない。
一 福祉事務所の所員に対し、老人の福祉に関する技術的指導を行うこと。
二 第五条の四第二項第二号に規定する業務のうち、専門的技術を必要とする業務を行うこと。
(平二法五八・一部改正)
(連絡調整等の実施者)
第六条の二 都道府県は、この法律の施行に関し、次に掲げる業務を行わなければならない。
一 この法律に基づく福祉の措置の実施に関し、市町村相互間の連絡調整、市町村に対する情報の提供その他必要な援助を行うこと及びこれらに付随する業務を行うこと。
二 老人の福祉に関し、各市町村の区域を超えた広域的な見地から、実情の把握に努めること。
2 都道府県知事は、この法律に基づく福祉の措置の適切な実施を確保するため必要があると認めるときは、市町村に対し、必要な助言を行うことができる。
3 都道府県知事は、この法律の規定による都道府県の事務の全部又は一部を、その管理する福祉事務所長に委任することができる。
(平二法五八・追加、平九法一二四・平一一法八七・一部改正、平一七法七七・旧第六条の三繰上)
(都道府県の福祉事務所の社会福祉主事)
第七条 都道府県は、その設置する福祉事務所に、福祉事務所長の指揮監督を受けて、主として前条第一項第一号に掲げる業務のうち専門的技術を必要とするものを行う所員として、社会福祉主事を置くことができる。
(平二法五八・全改)
(保健所の協力)
第八条 保健所は、老人の福祉に関し、老人福祉施設等に対し、栄養の改善その他衛生に関する事項について必要な協力を行うものとする。
(昭五七法八〇・全改)
(民生委員の協力)
第九条 民生委員法(昭和二十三年法律第百九十八号)に定める民生委員は、この法律の施行について、市町村長、福祉事務所長又は社会福祉主事の事務の執行に協力するものとする。
(介護等に関する措置)
第十条 身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障がある老人の介護等に関する措置については、この法律に定めるもののほか、介護保険法の定めるところによる。
(昭五七法八〇・追加、平九法一二四・平一八法八三・一部改正)
(連携及び調整)
第十条の二 この法律に基づく福祉の措置の実施に当たつては、前条に規定する介護保険法に基づく措置との連携及び調整に努めなければならない。
(昭六一法一〇六・追加、平九法一二四・平一八法八三・一部改正)
第二章 福祉の措置
(支援体制の整備等)
第十条の三 市町村は、六十五歳以上の者であつて、身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障があるものが、心身の状況、その置かれている環境等に応じて、自立した日常生活を営むために最も適切な支援が総合的に受けられるように、次条及び第十一条の措置その他地域の実情に応じたきめ細かな措置の積極的な実施に努めるとともに、これらの措置、介護保険法に規定する居宅サービス、地域密着型サービス、居宅介護支援、施設サービス、介護予防サービス、地域密着型介護予防サービス及び介護予防支援並びに老人クラブその他老人の福祉を増進することを目的とする事業を行う者の活動の連携及び調整を図る等地域の実情に応じた体制の整備に努めなければならない。
2 市町村は、前項の体制の整備に当たつては、六十五歳以上の者が身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障が生じた場合においても、引き続き居宅において日常生活を営むことができるよう配慮しなければならない。
(平二法五八・追加、平九法一二四・平一七法七七・一部改正)
(居宅における介護等)
第十条の四 市町村は、必要に応じて、次の措置を採ることができる。
一 六十五歳以上の者であつて、身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障があるものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する訪問介護、夜間対応型訪問介護又は介護予防訪問介護を利用することが著しく困難であると認めるときは、その者につき、政令で定める基準に従い、その者の居宅において第五条の二第二項の厚生労働省令で定める便宜を供与し、又は当該市町村以外の者に当該便宜を供与することを委託すること。
二 六十五歳以上の者であつて、身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障があるものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する通所介護、認知症対応型通所介護、介護予防通所介護又は介護予防認知症対応型通所介護を利用することが著しく困難であると認めるときは、その者(養護者を含む。)を、政令で定める基準に従い、当該市町村の設置する老人デイサービスセンター若しくは第五条の二第三項の厚生労働省令で定める施設(以下「老人デイサービスセンター等」という。)に通わせ、同項の厚生労働省令で定める便宜を供与し、又は当該市町村以外の者の設置する老人デイサービスセンター等に通わせ、当該便宜を供与することを委託すること。
三 六十五歳以上の者であつて、養護者の疾病その他の理由により、居宅において介護を受けることが一時的に困難となつたものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する短期入所生活介護又は介護予防短期入所生活介護を利用することが著しく困難であると認めるときは、その者を、政令で定める基準に従い、当該市町村の設置する老人短期入所施設若しくは第五条の二第四項の厚生労働省令で定める施設(以下「老人短期入所施設等」という。)に短期間入所させ、養護を行い、又は当該市町村以外の者の設置する老人短期入所施設等に短期間入所させ、養護することを委託すること。
四 六十五歳以上の者であつて、身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障があるものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する小規模多機能型居宅介護又は介護予防小規模多機能型居宅介護を利用することが著しく困難であると認めるときは、その者につき、政令で定める基準に従い、その者の居宅において、又は第五条の二第五項の厚生労働省令で定めるサービスの拠点に通わせ、若しくは短期間宿泊させ、当該拠点において、同項の厚生労働省令で定める便宜及び機能訓練を供与し、又は当該市町村以外の者に当該便宜及び機能訓練を供与することを委託すること。
五 六十五歳以上の者であつて、認知症(介護保険法第八条第十六項に規定する認知症をいう。以下同じ。)であるために日常生活を営むのに支障があるもの(その者の認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く。)が、やむを得ない事由により同法に規定する認知症対応型共同生活介護又は介護予防認知症対応型共同生活介護を利用することが著しく困難であると認めるときは、その者につき、政令で定める基準に従い、第五条の二第六項に規定する住居において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の援助を行い、又は当該市町村以外の者に当該住居において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の援助を行うことを委託すること。
2 市町村は、六十五歳以上の者であつて、身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障があるものにつき、前項各号の措置を採るほか、その福祉を図るため、必要に応じて、日常生活上の便宜を図るための用具であつて厚生労働大臣が定めるものを給付し、若しくは貸与し、又は当該市町村以外の者にこれを給付し、若しくは貸与することを委託する措置を採ることができる。
(平二法五八・追加・旧第十条の三繰下・一部改正、平九法一二四・平一一法一六〇・平一七法七七・一部改正)
(老人ホームへの入所等)
第十一条 市町村は、必要に応じて、次の措置を採らなければならない。
一 六十五歳以上の者であつて、環境上の理由及び経済的理由(政令で定めるものに限る。)により居宅において養護を受けることが困難なものを当該市町村の設置する養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する養護老人ホームに入所を委託すること。
二 六十五歳以上の者であつて、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難なものが、やむを得ない事由により介護保険法に規定する地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設に入所することが著しく困難であると認めるときは、その者を当該市町村の設置する特別養護老人ホームに入所させ、又は当該市町村以外の者の設置する特別養護老人ホームに入所を委託すること。
三 六十五歳以上の者であつて、養護者がないか、又は養護者があつてもこれに養護させることが不適当であると認められるものの養護を養護受託者(老人を自己の下に預つて養護することを希望する者であつて、市町村長が適当と認めるものをいう。以下同じ。)のうち政令で定めるものに委託すること。
2 市町村は、前項の規定により養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホームに入所させ、若しくは入所を委託し、又はその養護を養護受託者に委託した者が死亡した場合において、その葬祭(葬祭のために必要な処理を含む。以下同じ。)を行う者がないときは、その葬祭を行い、又はその者を入所させ、若しくは養護していた養護老人ホーム、特別養護老人ホーム若しくは養護受託者にその葬祭を行うことを委託する措置を採ることができる。
(昭六一法一〇九・平二法五八・平九法一二四・平一七法七七・一部改正)
(措置の解除に係る説明等)
第十二条 市町村長は、第十条の四又は前条第一項の措置を解除しようとするときは、あらかじめ、当該措置に係る者に対し、当該措置の解除の理由について説明するとともに、その意見を聴かなければならない。ただし、当該措置に係る者から当該措置の解除の申出があつた場合その他厚生労働省令で定める場合においては、この限りでない。
(平五法八九・全改、平九法一二四・平一一法一六〇・一部改正)
(行政手続法の適用除外)
第十二条の二 第十条の四又は第十一条第一項の措置を解除する処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。
(平五法八九・追加、平九法一二四・一部改正)
(老人福祉の増進のための事業)
第十三条 地方公共団体は、老人の心身の健康の保持に資するための教養講座、レクリエーションその他広く老人が自主的かつ積極的に参加することができる事業(以下「老人健康保持事業」という。)を実施するように努めなければならない。
2 地方公共団体は、老人の福祉を増進することを目的とする事業の振興を図るとともに、老人クラブその他当該事業を行う者に対して、適当な援助をするように努めなければならない。
(平二法五八・平九法一二四・一部改正)
(研究開発の推進)
第十三条の二 国は、老人の心身の特性に応じた介護方法の研究開発並びに老人の日常生活上の便宜を図るための用具及び機能訓練のための用具であつて身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障がある者に使用させることを目的とするものの研究開発の推進に努めなければならない。
(平三法八九・追加)
第三章 事業及び施設
(平二法五八・改称)
(老人居宅生活支援事業の開始)
第十四条 国及び都道府県以外の者は、厚生労働省令の定めるところにより、あらかじめ、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出て、老人居宅生活支援事業を行うことができる。
(平二法五八・全改、平一一法一六〇・一部改正)
(変更)
第十四条の二 前条の規定による届出をした者は、厚生労働省令で定める事項に変更を生じたときは、変更の日から一月以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
(平一一法八七・追加、平一一法一六〇・一部改正)
(廃止又は休止)
第十四条の三 国及び都道府県以外の者は、老人居宅生活支援事業を廃止し、又は休止しようとするときは、あらかじめ、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない。
(平二法五八・追加、平一一法八七・旧第十四条の二繰下、平一一法一六〇・一部改正)
(前払金の保全措置)
第十四条の四 認知症対応型老人共同生活援助事業を行う者のうち、終身にわたつて受領すべき家賃その他厚生労働省令で定めるものの全部又は一部を前払金として一括して受領するものは、当該前払金の算定の基礎を書面で明示し、かつ、当該前払金について返還債務を負うこととなる場合に備えて厚生労働省令で定めるところにより必要な保全措置を講じなければならない。
(平一七法七七・追加)
(施設の設置)
第十五条 都道府県は、老人福祉施設を設置することができる。
2 国及び都道府県以外の者は、厚生労働省令の定めるところにより、あらかじめ、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出て、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設又は老人介護支援センターを設置することができる。
3 市町村及び地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。第十六条第二項において同じ。)は、厚生労働省令の定めるところにより、あらかじめ、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出て、養護老人ホーム又は特別養護老人ホームを設置することができる。
4 社会福祉法人は、厚生労働省令の定めるところにより、都道府県知事の認可を受けて、養護老人ホーム又は特別養護老人ホームを設置することができる。
5 国及び都道府県以外の者は、社会福祉法の定めるところにより、軽費老人ホーム又は老人福祉センターを設置することができる。
6 都道府県知事は、第四項の認可の申請があつた場合において、当該申請に係る養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホームの所在地を含む区域(介護保険法第百十八条第二項第一号の規定により当該都道府県が定める区域とする。)における養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホームの入所定員の総数が、第二十条の九第一項の規定により当該都道府県が定める都道府県老人福祉計画において定めるその区域の養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホームの必要入所定員総数に既に達しているか、又は当該申請に係る養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホームの設置によつてこれを超えることになると認めるとき、その他の当該都道府県老人福祉計画の達成に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、第四項の認可をしないことができる。
(昭六〇法九〇・平二法五八・平六法五六・平九法一二四・平一一法一六〇・平一二法一一一・平一五法一一九・一部改正)
(変更)
第十五条の二 前条第二項の規定による届出をした者は、厚生労働省令で定める事項に変更を生じたときは、変更の日から一月以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
2 前条第三項の規定による届出をし、又は同条第四項の規定による認可を受けた者は、厚生労働省令で定める事項を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
(平一一法八七・追加、平一一法一六〇・一部改正)
(廃止、休止若しくは入所定員の減少又は入所定員の増加)
第十六条 国及び都道府県以外の者は、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設又は老人介護支援センターを廃止し、又は休止しようとするときは、あらかじめ、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない。
2 市町村及び地方独立行政法人は、養護老人ホーム又は特別養護老人ホームを廃止し、休止し、若しくはその入所定員を減少し、又はその入所定員を増加しようとするときは、その廃止、休止若しくは入所定員の減少又は入所定員の増加の日の一月前までに、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない。
3 社会福祉法人は、養護老人ホーム又は特別養護老人ホームを廃止し、休止し、若しくはその入所定員を減少し、又はその入所定員を増加しようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、その廃止、休止若しくは入所定員の減少の時期又は入所定員の増加について、都道府県知事の認可を受けなければならない。
4 第十五条第六項の規定は、前項の規定により社会福祉法人が養護老人ホーム又は特別養護老人ホームの入所定員の増加の認可の申請をした場合について準用する。
(昭六〇法九〇・平二法五八・平六法五六・平九法一二四・平一一法八七・平一一法一六〇・平一五法一一九・平一七法七七・一部改正)
(施設の基準)
第十七条 厚生労働大臣は、養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設備及び運営について、基準を定めなければならない。
2 養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設置者は、前項の基準を遵守しなければならない。
(平六法五六・平一一法一六〇・一部改正)
(報告の徴収等)
第十八条 都道府県知事は、老人の福祉のために必要があると認めるときは、老人居宅生活支援事業を行う者又は老人デイサービスセンター、老人短期入所施設若しくは老人介護支援センターの設置者に対して、必要と認める事項の報告を求め、又は当該職員に、関係者に対して質問させ、若しくはその事務所若しくは施設に立ち入り、設備、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 都道府県知事は、前条第一項の基準を維持するため、養護老人ホーム又は特別養護老人ホームの長に対して、必要と認める事項の報告を求め、又は当該職員に、関係者に対して質問させ、若しくはその施設に立ち入り、設備、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 前二項の規定による質問又は立入検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(平二法五八・平六法五六・平一一法八七・一部改正)
(改善命令等)
第十八条の二 都道府県知事は、認知症対応型老人共同生活援助事業を行う者が第十四条の四の規定に違反したと認めるときは、当該者に対して、その改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
2 都道府県知事は、老人居宅生活支援事業を行う者又は老人デイサービスセンター、老人短期入所施設若しくは老人介護支援センターの設置者が、この法律若しくはこれに基づく命令若しくはこれらに基づいてする処分に違反したとき、又はその事業に関し不当に営利を図り、若しくは第五条の二第二項から第六項まで、第二十条の二の二若しくは第二十条の三に規定する者の処遇につき不当な行為をしたときは、当該事業を行う者又は当該施設の設置者に対して、その事業の制限又は停止を命ずることができる。
3 都道府県知事は、前項の規定により、老人居宅生活支援事業又は老人デイサービスセンター、老人短期入所施設若しくは老人介護支援センターにつき、その事業の制限又は停止を命ずる場合(第一項の命令に違反したことに基づいて認知症対応型老人共同生活援助事業の制限又は停止を命ずる場合を除く。)には、あらかじめ、社会福祉法第七条第一項に規定する地方社会福祉審議会の意見を聴かなければならない。
(平二法五八・追加・一部改正、平五法八九・平六法五六・平九法一二四・平一一法八七・平一二法一一一・平一一法一六〇(平一二法一一一)・平一七法七七・一部改正)
第十九条 都道府県知事は、養護老人ホーム又は特別養護老人ホームの設置者がこの法律若しくはこれに基づく命令若しくはこれらに基づいてする処分に違反したとき、又は当該施設が第十七条第一項の基準に適合しなくなつたときは、その設置者に対して、その施設の設備若しくは運営の改善若しくはその事業の停止若しくは廃止を命じ、又は第十五条第四項の規定による認可を取り消すことができる。
2 都道府県知事は、前項の規定により、養護老人ホーム又は特別養護老人ホームにつき、その事業の廃止を命じ、又は設置の認可を取り消す場合には、あらかじめ、社会福祉法第七条第一項に規定する地方社会福祉審議会の意見を聞かなければならない。
(昭六〇法九〇・平二法五八・平五法八九・平六法五六・平一一法八七・平一二法一一一・平一一法一六〇(平一二法一一一)・一部改正)
(措置の受託義務)
第二十条 老人居宅生活支援事業を行う者並びに老人デイサービスセンター及び老人短期入所施設の設置者は、第十条の四第一項の規定による委託を受けたときは、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。
2 養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設置者は、第十一条の規定による入所の委託を受けたときは、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。
(昭六一法一〇九・平二法五八・一部改正)
(処遇の質の評価等)
第二十条の二 老人居宅生活支援事業を行う者及び老人福祉施設の設置者は、自らその行う処遇の質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより、常に処遇を受ける者の立場に立つてこれを行うように努めなければならない。
(平六法五六・追加)
(老人デイサービスセンター)
第二十条の二の二 老人デイサービスセンターは、第十条の四第一項第二号の措置に係る者又は介護保険法の規定による通所介護に係る居宅介護サービス費、認知症対応型通所介護に係る地域密着型介護サービス費、介護予防通所介護に係る介護予防サービス費若しくは介護予防認知症対応型通所介護に係る地域密着型介護予防サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者(その者を現に養護する者を含む。)を通わせ、第五条の二第三項の厚生労働省令で定める便宜を供与することを目的とする施設とする。
(平二法五八・追加・一部改正、平六法五六・旧第二十条の二繰下、平九法一二四・平一一法一六〇・平一七法七七・一部改正)
(老人短期入所施設)
第二十条の三 老人短期入所施設は、第十条の四第一項第三号の措置に係る者又は介護保険法の規定による短期入所生活介護に係る居宅介護サービス費若しくは介護予防短期入所生活介護に係る介護予防サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者を短期間入所させ、養護することを目的とする施設とする。
(平二法五八・追加・一部改正、平九法一二四・平一七法七七・一部改正)
(養護老人ホーム)
第二十条の四 養護老人ホームは、第十一条第一項第一号の措置に係る者を入所させ、養護するとともに、その者が自立した日常生活を営み、社会的活動に参加するために必要な指導及び訓練その他の援助を行うことを目的とする施設とする。
(平二法五八・追加・一部改正、平一七法七七・一部改正)
(特別養護老人ホーム)
第二十条の五 特別養護老人ホームは、第十一条第一項第二号の措置に係る者又は介護保険法の規定による地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に係る地域密着型介護サービス費若しくは介護福祉施設サービスに係る施設介護サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者を入所させ、養護することを目的とする施設とする。
(平二法五八・追加・一部改正、平九法一二四・平一七法七七・一部改正)
(軽費老人ホーム)
第二十条の六 軽費老人ホームは、無料又は低額な料金で、老人を入所させ、食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設(第二十条の二の二から前条までに定める施設を除く。)とする。
(平二法五八・追加、平九法一二四・一部改正)
(老人福祉センター)
第二十条の七 老人福祉センターは、無料又は低額な料金で、老人に関する各種の相談に応ずるとともに、老人に対して、健康の増進、教養の向上及びレクリエーションのための便宜を総合的に供与することを目的とする施設とする。
(平二法五八・追加)
(老人介護支援センター)
第二十条の七の二 老人介護支援センターは、地域の老人の福祉に関する各般の問題につき、老人、その者を現に養護する者、地域住民その他の者からの相談に応じ、必要な助言を行うとともに、主として居宅において介護を受ける老人又はその者を現に養護する者と市町村、老人居宅生活支援事業を行う者、老人福祉施設、医療施設、老人クラブその他老人の福祉を増進することを目的とする事業を行う者等との連絡調整その他の厚生労働省令で定める援助を総合的に行うことを目的とする施設とする。
2 老人介護支援センターの設置者(設置者が法人である場合にあつては、その役員)若しくはその職員又はこれらの職にあつた者は、正当な理由なしに、その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(平六法五六・追加、平九法一二四・平一一法一六〇・平一七法七七・一部改正)
第三章の二 老人福祉計画
(平二法五八・追加)
(市町村老人福祉計画)
第二十条の八 市町村は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第四項の基本構想に即して、老人居宅生活支援事業及び老人福祉施設による事業(以下「老人福祉事業」という。)の供給体制の確保に関する計画(以下「市町村老人福祉計画」という。)を定めるものとする。
2 市町村老人福祉計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 当該市町村の区域において確保すべき老人福祉事業の量の目標
二 前号の老人福祉事業の量の確保のための方策
三 その他老人福祉事業の供給体制の確保に関し必要な事項
3 市町村は、前項第一号の目標(老人居宅生活支援事業、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設及び特別養護老人ホームに係るものに限る。)を定めるに当たつては、介護保険法第百十七条第二項第一号に規定する介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込み(同法に規定する訪問介護、通所介護、短期入所生活介護、夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護及び介護福祉施設サービス並びに介護予防訪問介護、介護予防通所介護、介護予防短期入所生活介護、介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護及び介護予防認知症対応型共同生活介護に係るものに限る。)を勘案しなければならない。
4 厚生労働大臣は、市町村が第二項第一号の目標(養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター及び老人介護支援センターに係るものに限る。)を定めるに当たつて参酌すべき標準を定めるものとする。
5 市町村老人福祉計画は、当該市町村の区域における身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障がある老人の人数、その障害の状況、その養護の実態その他の事情を勘案して作成されなければならない。
6 市町村老人福祉計画は、介護保険法第百十七条第一項に規定する市町村介護保険事業計画と一体のものとして作成されなければならない。
7 市町村老人福祉計画は、社会福祉法第百七条に規定する市町村地域福祉計画その他の法律の規定による計画であつて老人の福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。
8 市町村は、市町村老人福祉計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、都道府県の意見を聴かなければならない。
9 市町村は、市町村老人福祉計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを都道府県知事に提出しなければならない。
(平二法五八・追加、平九法一二四・平一一法八七・平一一法一六〇・平一七法七七・平一八法八三・一部改正)
(都道府県老人福祉計画)
第二十条の九 都道府県は、市町村老人福祉計画の達成に資するため、各市町村を通ずる広域的な見地から、老人福祉事業の供給体制の確保に関する計画(以下「都道府県老人福祉計画」という。)を定めるものとする。
2 都道府県老人福祉計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 介護保険法第百十八条第二項第一号の規定により当該都道府県が定める区域ごとの当該区域における養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの必要入所定員総数その他老人福祉事業の量の目標
二 老人福祉施設の整備及び老人福祉施設相互間の連携のために講ずる措置に関する事項
三 老人福祉事業に従事する者の確保又は資質の向上のために講ずる措置に関する事項
四 その他老人福祉事業の供給体制の確保に関し必要な事項
3 都道府県は、前項第一号の特別養護老人ホームの必要入所定員総数を定めるに当たつては、介護保険法第百十八条第二項第一号に規定する地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に係る必要利用定員総数及び介護保険施設の種類ごとの必要入所定員総数(同法に規定する介護老人福祉施設に係るものに限る。)を勘案しなければならない。
4 都道府県老人福祉計画は、介護保険法第百十八条第一項に規定する都道府県介護保険事業支援計画と一体のものとして作成されなければならない。
5 都道府県老人福祉計画は、社会福祉法第百八条に規定する都道府県地域福祉支援計画その他の法律の規定による計画であつて老人の福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。
6 都道府県は、都道府県老人福祉計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に提出しなければならない。
(平二法五八・追加、平九法一二四・平一一法一六〇・平一七法七七・平一八法八三・一部改正)
(都道府県知事の助言等)
第二十条の十 都道府県知事は、市町村に対し、市町村老人福祉計画の作成上の技術的事項について必要な助言をすることができる。
2 厚生労働大臣は、都道府県に対し、都道府県老人福祉計画の作成の手法その他都道府県老人福祉計画の作成上重要な技術的事項について必要な助言をすることができる。
(平二法五八・追加、平一一法一六〇・一部改正)
(援助)
第二十条の十一 国及び地方公共団体は、市町村老人福祉計画又は都道府県老人福祉計画の達成に資する事業を行う者に対し、当該事業の円滑な実施のために必要な援助を与えるように努めなければならない。
(平二法五八・追加)
第四章 費用
(費用の支弁)
第二十一条 次に掲げる費用は、市町村の支弁とする。
一 第十条の四第一項第一号から第四号までの規定により市町村が行う措置に要する費用
一の二 第十条の四第一項第五号の規定により市町村が行う措置に要する費用
二 第十一条第一項第一号及び第三号並びに同条第二項の規定により市町村が行う措置に要する費用
三 第十一条第一項第二号の規定により市町村が行う措置に要する費用
(昭四七法九六・昭五七法八〇・昭六一法一〇九・平二法五八・平九法一二四・平一七法二五・平一七法七七・一部改正)
(介護保険法による給付との調整)
第二十一条の二 第十条の四第一項各号又は第十一条第一項第二号の措置に係る者が、介護保険法の規定により当該措置に相当する居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービス又は地域密着型介護予防サービスに係る保険給付を受けることができる者であるときは、市町村は、その限度において、前条第一号、第一号の二又は第三号の規定による費用の支弁をすることを要しない。
(平九法一二四・追加、平一七法二五・平一七法七七・一部改正)
第二十二条及び第二十三条 削除
(平一七法二五)
(都道府県の補助)
第二十四条 都道府県は、政令の定めるところにより、市町村が第二十一条第一号の規定により支弁する費用については、その四分の一以内(居宅地を有しないか、又は明らかでない第五条の四第一項に規定する六十五歳以上の者についての措置に要する費用については、その二分の一以内)を補助することができる。
2 都道府県は、前項に規定するもののほか、市町村又は社会福祉法人に対し、老人の福祉のための事業に要する費用の一部を補助することができる。
(昭四七法九六・昭五七法八〇・平元法二二・平二法五八・平九法一二四・平一七法二五・一部改正)
(準用規定)
第二十五条 社会福祉法第五十八条第二項から第四項までの規定は、前条の規定により補助金の交付を受け、又は国有財産特別措置法(昭和二十七年法律第二百十九号)第二条第二項第四号の規定若しくは同法第三条第一項第四号及び同条第二項の規定により普通財産の譲渡若しくは貸付けを受けた社会福祉法人に準用する。
(昭四八法六七・平九法一二四(平九法七四)・平一二法一一一・平一七法一二三・一部改正)
(国の補助)
第二十六条 国は、政令の定めるところにより、市町村が第二十一条第一号の規定により支弁する費用については、その二分の一以内を補助することができる。
2 国は、前項に規定するもののほか、都道府県又は市町村に対し、この法律に定める老人の福祉のための事業に要する費用の一部を補助することができる。
(昭四七法九六・昭五七法八〇・平元法二二・平二法五八・平九法一二四・平一七法二五・一部改正)
(遺留金品の処分)
第二十七条 市町村は、第十一条第二項の規定により葬祭の措置を採る場合においては、その死者の遺留の金銭及び有価証券を当該措置に要する費用に充て、なお足りないときは、遺留の物品を売却してその代金をこれに充てることができる。
2 市町村は、前項の費用について、その遺留の物品の上に他の債権者の先取特権に対して優先権を有する。
(昭六一法一〇九・平二法五八・一部改正)
(費用の徴収)
第二十八条 第十条の四第一項及び第十一条の規定による措置に要する費用については、これを支弁した市町村の長は、当該措置に係る者又はその扶養義務者(民法(明治二十九年法律第八十九号)に定める扶養義務者をいう。以下同じ。)から、その負担能力に応じて、当該措置に要する費用の全部又は一部を徴収することができる。
2 前項の規定による費用の徴収は、徴収されるべき者の居住地又は財産所在地の市町村に嘱託することができる。
(昭四七法九六・昭五七法八〇・平二法五八・平九法一二四・平一一法八七・一部改正)
第四章の二 指定法人
(平二法五八・追加)
(指定法人)
第二十八条の二 厚生労働大臣は、老人健康保持事業を実施する者の活動を促進すること等により老人の心身の健康の保持を図ることを目的として設立された民法第三十四条の規定による法人であつて、次条に規定する業務に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、全国を通じて一個に限り、同条に規定する業務を行う者として指定することができる。
一 職員、業務の方法その他の事項についての業務の実施に関する計画が適正なものであり、かつ、その計画を確実に遂行するに足りる知識及び能力並びに経理的基礎を有すると認められること。
二 前号に定めるもののほか、業務の運営が適正かつ確実に行われ、老人健康保持事業の促進その他老人の心身の健康の保持に資すると認められること。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による指定をしたときは、当該指定を受けた者(以下「指定法人」という。)の名称及び住所並びに事務所の所在地を公示しなければならない。
3 指定法人は、その名称及び住所並びに事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
4 厚生労働大臣は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
(平二法五八・追加、平一一法一六〇・一部改正)
(業務)
第二十八条の三 指定法人は、次に掲げる業務を行うものとする。
一 老人健康保持事業に関する啓発普及を行うこと。
二 老人健康保持事業を実施すること。
三 老人健康保持事業を実施する者に対して、援助を行うこと。
四 老人健康保持事業に関する調査研究を行い、及び老人健康保持事業に従事する者の研修を行うこと。
五 次条第一項に規定する業務を行うこと。
六 前各号に掲げるもののほか、老人健康保持事業の促進を図るために必要な業務を行うこと。
(平二法五八・追加)
(指定法人による助成業務の実施)
第二十八条の四 独立行政法人福祉医療機構は、第二十八条の二第一項の規定による指定がされたときは、独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号)第十二条第一項第七号の規定による助成の業務のうち、老人健康保持事業の振興上必要と認められる事業を行う者に係るもの(以下「助成業務」という。)の全部又は一部を指定法人に行わせるものとする。
2 前項の規定により指定法人が行う助成業務に係る助成に関する基準は、厚生労働省令で定める。
3 厚生労働大臣は、前項の厚生労働省令を定めようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
(平二法五八・追加、平一一法一六〇・平一四法一六六・一部改正)
(業務規程の認可)
第二十八条の五 指定法人は、助成業務を行うときは、当該業務の開始前に、当該業務の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 厚生労働大臣は、前項の認可をした業務規程が助成業務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 業務規程に記載すべき事項は、厚生労働省令で定める。
(平二法五八・追加、平一一法一六〇・一部改正)
(事業計画等)
第二十八条の六 指定法人は、毎事業年度、厚生労働省令の定めるところにより、事業計画書及び収支予算書を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 指定法人は、厚生労働省令の定めるところにより、毎事業年度終了後、事業報告書、貸借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
(平二法五八・追加、平一一法一六〇・一部改正)
(区分経理)
第二十八条の七 指定法人は、助成業務を行う場合には、助成業務に係る経理とその他の経理とを区分して整理しなければならない。
(平二法五八・追加)
(交付金)
第二十八条の八 独立行政法人福祉医療機構は、予算の範囲内において、指定法人に対して、助成業務に必要な資金に充てるため、独立行政法人福祉医療機構法第二十三条第一項の基金の運用によつて得られた収益の一部を、交付金として交付することができる。
(平二法五八・追加、平一四法一六六・一部改正)
(厚生労働省令への委任)
第二十八条の九 この章に定めるもののほか、指定法人が助成業務を行う場合における指定法人の財務及び会計に関し、必要な事項は、厚生労働省令で定める。
(平二法五八・追加、平一一法一六〇・一部改正)
(解任命令)
第二十八条の十 厚生労働大臣は、指定法人の役員が、この章の規定若しくは当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき、第二十八条の五第一項の認可を受けた業務規程に違反する行為をしたとき、又は第二十八条の三に規定する業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定法人に対して、その役員を解任すべきことを命ずることができる。

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有料老人ホームの設置運営標準指導指針について平成14年7月18日)

厚生省新指針対応の有料老人ホームの理論と実務 (開設実務全書)

有料老人ホームの設置運営標準指導指針について
(平成14年7月18日)
(老発第0718003号)
(各都道府県知事あて厚生労働省老健局長通知)
介護保険制度の施行に伴い、有料老人ホームが提供する介護等のサービスについては、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)の要件を満たして、介護保険の「指定特定施設入所者生活介護」の給付を受けることができるなど、有料老人ホームをめぐる環境は大きく変化している。
また、特別養護老人ホームについては、質の高いサービスを提供していく観点から、従来の4人部屋を主体とする居住環境を抜本的に改善し、全室個室・ユニットケアを特徴とする特別養護老人ホーム(新型特養)の整備を推進することとしており、今般、「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第46号)の一部を改正することとしているが、有料老人ホームについても高齢者の居住の場としてふさわしいものにしていくことが必要である。
このため、今般、別添のとおり「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」(以下「標準指導指針」という。)を定めたので、次の事項に留意の上、貴管内の有料老人ホームに対して適切な指導を行われたい。
また、本通知の施行に伴い、「有料老人ホームの設置運営指導指針について」(平成9年12月19日付け老振第141号厚生省老人保健福祉局長通知)は廃止する。ただし、類型及び重要事項説明書に係る規定は、平成15年3月31日までの間については、なお従前の例によることができるものとする。
なお、本通知は、地方自治法第245条の4第1項に規定する技術的な助言に該当するものである。
1 標準指導指針の性格
有料老人ホームは民間の活力と創意工夫により高齢者の多様なニーズに応えていくことが求められるものであり、一律の規制には馴染まない面があるが、一方、高齢者が長年にわたり生活する場であり、入居者の側からも介護を始めとするサービスに対する期待が大きいこと、入居に当たり高額の一時金を支払う場合が多いことから、行政としても、サービス水準の確保等のため十分に指導を行う必要がある。特に、有料老人ホーム事業は、施設設置者と入居者との契約が基本となることから、契約の締結及び履行に必要な情報が、入居者に対して十分提供されることが重要である。
このような事業の性格を踏まえ、各都道府県は、本標準指導指針を参考として、地域の状況に応じて指導指針を定め、これに基づき設置前及び事業開始後において継続的な指導を行われたい。なお、指導指針を作成していない場合は、本標準指導指針に基づき指導を行うこととして差し支えないが、できる限り速やかに指導指針を作成されたい。
2 指導上の留意点
(1) 有料老人ホームの届出の徹底
老人福祉法(昭和38年法律第133号)第29条第1項の「常時10人以上の老人を入所させ、食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設であって、老人福祉施設でないもの」に該当するにもかかわらず、廊下の幅員等が指導指針に適合しないことを理由に有料老人ホームの届出が行われない場合があるが、指導指針に適合しなくとも届出義務がある。
老人福祉法の観点からは、重要事項の説明や情報開示など有料老人ホームの運営が適切に行われることが重要であり、指導の徹底をお願いしたい。
(2) 地域の状況に応じた指導指針の策定
標準指導指針においては、介護居室の床面積等について規定しているが、本来これらは地域の状況に応じて求められる水準が異なる場合も想定され、必ずしも全国一律に適用しなければならないものではない。このため、指導指針の策定又は変更に当たっては、地域の状況に応じて規定することも差し支えない。
(3) 情報開示、報告の徴収等
有料老人ホーム事業は、設置者と入居者の契約が基本となることから、できる限り多くの情報が開示されることが重要である。特に、高齢者の多くは有料老人ホームにおいて提供される介護サービスに対して大きな期待を寄せていることから、当該有料老人ホームにおいて提供される介護サービスの内容、費用負担等について、重要事項説明書等において明確にするよう指導するとともに、重要事項説明書の交付及び説明の徹底、体験入居制度の実施、財務諸表及び事業収支計画書の開示等について、設置者に対し十分な指導を行われたい。
また、必要に応じて、貸借対照表、損益計算書等の財務諸表の提出を求めること等により、経営状況の把握を行い、届出時の事業収支計画と財務諸表に乖離がある場合には対処方針等を報告させるなど、適切な措置を講ずるよう指導するとともに、重要事項説明書、入居契約書、管理規程、入居案内パンフレット等について、定期的に又は変更の都度、提出を求め、表示と実態が乖離することのないよう指導されたい。
さらに、各都道府県においても、各有料老人ホーム情報開示等一覧表を作成し、公開するとともに、重要事項説明書等についても公開するよう努められたい。
(4) 立入調査の定期的実施等
管内の有料老人ホームについて、定期的な立入調査を実施するほか、必要に応じ適宜調査を実施されたい。立入調査に当たっては、介護保険担当部局とも連携を図り、重要事項説明書の記載内容等に照らしつつ、居室の状況や介護サービスの実施状況等について調査し、必要に応じ、指導指針に基づく指導を行うとともに、入居者の処遇に関する不当な行為が認められたときは、入居者の保護を図る観点から、迅速にその改善に必要な措置をとることを指導し、又は命じられたい。
(5) 全国有料老人ホーム協会との連携
有料老人ホームに対する指導及び協議に当たっては、必要に応じ、社団法人全国有料老人ホーム協会と連携を図ることとし、同協会への入会や同協会に設けられている有料老人ホーム入居者基金の加入についても十分配慮するよう指導されたい。
(6) 介護サービスに係る表示の留意事項
介護が必要となった場合に、介護保険の訪問介護等を利用することとなっている有料老人ホームについては、当該有料老人ホームが自ら介護サービスを提供しているとは認められないため、重要事項説明書等における職員数の表示に訪問介護事業所等の勤務時間を重複して計上することや、広告等において「介護付終身利用型有料老人ホーム」、「ケア付き高齢者住宅」、「終身介護マンション」等の表示を行うことは不当表示となるおそれがあるので留意されたい。
(7) 関係機関との連携
有料老人ホームの指導に当たっては、以下の関係機関と十分な連携を図られたい。
① 管内市町村
・介護サービス基盤の整備等について
② 開発許可・建築確認担当部局(管内の市町村を含む。)
有料老人ホームの設置計画の事前把握について
③ 消防担当部局(所轄の消防署を含む。)
有料老人ホームの防火安全対策の推進について
④ 景品表示法担当部局
有料老人ホームの表示の適正化について
⑤ 消費生活センター、国民健康保険団体連合会等
・苦情対応、入居者保護等について
3 主要な改正点
(1) 介護居室の個室化及び構造設備に係る規定の適正化
有料老人ホームの介護居室について全室個室とするとともに、一定の要件を満たす場合に廊下の幅員の規定を緩和するなど、構造設備の規定の適正化を図ったこと。
(2) 借地・借家により設置運営する場合の規定の適正化
土地や建物を借りて有料老人ホームを設置する場合には、契約期間を30年以上、増改築の禁止特約がないこと、地主が個人の場合に相続開始後の財産管理人を定めておく等の規定があったが、利用料が一時金方式ではなく月払い方式で、入居契約の契約期間が終身でない場合は、当該規定を必ずしも適用する必要はないため、規定の適正化を図ったこと。
(3) 有料老人ホームの類型の見直し
有料老人ホームの類型について、介護保険法施行後の状況等を踏まえ、「限定介護付利用権存続型」及び「限定介護付利用権解約型」を廃止し、3種類の類型にまとめたこと。また、居住の権利形態、入居時の要件、介護居室区分、介護にかかわる職員体制等について、高齢者の選択に資するための重要な表示事項を併記することとしたこと。
4 その他
(1) 本通知の適用
本通知及び標準指導指針は、平成14年10月1日から適用する。
ただし、各都道府県が指導指針を別に定めている場合は、当該指導指針が適用される。従って、各都道府県において本標準指導指針を参考に指導指針を改正しようとする場合にあっては、できる限り速やかに改正を行うこととし、その適用日についても、平成14年10月1日以前とすることが可能であるので、念のため申し添える。
(2) 経過措置
本標準指導指針の適用の際現に存する有料老人ホーム、既に着工している有料老人ホーム等については、構造設備に係る規定を満たさない場合、従前の規定によることとして差し支えないが、介護居室の相部屋については、できる限り速やかに個室に改造するよう指導されたい。
有料老人ホーム設置運営標準指導指針
1 基本的事項
有料老人ホームの事業を計画するに当たっては、次の事項に留意すること。
(1) 有料老人ホーム経営の基本姿勢としては、入居者の福祉を重視するとともに、安定的かつ継続的な事業運営を確保していくことが求められること。特に、介護サービスを提供する有料老人ホームにあっては、より一層、入居者の個人としての尊厳を確保しつつ福祉の向上を図ることが求められること。
また、入居者等に対し、サービス内容等の情報を開示するなどにより施設運営について理解を得るように努め、入居者等の信頼を確保することが求められること。
(2) 本指針を満たすだけでなく、より高い水準の施設運営に向けて努力することが期待されること。
(3) 介護保険法第70条の規定により特定施設入所者生活介護事業者の指定を受けた有料老人ホームにあっては、本指針に規定することのほか、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」を遵守すること。
(4) 都市計画法による開発許可若しくは建築許可申請前又は開発許可対象外の場合については建築確認申請前から地元市町村及び都道府県と十分な事前協議を行うこと。
(5) 建築確認後速やかに都道府県知事への届出を行うこと。
(6) 都道府県知事への届出後に入居募集を行うこと。
2 設置主体
(1) 有料老人ホームの設置主体は、老人福祉施設の場合と異なり、地方公共団体及び社会福祉法人に限定されるものではないこと。
(2) 公益法人にあっては、有料老人ホームの事業を行うに当たって主務官庁の承認を得ていること。
(3) 事業を確実に遂行できるような経営基盤が整っているとともに、社会的信用の得られる経営主体であること。
(4) 個人経営でないこと。また少数の個人株主等による独断専行的な経営が行われる可能性のある体制でないこと。
(5) 他業を営んでいる場合には、その財務内容が適正であること。
(6) 役員等の中には、有料老人ホーム運営について知識、経験を有する者等を参画させること。
さらに、介護サービスを提供する有料老人ホームの場合は、役員等の中に高齢者の介護について知識、経験を有する者を参画させるなど介護サービスが適切に提供される運営体制が確保されていること。
3 立地条件
(1) 入居者が健康で安全な生活を維持できるよう、交通の利便性、地域の環境、災害に対する安全性及び医療機関等との連携等を考慮して立地すること。特に、有料老人ホームは、入居者である高齢者が介護等のサービスを受けながら長期間にわたり生活する場であることから、住宅地から遠距離であったり、入居者が外出する際に不便が生じるような地域に立地することは好ましくないこと。
(2) 有料老人ホームの事業の用に供する土地及び建物については、有料老人ホーム事業以外の目的による抵当権その他の有料老人ホームとしての利用を制限するおそれのある権利が存しないことが登記簿謄本及び必要に応じた現地調査等により確認できること。
(3) 借地・借家により有料老人ホームを設置する場合には、入居契約の契約期間中における入居者の居住の継続を確実なものとするため、契約関係について次の要件を満たすこと。
なお、借地・借家等の契約関係が複数になる場合にあっては、土地信託方式、生命保険会社による新借地方式及び実質的には二者間の契約関係と同一視できる契約関係であって当該契約関係が事業の安定に資する等やむを得ないと認められるものに限られること。
また、定期借地・借家契約による場合には、入居者との入居契約の契約期間が当該借地・借家契約の契約期間を超えることがないようにするとともに、入居契約に際して、その旨を十分に説明すること。なお、入居者との入居契約の契約期間が終身である場合には、定期借地・借家契約ではなく、通常の借地・借家契約とすること。
ア 借地の場合
(ア) 有料老人ホーム事業のための借地であること及び土地の所有者は有料老人ホーム事業の継続について協力する旨を契約上明記すること。
(イ) 建物の登記をするなど法律上の対抗要件を具備すること。
(ウ) 入居者との入居契約の契約期間が終身である場合には、当初契約の契約期間は30年以上であることとし、自動更新条項が契約に入っていること。
(エ) 無断譲渡、無断転貸の禁止条項が契約に入っていること。
(オ) 増改築の禁止特約がないこと、又は、増改築について当事者が協議し土地の所有者は特段の事情がない限り増改築につき承諾を与える旨の条項が契約に入っていること。
(カ) 賃料改定の方法が長期にわたり定まっていること。
(キ) 相続、譲渡等により土地の所有者が変更された場合であっても、契約が新たな所有者に承継される旨の条項が契約に入っていること。
(ク) 借地人に著しく不利な契約条件が定められていないこと。
イ 借家の場合
(ア) 有料老人ホーム事業のための借家であること及び建物の所有者は有料老人ホーム事業の継続について協力する旨を契約上明記すること。
(イ) 入居者との入居契約の契約期間が終身である場合には、当初契約の契約期間は20年であることとし、更新後の契約期間(極端に短期間でないこと)を定めた自動更新条項が契約に入っていること。
(ウ) 無断譲渡、無断転貸の禁止条項が契約に入っていること。
(エ) 賃料改定の方法が長期にわたり定まっていること。
(オ) 相続、譲渡等により建物の所有者が変更された場合であっても、契約が新たな所有者に承継される旨の条項が契約に入っていること。
(カ) 借家人に著しく不利な契約条件が定められていないこと。
(キ) 入居者との入居契約の契約期間が終身である場合には、建物の優先買取権が契約に定められていることが望ましいこと。
4 規模及び構造設備
(1) 建物は、入居者が快適な日常生活を営むのに適した規模及び構造設備を有すること。
(2) 建物は、建築基準法に規定する耐火建築物又は準耐火建築物とし、かつ、建築基準法、消防法等に定める避難設備、消火設備、警報設備その他地震、火災、ガスもれ等の防止や事故・災害に対応するための設備を十分設けること。
また、緊急通報装置を設置する等により、入居者の急病等緊急時の対応を図ること。
(3) 建物の設計に当たっては、「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」(平成13年国土交通省告示第1301号)を参考として、入居者の身体機能の低下や障害が生じた場合にも対応できるよう配慮すること。
(4) 建物の配置及び構造は、日照、採光、換気等入居者の保健衛生について十分考慮されたものであること。
(5) 有料老人ホームが提供するサービス内容に応じ、次の機能を有する設備を設けること。
一般居室又は介護居室 注1、
一時介護室 注2、食堂、浴室 注3、便所 注3、洗面設備 注3、
医務室(又は健康管理室)、談話室(又は応接室)、
事務室、宿直室、洗濯室、汚物処理室、
看護・介護職員室、機能訓練室 注4、健康・生きがい施設 注5
注1) 「介護居室」とは、有料老人ホームが自ら介護サービスを提供するための専用の居室であり、入居者の状況等に応じて適切な数を確保すること。なお、一般居室で介護サービスが提供される場合又は有料老人ホームが自ら介護サービスを提供しない場合は介護居室を設置しなくてもよいこと。
注2) 「一時介護室」とは、一時的な介護サービスを提供するための居室であり、入居者の状況等に応じて適切な数を確保すること。なお、一般居室又は介護居室で一時的な介護サービスを提供することが可能である場合は一時介護室を設置しなくてもよいこと。
注3) 居室内に設置されている場合を含む。
注4) 他に機能訓練を行うために適当な広さの場所が確保できる場合には設置しなくてもよいこと。
注5) 入居者が健康で生きがいを持って生活することに資するため、例えば、スポーツ、レクリエーション施設、図書室等を設けることが望ましいこと。
(6) (5)に定める設備の基準は、次によること。
ア 一般居室は個室とすること。
イ 介護居室は次によること。
(ア) 個室とすることとし、入居者1人当たりの床面積は13平方メートル以上とすること。
(イ) 各個室は、建築基準法第30条の規定に基づく界壁により区分されたものとすること。
ウ 一時介護室を設置する場合には、イによること。
エ 医務室を設置する場合には、医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第16条に規定する診療所の構造設備の基準に適合したものとすること。
オ 要介護者等が使用する浴室は、身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。
カ 要介護者等が使用する便所は、居室内又は居室のある階ごとに居室に近接して設置することとし、緊急通報装置等を備えるとともに、身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。
キ 介護居室のある区域の廊下は、入居者が車いす等で安全かつ円滑に移動することが可能となるよう、次の(ア)又は(イ)によること。
(ア) すべての介護居室が個室で、1室当たりの床面積が18平方メートル(面積の算定方法はバルコニーの面積を除き、壁芯〈へきしん〉方法による。)以上であって、かつ、居室内に便所及び洗面設備が設置されている場合
廊下の幅は1.4メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は1.8メートル以上とすること。
(イ) 上記以外の場合
廊下の幅は1.8メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は2.7メートル以上とすること。
(7) 既存の建物を転用して開設される有料老人ホームについて、建物の構造上(6)に定める基準を満たすことが困難である場合においては、すべての居室が個室であり、かつ、代替の措置を講ずること等により同等の効果が得られると認められるときは、この基準によらないことができること。
5 職員の配置等
(1) 職員の配置
ア 職員の配置については、入居者の数及び提供するサービス内容に応じ、その呼称にかかわらず、次の職員を配置すること。
施設長、事務員、生活相談員、介護職員、看護職員(看護師又は准看護師)、機能訓練指導員、栄養士、調理員
イ 入居者の実態に即し、夜間の介護、緊急時に対応できる数の職員を配置すること。
ウ 介護サービスを提供する有料老人ホームの場合は、上記ア及びイの他、次によること。
(ア) 要介護者等を直接処遇する職員(介護職員及び看護職員をいう。以下「直接処遇職員」という。)については、介護サービスの安定的な提供に支障がない職員体制とすること。
(イ) 看護師は入居者の健康管理に必要な数を配置すること。ただし、看護師の確保が困難な場合には、准看護師を充てることができるものとすること。
(ウ) 施設長等介護サービスの責任者の地位にある者は高齢者の介護について知識、経験を有する者であること。
(2) 職員の研修
職員に対しては、採用時及び採用後において定期的に研修を実施すること。特に、生活相談員及び直接処遇職員については、高齢者の心身の特性、実施するサービスのあり方及び内容、介護に関する知識及び技術、作業手順等について研修を行うこと。
(3) 職員の衛生管理
職員の心身の健康に留意し、職員の疾病の早期発見及び健康状態の把握のために、採用時及び採用後において定期的に健康診断を行うとともに、就業中の衛生管理について十分な点検を行うこと。
6 施設の管理・運営
(1) 管理規程等の制定
入居者の定員、利用料、サービスの内容及びその費用負担、介護を行う場合の基準、医療を要する場合の対応などを明示した管理規程等を設けること。
(2) 名簿等の整備
入居者及びその身元引受人等の氏名及び連絡先を明らかにした名簿並びに設備、職員、会計及び入居者の状況に関する帳簿を整備しておくこと。
(3) 緊急時の対応
事故・災害及び急病・負傷に迅速かつ適切に対応できるよう具体的な計画を立てるとともに、避難等必要な訓練を定期的に行うこと。
(4) 入居者の安否確認
入居者の安否確認については、安全・安心の確保の観点のみならず、プライバシーの確保について十分に考慮する必要があることから、安否確認の方法等については、運営懇談会その他の機会を通じて入居者の意向の確認、意見交換等を行い、できる限りそれを尊重したものとすること。
(5) 医療機関等との連携
医療機関と協力契約を結び、当該協力医療機関との協力内容、当該協力医療機関の診療科目等について入居者に周知しておくこと。また、協力内容に医師の訪問による健康相談、健康診断が含まれていない場合には嘱託医を確保しておくこと。
(6) 運営懇談会の設置等
施設長、職員及び入居者代表により組織する運営懇談会を設けるとともに、入居者のうちの要介護者等についてはその身元引受人等に対し出席を呼びかけること。また、施設の運営について外部からの点検が働くよう、施設関係者及び入居者以外の第三者的立場にある学識経験者、民生委員などを加えるよう努めること。
運営懇談会では、入居者の状況、サービス提供の状況及び管理費、食費の収支等の内容等を定期的に報告し、説明するとともに、入居者の要望、意見を運営に反映させるよう努めること。
7 サービス
入居者に対して、契約内容に基づき、食事、相談助言、健康管理、治療への協力、介護、機能訓練、レクリエーション等に関し、その心身の状況に応じた適切なサービスが提供されること。
(1) 食事サービス
ア 高齢者に適した食事を提供すること。
イ 栄養士による献立表を作成すること。
ウ 食堂において食事をすることが困難な入居者に対しては、居室において食事を提供するなど必要な配慮を行うこと。
(2) 相談・助言等
入居時には、心身の健康状況等について調査を行い、入居後は入居者の各種の相談に応ずるとともに適切な助言等に努めなければならないこと。
(3) 健康管理と治療への協力
ア 入居時及び1年に2回以上健康診断を受ける機会を与えるとともに、常に入居者の健康の状況に注意し、必要に応じて健康保持のための適切な措置をとるよう努めること。また、健康診断及び健康保持のための措置の記録を適切に保存しておくこと。
イ 入居者が一時的疾病等のため日常生活に支障がある場合には介助等日常生活の世話が行えるよう配慮するとともに、医療機関での治療が必要な場合には適切な治療が受けられるよう医療機関への連絡、紹介、受診手続、通院介助等の協力に努めること。
(4) 介護サービス
ア 介護サービスを提供する有料老人ホームにあっては、契約に定めるところにより、当該有料老人ホーム又はその提携有料老人ホーム(一定限度以上の要介護状態になった場合に入居者が住み替えてそこで介護サービスを行うことが入居契約書に明定されていてるものに限る。)において行うこととし、当該有料老人ホームが行うべき介護サービスを介護老人保健施設、病院、診療所又は特別養護老人ホーム等に行わせてはならないこと。なお、この場合の介護サービスには、医療行為は含まれないものであること。
イ 契約内容に基づき、入居者を一般居室、一時介護室又は介護居室において入居者の自立を支援するという観点に立って処遇するとともに、常時介護に対応できる職員の勤務体制をとること。
ウ 介護記録を作成し、保管するとともに、主治医との連携を十分図ること。
エ 介護サービスの提供に当たっては、入居者の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束その他入居者の行動を制限する行為を行ってはならないこと。ただし、緊急やむを得ず身体拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入居者の心身の状況、緊急やむを得なかった理由を記録しなければならないこと。
(5) 機能訓練
介護サービスを提供する有料老人ホームにあっては、要介護者等の生活の自立の支援を図る観点から、その身体的、精神的条件に応じた機能訓練等を実施すること。
(6) レクリエーション
入居者の要望を考慮し、運動、娯楽等のレクリエーションを実施すること。
(7) 身元引受人への連絡等
入居者の生活において必要な場合には、身元引受人等への連絡等所要の措置をとるとともに、本人の意向に応じ、関連諸制度、諸施策の活用についても迅速かつ適切な措置をとること。要介護者等については、入居者の生活及び健康の状況並びにサービスの提供状況を身元引受人等へ定期的に報告すること。
(8) 金銭等管理
入居者の金銭、預金等の管理は入居者自身が行うことを原則とすること。ただし、入居者本人が特に施設に依頼した場合、又は入居者本人が痴呆等により十分な判断能力を有せず金銭等の適切な管理が行えないと認められる場合であって、身元引受人等の承諾を得たときには、施設において入居者の金銭等を管理することもやむを得ないこと。
この場合にあっては、依頼又は承諾を書面で確認するとともに、金銭等の具体的な管理方法、本人又は身元引受人等への定期的報告等を管理規程等で定めること。
8 事業収支計画
(1) 市場調査等の実施
構想段階における地域特性、需要動向等の市場分析や、計画が具体化した段階における市場調査等により、相当数の者の入居が見込まれること。
(2) 資金の確保等
初期総投資額の積算に当たっては、開設に際して必要となる次のような費用を詳細に検討し積み上げて算定し、必要な資金を適切な方法で調達すること。また、資金の調達に当たっては主たる取引金融機関等を確保しておくこと。
ア 調査関係費 イ 土地関係費 ウ 建築関係費 エ 募集関係費 オ 開業準備関係費 カ 公共負担金 キ 租税公課 ク 期中金利 ケ 予備費
(3) 資金収支計画及び損益計画
次のような点に留意し、長期の資金収支計画及び損益計画を策定すること。
ア 長期安定的な経営が可能な計画であること。
イ 最低30年以上の長期的な計画を策定し、少なくとも3年ごとに見直しを行うこと。
ウ 借入金の返済に当たっては、資金計画上無理のない計画となっていること。
エ 適切かつ実行可能な募集計画に基づいていること。
オ 長期推計に基づく入居時平均年齢、男女比、単身入居率、入退去率、入居者数及び要介護者発生率を勘案すること。
カ 人件費、物件費等の変動や建物の修繕費等を適切に見込んでいること。
キ 一時金(入居時に前払い金として一括して受領する利用料)の償却年数は平均余命を勘案し決められていること。
ク 常に適正な資金残高があること。
(4) 経理・会計の独立
有料老人ホーム以外にも事業経営を行っている経営主体については、当該有料老人ホームについての経理・会計を明確に区分し、他の事業に流用しないこと。
9 利用料等
有料老人ホームは、契約に基づき入居者の負担により賄われるものであり、その支払方法については、月払い方式、一時金方式又はこれらを組み合わせた方式等多様な方法が考えられるが、いずれの場合にあっても、家賃相当額、介護費用、食費、管理費等の取扱いについては、それぞれ次によること。
(1) 家賃相当額
ア 家賃相当額は、当該有料老人ホームの整備に要した費用、修繕費、管理事務費、地代に相当する額等を基礎として合理的に算定したものとし、近傍同種の住宅の家賃から算定される額を大幅に上回るものでないこと。
イ 月払い方式の場合で、家賃相当額に関する保証金を受領する場合には、その額は6か月分を超えないこととし、退去時に居室の原状回復費用を除き全額返還すること。なお、原状回復の費用負担については、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(平成10年3月建設省住宅局・(財)不動産適正取引推進機構)を参考にすること。
ウ 一時金方式(終身にわたって受領すべき家賃相当額の全部又は一部を前払い金として一括して受領する方式)により受領する場合については、一定期間内に死亡又は退居したときの入居月数に応じた返還金の算定方式を明らかにしておくとともに、一時金の返還金債務を確実に履行すること。
また、一時金のうち返還対象とならない部分の割合が適切であること。ただし、入居後の短期間の解約については、滞在日数に応じた費用及び居室の原状回復のための費用等を除き、一時金を全額返還することが望ましいこと。
なお、着工時において、相当数の者の入居が見込まれない場合については、十分な入居者を確保し安定的な経営が見込まれるまでの間については、一時金の返還金債務について銀行保証等が付されていること。
(2) 介護費用(介護保険対象外の費用)
ア 都度払い方式(サービスを提供した都度個々にその費用を受領する方式)又は月払い方式による場合については、提供するサービスの内容に応じて人件費、材料費等を勘案した適切な額とすること。
イ 一時金方式による場合については、開設後の経過年数に応じた要介護発生率、介護必要期間、職員配置等を勘案した合理的な積算方法によるものとすること。
ただし、介護保険の利用者負担分の受領方法として、有料老人ホームが一時金により受け取ることは、利用者負担分が不明確となるので不適当であること。
ウ 一時金方式に係る返還金の取扱いについては、(1)ウによること。
エ 手厚い職員体制であるとして介護保険外に別途費用を受領できる場合は、「特定施設入所者生活介護事業者が受領する介護保険の給付対象外の介護サービス費用について」(平成12年3月30日付け老企第52号厚生省老人保健福祉局長企画課長通知)の規定によるものに限られていることに留意すること。
(3) 食費、管理費等
ア 入居者に対するサービスに必要な費用の額(食費、管理費、その他の運営費等)を基礎とする適切な額とすること。
イ 食費、管理費等を含め、多額の一時金を払えば毎月の支払は一切なく生涯生活を保証するという終身保証契約は、その後において入居者の心身の状況や物価、生活費等の経済情勢が著しく変化することがあり得るので、原則として好ましくないこと。
10 契約内容等
(1) 契約締結に関する手続等
ア 契約に際して、契約手続、利用料等の支払方法などについて事前に十分説明すること。特定施設入所者生活介護事業者の指定を受けたホームにあっては、入居契約時には特定施設入所者生活介護の提供に関する契約を締結しない場合であっても、入居契約時に、当該契約の内容について十分説明すること。
イ 一時金の内金は一時金の20%以内とし、残金は引渡し日前の合理的な期日以降に徴収すること。
ウ 入居開始可能日前の契約解除の場合については、既受領金の全額又は申込金を除いた全額を返還すること。
(2) 契約内容
ア 入居契約書において、有料老人ホームの類型、利用料等の費用負担の額及びこれによって提供されるサービス等の内容、入居開始可能日、身元引受人の権利・義務、契約当事者の追加、契約解除の要件及びその場合の対応、一時金の返還金の有無、返還金の算定方式及びその支払時期等が明示されていること。
イ 介護サービスについては、心身の状態等に応じて介護サービスが提供される場所、介護サービスの内容、頻度及び費用負担等を入居契約書又は管理規程上明確にしておくこと。
ウ 利用料等の改定のルールを入居契約書又は管理規程上明らかにしておくとともに、利用料等の改定に当たっては、その根拠を入居者に明確にすること。
エ 契約書に定める設置者の契約解除の条件は、信頼関係を著しく害する場合に限るなど入居者の権利を不当に狭めるものとなっていないこと。また、入居者、設置者双方の契約解除条項を契約書上定めておくこと。
オ 要介護状態になった入居者を一時介護室において処遇する場合には、医師の意見を聴いて行うものとし、その際本人の意思を確認するとともに、身元引受人等の意見を聴くことを契約書又は管理規程上明らかにしておくこと。
カ 一定の要介護状態になった入居者が、一般居室から介護居室若しくは提携ホームに住み替える契約の場合、入居者が一定の要介護状態になったことを理由として契約を解除する契約の場合、又は、介護居室の入居者の心身の状況に著しい変化があり介護居室を変更する契約の場合にあっては、次の手続を含む一連の手続を契約書又は管理規程上明らかにしておくこと。また、一般居室から介護居室若しくは提携ホームに住み替える場合の家賃相当額の差額が発生した場合の取扱いについても考慮すること。
(ア) 医師の意見を聴くこと。
(イ) 本人又は身元引受人等の同意を得ること。
(ウ) 一定の観察期間を設けること。
(3) 重要事項の説明等
ア 入居契約に関する重要な事項を説明するため、別紙様式に基づき「有料老人ホーム重要事項説明書」(以下「重要事項説明書」という。)を作成するものとし、入居者に誤解を与えることがないよう必要な事項を実態に即して正確に記載すること。なお、同様式の別添「介護サービス等の一覧表」は、重要事項説明書の一部をなすものであることから、重要事項説明書に必ず添付すること。
イ 重要事項説明書は、入居相談があったときに交付するほか、求めに応じ交付すること。特に入居希望者に対しては、設置者の概要、有料老人ホームの類型及び指定居宅サービスの種類(当該有料老人ホームの設置主体が介護保険法第70条の規定により指定された居宅サービスの種類(指定居宅介護支援を含む。)。以下同じ。)、契約内容を十分理解した上で契約を締結できるよう、契約締結前に十分な時間的余裕を持って重要事項説明書について十分な説明を行うこととし、その際には説明を行った者及び説明を受けた者の署名を行うこと。
(4) 体験入居
開設後においては、契約締結前に体験入居の途を設けること。
(5) 入居募集等
ア 入居募集に当たっては、パンフレット、募集広告等において、有料老人ホームの類型及び指定居宅サービスの種類を明示すること。
イ 募集広告等入居募集の際、誇大広告等により、入居者に不当に期待をいだかせたり、それによって損害を与えるようなことがないよう、実態と乖離のない正確な表示をすること。特に、介護が必要となった場合の介護を行う場所、介護に要する費用の負担、介護を行う場所が入居している居室でない場合の当該居室の利用権の存否等については、入居者に誤解を与えるような表示をしないこと。
(6) 苦情解決、損害賠償
ア 入居者の苦情に対し迅速かつ円滑な解決を図るため、設置主体において苦情処理体制を整備するとともに、外部の苦情処理機関について入居者に周知すること。
イ 入居者に対するサービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、入居者に対しての損害賠償を速やかに行うものとすること。
11 情報開示
(1) 有料老人ホームの運営に関する情報
有料老人ホームにおいて、パンフレットの他、重要事項説明書、契約書(特定施設入所者生活介護の提供に関する契約書を含む。)、管理規程等を公開するものとし、求めに応じ交付すること。
一時金を受領する施設にあっては、一時金が将来の居住費用、サービス費用に充てられるものであることから、貸借対照表及び損益計算書又はそれらの要旨についても、入居者及び入居希望者の求めに応じ閲覧に供すること。さらに、有料老人ホームの経営状況・将来見通しに関する入居者等の理解に資する観点から、事業収支計画についても閲覧に供するよう努めるとともに、貸借対照表等の財務諸表について、入居者等の求めがあればそれらの写しを交付するよう配慮すること。
(2) 有料老人ホーム類型の表示
有料老人ホームの類型は、別表「有料老人ホームの類型」のとおり分類するものとすること。
この類型については、パンフレット、新聞等において広告を行う際には、施設名と併せて表示することとし、同別表中の表示事項についても類型に併記すること。ただし、表示事項については、同別表の区分により難いと特に認められる場合には、同別表の区分によらないことができること。
なお、表示事項のうち、特に、介護に関わる職員体制について「1.5:1以上」、「2:1以上」又は「2.5:1以上」の表示を行おうとする有料老人ホームにあっては、介護に関わる職員の割合を年度ごとに算定し、表示と実態の乖離がないか自ら検証するとともに、入居者等に対して算定方法及び算定結果について説明すること。

別紙様式

有料老人ホーム重要事項説明書

作成日 平成  年  月  日

 1 事業主体概要

事業主体名

 

代表者名

 

所在地

 

基本財産・資本金

 

主な出捐者・出資者とその金額

 

他の主な事業

 

 2 施設概要

施設名

 

施設の類型及び表示事項

 

介護保険の指定居宅サービスの種類 注1

 

施設長(施設の管理者)名

 

開設年月日

 

所在地・電話番号

 

交通の便

 

敷地概要(権利関係)

 

建物概要(権利関係)

 

居室(一般居室・介護居室)、一時介護室の概要

 一般居室   室 定員    名

      最多    m 2 (    m 2 ~    m 2 )

 介護居室(全室個室)注2

       室  定員  名

      最多    m 2 (    m 2 ~    m 2 )

 介護居室(相部屋あり)注3

       室(  人部屋  室)  定員    名

        人部屋    m 2

 一時介護室 室(  人部屋  室) ベッド数   床

        人部屋    m 2

浴室、食堂、機能訓練室の概要

 

共用施設概要

 

緊急通報装置等緊急連絡・安否確認

 

 注1) 介護保険法第70条の規定により指定された居宅サービスの種類(指定居宅介護支援を含む。)を記入。

  2) 介護居室が全室個室の場合に記入。

  3) 介護居室が全室個室でない場合に記入。

 3 利用料

費用の納入方式

 

一時金(介護費用の一時金を除く)

    人入居の場合    万円~    万円

(最多      万円台   戸)

 

使途

 

解約時の返還金

 

介護費用の一時金

       万円

 

解約時の返還金

 

月額利用料

    人入居の場合    円~      円/月

 

内訳

管理費

 

 

使途

 

食費

 

介護費用

(介護保険に係る利用料を除く)

 

光熱水費

 

家賃相当額

 

その他

 

改定ルール

 

介護保険に係る利用料

 

一時金の返還金の保全措置

 ・銀行保証の有無及び内容

 ・その他の保全措置の有無及び内容

 有・無

  (            )

 有・無

  (            )

損害賠償額の予定の定めの有無及び内容

 有・無

  (            )

消費税

 

有料老人ホーム法令通知ハンドブック

失敗しない有料老人ホームの事業戦略―保険依存から介護システム構築の時代へ

高専賃+小規模型介護―高齢者介護を変える 登場!ケア付き住宅の本命 (TN選書 1)

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指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について

○指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について
(平成一一年七月二九日)
(老企第二二号)
(各都道府県介護保険主管部(局)長あて厚生省老人保健福祉局企画課長通知)
介護保険法(平成九年法律第一二三号)第四七条第一項第一号並びに第八一条第一項及び第二項の規定に基づく「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(以下「基準」という。)については、平成一一年三月三一日厚生省令第三八号をもって公布され、平成一二年四月一日より施行されるところであるが、基準の趣旨及び内容は左記のとおりであるので、御了知の上、管下市町村、関係団体、関係機関等にその周知徹底を図るとともに、その運用に遺憾のないようにされたい。
第一 基準の性格
一 基準は、指定居宅介護支援の事業及び基準該当居宅介護支援の事業がその目的を達成するために必要な最低限度の基準を定めたものであり、指定居宅介護支援事業者及び基準該当居宅介護支援事業者は、基準を充足することで足りるとすることなく常にその事業の運営の向上に努めなければならないものである。
二 基準第一章から第三章までを満たさない場合には、指定居宅介護支援事業者の指定を受けることはできず、また、運営開始後、基準に違反することが明らかになった場合は、都道府県知事の指導等の対象となり、この指導等に従わない場合には、当該指定を取り消すことができるものである。
三 運営に関する基準に従って事業の運営をすることができなくなったことを理由として指定が取り消された直後に再度当該事業者から指定の申請がなされた場合には、当該事業者が運営に関する基準を遵守することを確保することに特段の注意が必要であり、その改善状況等が確認されない限り指定を行わないものとする。
第二 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準
一 基本方針
介護保険制度においては、要介護者及び要支援者(以下「要介護者等」という。)である利用者に対し、個々の解決すべき課題、その心身の状況や置かれている環境等に応じて保健・医療・福祉にわたる指定居宅サービス等が、多様なサービス提供主体により総合的かつ効率的に提供されるよう、居宅介護支援を保険給付の対象として位置づけたものであり、その重要性に鑑み、保険給付率についても特に一〇割としているところである。
基準第一条第一項は、「在宅介護の重視」という介護保険制度の基本理念を実現するため、指定居宅介護支援の事業を行うに当たってのもっとも重要な基本方針として、利用者からの相談、依頼があった場合には、利用者自身の立場に立ち、常にまず、その居宅において日常生活を営むことができるように支援することができるかどうかという視点から検討を行い支援を行うべきことを定めたものである。
このほか、指定居宅介護支援の事業の基本方針として、介護保険制度の基本理念である、高齢者自身によるサービスの選択、保健・医療・福祉サービスの総合的、効率的な提供、利用者本位、公正中立等を掲げている。介護保険の基本理念を実現する上で、指定居宅介護支援事業者が極めて重要な役割を果たすことを求めたものであり、指定居宅介護支援事業者は、常にこの基本方針を踏まえた事業運営を図らなければならない。
二 人員に関する基準
指定居宅介護支援事業者は、指定居宅介護支援事業所に介護支援専門員を配置しなければならないが、利用者の自立の支援及び生活の質の向上を図るための居宅介護支援の能力を十分に有する者を充てるよう心がける必要がある。
また、基準第二条及び第三条に係る運用に当たっては、次の点に留意する必要がある。
(一) 介護支援専門員の員数
介護支援専門員は、指定居宅介護支援事業所ごとに必ず一人以上を常勤で置くこととされており、常勤の考え方は(三)の①のとおりである。常勤の介護支援専門員を置くべきこととしたのは、指定居宅介護支援事業所の営業時間中は、介護支援専門員は常に利用者からの相談等に対応できる体制を整えている必要があるという趣旨であり、介護支援専門員がその業務上の必要性から、又は他の業務を兼ねていることから、当該事業所に不在となる場合であっても、管理者、その他の従業者等を通じ、利用者が適切に介護支援専門員に連絡が取れる体制としておく必要がある。
なお、介護支援専門員については、他の業務との兼務を認められているところであるが、これは、居宅介護支援の事業が、指定居宅サービス等の実態を知悉する者により併せて行われることが、より効果的であると考えられるためである。
また、当該常勤の介護支援専門員の配置は利用者の数五〇人に対して一人を標準とするものであり、利用者の数が五〇人又はその端数を増すごとに増員することが望ましい。ただし、当該増員に係る介護支援専門員については非常勤とすることを妨げるものではない。
また、当該非常勤の介護支援専門員に係る他の業務との兼務については、介護保険施設に置かれた常勤専従の介護支援専門員との兼務を除き、差し支えないものであり、当該他の業務とは必ずしも指定居宅サービス事業の業務を指すものではない。
(二) 管理者
指定居宅介護支援事業所に置くべき管理者は、専らその職務に従事する常勤の者でなければならないが、当該指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員の職務に従事する場合及び管理者が同一敷地内にある他の事業所の職務に従事する場合(その管理する指定居宅介護支援事業所の管理に支障がない場合に限る。)はこの限りでないこととされている。この場合、同一敷地内にある他の事業所とは、必ずしも指定居宅サービス事業を行う事業所に限るものではなく、例えば、介護保険施設、病院、診療所、薬局等の業務に従事する場合も、当該指定居宅介護支援事業所の管理に支障がない限り認められるものである。
指定居宅介護支援事業所の管理者は、指定居宅介護支援事業所の営業時間中は、常に利用者からの利用申込等に対応できる体制を整えている必要があるものであり、管理者が介護支援専門員を兼務していて、その業務上の必要性から当該事業所に不在となる場合であっても、その他の従業者等を通じ、利用者が適切に管理者に連絡が取れる体制としておく必要がある。
また、例えば、訪問系サービスの事業所において訪問サービスそのものに従事する従業者との兼務は一般的には管理者の業務に支障があると考えられるが、訪問サービスに従事する勤務時間が限られている職員の場合には、支障がないと認められる場合もありうる。また、併設する事業所に原則として常駐する老人介護支援センターの職員、訪問介護、訪問看護等の管理者等との兼務は可能と考えられる。なお、介護保険施設の常勤専従の介護支援専門員との兼務は認められないものである。
(三) 用語の定義
「常勤」及び「専らその職務に従事する」の定義はそれぞれ次のとおりである。
① 「常勤」
当該事業所における勤務時間(当該事業所において、指定居宅介護支援以外の事業を行っている場合には、当該事業に従事している時間を含む。)が、当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(週三二時間を下回る場合は週三二時間を基本とする。)に達していることをいうものである。同一の事業者によって当該事業所に併設される事業所の職務であって、当該事業所の職務と同時並行的に行われることが差し支えないと考えられるものについては、その勤務時間が常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していれば、常勤の要件を満たすものであることとする。例えば、同一の事業者によって指定訪問介護事業所が併設されている場合、指定訪問介護事業所の管理者と指定居宅介護支援事業所の管理者を兼務している者は、その勤務時間が所定の時間に達していれば、常勤要件を満たすこととなる。
② 「専らその職務に従事する」
原則として、サービス提供時間帯を通じて当該サービス以外の職務に従事しないことをいうものである。
③ 「事業所」
事業所とは、介護支援専門員が居宅介護支援を行う本拠であり、具体的には管理者がサービスの利用申込の調整等を行い、居宅介護支援に必要な利用者ごとに作成する帳簿類を保管し、利用者との面接相談に必要な設備及び備品を備える場所である。
三 運営に関する基準
(一) 内容及び手続きの説明及び同意
基準第四条は、基本理念としての高齢者自身によるサービス選択を具体化したものである。利用者は指定居宅サービスのみならず、指定居宅介護支援事業者についても自由に選択できることが基本であり、指定居宅介護支援事業者は、利用申込があった場合には、あらかじめ、当該利用申込者又はその家族に対し、当該指定居宅介護支援事業所の運営規程の概要、介護支援専門員の勤務の体制、秘密の保持、事故発生時の対応、苦情処理の体制等の利用申込者がサービスを選択するために必要な重要事項を説明書やパンフレット等の文書を交付して説明を行い、当該指定居宅介護支援事業所から居宅介護支援を受けることにつき同意を得なければならないこととしたものである。なお、当該同意については、利用者及び指定居宅介護支援事業者双方の保護の立場から書面によって確認することが望ましいものである。
なお、この場合、指定居宅介護支援は、利用者の意思及び人格を尊重し、常に利用者の立場に立って行うものであり、居宅サービス計画は利用者の希望を基礎として作成されるものであること、このため、指定居宅介護支援について利用者の主体的な参加が重要であることにつき十分説明を行い、理解を得なければならない。
(二) 提供拒否の禁止
基準第五条は、居宅介護支援の公共性にかんがみ、原則として、指定居宅介護支援の利用申込に対しては、これに応じなければならないことを規定したものであり、正当な理由なくサービスの提供を拒否することを禁止するものである。
なお、ここでいう正当な理由とは、①当該事業所の現員からは利用申込に応じきれない場合、②利用申込者の居住地が当該事業所の通常の事業の実施地域外である場合、③利用申込者が他の指定居宅介護支援事業者にも併せて指定居宅介護支援の依頼を行っていることが明らかな場合等である。
(三) 要介護認定等の申請に係る援助
① 基準第八条第一項は、法第二七条第一項及び第三二条第一項に基づき、被保険者が居宅介護支援事業者に要介護認定等の申請に関する手続きを代わって行わせることができること等を踏まえ、被保険者から要介護認定等の申請の代行を依頼された場合等においては、居宅介護支援事業者は必要な協力を行わなければならないものとしたものである。
② 基準第二項は、要介護認定等の申請がなされていれば、要介護認定等の効力が申請時に遡ることにより、指定居宅介護支援の利用に係る費用が保険給付の対象となり得ることを踏まえ、指定居宅介護支援事業者は、利用申込者が要介護認定等を受けていないことを確認した場合には、要介護認定等の申請が既に行われているか否かを確認し、申請が行われていない場合は、当該利用申込者の意向を踏まえて速やかに当該申請が行われるよう必要な援助を行わなければならないこととしたものである。
③ 基準第三項は、要介護認定等の有効期間が付されているものであることを踏まえ、指定居宅介護支援事業者は、要介護認定等の有効期間を確認した上、要介護認定等の更新の申請が、遅くとも当該利用者が受けている要介護認定等の有効期間が終了する一月前にはなされるよう、必要な援助を行わなければならないこととしたものである。
(四) 身分を証する書類の携行
基準第九条は、利用者が安心して指定居宅介護支援の提供を受けられるよう、指定居宅介護支援事業者が、当該指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員に身分を証する証書や名刺等を携行させ、初回訪問時及び利用者又はその家族から求められたときは、これを提示すべき旨を指導するべきこととしたものである。当該証書等には、当該指定居宅介護支援事業所の名称、当該介護支援専門員の氏名を記載した上、写真を貼付したものとすることが望ましい。なお、当該介護支援専門員は、当該証書等に併せて都道府県知事又は都道府県知事が指定した団体が発行する携帯用介護支援専門員実務研修修了証明書を携行するものとする。
(五) 利用料等の受領
① 基準第一〇条第一項は、利用者間の公平及び利用者の保護の観点から、保険給付がいわゆる償還払いとなる場合と、保険給付が利用者に代わり指定居宅介護支援事業者に支払われる場合(以下「代理受領がなされる場合」という。)の間で、一方の経費が他方へ転嫁等されることがないよう、償還払いの場合の指定居宅介護支援の利用料の額と、居宅介護サービス計画費又は居宅支援サービス計画費の額(要するに、代理受領がなされる場合の指定居宅介護支援に係る費用の額)との間に、不合理な差額を設けてはならないこととするとともに、これによって、償還払いの場合であっても原則として利用者負担が生じないこととする趣旨である。
② 基準第二項は、指定居宅介護支援の提供に関して、利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域の居宅において指定居宅介護支援を行う場合の交通費の支払いを利用者から受けることができることとし、保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないこととしたものである。
③ 基準第三項は、指定居宅介護支援事業者は、前項の交通費の支払いを受けるに当たっては、あらかじめ、利用者又はその家族に対してその額等に関して説明を行い、利用者の同意を得なければならないこととしたものである。
(六) 保険給付の請求のための証明書の交付
基準第一一条は、居宅介護支援に係る保険給付がいわゆる償還払いとなる場合に、利用者が保険給付の請求を容易に行えるよう、指定居宅介護支援事業者は、利用料の額その他利用者が保険給付を請求する上で必要と認められる事項を記載した指定居宅介護支援提供証明書を利用者に対して交付するべきこととしたものである。
(七) 指定居宅介護支援の基本取扱方針及び具体的取扱方針
基準第一三条は、居宅介護支援が我が国にはじめて導入されるものであることから、その確立を図るため、利用者の課題分析、サービス担当者会議の開催、居宅サービス計画の作成、居宅サービス計画の実施状況の把握などの居宅介護支援を構成する一連の業務のあり方及び当該業務を行う介護支援専門員の責務を明らかにしたものである。
① 介護支援専門員による居宅サービス計画の作成(基準第一三条第一号)
指定居宅介護支援事業所の管理者は、居宅サービス計画の作成に関する業務の主要な過程を介護支援専門員に担当させることとしたものである。
② 利用者自身によるサービスの選択(第二号)
介護支援専門員は、利用者自身がサービスを選択することを基本に、これを支援するものである。このため、介護支援専門員は、当該利用者が居住する地域の指定居宅サービス事業者等に関するサービスの内容、利用料等の情報を適正に利用者またはその家族に対して提供することにより、利用者にサービスの選択を求めるべきものであり、特定の指定居宅サービス事業者に不当に偏した情報を提供するようなことや、利用者の選択を求めることなく同一の事業主体のサービスのみによる居宅サービス計画原案を最初から提示するようなことがあってはならないものである。
③ 課題分析の実施(第三号)
居宅サービス計画は、個々の利用者の特性に応じて作成されることが重要である。このため介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成に先立ち利用者の課題分析を行うこととなる。
課題分析とは、利用者の有する日常生活上の能力や利用者が既に提供を受けている指定居宅サービスや介護者の状況等の利用者を取り巻く環境等の評価を通じて利用者が生活の質を維持・向上させていく上で生じている問題点を明らかにし、利用者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握することであり、利用者の生活全般についてその状態を十分把握することが重要である。
なお、当該課題分析は、介護支援専門員の個人的な考え方や手法のみによって行われてはならず、その者の課題を客観的に抽出するための手法として合理的なものと認められる適切な方法を用いなければならないものであるが、この課題分析の方法については、別途通知するところによるものである。
④ 課題分析における留意点(第四号)
介護支援専門員は、解決すべき課題の把握に当たっては、必ず利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族に面接して行わなければならない。この場合において、利用者やその家族との間の信頼関係、協働関係の構築が重要であり、介護支援専門員は、面接の趣旨を利用者及びその家族に対して十分に説明し、理解を得なければならない。なお、このため、介護支援専門員は面接技法等の研鑽に努めることが重要である。
⑤ 居宅サービス計画原案の作成(第五号)
介護支援専門員は、居宅サービス計画が利用者の生活の質に直接影響する重要なものであることを十分に認識し、居宅サービス計画原案を作成しなければならない。したがって、居宅サービス計画原案は、利用者及びその家族の希望並びに利用者について把握された解決すべき課題をまず明らかにした上で、当該地域における指定居宅サービス等が提供される体制を勘案し、実現可能なものとする必要がある。
なお、当該居宅サービス計画原案には、提供される居宅サービスについて、その長期的な目標及びそれを達成するための短期的な目標並びにそれらの達成時期等を明確に盛り込み、当該達成時期には居宅サービス計画及び各指定居宅サービス等の評価を行い得るようにすることが重要である。
⑥ サービス担当者会議等による専門的意見の聴取(第六号)
介護支援専門員は、効果的かつ実現可能な質の高い居宅サービス計画とするため、各サービスが共通の目標の達成のため、具体的なサービスの内容として何ができるかなどについて居宅サービス計画原案に位置づけた指定居宅サービス等の担当者からなるサービス担当者会議の開催又は当該担当者への照会等により、専門的な見地からの意見を求め調整を図ることが重要である。なお、介護支援専門員は、利用者の状態を分析し、複数職種間で直接に意見調整を行う必要の有無について十分見極める必要があるものである。
⑦ 居宅サービス計画の説明及び同意(第七号)
居宅サービス計画に位置付ける指定居宅サービス等の選択は、利用者自身が行うことが基本であり、また、当該計画は利用者の希望を尊重して作成されなければならない。利用者に選択を求めることは介護保険制度の基本理念である。このため、当該計画原案の作成に当たって、これに位置付けるサービスについて、また、サービスの内容についても利用者の希望を尊重することとともに、作成された居宅サービス計画の原案についても、最終的には、その内容について説明を行った上で文書によって利用者の同意を得ることを義務づけることにより、利用者によるサービスの選択やサービス内容等への利用者の意向の反映の機会を保障しようとするものである。
⑧ 居宅サービス計画の実施状況等の把握及び評価等(第八号)
指定居宅介護支援においては、利用者の有する解決すべき課題に即した適切なサービスを組み合わせて利用者に提供し続けることが重要である。このために介護支援専門員は、利用者の解決すべき課題の変化に留意することが重要であり、居宅サービス計画の作成後においても、利用者及びその家族、指定居宅サービス事業者等との連絡を継続的に行うことにより、居宅サービス計画の実施状況や利用者についての解決すべき課題の把握を行い、必要に応じて居宅サービス計画の変更、指定居宅サービス事業者等との連絡調整その他の便宜の提供を行うものとする。
なお、利用者の解決すべき課題の変化は、利用者に直接サービスを提供する指定居宅サービス事業者等により把握されることも多いことから、介護支援専門員は、当該指定居宅サービス事業者等のサービス担当者と緊密な連携を図り、利用者の解決すべき課題の変化が認められる場合には、円滑に連絡が行われる体制の整備に努めなければならない。
⑨ 介護保険施設への紹介その他の便宜の提供(第九号)
介護支援専門員は、利用者がその居宅において日常生活を営むことが困難となったと認める場合又は利用者が介護保険施設への入院又は入所を希望する場合には、介護保険施設はそれぞれ医療機能等が異なることに鑑み、主治医の意見を参考にする、主治医に意見を求める等をして介護保険施設への紹介その他の便宜の提供を行うものとする。
⑩ 介護保険施設との連携(第一〇号)
介護支援専門員は、介護保険施設等から退院又は退所しようとする要介護者等から居宅介護支援の依頼があった場合には、居宅における生活へ円滑に移行できるよう、あらかじめ、居宅での生活における介護上の留意点等の情報を介護保険施設等の従業者から聴取する等の連携を図るとともに、居宅での生活を前提とした課題分析を行った上で居宅サービス計画を作成する等の援助を行うことが重要である。
⑪ 主治の医師等の意見等(第一一号・第一二号)
訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、居宅療養管理指導及び短期入所療養介護については、主治の医師又は歯科医師(以下「主治の医師等」という。)等がその必要性を認めたものに限られるものであることから、介護支援専門員は、これらの医療サービスを居宅サービス計画に位置付ける場合にあっては主治の医師等の指示があることを確認しなければならない。
このため、利用者がこれらの医療サービスを希望している場合その他必要な場合には、介護支援専門員は、あらかじめ、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めなければならない。
なお、医療サービス以外の指定居宅サービス等を居宅サービス計画に位置付ける場合にあって、当該指定居宅サービス等に係る主治の医師等の医学的観点からの留意事項が示されているときは、介護支援専門員は、当該留意点を尊重して居宅介護支援を行うものとする。
⑫ 認定審査会意見等の居宅サービス計画への反映(第一三号)
指定居宅サービス事業者は、法第七三条第二項の規定に基づき認定審査会意見が被保険者証に記されているときは、当該意見に従って、当該被保険者に当該指定居宅サービスを提供するように努めなければならないこと、法第三七条第一項の規定により居宅サービスの種類が指定されたときには、当該指定されたサービス以外のサービスについては保険給付が行われないことから、介護支援専門員は、利用者が提示する被保険者証にこれらの記載がある場合には、利用者にその趣旨(法第三七条第一項の指定に係る居宅サービス種類については、その変更の申請ができることを含む。)について説明し、理解を得た上で、その内容に沿って居宅サービス計画を作成しなければならない。
⑬ 計画的な指定居宅サービス等の利用(第一四号)
利用者の自立した日常生活の支援を効果的に行うためには、利用者の心身又は家族の状態等に応じて、継続的かつ安定的に居宅サービスが提供されることが重要である。介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成又は変更に当たり、継続的な支援という観点に立ち、計画的に指定居宅サービス等の提供が行われるようにすることが必要であり、居宅サービス計画に指定居宅サービス等を位置づける際には、法第一一六条第一項に規定する基本指針に定められた同条第二項第二号の参酌すべき標準を基礎として算定される要介護者等一人当たりの居宅サービスの量との均衡を勘案して行わなければならない。ここでいう要介護者等一人当たりの居宅サービスの量とは、訪問通所サービス区分に係る居宅サービスについて、介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針(平成一一年五月厚生省告示第一二九号)別表第二において示された標準的な組合わせから計算される一週当たりのサービスの量を指すものであり、従って、一週当たりの訪問通所サービス区分の支給限度基準額に係る単位数(具体的にはおおむね以下のとおり)を基に利用者がその居宅において生活をする期間に応じて計算される単位数が、利用可能なサービス量の上限の目安となるものである。なお、訪問通所サービス区分の支給限度基準額の上乗せが行われている市町村においては、利用可能なサービス量の上限の単位数もそれに応じて計算されるものであること。
一 要支援  一週当たり一四二〇単位
二 要介護一 一週当たり三八三〇単位
三 要介護二 一週当たり四五〇〇単位
四 要介護三 一週当たり六一七〇単位
五 要介護四 一週当たり七〇六〇単位
六 要介護五 一週当たり八二七〇単位
⑭ 総合的な居宅サービス計画の作成(第一五号)
居宅サービス計画は、利用者の日常生活全般を支援する観点に立って作成されることが重要である。このため、居宅サービス計画の作成または変更に当たっては、利用者及びその家族の希望や課題分析の結果に基づき、介護給付等対象サービス以外の、例えば、市町村保健婦等が居宅を訪問して行う指導・教育等の保健サービス、老人介護支援センターにおけるソーシャルワーク及び市町村が一般施策として行う配食サービス、寝具乾燥サービスや当該地域の住民による見守り、配食、会食などの自発的な活動によるサービス等、更には、こうしたサービスと併せて提供される精神科訪問看護等の医療サービス、はり師・きゅう師による施術、保健婦・看護婦・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師による機能訓練なども含めて居宅サービス計画に位置づけることにより総合的な計画となるよう努めなければならない。
⑮ 指定居宅介護支援の基本的留意点(第一六号)
指定居宅介護支援は、利用者及びその家族の主体的な参加及び自らの課題解決に向けての意欲の醸成と相まって行われることが重要である。このためには、指定居宅介護支援について利用者及びその家族の十分な理解が求められるものであり、介護支援専門員は、指定居宅介護支援を懇切丁寧に行うことを旨とし、サービスの提供方法等について理解しやすいように説明を行うことが肝要である。
(八) 法定代理受領サービスに係る報告
① 基準第一四条第一項は、居宅介護サービス費又は居宅支援サービス費を利用者に代わり当該指定居宅サービス事業者に支払うための手続きとして、指定居宅介護支援事業者に、市町村(国民健康保険団体連合会に委託している場合にあっては当該国民健康保険連合会)に対して、居宅サービス計画において位置付けられている指定居宅サービス等のうち法定代理受領サービスとして位置付けたものに関する情報を記載した文書(給付管理票)を毎月提出することを義務づけたものである。
② 基準第二項は、指定居宅介護支援事業者が居宅サービス計画に位置付けられている基準該当居宅サービスに係る情報を指定居宅サービスに係る情報と合わせて市町村(国民健康保険団体連合会に委託している場合にあっては当該国民健康保険団体連合会)に対して提供することにより、基準該当居宅サービスに係る特例居宅介護サービス費又は特例居宅支援サービス費の支払事務が、居宅サービス計画に位置付けられている指定居宅サービスに係る居宅介護サービス費又は居宅支援サービス費の支払を待つことなく、これと同時並行的に行うことができるようにするための規定である。
(九) 利用者に対する居宅サービス計画等の書類の交付
基準第一五条は、利用者が指定居宅介護支援事業者を変更した場合に、変更後の指定居宅介護支援事業者が滞りなく給付管理票の作成・届出等の事務を行うことができるよう、指定居宅介護支援事業者は、利用者が他の居宅介護支援事業者の利用を希望する場合その他利用者からの申し出があった場合には、当該利用者に対し、直近の居宅サービス計画及びその実施状況に関する書類を交付しなければならないこととしたものである。
(一〇) 利用者に関する市町村への通知
基準第一六条は、偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた者及び自己の故意の犯罪行為若しくは重大な過失等により、要介護状態等若しくはその原因となった事故を生じさせるなどした者については、市町村が、介護保険法第二二条第一項に基づく既に支払った保険給付の徴収又は第六四条に基づく保険給付の制限を行うことができることに鑑み、指定居宅介護支援事業者が、その利用者に関し、保険給付の適正化の観点から市町村に通知しなければならない事由を列記したものである。
(一一) 運営規程
基準第一八条は、指定居宅介護支援の事業の適正な運営及び利用者等に対する適切な指定居宅介護支援の提供を確保するため、同条第一号から第六号までに掲げる事項を内容とする規定を定めることを指定居宅介護支援事業所ごとに義務づけたものである。特に次の点に留意する必要がある。
① 職員の職種、員数及び職務内容(第二号)
職員については、介護支援専門員とその他の職員に区分し、員数及び職務内容を記載することとする。
② 指定居宅介護支援の提供方法、内容及び利用料その他の費用の額(第四号)
指定居宅介護支援の提供方法及び内容については、利用者の相談を受ける場所、課題分析の手順等を記載するものとする。
③ 通常の事業の実施地域(第五号)
通常の事業の実施地域は、客観的にその区域が特定されるものとすること。なお、通常の事業の実施地域は、利用申込に係る調整等の観点からの目安であり、当該地域を越えて指定居宅介護支援が行われることを妨げるものではない。
(一二) 勤務体制の確保
基準第一九条は、利用者に対する適切な指定居宅介護支援の提供を確保するため、職員の勤務体制等を規定したものであるが、次の点に留意する必要がある。
① 指定居宅介護支援事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表を作成し、介護支援専門員については、日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係等を明確にする。
なお、当該勤務の状況等は、基準第一七条により指定居宅介護支援事業所の管理者が管理する必要があり、非常勤の介護支援専門員を含めて当該指定居宅介護支援事業所の業務として一体的に管理されていることが必要である。従って、非常勤の介護支援専門員が兼務する業務の事業所を居宅介護支援の拠点とし独立して利用者ごとの居宅介護支援台帳の保管を行うようなことは認められないものである。
② 基準第二項は、当該指定居宅介護支援事業所の従業者たる介護支援専門員が指定居宅介護支援を担当するべきことを規定したものであり、当該事業所と介護支援専門員の関係については、当該事業所の管理者の指揮命令が介護支援専門員に対して及ぶことが要件となるが、雇用契約に限定されるものではないものである。
③ 基準第三項は、より適切な指定居宅介護支援を行うために、介護支援専門員の研修の重要性について規定したものであり、指定居宅介護支援事業者は、介護支援専門員の資質の向上を図る研修の機会を確保しなければならない。
(一三) 設備及び備品等
基準第二〇条に掲げる設備及び備品等については、次の点に留意するものである。
① 指定居宅介護支援事業所には、事業の運営を行うために必要な面積を有する専用の事務室を設けることが望ましいが、他の事業の用に供するものと明確に区分される場合は、他の事業との同一の事務室であっても差し支えないこと。なお、同一事業所において他の事業を行う場合に、業務に支障がないときは、それぞれの事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものとする。
② 専用の事務室又は区画については、相談、サービス担当者会議等に対応するのに適切なスペースを確保することとし、相談のためのスペース等は利用者が直接出入りできるなど利用しやすい構造とすること。
③ 指定居宅介護支援に必要な設備及び備品等を確保すること。ただし、他の事業所及び施設等と同一敷地内にある場合であって、指定居宅介護支援の事業及び当該他の事業所及び施設等の運営に支障がない場合は、当該他の事業所及び施設等に備え付けられた設備及び備品等を使用することができるものとする。
(一四) 掲示
基準第二二条は、基準第四条の規定により居宅介護支援の提供開始時に利用者のサービスの選択に資する重要事項(その内容については(一)参照)を利用者及びその家族に対して説明を行った上で同意を得ることとしていることに加え、指定居宅介護支援事業所への当該重要事項の掲示を義務づけることにより、サービス提供が開始された後、継続的にサービスが行われている段階においても利用者の保護を図る趣旨である。
(一五) 秘密保持
① 基準第二三条第一項は、指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員その他の従業者に、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密の保持を義務づけたものである。
② 基準第二項は、指定居宅介護支援事業者に対して、過去に当該指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員その他の従業者であった者が、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を取ることを義務づけたものであり、具体的には、指定居宅介護支援事業者は、当該指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員その他の従業者が、従業者でなくなった後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、従業者との雇用時に取り決め、例えば違約金についての定めをおくなどの措置を講ずべきこととするものである。
③ 基準第三項は、介護支援専門員及び居宅サービス計画に位置付けた各居宅サービスの担当者が課題分析情報等を通じて利用者の有する問題点や解決すべき課題等の個人情報を共有するためには、あらかじめ、文書により利用者及びその家族から同意を得る必要があることを規定したものであるが、この同意については、指定居宅介護支援事業者が、指定居宅介護支援開始時に、利用者及びその家族の代表から、連携するサービス担当者間で個人情報を用いることについて包括的に同意を得ることで足りるものである。
(一六) 居宅サービス事業者等からの利益収受の禁止等
① 基準第二五条第一項は、指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員が利用者に利益誘導のために特定の居宅サービス事業者等によるサービスを利用すべき旨の指示等を行うことを禁じた規定である。これは、例えば、指定居宅介護支援事業者又は介護支援専門員が、同一法人系列の居宅サービス事業者のみを利用するように指示すること等により、事実上他の居宅サービス事業者の利用が妨げられることとなり、居宅介護支援の公正中立性や利用者のサービス選択の自由が損ねられることを防止するための規定である。
② 基準第二五条第二項は、居宅介護支援の公正中立性を確保するために、指定居宅介護支援事業者及びその従業者が、利用者に対して特定の居宅サービス事業者等によるサービスを利用させることの対償として、当該居宅サービス事業者等から、金品その他の財産上の利益を収受してはならないこととしたものである。
(一七) 苦情処理
① 基準第二六条第一項は、利用者の保護及び適切かつ円滑な指定居宅介護支援、指定居宅サービス等の利用に資するため、自ら提供した指定居宅介護支援又は自らが居宅サービス計画に位置付けた指定居宅サービス等に対する利用者からの苦情に迅速かつ適切に対応しなければならないこととしたものである。具体的には、指定居宅介護支援等についての苦情の場合には、当該事業者は、利用者や指定居宅サービス事業者等から事情を聞き、苦情に係る問題点を把握の上、対応策を検討し必要に応じて利用者に説明しなければならないものである。
なお、介護保険法第二三条の規定に基づき、市町村から居宅サービス計画の提出を求められた場合には、基準第二六条第二項の規定に基づいて、その求めに応じなければならないものである。
② 基準第二項は、介護保険法上、苦情処理に関する業務を行うことが位置付けられている国民健康保険団体連合会のみならず、住民に最も身近な行政庁である市町村が、一次的には居宅サービス等に関する苦情に対応することが多くなることと考えられることから、市町村についても国民健康保険団体連合会と同様に、指定居宅介護支援事業者に対する苦情に関する調査や指導、助言を行えることを運営基準上、明確にしたものである。
③ なお、指定居宅介護支援事業者は、当該事業所における苦情を処理するために講ずる措置の概要について明らかにし、相談窓口の連絡先、苦情処理の体制及び手順等を利用申込者にサービスの内容を説明する文書に記載するとともに、事業所に掲示するべきものである。
(一八) 事故発生時の対応
基準第二七条は、利用者が安心して指定居宅介護支援の提供を受けられるよう事故発生時の速やかな対応を規定したものである。指定居宅介護支援事業者は、利用者に対する指定居宅介護支援の提供により事故が発生した場合には、市町村、当該利用者の家族等に連絡し、必要な措置を講じるべきこととするとともに、利用者に対する指定居宅介護支援の提供により賠償すべき事故が発生した場合には、損害賠償を速やかに行うべきこととしたものである。
このほか、以下の点に留意されたい。
① 指定居宅介護支援事業者は、利用者に対する指定居宅介護支援の提供により事故が発生した場合の対応方法について、あらかじめ定めておくことが望ましい。
② 指定居宅介護支援事業者は、賠償すべき事態となった場合には、速やかに賠償しなければならない。そのため、事業者は損害賠償保険に加入しておくか若しくは賠償資力を有することが望ましい。
③ 指定居宅介護支援事業者は、事故が生じた際にはその原因を解明し、再発生を防ぐための対策を講じる。
(一九) 会計の区分
基準第二八条は、指定居宅介護支援事業者に係る会計の区分について定めたものである。なお、具体的な会計処理の方法等については、別に通知するところによるものである。
(二〇) 記録の整備
基準第二九条第二項は、少なくとも次に掲げる記録をその完結の日から二年間備えておかなければならないこととしたものである。
① 指定居宅サービス事業者等との連絡調整に関する記録
② 個々の利用者ごとに次の事項を編綴した居宅介護支援台帳
イ 課題分析
ロ 居宅サービス計画
ハ サービス担当者会議等記録
ニ 居宅サービス計画作成後の継続したサービス実施状況等の把握の記録
③ 基準第一六条に係る市町村への通知に係る記録
四 基準該当居宅介護支援に関する基準
基準第一章から第三章(第一四条及び第二六条第四項を除く。)の規定は、基準該当居宅介護支援の事業について準用されるため、一から三まで(「基本方針」「人員に関する基準」及び「運営に関する基準」)を参照されたい。この場合において、準用される基準第一〇条第一項の規定は、基準該当居宅介護支援事業者が利用者から受領する利用料と、原則として特例居宅介護サービス計画費又は特例居宅支援サービス計画費との間に不合理な差異が生じることを禁ずることにより、基準該当居宅介護支援についても原則として利用者負担が生じないこととする趣旨であることに留意されたい。

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指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について 機能訓練指導員

○指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について
(平成一一年九月一七日)
(老企第二五号)
(各都道府県介護保険主管部(局)長あて厚生省老人保健福祉局企画課長通知)
介護保険法(平成九年法律第一二三号。以下「法」という。)第四二条第一項第二号並びに第七四条第一項及び第二項の規定に基づく「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(以下「基準」という。)については、平成一一年三月三一日厚生省令第三七号をもって公布され、平成一二年四月一日より施行されるところであるが、基準の趣旨及び内容は左記のとおりであるので、御了知の上、管下市町村、関係団体、関係機関等にその周知徹底を図るとともに、その運用に遺憾のないようにされたい。
第一 基準の性格
1 基準は、指定居宅サービスの事業がその目的を達成するために必要な最低限度を定めたものであり、指定居宅サービス事業者は、常にその事業の運営の向上に努めなければならないこと。
2 指定居宅サービスの事業を行う者が満たすべき基準を満たさない場合には、指定居宅サービスの指定は受けられず、また、運営開始後、基準に違反することが明らかになった場合は、都道府県知事の指導等の対象となり、この指導等に従わない場合には、当該指定を取り消すことができるものであること。
3 運営に関する基準に従って事業の運営をすることができなくなったことを理由として指定が取り消された直後に再度当該事業者から当該事業所について指定の申請がなされた場合には、当該事業者が運営に関する基準を遵守することを確保することに特段の注意が必要であり、その改善状況等が確認されない限り指定を行わないものとすること。
第二 総論
1 事業者指定の単位について
事業者の指定は、原則としてサービス提供の拠点ごとに行うものとするが、例外的に、待機や道具の保管、着替え等を行う出張所等であって、次の要件を満たすものについては、一体的なサービス提供の単位として「事業所」に含めて指定することができる取扱いとする。
① 利用申込みに係る調整、サービス提供状況の把握、職員に対する技術指導等が一体的に行われること。
② 職員の勤務体制、勤務内容等が一元的に管理されること。必要な場合に随時、主たる事業所や他の出張所等との間で相互支援が行える体制(例えば、当該出張所等の従業者が急病等でサービスの提供ができなくなった場合に、主たる事業所から急遽代替要員を派遣できるような体制)にあること。
③ 苦情処理や損害賠償等に際して、一体的な対応ができる体制にあること。
④ 事業の目的や運営方針、営業日や営業時間、利用料等を定める同一の運営規程が定められること。
⑤ 人事、給与・福利厚生等の勤務条件等による職員管理が一元的に行われること。
2 用語の定義
基準第二条において、一定の用語についてその定義を明らかにしているところであるが、以下は、同条に定義が置かれている用語について、その意味をより明確なものとするとともに、基準中に用いられている用語であって、定義規定が置かれていないものの意味を明らかにするものである。
(1) 「常勤換算方法」
当該事業所の従業者の勤務延時間数を当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき時間数(三二時間を下回る場合は三二時間を基本とする。)で除することにより、当該事業所の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法をいうものである。この場合の勤務延時間数は、当該事業所の指定に係る事業のサービスに従事する勤務時間の延べ数であり、例えば、当該事業所が訪問介護と訪問看護の指定を重複して受ける場合であって、ある従業者が訪問介護員等と看護婦等を兼務する場合、訪問介護員等の勤務延時間数には、訪問介護員等としての勤務時間だけを算入することとなるものであること。
(2) 「勤務延時間数」
勤務表上、当該事業に係るサービスの提供に従事する時間又は当該事業に係るサービスの提供のための準備等を行う時間(待機の時間を含む。)として明確に位置付けられている時間の合計数とする。なお、従業者一人につき、勤務延時間数に算入することができる時間数は、当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき勤務時間数を上限とすること。
(3) 「常勤」
当該事業所における勤務時間が、当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(三二時間を下回る場合は三二時間を基本とする。)に達していることをいうものである。同一の事業者によって当該事業所に併設される事業所の職務であって、当該事業所の職務と同時並行的に行われることが差し支えないと考えられるものについては、それぞれに係る勤務時間の合計が常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していれば、常勤の要件を満たすものであることとする。例えば、一の事業者によって行われる指定訪問介護事業所と指定居宅介護支援事業所が併設されている場合、指定訪問介護事業所の管理者と指定居宅介護支援事業所の管理者を兼務している者は、その勤務時間の合計が所定の時間に達していれば、常勤要件を満たすこととなる。
(4) 「専ら従事する」「専ら提供に当たる」
原則として、サービス提供時間帯を通じて当該サービス以外の職務に従事しないことをいうものである。この場合のサービス提供時間帯とは、当該従事者の当該事業所における勤務時間「指定通所介護及び指定通所リハビリテーションについては、サービスの単位ごとの提供時間)をいうものであり、当該従業者の常勤・非常勤の別を問わない。ただし、通所介護及び通所リハビリテーションについては、あらかじめ計画された勤務表に従って、サービス提供時間帯の途中で同一職種の従業者と交代する場合には、それぞれのサービス提供時間を通じて当該サービス以外の職務に従事しないことをもって足りるものである。
(5) 「前年度の平均値」
① 基準第一一一条第四項(介護老人保健施設である指定通所リハビリテーション事業所における医師、理学療法士若しくは作業療法士又は支援相談員の員数を算定する場合の利用者の数の算定方法)、第一二一条第三項(指定短期入所生活介護に係る生活相談員、介護職員又は看護職員の員数を算定する場合の利用者の数の算定方法)、第一四二条第二項(老人性痴呆疾患療養病棟を有する病院であって介護療養型医療施設でない指定短期入所療養介護事業所における看護職員又は介護職員の員数を算定する場合の入院患者の数の算定方法)、第一五七条第二項(指定痴呆対応型共同生活介護に係る共同生活住居における介護従業者の員数を算定する場合の利用者の数の算定方法)及び第一七五条第二項(指定特定施設における生活相談員、看護職員若しくは介護職員の人員並びに計画作成担当者の人員の標準を算定する場合の利用者の数の算定方法)における「前年度の平均値」は、当該年度の前年度(毎年四月一日に始まり翌年三月三一日をもって終わる年度とする。以下同じ。)の平均を用いる。この場合、利用者数等の平均は、前年度の全利用者等の延数を当該前年度の日数で除して得た数とする。この平均利用者数等の算定に当たっては、小数点第二位以下を切り上げるものとする。
② 新たに事業を開始し、若しくは再開し、又は増床した事業者又は施設においては、新設又は増床分のベッドに関しては、前年度において一年未満の実績しかない場合(前年度の実績が全くない場合を含む。)の利用者数等は、新設又は増床の時点から六月未満の間は、便宜上、ベッド数の九〇%を利用者数等とし、新設又は増床の時点から六月以上一年未満の間は、直近の六月における全利用者等の延数を六月間の日数で除して得た数とし、新設又は増床の時点から一年以上経過している場合は、直近一年間における全利用者等の延数を一年間の日数で除して得た数とする。また、減床の場合には、減床後の実績が三月以上あるときは、減床後の利用者数等の延数を延日数で除して得た数とする。ただし、短期入所生活介護及び特定施設入所者生活介護については、これらにより難い合理的な理由がある場合には、他の適切な方法により利用者数を推定するものとする。
第三 訪問介護に関する基準
1 人員に関する基準
(1) 訪問介護員等の員数(基準第五条第一項)
① 指定訪問介護事業所における訪問介護員等の員数については、常勤換算方法で二・五人以上と定められたが、これについては、職員の支援体制等を考慮した最小限の員数として定められたものであり、各地域におけるサービス利用の状況や利用者数及び指定訪問介護の事業の業務量を考慮し、適切な員数の職員を確保するものとする。
② 勤務日及び勤務時間が不定期な訪問介護員等(以下「登録訪問介護員等」という。)についての勤務延時間数の算定については、次のとおりの取扱いとする。
イ 登録訪問介護員等によるサービス提供の実績がある事業所については、登録訪問介護員等一人当たりの勤務時間数は、当該事業所の登録訪問介護員等の前年度の週当たりの平均稼働時間(サービス提供時間及び移動時間をいう。)とすること。
ロ 登録訪問介護員等によるサービス提供の実績がない事業所又は極めて短期の実績しかない等のためイの方法によって勤務延時間数の算定を行うことが適当でないと認められる事業所については、当該登録訪問介護員等が確実に稼働できるものとして勤務表に明記されている時間のみを勤務延時間数に算入すること。なお、この場合においても、勤務表上の勤務時間数は、サービス提供の実績に即したものでなければならないため、勤務表上の勤務時間と実態が乖離していると認められる場合には、勤務表上の勤務時間の適正化の指導の対象となるものであること。
③ 出張所等があるときは、常勤換算を行う際の事業所の訪問介護員等の勤務延時間数には、出張所等における勤務延時間数も含めるものとする。
(2) サービス提供責任者(基準第五条第二項)
事業の規模に応じて一人以上の者をサービス提供責任者としなければならないこととされたが、その具体的取扱は次のとおりとする。
① 管理者がサービス提供責任者を兼務することは差し支えないこと。
② サービス提供責任者の配置の基準は、以下のいずれかに該当する員数を置くこととする。
イ 当該事業所の月間の延べサービス提供時間(事業所における待機時間や移動時間を除く。)が概ね四五〇時間又はその端数を増すごとに一人以上
ロ 当該事業所の訪問介護員等の数が一〇人又はその端数を増すごとに一人以上
従って、例えば、常勤割合が比較的高いなど、訪問介護員等一人当たりのサービス提供時間が多い場合は、月間の延べサービス提供時間が四五〇時間を超えていても、訪問介護員等の人数が一〇人以下であれば、ロの基準によりサービス提供責任者は一人で足りることとなる(具体的には、例えば、常勤職員四人で、そのサービス提供時間が合わせて三二〇時間、非常勤職員が六人で、そのサービス提供時間が合わせて二〇〇時間である場合、当該事業所の延べサービス提供時間は五二〇時間となるが、ロの基準により、配置すべきサービス提供責任者は一人で足りることとなる)。
③ サービス提供責任者については、次のいずれかに該当する常勤の職員から選任するものとすること。
イ 介護福祉士
ロ 訪問介護員に関する省令(平成一二年厚生省令第二三号)第一条に規定する一級課程の研修を修了した者
ハ 同条に規定する二級課程の研修を修了した者であって、三年以上介護等の業務に従事したもの
④ ③のハに掲げる「二級課程の研修を修了した者であって、三年以上介護等の業務に従事したもの」とは、社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六二年法律第三〇号)第四〇条第二項第一号に規定する「三年以上介護等の業務に従事した者」と同様とし、その具体的取扱いについては、「指定施設における業務の範囲等及び介護福祉士試験の受験資格に係る介護等の業務の範囲等について」(昭和六三年二月一二日社庶第二九号厚生省社会局長、児童家庭局長連名通知)の別添2「介護福祉士試験の受験資格の認定に係る介護等の業務の範囲等」を参考とされたい。
なお、三年間の実務経験の要件が達成された時点と二級課程の研修修了時点との前後関係は問わないものであること。
また、介護等の業務に従事した期間には、ボランティアとして介護等を経験した期間は原則として含まれないものであるが、特定非営利活動法(平成一〇年法律第一号)に基づき設立された特定非営利活動法人が法第七〇条第一項の規定に基づき訪問介護に係る指定を受けている又は受けることが確実に見込まれる場合であって、当該法人が指定を受けて行うことを予定している訪問介護と、それ以前に行ってきた事業とに連続性が認められるものについては、例外的に、当該法人及び法人格を付与される前の当該団体に所属して当該事業を担当した経験を有する者の経験を、当該者の三年の実務経験に算入して差し支えないものとする。
なお、この場合において、介護福祉士国家試験の受験資格としても実務経験の算入を認められたものと解してはならないこと。
⑤ 二級課程の研修を修了した者であって、三年以上介護等の業務に従事したものをサービス提供責任者とする取扱いは暫定的なものであることから、指定訪問介護事業者は、できる限り早期に、これに該当するサービス提供責任者に一級課程の研修を受講させ、又は介護福祉士の資格を取得させるよう努めなければならないこと。
(3) 管理者(基準第六条)
指定訪問介護事業所の管理者は常勤であり、かつ、原則として専ら当該事業所の管理業務に従事するものとする。ただし、以下の場合であって、当該事業所の管理業務に支障がないときは、他の職務を兼ねることができるものとする。なお、管理者は、訪問介護員等である必要はないものである。
① 当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等としての職務に従事する場合
② 同一敷地内にある又は道路を隔てて隣接する等、特に当該事業所の管理業務に支障がないと認められる範囲内に他の事業所、施設等がある場合に、当該他の事業所、施設等の管理者又は従業者としての職務に従事する場合(この場合の他の事業所、施設等の事業の内容は問わないが、例えば、管理すべき事業所数が過剰であると個別に判断される場合や、併設される入所施設において入所者に対しサービス提供を行う看護・介護職員と兼務する場合などは、管理業務に支障があると考えられる。ただし、施設における勤務時間が極めて限られている職員である場合等、個別に判断の上、例外的に認める場合があっても差し支えない。)
2 設備に関する基準(基準第七条)
(1) 指定訪問介護事業所には、事業の運営を行うために必要な面積を有する専用の事務室を設けることが望ましいが、間仕切りする等他の事業の用に供するものと明確に区分される場合は、他の事業と同一の事務室であっても差し支えない。なお、この場合に、区分がされていなくても業務に支障がないときは、指定訪問介護の事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものとする。
(2) 事務室又は区画については、利用申込の受付、相談等に対応するのに適切なスペースを確保するものとする。
(3) 指定訪問介護事業者は、指定訪問介護に必要な設備及び備品等を確保するものとする。特に、手指を洗浄するための設備等感染症予防に必要な設備等に配慮すること。ただし、他の事業所、施設等と同一敷地内にある場合であって、指定訪問介護の事業又は当該他の事業所、施設等の運営に支障がない場合は、当該他の事業所、施設等に備え付けられた設備及び備品等を使用することができるものとする。
なお、事務室・区画、又は設備及び備品等については、必ずしも事業者が所有している必要はなく、貸与を受けているものであっても差し支えない。
3 運営に関する基準
(1) 内容及び手続の説明及び同意
基準第八条は、指定訪問介護事業者は、利用者に対し適切な指定訪問介護を提供するため、その提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者又はその家族に対し、当該指定訪問介護事業所の運営規程の概要、訪問介護員等の勤務体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制等の利用申込者がサービスを選択するために必要な重要事項について、わかりやすい説明書やパンフレット等の文書を交付して懇切丁寧に説明を行い、当該事業所から指定訪問介護の提供を受けることにつき同意を得なければならないこととしたものである。なお、当該同意については、利用者及び指定訪問介護事業者双方の保護の立場から書面によって確認することが望ましいものである。
(2) 提供拒否の禁止
基準第九条は、指定訪問介護事業者は、原則として、利用申込に対しては応じなければならないことを規定したものであり、特に、要介護度や所得の多寡を理由にサービスの提供を拒否することを禁止するものである。提供を拒むことのできる正当な理由がある場合とは、①当該事業所の現員からは利用申込に応じきれない場合、②利用申込者の居住地が当該事業所の通常の事業の実施地域外である場合、その他利用申込者に対し自ら適切な指定訪問介護を提供することが困難な場合である。
(3) サービス提供困難時の対応
指定訪問介護事業者は、基準第九条の正当な理由により、利用申込者に対し自ら適切な指定訪問介護を提供することが困難であると認めた場合には、基準第十条の規定により、当該利用申込者に係る居宅介護支援事業者への連絡、適当な他の指定訪問介護事業者等の紹介その他の必要な措置を速やかに講じなければならないものである。
(4) 受給資格等の確認
① 基準第一一条第一項は、指定訪問介護の利用に係る費用につき保険給付を受けることができるのは、要介護認定又は要支援認定を受けている被保険者に限られるものであることを踏まえ、指定訪問介護事業者は、指定訪問介護の提供の開始に際し、利用者の提示する被保険者証によって、被保険者資格、要介護認定等の有無及び要介護認定等の有効期間を確かめなければならないこととしたものである。
② 同条第二項は、利用者の被保険者証に、指定居宅サービスの適切かつ有効な利用等に関し当該被保険者が留意すべき事項に係る認定審査会意見が記載されているときは、指定訪問介護事業者は、これに配慮して指定訪問介護を提供するように努めるべきことを規定したものである。
(5) 要介護認定等の申請に係る援助
① 基準第一二条第一項は、要介護認定等の申請がなされていれば、要介護認定等の効力が申請時に遡ることにより、指定訪問介護の利用に係る費用が保険給付の対象となりうることを踏まえ、指定訪問介護事業者は、利用申込者が要介護認定等を受けていないことを確認した場合には、要介護認定等の申請が既に行われているか否かを確認し、申請が行われていない場合は、当該利用申込者の意向を踏まえて速やかに当該申請が行われるよう必要な援助を行わなければならないこととしたものである。
② 同条第二項は、要介護認定等の有効期間が原則として六か月ごとに終了し、継続して保険給付を受けるためには要介護更新認定又は要支援更新認定を受ける必要があること及び当該認定が申請の日から三〇日以内に行われることとされていることを踏まえ、指定訪問介護事業者は、居宅介護支援(これに相当するサービスを含む。)が利用者に対して行われていない等の場合であって必要と認めるときは、要介護認定等の更新の申請が、遅くとも当該利用者が受けている要介護認定等の有効期間が終了する三〇日前にはなされるよう、必要な援助を行わなければならないこととしたものである。
(6) 法定代理受領サービスの提供を受けるための援助
基準第一五条は、介護保険法施行規則(平成一一年厚生省令第三六号。以下「施行規則」という。)第六四条第一号イからロまでのいずれかに該当する利用者は、指定訪問介護の提供を法定代理受領サービスとして受けることができることを踏まえ、指定訪問介護事業者は、施行規則第六四条第一号イからロまでのいずれにも該当しない利用申込者又はその家族に対し、指定訪問介護の提供を法定代理受領サービスとして受けるための要件の説明、居宅介護支援事業者に関する情報提供その他の法定代理受領サービスを行うために必要な援助を行わなければならないこととしたものである。
(7) 居宅サービス計画等の変更の援助
基準第一七条は、指定訪問介護を法定代理受領サービスとして提供するためには当該指定訪問介護が居宅サービス計画に位置付けられている必要があることを踏まえ、指定訪問介護事業者は、利用者が居宅サービス計画の変更を希望する場合(利用者の状態の変化等により追加的なサービスが必要となり、当該サービスを法定代理受領サービスとして行う等のために居宅サービス計画の変更が必要となった場合で、指定訪問介護事業者からの当該変更の必要性の説明に対し利用者が同意する場合を含む。)は、当該利用者に係る居宅介護支援事業者への連絡、サービスを追加する場合に当該サービスを法定代理受領サービスとして利用する場合には支給限度額の範囲内で居宅サービス計画を変更する必要がある旨の説明その他の必要な援助を行わなければならないこととしたものである。
(8) 身分を証する書類の携行
基準第一八条は、利用者が安心して指定訪問介護の提供を受けられるよう、指定訪問介護事業者は、当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等に身分を明らかにする証書や名札等を携行させ、初回訪問時及び利用者又はその家族から求められたときは、これを提示すべき旨を指導しなければならないこととしたものである。この証書等には、当該指定訪問介護事業所の名称、当該訪問介護員等の氏名を記載するものとし、当該訪問介護員等の写真の貼付や職能の記載を行うことが望ましい。
(9) サービスの提供の記録
基準第一九条は、利用者及びサービス事業者が、その時点での支給限度額の残額やサービスの利用状況を把握できるようにするために、指定訪問介護事業者は、指定訪問介護を提供した際には、当該指定訪問介護の提供日、内容(例えば身体介護と家事援助の別)、保険給付の額その他必要な事項を、利用者の居宅サービス計画の書面又はサービス利用票等に記載しなければならないこととしたものである。
(10) 利用料等の受領
① 基準第二〇条第一項は、指定訪問介護事業者は、法定代理受領サービスとして提供される指定訪問介護についての利用者負担として、居宅介護サービス費用基準額又は居宅支援サービス費用基準額の一割(法第五〇条若しくは第六〇条又は第六九条第三項の規定の適用により保険給付の率が九割でない場合については、それに応じた割合)の支払を受けなければならないことを規定したものである。
② 基準第二〇条第二項は、利用者間の公平及び利用者の保護の観点から、法定代理受領サービスでない指定訪問介護を提供した際に、その利用者から支払を受ける利用料の額と、法定代理受領サービスである指定訪問介護に係る費用の額の間に、一方の管理経費の他方への転嫁等による不合理な差額を設けてはならないこととしたものである。
なお、そもそも介護保険給付の対象となる指定訪問介護のサービスと明確に区分されるサービスについては、次のような方法により別の料金設定をして差し支えない。
イ 利用者に、当該事業が指定訪問介護の事業とは別事業であり、当該サービスが介護保険給付の対象とならないサービスであることを説明し、理解を得ること。
ロ 当該事業の目的、運営方針、利用料等が、指定訪問介護事業所の運営規程とは別に定められていること。
ハ 会計が指定訪問介護の事業の会計と区分されていること。
③ 同条第三項は、指定訪問介護事業者は、指定訪問介護の提供に関して、前二項の利用料のほかに、利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域の居宅において指定訪問介護を行う場合の交通費(移動に要する実費)の支払を利用者から受けることができることとし、保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないこととしたものである。
④ 同条第四項は、指定訪問介護事業者は、前項の交通費の支払を受けるに当たっては、あらかじめ、利用者又はその家族に対してその額等に関して説明を行い、利用者の同意を得なければならないこととしたものである。
(11) 保険給付の請求のための証明書の交付
基準第二一条は、利用者が市町村に対する保険給付の請求を容易に行えるよう、指定訪問介護事業者は、法定代理受領サービスでない指定訪問介護に係る利用料の支払を受けた場合は、提供した指定訪問介護の内容、費用の額その他利用者が保険給付を請求する上で必要と認められる事項を記載したサービス提供証明書を利用者に対して交付しなければならないこととしたものである。
(12) 指定訪問介護の基本的取扱方針及び具体的取扱方針
基準第二二条及び第二三条にいう指定訪問介護の取扱方針について、特に留意すべきことは、次のとおりである。
① 提供された介護サービスについては、目標達成の度合いや利用者及びその家族の満足度等について常に評価を行うとともに、訪問介護計画の修正を行うなど、その改善を図らなければならないものであること。
② 指定訪問介護の提供に当たっては、介護技術の進歩に対応した適切なサービスが提供できるよう、常に新しい技術を習得する等、研鑽を行うべきものであること。
(13) 訪問介護計画の作成(基準第二四条)
① サービス提供責任者は、訪問介護計画の目標や内容等については、利用者及びその家族に、理解しやすい方法で説明を行うとともに、その実施状況や評価についても説明を行うものとする。
② 訪問介護計画書の作成に当たっては、利用者の状況を把握・分析し、訪問介護の提供によって解決すべき問題状況を明らかにし(アセスメント)、これに基づき、援助の方向性や目標を明確にし、担当する訪問介護員等の氏名、訪問介護員等が提供するサービスの具体的内容、所要時間、日程等を明らかにするものとする。なお、訪問介護計画書の様式については、各事業所毎に定めるもので差し支えない。
③ サービス提供責任者は、他の訪問介護員等の行うサービスが訪問介護計画に沿って実施されているかについて把握するとともに、助言、指導等必要な管理を行わなければならない。
(14) 利用者に関する市町村への通知
基準第二六条は、偽りその他不正な行為によって保険給付を受けた者及び自己の故意の犯罪行為又は重大な過失等により、要介護状態等又はその原因となった事故を生じさせるなどした者については、市町村が、法第二二条第一項に基づく既に支払った保険給付の徴収又は法第六四条に基づく保険給付の制限を行うことができることに鑑み、指定訪問介護事業者が、その利用者に関し、保険給付の適正化の観点から市町村に通知しなければならない事由を列記したものである。
(15) 緊急時等の対応
基準第二七条は、訪問介護員等が現に指定訪問介護の提供を行っているときに利用者に病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、運営規程に定められた緊急時の対応方法に基づき速やかに主治の医師(以下「主治医」という。)への連絡を行う等の必要な措置を講じなければならないこととしたものである。
(16) 管理者及びサービス提供責任者の責務
基準第二八条は、指定訪問介護事業所の管理者とサービス提供責任者の役割分担について規定したものであり、管理者は、従業者及び業務の一元的管理並びに従業者に基準第二章第四節(運営に関する基準)を遵守させるための指揮命令を、サービス提供責任者は、指定訪問介護の利用の申込みに係る調整、訪問介護員等に対する技術指導等のサービスの内容の管理を行うものである。
(17) 運営規程
基準第二九条は、指定訪問介護の事業の適正な運営及び利用者に対する適切な指定訪問介護の提供を確保するため、同条第一号から第七号までに掲げる事項を内容とする規程を定めることを指定訪問介護事業所ごとに義務づけたものであるが、特に次の点に留意するものとする。なお、同一事業者が同一敷地内にある事業所において、複数のサービス種類について事業者指定を受け、それらの事業を一体的に行う場合においては、運営規程を一体的に作成することも差し支えない(この点については他のサービス種類についても同様とする。)。
① 指定訪問介護の内容(第四号)
「指定訪問介護の内容」とは、身体介護、家事援助等のサービスの内容を指すものであること。
② 利用料その他の費用の額(第四号)
「利用料」としては、法定代理受領サービスである指定訪問介護に係る利用料(一割負担)及び法定代理受領サービスでない指定訪問介護の利用料を、「その他の費用の額」としては、基準第二〇条第三項により徴収が認められている交通費の額及び必要に応じてその他のサービスに係る費用の額を規定するものであること(以下、他のサービス種類についても同趣旨。)。
③ 通常の事業の実施地域(第五号)
通常の事業の実施地域は、客観的にその区域が特定されるものとすること。なお、通常の事業の実施地域は、利用申込に係る調整等の観点からの目安であり、当該地域を越えてサービスが行われることを妨げるものではないものであること(以下、基準第五三条第五号、第七三条第五号、第八二条第五号、第一〇〇条第六号、第一一七条第六号及び第二〇〇条第五号についても同趣旨。)。
(18) 介護等の総合的な提供
基準第二九条の二は、基準第四条の基本方針等を踏まえ、指定訪問介護の事業運営に当たっては、多種多様な訪問介護サービスの提供を行うべき旨を明確化したものである。指定訪問介護事業は、生活全般にわたる援助を行うものであることから、指定訪問介護事業者は、入浴、排せつ、食事等の介護(身体介護)又は調理、洗濯、掃除等の家事(家事援助)を総合的に提供しなければならず、また、指定訪問介護事業所により提供しているサービスの内容が、身体介護のうち特定のサービス行為に偏ったり、家事援助のうち特定のサービス行為に偏ったりしてはならないこととしたものである。また、サービス提供の実績から特定のサービス行為に偏っていることが明らかな場合に限らず、事業運営の方針、広告、従業者の勤務体制、当該事業者の行う他の事業との関係等の事業運営全般から判断して、特定のサービス行為に偏ることが明らかであれば、本条に抵触することとなる。
なお、「偏っている」とは、特定のサービス行為のみを専ら行うことはもちろん、特定のサービス行為に係るサービス提供時間が月単位等一定期間中のサービス提供時間の大半を占めていれば、これに該当するものである。
また、基準第二九条の二は、基準該当訪問介護事業者には適用されない。
(19) 勤務体制の確保等
基準第三〇条は、利用者に対する適切な指定訪問介護の提供を確保するため、職員の勤務体制等について規定したものであるが、次の点に留意する必要がある。
① 指定訪問介護事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表を作成し、訪問介護員等については、日々の勤務時間、職務の内容、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係、サービス提供責任者である旨等を明確にすること。
② 同条第二項は、当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等によって指定訪問介護を提供するべきことを規定したものであるが、指定訪問介護事業所の訪問介護員等とは、雇用契約その他の契約により、当該事業所の管理者の指揮命令下にある訪問介護員等を指すものであること。
③ 同条第三項は、当該指定訪問介護事業所の従業者たる訪問介護員等の質の向上を図るため、研修機関が実施する研修や当該事業所内の研修への参加の機会を計画的に確保することとしたものであること。特に、訪問介護員のうち、三級課程の研修を修了した者について、身体介護を担当することは、暫定的な措置であることにかんがみ、できる限り早期に二級課程の研修を受講させ、又は介護福祉士の資格を取得させるよう努めなければならないこと。
(20) 衛生管理等
基準第三一条は、指定訪問介護事業者は、訪問介護員等の清潔の保持及び健康状態の管理並びに指定訪問介護事業所の設備及び備品等の衛生的な管理に努めるべきことを規定したものである。特に、指定訪問介護事業者は、訪問介護員等が感染源となることを予防し、また訪問介護員等を感染の危険から守るため、使い捨ての手袋等感染を予防するための備品等を備えるなど対策を講じる必要がある。
(21) 秘密保持等
① 基準第三三条第一項は、指定訪問介護事業所の訪問介護員等その他の従業者に、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密の保持を義務づけたものである。
② 同条第二項は、指定訪問介護事業者に対して、過去に当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等その他の従業者であった者が、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を取ることを義務づけたものであり、具体的には、指定訪問介護事業者は、当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等その他の従業者が、従業者でなくなった後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、従業者との雇用時等に取り決め、例えば違約金についての定めをおくなどの措置を講ずべきこととするものである。
③ 同条第三項は、訪問介護員等がサービス担当者会議等において、課題分析情報等を通じて利用者の有する問題点や解決すべき課題等の個人情報を、介護支援専門員や他のサービスの担当者と共有するためには、指定訪問介護事業者は、あらかじめ、文書により利用者又はその家族から同意を得る必要があることを規定したものであるが、この同意は、サービス提供開始時に利用者及びその家族から包括的な同意を得ておくことで足りるものである。
(22) 居宅介護支援事業者に対する利益供与の禁止
基準第三五条は、居宅介護支援の公正中立性を確保するために、指定訪問介護事業者は、居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、利用者に対して特定の事業者によるサービスを利用させることの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならないこととしたものである。
(23) 苦情処理
① 基準第三六条第一項にいう「必要な措置」とは、具体的には、相談窓口、苦情処理の体制及び手順等当該事業所における苦情を処理するために講ずる措置の概要について明らかにし、利用申込者にサービスの内容を説明する文書に苦情に対する措置の概要についても併せて記載するとともに、事業所に掲示すること等である。
② 同条第二項は、介護保険法上、苦情処理に関する業務を行うことが位置付けられている国民健康保険団体連合会のみならず、住民に最も身近な行政庁であり、かつ、保険者である市町村が、サービスに関する苦情に対応する必要が生ずることから、市町村についても国民健康保険団体連合会と同様に、指定訪問介護事業者に対する苦情に関する調査や指導、助言を行えることを運営基準上、明確にしたものである。
(24) 事故発生時の対応
基準第三七条は、利用者が安心して指定訪問介護の提供を受けられるよう、指定訪問介護事業者は、利用者に対する指定訪問介護の提供により事故が発生した場合は、市町村、当該利用者の家族、当該利用者に係る居宅介護支援事業者等に対して連絡を行う等の必要な措置を講じるべきこととするとともに、利用者に対する指定訪問介護の提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならないこととしたものである。
このほか、以下の点に留意するものとする。
① 利用者に対する指定訪問介護の提供により事故が発生した場合の対応方法については、あらかじめ指定訪問介護事業者が定めておくことが望ましいこと。
② 指定訪問介護事業者は、賠償すべき事態において速やかに賠償を行うため、損害賠償保険に加入しておくか、又は賠償資力を有することが望ましいこと。
③ 指定訪問介護事業者は、事故が生じた際にはその原因を解明し、再発生を防ぐための対策を講じること。
(25) 会計の区分
基準第三八条は、指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所ごとに経理を区分するとともに、指定訪問介護の事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならないこととしたものであるが、具体的な会計処理の方法等については、別に通知するところによるものであること。
(26) 記録の整備
基準第三九条第二項により、指定訪問介護事業者は、少なくとも次に掲げる記録をその完結の日から二年間備えておかなければならないこととしたものであること。
① 指定訪問介護に関する記録
イ 訪問介護計画書
ロ 提供した個々の指定訪問介護に係る記録
② 基準第二六条に係る市町村への通知に係る記録
4 基準該当訪問介護に関する基準
(1) 訪問介護員等の員数(基準第四〇条)
基準該当訪問介護事業所における訪問介護員等の員数については、三人以上と定められたが、これについては、訪問介護員等の勤務時間の多寡にかかわらず員数として三人以上確保すれば足りるものである。ただし、各地域におけるサービス利用の状況や利用者数等を考慮し、適切な員数の職員を確保するものとする。その他については、指定訪問介護事業所の場合と同趣旨であるため第三の1の(1)及び(2)に準じて取り扱うべきものである。
なお、サービス提供責任者については、常勤である必要はないが、指定訪問介護における配置に準じて配置することが望ましい。
(2) 管理者(基準第四一条)
指定訪問介護の場合と基本的に同趣旨であるため、第三の1の(3)を参照されたい。ただし、管理者は常勤である必要はないことに留意するものとする。
(3) 設備及び備品等
基準第四二条は、基準該当訪問介護事業所の設備及び備品等についての規定であるが、指定訪問介護事業所の場合と基本的に同趣旨であるため、第三の2を参照されたい。
(4) 同居家族に対するサービス提供の制限
基準第四二条の二は、同条第一項各号に定める場合に限り、同居家族である利用者に対するサービス提供を例外的に認めることを定めたものである。
特に、同条第一項第一号にあるとおり、離島、山間のへき地その他の地域であって、指定訪問介護による訪問介護だけでは必要な訪問介護の見込量を確保することが困難であると市町村が認めた地域において認められるものであり、市町村は、その運用に際して次に掲げる点に留意するとともに、当該地域における指定訪問介護の確保に努めることとする。
① 市町村は、同居家族に対する訪問介護を行おうとする訪問介護員等が所属する訪問介護事業所から、居宅サービス計画の写し等、同居家族に対する訪問介護が認められるための要件に満たされていることを確認できる書類を届け出させ、これに基づき基準該当居宅サービスとしての実施を認めるものとする。
② 市町村は、いったん認めた同居家族に対する訪問介護について、事後的にその要件を満たしていないと認めるときは、保険給付を行わず、又は既に行った保険給付の返還を求めるものとする。
③ 市町村は、基準第四二条の二第一項各号に規定する要件に反した訪問介護が行われている場合の是正の指導のほか、当該同居家族に対して行われている居宅サービスとして、当該訪問介護員等による訪問介護のほか、他の居宅サービスが適切に組み合わされているかどうか等を点検し、状況に応じて必要な助言を当該同居家族及び基準該当訪問介護事業者に対して行うものとする。
④ 基準第四二条の二第一項第五号に規定する、訪問介護員等が同居家族の訪問介護に従事する時間の合計時間が当該訪問介護員等が訪問介護に従事する時間の合計時間のおおむね二分の一を超えないという要件は、同居家族の訪問介護が「身内の世話」ではなく、「訪問介護事業所の従業者による介護」として行われることを担保する趣旨で設けられたものであるが、こうした趣旨を踏まえつつ、当該市町村の訪問介護の基盤整備の状況など地域の実情に応じて、当該要件をある程度の幅をもって運用することは差し支えないものとする。
(5) 運営に関する基準
基準第四三条の規定により、基準第一五条、第二〇条第一項、第二五条、第二九条の二及び第三六条第三項を除き、指定訪問介護の運営に関する基準が基準該当訪問介護に準用されるものであるため、第三の3の(1)から(5)まで及び(7)から(26)まで((10)の①及び(18)を除く。)を参照されたい。この場合において、準用される基準第二〇条第二項の規定は、基準該当訪問介護事業者が利用者から受領する利用料について、当該サービスが結果的に保険給付の対象となる場合もならない場合も、特例居宅介護サービス費又は特例居宅支援サービス費を算定するための基準となる費用の額(一〇〇分の九〇を乗ずる前の額)との間に不合理な差額が生じることを禁ずることにより、結果的に保険給付の対象となるサービスの利用料と、保険給付の対象とならないサービスの利用料との間に、一方の管理経費の他方への転嫁等による不合理な差額を設けることを禁止する趣旨である。なお、当該事業所による訪問介護が複数の市町村において基準該当訪問介護と認められる場合には、利用者の住所地によって利用料が異なることは認められないものである。
第四 訪問入浴介護に関する基準
1 人員に関する基準
(1) 従業者の員数(基準第四五条)
指定訪問入浴介護事業所における訪問入浴介護従業者の員数については、最低限必要の数を定めたものであり、訪問入浴介護の提供量に応じて、基準第五十条第四号の規定に基づく体制に必要な員数を確保するものとする。
(2) 管理者(基準第四六条)
訪問介護の場合と同趣旨であるため、第三の1の(3)を参照されたい。
2 設備に関する基準(基準第四七条)
(1) 指定訪問入浴介護事業所には、事業の運営を行うために必要な面積を有する専用の事務室を設けることが望ましいが、間仕切りをする等他の事業の用に供するものと明確に区分される場合は、他の事業と同一の事務室であっても差し支えない。なお、この場合に、区分がされていなくても業務に支障がないときは、指定訪問入浴介護の事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものとする。
(2) 専用の事務室又は区画については、利用申込の受付、相談等に対応するのに適切なスペース及び浴槽等の備品・設備等を保管するために必要なスペースを確保する必要がある。
(3) 専用の事務室又は区画については、指定訪問入浴介護に必要な浴槽(身体の不自由な者が入浴するのに適したもの)、車両(浴槽を運搬し又は入浴設備を備えたもの)等の設備及び備品等を確保する必要がある。特に、手指を洗浄するための設備等感染症予防に必要な設備等に配慮する必要がある。ただし、他の事業所、施設等と同一敷地内にある場合であって、指定訪問入浴介護の事業及び当該他の事業所、施設等の運営に支障がない場合は、当該他の事業所、施設等に備え付けられた設備及び備品等を使用することができるものとする。
3 運営に関する基準
(1) 利用料の受領
① 基準第四八条第一項、第二項及び第四項は、指定訪問介護に係る第二〇条第一項、第二項及び第四項と同趣旨であるため、第三の3の(10)の①、②及び④を参照されたい。
② 基準第四八条第三項は、指定訪問入浴介護事業者は、指定訪問入浴介護の提供に関して、利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域の居宅において指定訪問入浴介護を行う場合の交通費、及び利用者の選定により提供される特別な浴槽水等に係る費用については、前二項の利用料のほかに利用者から支払を受けることができることとし、保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないこととしたものである。
(2) 指定訪問入浴介護の基本取扱方針及び具体的取扱方針
指定訪問入浴介護の基本取扱方針及び具体的取扱方針については、基準第四九条及び五〇条の定めるところによるほか、次の点に留意するものとする。
① 指定訪問入浴介護の提供に当たっては、利用者の心身の状況により、訪問時に全身入浴が困難な場合は、利用者の希望により、「清しき」又は「部分浴(洗髪、陰部、足部等)」を実施するなど、適切なサービス提供に努めること。
② 基準第五〇条第二号に定める「サービスの提供方法等」とは、入浴方法等の内容、作業手順、入浴後の留意点などを含むものであること。
③ 基準第五〇条第四号に定める「サービスの提供の責任者」については、入浴介護に関する知識や技術を有した者であって、衛生管理や入浴サービスの提供に当たって他の従業者に対し作業手順など適切な指導を行うとともに、利用者が安心してサービス提供を受けられるように配慮すること。また、同号に定める「主治の医師の意見の確認」については、利用者又は利用者の承諾を得て当該事業者が、利用者の主治医に確認することとし、併せて、次に確認すべき時期についても確認しておくこと。
④ 基準第五〇条第五号に定める「サービスの提供に用いる設備、器具その他の用品」の安全衛生については、特に次の点について留意すること。
イ 浴槽など利用者の身体に直に接触する設備・器具類は、利用者一人ごとに消毒した清潔なものを使用し、使用後に洗浄及び消毒を行うこと。また、保管に当たっても、清潔保持に留意すること。
ロ 皮膚に直に接するタオル等については、利用者一人ごとに取り替えるか個人専用のものを使用する等、安全清潔なものを使用すること。
ハ 消毒方法等についてマニュアルを作成するなど、当該従業者に周知させること。
(3) 緊急時等の対応
基準第五一条は、訪問入浴介護従業者が現に指定訪問入浴介護の提供を行っているときに利用者に病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、運営規程に定められた緊急時の対応方法に基づき速やかに主治医又はあらかじめ当該指定訪問入浴介護事業者が定めた協力医療機関への連絡を行う等の必要な措置を講じなければならないこととしたものである。協力医療機関については、次の点に留意するものとする。
① 協力医療機関は、事業の通常の実施地域内にあることが望ましいものであること。
② 緊急時において円滑な協力を得るため、当該協力医療機関との間であらかじめ必要な事項を取り決めておくこと。
(4) 管理者の責務
基準第五二条は、指定訪問入浴介護事業所の管理者の責務を、指定訪問入浴介護事業所の従業者の管理及び指定訪問入浴介護の利用の申込みに係る調整、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行うとともに、当該指定訪問入浴介護事業所の従業者に基準の第三章第四節の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行うこととしたものである。
(5) 運営規程
基準第五三条は、指定訪問入浴介護の事業の適正な運営及び利用者に対する適切な指定訪問入浴介護の提供を確保するため、同条第一号から第八号までに掲げる事項を内容とする規定を定めることを指定訪問入浴介護事業所ごとに義務づけたものであるが、基準第五三条第六号の「サービスの利用に当たっての留意事項」とは、利用者が指定訪問入浴介護の提供を受ける際に、利用者側が留意すべき事項(入浴前の食事の摂取に関すること等)を指すものであることに留意するものとする。
(6) 準用
基準第五四条の規定により、基準第八条から第一九条まで、第二一条、第二六条及び第三〇条から第三九条までの規定は、指定訪問入浴介護の事業について準用されるため、第三の3の(1)から(9)まで、(11)、(14)及び(18)から(25)までを参照されたい。この場合において、次の点に留意するものとする。
① 基準第三一条中「設備及び備品等」とあるのは「指定訪問入浴介護に用いる浴槽その他の設備及び備品等」と読み替えられること。
② 準用される基準第三九条により、整備すべき記録は以下のとおりであること。
イ 提供した個々の指定訪問入浴介護に係る記録
ロ 基準第二六条に係る市町村への通知に係る記録
4 基準該当訪問入浴介護に関する基準
(1) 従業者の員数(基準第五五条)
基準該当訪問入浴介護事業所の訪問入浴介護従業者の員数については、最低限必要な数を定めたものであり、訪問入浴介護の提供量に応じて、第五八条により準用する基準第五〇条第四号の規定に基づく体制に必要な員数を確保するものとする。
(2) 管理者(基準第五六条)
指定訪問入浴介護の場合と基本的に同趣旨であるため、第四の1の(2)を参照されたい。ただし、管理者は常勤である必要はないことに留意するものとする。
(3) 設備及び備品等(基準第五七条)
指定訪問入浴介護の場合と基本的に同趣旨であるため、第四の2を参照されたい。
(4) 運営に関する基準
基準第五八条の規定により、基準第八条から第一四条まで、第一六条から第一九条まで、第二一条、第二六条、第三〇条から第三五条まで、第三六条第一項及び第二項、第三七条から第三九条まで、第四四条並びに第四節(第四八条第一項及び第五四条を除く。)の規定は、基準該当訪問入浴介護の事業について準用されるものであるため、第三の3の(1)から(5)まで、(7)から(9)まで、(11)、(14)及び(18)から(25)まで並びに第四の3を参照されたい。この場合において、準用される基準第四八条第二項の規定は、基準該当訪問入浴介護事業者が利用者から受領する利用料について、当該サービスが結果的に保険給付の対象となる場合もならない場合も、特例居宅介護サービス費又は特例居宅支援サービス費を算定するための基準となる費用の額(一〇〇分の九〇を乗ずる前の額)との間に不合理な差額が生じることを禁ずることにより、結果的に保険給付の対象となるサービスの利用料と、保険給付の対象とならないサービスの利用料との間に、一方の管理経費の他方への転嫁等による不合理な差額を設けることを禁止する趣旨である。なお、当該事業所による訪問入浴介護が複数の市町村において基準該当訪問入浴介護と認められる場合には、利用者の住所地によって利用料が異なることは認められないものである。
第五 訪問看護に関する基準
1 人員に関する基準
(1) 看護婦等の員数(基準第六〇条)
① 指定訪問看護ステーションの場合(基準第六〇条第一項第一号)
イ 指定訪問看護ステーションにおける保健婦、保健士、看護婦、看護士、准看護婦又は准看護士(以下「看護職員」という。)の員数については、常勤換算方法で二・五人以上と定められたが、これについては、職員の支援体制等を考慮した最小限の員数として定められたものであり、各地域におけるサービス利用の状況や利用者数及び指定訪問看護の事業の業務量を考慮し、適切な員数の人員を確保するものとする。
ロ 勤務日及び勤務時間が不定期な看護婦等についての勤務延時間数の算定については、指定訪問介護の場合と同様である。
ハ 理学療法士及び作業療法士については、実情に応じた適当数を配置するものとする(配置しないことも可能である。)。
ニ 出張所等があるときは、常勤換算を行う際の事業所の看護職員の勤務延時間数とは、出張所等における勤務延時間数も含めるものとする。
② 指定訪問看護を担当する医療機関の場合(基準第六〇条第一項第二号)
指定訪問看護事業所ごとに、指定訪問看護の提供に当たる看護職員を適当数置かなければならない。
(2) 指定訪問看護ステーションの管理者(基準第六一条)
① 指定訪問看護ステーションの管理者は常勤であり、かつ、原則として専ら当該指定訪問看護ステーションの管理業務に従事するものとする。ただし、以下の場合であって、当該指定訪問看護ステーションの管理業務に支障がないときは、他の職務を兼ねることができるものとする。
イ 当該指定訪問看護ステーションの看護職員としての職務に従事する場合
ロ 当該指定訪問看護ステーションが健康保険法による指定を受けた訪問看護ステーションである場合に、当該訪問看護ステーションの管理者又は看護職員としての職務に従事する場合
ハ 同一敷地内にある又は道路を隔てて隣接する等、特に当該指定訪問看護ステーションの管理業務に支障がないと認められる範囲内に他の事業所、施設等がある場合に、当該他の事業所等の管理者又は従業者としての職務に従事する場合(この場合の他の事業所、施設等の事業の内容は問わないが、例えば、併設される入所施設における看護業務(管理業務を含む。)との兼務は管理者の業務に支障があると考えられるが、施設における勤務時間が極めて限られている職員の場合には、例外的に認められる場合もありうる。)
② 指定訪問看護ステーションの管理者は、管理者としてふさわしいと認められる保健婦、保健士、看護婦又は看護士であって、保健婦助産婦看護婦法(昭和二三年法律第二〇三号)第一四条第三項の規定により保健婦、保健士、看護婦又は看護士の業務の停止を命ぜられ、業務停止の期間終了後二年を経過しない者に該当しないものである。
③ 管理者の長期間の傷病又は出張等の緊急やむを得ない理由がある場合には、老人の福祉の向上に関し相当の知識、経験及び熱意を有し、過去の経歴等を勘案して指定訪問看護ステーションの管理者としてふさわしいと都道府県知事に認められた者であれば、管理者として保健婦、保健士、看護婦及び看護士以外の者をあてることができるものとする。ただし、この場合においても、可能な限り速やかに常勤の保健婦、保健士、看護婦及び看護士の管理者が確保されるように努めなければならないものである。
④ 指定訪問看護ステーションの管理者は、医療機関における看護、訪問看護又は老人保健法第一九条の訪問指導の業務に従事した経験のある者である必要がある。さらに、管理者としての資質を確保するために関連機関が提供する研修等を受講していることが望ましい。
2 設備に関する基準
(1) 指定訪問看護ステーションの場合(基準第六二条第一項)
① 指定訪問看護ステーションには、運営に必要な面積を有する専用の事務室を設ける必要がある。ただし、当該指定訪問看護ステーションが健康保険法による指定を受けた訪問看護ステーションである場合には、両者を共用することは差し支えない。また、当該指定訪問看護ステーションが、他の事業の事業所を兼ねる場合には、必要な広さの専用の区画を有することで差し支えないものとする。なお、この場合に、区分されていなくても業務に支障がないときは、指定訪問看護の事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものである。
② 事務室については、利用申込みの受付、相談等に対応するのに適切なスペースを確保するものとする。
③ 指定訪問看護に必要な設備及び備品等を確保する必要がある。特に、感染症予防に必要な設備等に配慮する必要がある。ただし、他の事業所、施設等と同一敷地内にある場合であって、指定訪問看護の事業又は当該他の事業所、施設等の運営に支障がない場合は、当該他の事業所、施設等に備え付けられた設備及び備品等を使用することができるものとする。
(2) 指定訪問看護を担当する医療機関の場合(基準第六二条第二項)
① 指定訪問看護を担当する病院又は診療所には、指定訪問看護の事業を行うために必要な専用の区画を設ける必要がある。なお、業務に支障がないときは、指定訪問看護の事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものである。
② 指定訪問看護の事業に必要な設備及び備品等を確保する必要がある。ただし、設備及び備品等については、当該医療機関における診療用に備え付けられたものを使用することができるものである。
3 運営に関する基準
(1) サービス提供困難時の対応
指定訪問看護事業者が、指定訪問看護の提供を拒否する正当な理由としては、第三の3の(2)に示した理由のほか、利用申込者の病状等により、自ら適切な訪問看護の提供が困難と判断した場合が該当するが、これらの場合には、基準第六三条の規定により、指定訪問看護事業者は、主治医及び居宅介護支援事業者への連絡を行い、適当な他の指定訪問看護事業者等を紹介する等の必要な措置を速やかに講じなければならない。
(2) 健康手帳への記載
基準第六五条は、提供した指定訪問看護に関して、次のとおりその記録を利用者の健康手帳の医療の記録に係るページに記載しなければならないことを定めたものである。なお、健康手帳の医療に係るページの様式については、「健康手帳の医療の受給資格を証するページ及び医療の記録に係るページの様式」(昭和五七年一一月厚生省告示第一九二号)により定められているものである。
① 「医療機関等名称・所在地・電話」の欄には、指定訪問看護事業所の名称、所在地及び電話番号を記載すること。
② 「外来・入退院年月日」の欄には、利用開始及び終了年月日を記載すること。
(3) 利用料等の受領
① 基準第六六条第一項、第三項及び第四項については、第三の3の(10)の①、③及び④を参照されたいこと。
② 基準第六六条第二項は、利用者間の公平及び利用者の保護の観点から、法定代理受領サービスでない指定訪問看護を提供した際にその利用者から支払を受ける利用料の額及び法定代理受領サービスである指定訪問看護に係る費用の額と、医療保険給付又は老人訪問看護療養費の対象となる健康保険法及び老人保健法上の指定訪問看護の費用の額の間に不合理な差異を設けてはならないこととしたものであること。
なお、そもそも介護保険給付、医療保険給付又は老人訪問看護療養費の給付対象となる訪問看護と明確に区分されるサービスについては、第三の3の(10)の②のなお書きを参照されたいこと。
(4) 指定訪問看護の基本取扱方針及び具体的取扱方針
基準第六七条及び第六八条にいう指定訪問看護の取扱方針において、特に留意すべきことは、次のとおりであること。
① 指定訪問看護は、利用者の心身の状態を踏まえ、妥当適切に行うとともにその生活の質の確保を図るよう、主治医との密接な連携のもとに訪問看護計画に沿って行うこととしたものであること。
② 指定訪問看護の提供については、目標達成の度合いやその効果等について評価を行うとともに、訪問看護計画の修正を行い改善を図る等に努めなければならないものであること。
③ 利用者の健康状態と経過、看護の目標や内容、具体的な方法その他療養上必要な事項について利用者及び家族に理解しやすいよう指導又は説明を行うこと。
④ 指定訪問看護の提供に当たっては、医学の進歩に沿った適切な看護技術をもって対応できるよう、新しい技術の習得等、研鑽を積むことを定めたものであること。
⑤ 医学の立場を堅持し、広く一般に認められていない看護等については行ってはならないこと。
(5) 主治医との関係(基準第六九条)
① 指定訪問看護事業所の管理者は、指示書に基づき指定訪問看護が行われるよう、主治医との連絡調整、指定訪問看護の提供を担当する看護婦等の監督等必要な管理を行わなければならないこと。なお、主治医とは、利用申込者の選定により加療している医師をいい、主治医以外の複数の医師から指示書の交付を受けることはできないものであること。
② 基準第六九条第二項は、指定訪問看護の利用対象者は、その主治医が指定訪問看護の必要性を認めたものに限られるものであることを踏まえ、指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の提供の開始に際しては、利用者の主治医が発行する訪問看護指示の文書(以下「指示書」という。)の交付を受けなければならないこととしたものであること。
③ 指定訪問看護事業所の管理者は、主治医と連携を図り、適切な指定老人訪問看護を提供するため、定期的に訪問看護計画書及び訪問看護報告書を主治医に提出しなければならないこと。
④ 訪問看護の実施に当たっては、特に医療施設内の場合と異なり、看護婦等が単独で行うことに十分留意するとともに慎重な状況判断等が要求されることを踏まえ、主治医との密接かつ適切な連携を図ること。
⑤ 保険医療機関が指定訪問看護事業者である場合には、主治医の指示は診療録に記載されるもので差し支えないこと。また、訪問看護計画書及び訪問看護報告書についても看護記録等の診療記録に記載されるもので差し支えないこと。
(6) 訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成
① 基準第七〇条は、看護婦等(准看護婦及び准看護士を除く。)が利用者ごとに、訪問看護計画書及び訪問看護報告書を作成することとしたものである。
② 看護婦等は、訪問看護計画書には、利用者の希望、主治医の指示及び看護目標、具体的なサービス内容等を記載する。なお、既に居宅サービス計画等が作成されている場合には、当該計画に沿って訪問看護の計画を立案する。
③ 看護婦等は、訪問看護計画書の目標・内容等について、利用者及びその家族に理解しやすい方法で説明を行うとともに、その実施状況や評価についても説明を行う必要がある。
④ 看護婦等は、訪問看護計画書には、訪問を行った日、提供した看護内容、サービス提供結果等を記載する。なお、第七〇条に規定する報告書は、訪問の都度記載する記録とは異なり、主治医に定期的に提出するものをいう。
⑤ 管理者にあっては、訪問看護計画に沿った実施状況を把握し、計画書及び報告書に関し、助言、指導等必要な管理を行わなければならない。
⑥ 指定訪問看護事業者は、主治医との連携を図り、適切な指定訪問看護を提供するため、訪問看護計画書及び訪問看護報告書を定期的に主治医に提出しなければならない。
(7) 準用
基準第七四条の規定により、基準第八条、第九条、第一一条から第一三条まで、第一五条から第一九条まで、第二一条、第二六条、第三〇条から第三九条まで及び第五二条の規定は、指定訪問看護の事業について準用されるものであるため、第三の3の(1)、(2)、(4)から(9)まで、(11)、(14)及び(18)から(25)まで並びに第四の3の(4)を参照されたい。この場合において、次の点に留意するものとする。
① 基準第十三条(心身の状況等の把握)中「心身の状況」とあるのは、「心身の状況、病歴」と読み替えられること。
② 準用される基準第三〇条については、指定訪問看護ステーションにおいては、原則として月ごとの勤務表を作成し、看護婦等については、日々の勤務時間、職務の内容、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係等を明確にすること。指定訪問看護を担当する医療機関においては、指定訪問看護事業所ごとに、指定訪問看護に従事する看護婦等を明確にし、原則として月ごとの勤務表を作成し、それらの者の職務の内容、常勤・非常勤の別等を明確にすること。なお、指定訪問看護事業所の看護婦等については、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六〇年法律第八八号。以下「労働者派遣法」という。)に規定する派遣労働者であってはならないものであること。
③ 準用される基準第三九条により整備すべき記録は、以下のとおりであること。
イ 指定訪問看護に関する記録
a 指示書、訪問看護計画書及び訪問看護報告書(指定訪問看護事業所が保険医療機関である場合は、診療録及び診療記録の保存でも差し支えない。)
b 記録書
ロ 準用される基準第二六条に係る市町村への通知に係る記録
第六 訪問リハビリテーションに関する基準
1 人員に関する基準(基準第七六条)
指定訪問リハビリテーション事業者は、指定訪問リハビリテーション事業所ごとに、指定訪問リハビリテーションの提供に当たる理学療法士又は作業療法士を適当数置かなければならない。
2 設備に関する基準
(1) 基準第七七条は、指定訪問リハビリテーション事業所については、
① 病院又は診療所であること。
② 指定訪問リハビリテーションの事業の運営を行うために必要な広さ(利用申込の受付、相談等に対応するのに適切なスペース)を有する専用の区画を設けていること。なお、業務に支障がないときは、指定訪問リハビリテーションの事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものとすること。
③ 指定訪問リハビリテーションの提供に必要な設備及び備品等を備えていること。
としたものである。
(2) 設備及び備品等については、当該病院又は診療所における診療用に備え付けられたものを使用することができるものである。
3 運営に関する基準
(1) 利用料等の受領
基準第七八条の規定は、指定訪問看護に係る基準第六六条の規定と基本的に同趣旨であるため、第五の3の(3)を参照されたいこと。
(2) 指定訪問リハビリテーションの基本取扱方針及び具体的取扱方針(基準第七九条及び第八〇条)
① 指定訪問リハビリテーションは、利用者の心身の状態、生活環境を踏まえて、妥当適切に行うとともにその生活の質の確保を図るよう、主治の医師との密接な連携のもとに訪問リハビリテーション計画に沿って行うこととしたものであること。
② 指定訪問リハビリテーションの提供については、目標達成の度合いやその効果等について評価を行うとともに、訪問リハビリテーション計画の修正を行い改善を図る等に努めなければならないものであること。
③ 指定訪問リハビリテーションの提供に当たっては、利用者の心身状態、リハビリテーションの内容やそれを提供する目的、具体的な方法、リハビリテーションに必要な環境の整備、療養上守るべき点及び療養上必要な目標等、療養上必要な事項について利用者及びその家族に理解しやすいよう指導又は説明を行うこと。
④ 指定訪問リハビリテーションの提供に当たっては、医学の進歩に沿った適切な技術をもって対応できるよう、新しい技術の習得等、研鑽を積むことを定めたものであること。
⑤ 指定訪問リハビリテーションを行った際には、速やかに、指定訪問リハビリテーションを実施した要介護者等の氏名、実施日時、実施した訪問リハビリテーションの要点及び担当者の氏名を記録すること。
(3) 訪問リハビリテーション計画の作成(基準第八一条)
① 訪問リハビリテーション計画は、利用者ごとに、利用者の心身の状態、生活環境を踏まえて作成することとしたものである。利用者の希望、主治医の指示及び目標、具体的なリハビリテーション内容等を記載する。なお、既に居宅サービス計画等が作成されている場合には、当該計画に沿って訪問リハビリテーション計画を立案する。
② 訪問リハビリテーション計画の目標や内容等について、利用者及びその家族に理解しやすい方法で説明を行うとともに、その実施状況や評価についても説明を行う。
(4) 準用
基準第八三条の規定により、基準第八条から第一三条まで、第一五条から第一九条まで、第二一条、第二六条、第三〇条から第三三条まで、第三五条から第三九条まで、第五二条、第六四条及び第六五条の規定は、指定訪問リハビリテーションの事業について準用されるものであるため、第三の3の(1)から(9)まで、(11)、(14)及び(18)から(25)まで、第四の3の(4)並びに第五の3の(2)を参照されたいこと、この場合において、次の点に留意するものとする。
① 基準第一三条中「心身の状況」とあるのは「心身の状況、病歴」と読み替えられること。
② 準用される基準第一三条については、指定訪問リハビリテーション事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表を作成し、指定訪問リハビリテーションに従事する理学療法士及び作業療法士を明確にするとともに、それらの者の職務の内容、常勤・非常勤の別等を明確にすること。なお、指定訪問リハビリテーション事業所の理学療法士及び作業療法士については、労働者派遣法に規定する派遣労働者であってはならないものであること。
③ 準用される基準第三九条により、整備すべき記録は以下のとおりであること。
イ 指定訪問リハビリテーションに関する記録
a 訪問リハビリテーション計画書
b 診療記録その他の個々の指定訪問リハビリテーションに係る記録
ロ 準用される基準第二六条に係る市町村への通知に係る記録
第七 居宅療養管理指導に関する基準
1 人員に関する基準(基準第八五条)
指定居宅療養管理指導事業所ごとに置くべき居宅療養管理指導従業者の員数は、次に掲げる指定居宅療養管理指導事業所の種類の区分に応じ、次に定めるとおりとしたものである。
(1) 病院又は診療所である指定居宅療養管理指導事業所
① 医師又は歯科医師
② 薬剤師、歯科衛生士(歯科衛生士が行う居宅療養管理指導に相当するものを行う保健婦、保健士、看護婦、看護士、准看護婦及び准看護士を含む。以下同じ。)又は管理栄養士
その提供する指定居宅療養管理指導の内容に応じた適当数
(2) 薬局である指定居宅療養管理指導事業所 薬剤師
2 設備に関する基準
(1) 基準第八六条は、指定居宅療養管理指導事業所については、
① 病院、診療所又は薬局であること。
② 指定居宅療養管理指導の事業の運営に必要な広さを有していること。
③ 指定居宅療養管理指導の提供に必要な設備及び備品等を備えていること。
としたものである。
(2) 設備及び備品等については、当該病院又は診療所における診療用に備え付けられたものを使用することができるものである。
3 運営に関する基準
(1) 利用料等の受領
① 基準第八七条第一項及び第四項の規定は、基準第二〇条第一項及び第四項の規定と同趣旨であるため、第三の3の(10)の①及び④を参照されたい。
② 基準第八七条第二項の規定は、基準第六六条第二項の規定と基本的に同趣旨であるため、第五の3の(3)の②を参照されたい。
③ 基準第八七条第三項は、指定居宅療養管理指導の提供に関して、前二項の利用料のほかに、指定居宅療養管理指導の提供に要する交通費(通常の事業の実施地域内の交通費を含む。)の額の支払を利用者から受けることができることとし、保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないこととしたものである。
(2) 指定居宅療養管理指導の具体的取扱方針
指定居宅療養管理指導の具体的取扱方針については、基準第八九条の定めるところによるほか、次の点に留意するものとする。
① 医師又は歯科医師の行う指定居宅療養管理指導は、訪問診療等により常に利用者の病状及び心身の状況を把握し、計画的な医学的管理又は歯科医学的管理を行っている要介護者等に対して行うものであること。
② 指定居宅療養管理指導事業者は、要介護者等にサービスを提供している事業者に対して、必要に応じて迅速に指導又は助言を行うために、日頃からサービスの提供事業者や提供状況を把握するように努めること。
③ 薬剤師、歯科衛生士及び管理栄養士は、指定居宅療養管理指導を行った際には、速やかに、指定居宅療養管理指導を実施した要介護者等の氏名、実施日時、実施した居宅療養管理指導の要点及び担当者の氏名を記録すること。
(3) 運営規程
基準第九〇条は、指定居宅療養管理指導の事業の適正な運営及び利用者に対する適切な指定居宅療養管理指導の提供を確保するため、同条第一号から第五号までに掲げる事項を内容とする規程を定めることを指定居宅療養管理指導事業所ごとに義務づけたものであること。なお、第四号の「指定居宅療養管理指導の種類」としては、当該事業所により提供される指定居宅療養管理指導の提供者の職種(医師、歯科医師、薬剤師、歯科衛生士、管理栄養士)ごとの種類を規定するものであること。
(4) 準用
基準第九一条の規定により、基準第八条から第一三条まで、第一六条、第一八条、第一九条、第二一条、第二六条、第三〇条から第三三条まで、第三五条から第三九条まで、第五二条、第六四条及び第六五条の規定は、指定居宅療養管理指導の事業について準用されるものであるため、第三の3の(1)から(5)まで、(8)、(9)、(11)、(14)及び(18)から(25)まで、第四の3の(4)並びに第五の3の(2)を参照されたい。この場合において、次の点に留意するものとする。
① 基準第一三条中「心身の状況」とあるのは「心身の状況、病歴、服薬歴」と、第一八条中「初回訪問時及び利用者」とあるのは「利用者」と読み替えられること。
② 準用される基準第三〇条については、居宅療養管理指導従業者は、その職種によっては、労働者派遣法に規定する派遣労働者であってはならないものであること。
③ 準用される基準第三九条により、整備すべき記録は以下のとおりであること。
イ 指定居宅療養管理指導に関する記録
a 事業所が病院又は診療所の場合
診療録その他の提供した個々の指定居宅療養管理指導に関する記録
b 事業所が薬局の場合
医師又は歯科医師が交付した処方せんその他の提供した個々の指定居宅療養管理指導に関する記録
ロ 準用される基準第二六条に係る市町村への通知に係る記録
第八 通所介護に関する基準
1 人員に関する基準
(1) 従業者の員数(基準第九三条)
① 指定通所介護の単位とは、同時に、一体的に提供される指定通所介護をいうものであることから、例えば、次のような場合は、二単位として扱われ、それぞれの単位ごとに必要な従業者を確保する必要がある。
イ 指定通所介護が同時に一定の距離を置いた二つの場所で行われ、これらのサービスの提供が一体的に行われているといえない場合
ロ 午前と午後とで別の利用者に対して指定通所介護を提供する場合
ハ 一の事業所内で、痴呆を有する利用者のみを対象とする指定通所介護と、それ以外の指定通所介護を行っている場合
② 提供時間帯を通じて専ら当該指定通所介護の提供に当たる従業者を確保するとは、指定通所介護の単位ごとに生活相談員、看護職員、介護職員について、提供時間帯に当該職種の従業者が常に確保されるよう必要な配置を行うよう定めたものである(例えば、提供時間帯を通じて専従する生活相談員の場合、その員数は一人となるが、提供時間帯の二分の一ずつの時間専従する生活相談員の場合は、その員数としては二人が必要となる。)。
③ なお、ここでいう利用者の数又は利用定員は、単位ごとの指定通所介護についての利用者の数又は利用定員をいうものであり、利用者の数は実人員、利用定員は、あらかじめ定めた利用者の数の上限をいうものである。従って、例えば、一日のうちの午前の提供時間帯に利用者一〇人に対して指定通所介護を提供し、午後の提供時間帯に別の利用者一〇人に対して指定通所介護を提供する場合であって、それぞれの指定通所介護の定員が一〇人である場合には、当該事業所の利用定員は一〇人、必要となる介護職員の員数は午前午後それぞれ一人ということとなり、人員算定上午前の利用者の数と午後の利用者の数が合算されるものではない。
④ 同一事業所で複数の単位の指定通所介護を同時に行う場合には、同時に行われる単位の数の常勤の従業者が必要となるものである(基準第九三条第五項・第六項関係)。
(2) 生活相談員(基準第九三条第一項第一号)
生活相談員については、特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成一一年三月三一日厚生省令第四六号)第五条第二項に定める生活相談員に準ずるものである。
(3) 機能訓練指導員(基準第九三条第四項)
機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者とされたが、この「訓練を行う能力を有する者」とは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する者とする。ただし、利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練については、当該事業所の生活相談員又は介護職員が兼務して行っても差し支えない。
(4) 管理者(基準第九四条)
訪問介護の場合と同趣旨であるため、第三の1の(3)を参照されたい。
2 設備に関する基準(基準第九五条)
(1) 事業所
事業所とは、指定通所介護を提供するための設備及び備品を備えた場所をいう。原則として一の建物につき、一の事業所とするが、利用者の利便のため、利用者に身近な社会資源(既存施設)を活用して、事業所の従業者が当該既存施設に出向いて指定通所介護を提供する場合については、これらを事業所の一部とみなして設備基準を適用するものである。
(2) 食堂及び機能訓練
① 指定通所介護事業所の食堂及び機能訓練室(以下「指定通所介護の機能訓練室等」という。)については、三平方メートルに利用定員を乗じて得た面積以上とすることとされたが、指定通所介護が原則として同時に複数の利用者に対し介護を提供するものであることに鑑み、狭隘な部屋を多数設置することにより面積を確保すべきではないものである。ただし、指定通所介護の単位をさらにグループ分けして効果的な指定通所介護の提供が期待される場合はこの限りではない。
② 指定通所介護の機能訓練室等と、指定通所介護事業所と併設の関係にある医療機関や介護老人保健施設における指定通所リハビリテーションを行うためのスペースについては、以下の条件に適合するときは、これらが同一の部屋等であっても差し支えないものとする。
イ 当該部屋等において、指定通所介護の機能訓練室等と指定通所リハビリテーションを行うためのスペースが明確に区分されていること。
ロ 指定通所介護の機能訓練室等として使用される区分が、指定通所介護の設備基準を満たし、かつ、指定通所リハビリテーションを行うためのスペースとして使用される区分が、指定通所リハビリテーションの設備基準を満たすこと。
3 運営に関する基準
(1) 利用料等の受領
① 基準第九六条第一項、第二項及び第四項の規定は、指定訪問介護に係る第二〇条第一項、第二項及び第四項の規定と同趣旨であるため、第三の3の(10)の①、②及び④を参照されたい。
② 基準第九六条第三項は、指定通所介護事業者は、指定通所介護の提供に関して、
イ 利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域に居住する利用者に対して行う送迎に要する費用
ロ 指定通所介護に通常要する時間を超える指定通所介護であって利用者の選定に係るものの提供に伴い必要となる費用の範囲内において、通常の指定通所介護に係る居宅介護サービス費用基準額又は居宅支援サービス費用基準額を超える費用
ハ 食材料費
ニ おむつ代
ホ 前各号に掲げるもののほか、通所介護の提供において提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その利用者に負担させることが適当と認められるもの
については、前二項の利用料のほかに利用者から支払を受けることができることとし、保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないこととしたものである。なお、ホの費用の具体的な範囲については、別に通知するところによるものである。
(2) 指定通所介護の基本取扱方針及び具体的取扱方針
指定通所介護の基本取扱方針及び具体的取扱方針については、基準第九七条及び第九八条の定めるところによるほか、次の点に留意するものとする。
① 指定通所介護は、個々の利用者に応じて作成された通所介護計画に基づいて行われるものであるが、グループごとにサービス提供が行われることを妨げるものではないこと。
② 基準第九八条第二号で定める「サービスの提供方法等」とは、通所介護計画の目標及び内容や利用日の行事及び日課等も含むものであること。
③ 痴呆の状態にある要介護者等で、他の要介護者等と同じグループとして、指定通所介護を提供することが困難な場合には、必要に応じグループを分けて対応すること。
(3) 通所介護計画の作成
① 基準第九九条で定める通所介護計画については、介護の提供に係る計画等の作成に関し経験のある者や、介護の提供について豊富な知識及び経験を有する者にそのとりまとめを行わせるものとし、当該事業所に介護支援専門員の資格を有する者がいる場合は、その者に当該計画のとりまとめを行わせることが望ましい。
② 指定通所介護計画は、サービスの提供に関わる従業者が共同して個々の利用者ごとに作成するものである。
③ 指定通所介護計画の目標及び内容については、利用者又は家族に説明を行うとともに、その実施状況や評価についても説明を行うものとする。
(4) 運営規程
基準第一〇〇条は、指定通所介護の事業の適正な運営及び利用者に対する適切な指定通所介護の提供を確保するため、同条第一号から第一〇号までに掲げる事項を内容とする規程を定めることを指定通所介護事業所ごとに義務づけたものであるが、特に次の点に留意するものとする。
① 指定通所介護の利用定員(第四号)
利用定員とは、当該指定通所介護事業所において同時に指定通所介護の提供を受けることができる利用者の数の上限をいうものであること(第一一七条第四号の「指定通所リハビリテーションの利用定員」についても同趣旨)。
② 指定通所介護の内容及び利用料その他の費用の額(第五号)
「指定通所介護の内容」については、入浴、食事の有無等のサービスの内容を指すものであること(第一一七条第五号の「指定通所リハビリテーションの内容」についても同趣旨)。
③ サービス利用に当たっての留意事項(第七号)
利用者が指定通所介護の提供を受ける際に、利用者側が留意すべき事項(機能訓練室を利用する際の注意事項等)を指すものであること(第一一七条第七号についても同趣旨)。
④ 非常災害対策
(6)の非常災害に関する具体的計画を指すものであること(第一一七条第八号、第一三七条第八号、第一五三条第六号、第一六八条第六号及び第一八九条第八号についても同趣旨)。
(5) 勤務体制の確保等
基準第一〇一条は、利用者に対する適切な指定通所介護の提供を確保するため、職員の勤務体制等について規定したものであるが、このほか次の点に留意するものとする。
① 指定通所介護事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表を作成し、通所介護従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、専従の生活相談員、看護職員及び介護職員の配置、管理者との兼務関係等を明確にすること。
② 同条第二項は、原則として、当該指定通所介護事業所の従業者たる通所介護従業者によって指定通所介護を提供するべきであるが、調理、洗濯等の利用者の処遇に直接影響を及ぼさない業務については、第三者への委託等を行うことを認めるものであること。
(6) 非常災害対策
基準第一〇三条は、指定通所介護事業者は、非常災害に際して必要な具体的計画の策定、避難、救出訓練の実施等の対策の万全を期さなければならないこととしたものである。なお「非常災害に関する具体的計画」とは、消防法施行規則第三条に規定する消防計画(これに準ずる計画を含む。)及び風水害、地震等の災害に対処するための計画をいう。この場合、消防計画の策定及びこれに基づく消防業務の実施は、消防法第八条の規定により防火管理者を置くこととされている指定通所介護事業所にあってはその者に行わせるものとする。また、防火管理者を置かなくてもよいこととされている指定通所介護事業所においても、防火管理について責任者を定め、その者に消防計画に準ずる計画の樹立等の業務を行わせるものとする。
(7) 衛生管理等
基準第一〇四条は、指定通所介護事業所の必要最低限の衛生管理等について規定したものであるが、このほか、次の点に留意するものとする。
① 指定通所介護事業者は、食中毒及び感染症の発生を防止するための措置等について、必要に応じ保健所の助言、指導を求めるとともに、密接な連携を保つこと。
② 空調設備等により施設内の適温の確保に努めること。
(8) 準用
基準第一〇五条の規定により、基準第八条から第一七条まで、第一九条、第二一条、第二六条、第二七条、第三二条から第三九条まで及び第五二条は、指定通所介護の事業について準用されるものであるため、第三の3の(1)から(7)まで、(9)、(11)、(14)、(15)及び(20)から(25)並びに第四の3の(4)を参照されたい。この場合において、準用される基準第三九条により、整備すべき記録は以下のとおりである。
イ 指定通所介護に関する記録
a 通所介護計画書
b 提供した個々の指定通所介護に係る記録
ロ 準用される基準第二六条に係る市町村への通知に係る記録
4 基準該当通所介護に関する基準
(1) 従業者の員数及び管理者(基準第一〇六条及び第一〇七条)
常勤の従業者を置く必要がない点及び管理者が常勤である必要がない点を除けば、指定通所介護の基準と同様であり、第八の1を参照されたい。
(2) 設備に関する基準(基準第一〇八条)
指定通所介護の場合と異なり、機能訓練や食事のためのスペースが確保されればよく、そのスペースが「機能訓練室」「食堂」といえるものである必要はないが、この点を除けば、指定通所介護の基準と同様であり、第八の2を参照されたい。
(3) 運営に関する基準
基準第一〇九条の規定により、基準第八条から第一四条まで、第一六条、第一七条、第一九条、第二一条、第二六条、第二七条、第三二条から第三九条まで、第五二条、第九二条及び第七章第四節(第九六条第一項及び第一〇五条を除く。)の規定は、基準該当通所介護の事業について準用されるものであるため、第三の3の(1)から(5)まで、(7)、(9)、(11)、(14)、(15)及び(20)から(25)まで、第四の3の(4)並びに第八の3を参照されたいこと。この場合において、準用される基準第九六条第二項の規定は、基準該当通所介護事業者が利用者から受領する利用料について、当該サービスが結果的に保険給付の対象となる場合もならない場合も、特例居宅介護サービス費又は特例居宅支援サービス費を算定するための基準となる費用の額(一〇〇分の九〇を乗ずる前の額)との間に不合理な差額が生じることを禁ずることにより、結果的に保険給付の対象となるサービスの利用料と、保険給付の対象とならないサービスの利用料との間に、一方の管理経費の他方への転嫁等による不合理な差額を設けることを禁止する趣旨である。なお、当該事業所による通所介護が複数の市町村において基準該当通所介護と認められる場合には、利用者の住所地によって利用料が異なることは認められないものである。
第九 通所リハビリテーション
1 人員に関する基準
(1) 指定通所リハビリテーション事業所が病院又は診療所である場合(ただし(2)の診療所である場合を除く)(基準第一一一条第一項)
① 医師(第一号)
イ 専任の常勤医師が一人以上勤務していること。
ロ 利用者数は、専任の常勤医師一人に対し一日四〇人以内であること。
② 理学療法士若しくは作業療法士又は看護婦、看護士、准看護婦若しくは准看護士(以下「従事者」という。)(第二号)
イ 利用者数は、専従する従事者二人に対し一単位二〇人以内とし、一日二単位を限度とすること。
ロ 専従する従事者二人のうち一人については、作業療法士若しくは理学療法士又は経験を有する看護婦であること。
ハ ロの従事者が経験を有する看護婦である場合(要するに、理学療法士又は作業療法士が専従する従業者に含まれない場合)にあっては、一単位につき週一日以上作業療法士又は理学療法士が勤務していること。
ニ 経験を有する看護婦とは、老人保健法の規定による医療に要する費用の額の算定に関する基準(以下「老人診療報酬点数表」という。)に定める老人デイケア、重度痴呆患者デイケア、精神科デイケア、作業療法(老人作業療法を含む。)、理学療法(老人理学療法を含む。)に係る施設設備の届出を行った保険医療機関等において、それらに一年以上従事した者であること。
ホ 専従する従業者二人のうちロの従事者以外の者については、看護職員で差し支えないものであること。
③ 介護職員(第三号)
利用者の要介護状態等の実情を勘案して適当な数を配置すること。
(2) 指定通所リハビリテーション事業所が診療所である場合(基準第一一一条第二項)
① 医師(第一号)
イ 専任の医師が一人勤務していること。
ロ 患者数は、専任の医師一人に対し一日四〇人以内であること。
② 理学療法士若しくは作業療法士又は看護婦、看護士、准看護婦若しくは准看護士(以下「従事者」という。)(第二号)
イ 利用者数は、専従する従事者二人に対し一単位一〇人以内とし、一日二単位を限度とする。
ロ 専従する従事者二人のうち一人については、作業療法士若しくは理学療法士又は経験を有する看護婦であること。
ハ 経験を有する看護婦とは、老人診療報酬点数表に定める老人デイケア・重度痴呆患者デイケア、精神科デイケア、作業療法(老人作業療法を含む。)、理学療法(老人理学療法を含む。)に係る施設基準の届出を行った保険医療機関等において、それらに一年以上従事した者であること。
ニ 専従する従事者二人のうち前記②以外の者については、看護職員又は介護職員で差し支えないこと。
(3) 指定通所リハビリテーション事業所が介護老人保健施設である場合(基準第一一一条第三項)
介護老人保健施設が行う指定通所リハビリテーション事業における人員に関する基準については、基準上は、指定通所リハビリテーションに係る人員についてのみの規定としているが、介護老人保健施設の入所者に係る人員の員数の合計は、以下のとおりとなるものである。
① 医師(第一号)
イ 入所定員が一〇〇人に満たない介護老人保健施設で、常勤医師が一人以上配置されている場合にあっては、一人に加え、一〇〇から入所定員を除いた数に入所定員の三割を加えた数を超える利用者の数を二〇〇で除した数以上の医師が常勤又は非常勤で配置されていることが必要であること。例えば、入所定員八〇人の介護老人保健施設の場合で五四人の利用者がある場合は、介護老人保健施設の基準において必要な一人に、〔54-{(100-80)+80×3割}〕/200の計算による〇・〇五人分を加えた一・〇五人分が必要であること。
ロ イ以外の介護老人保健施設の場合にあっては、介護老人保健施設の基準において最低限配置することとされている医師の数に加え、入所定員の三割を超える利用者の数を二〇〇で除した数以上の医師が常勤又は非常勤で配置されていることが必要であること。例えば、入所定員一二〇人の介護老人保健施設で五六人の利用者がある場合は、介護老人保健施設の基準において必要な一・二人の医師に、(56-120×3割)/200の計算による〇・一人分を加えた一・三人分の配置が必要であること。
② 理学療法士又は作業療法士(第二号)
常勤換算方法で、利用者数に入所者数を加えた合計数を一〇〇で除して得た数以上の員数を配置するものである。
③ 看護職員又は介護職員(第三号)
イ 専従の看護・介護職員は、指定通所リハビリテーションの提供時間帯以外の時間帯において介護老人保健施設の入所者に対するサービスの提供に当たることは、差し支えないものである。ただし、介護老人保健施設の看護・介護職員の常勤換算方法における勤務延時間数に、指定通所リハビリテーションに従事した勤務時間は含まれないものである。
ロ 専従の従事者の中に看護職員が含まれていない場合においても、専任の看護職員を少なくとも一名配置するものとする。ただし、当該専任の看護職員は、通所リハビリテーション業務に支障がない限り、入所者に対する業務と兼務しても差し支えない。
④ 支援相談員(第四号)
常勤換算方法で、利用者数に入所者数を加えた合計数を一〇〇で除して得た数以上の員数を配置するものである。
2 設備に関する基準
(1) 指定通所リハビリテーション事業を行う事業所ごとに備える設備については、専ら当該事業の用に供するものでなければならないこととされているが、病院、診療所、介護老人保健施設が互いに併設される場合(同一敷地内にある場合、又は公道をはさんで隣接している場合をいう。)であって、そのうちの複数の施設において、指定通所リハビリテーション事業を行う場合には、以下の条件に適合するときは、それぞれの指定通所リハビリテーションを行うためのスペースが同一の部屋等であっても差し支えないものとする。
① 当該部屋等において、それぞれの指定通所リハビリテーションを行うためのスペースが明確に区分されていること。
② それぞれの指定通所リハビリテーションを行うためのスペースが、次に掲げる面積要件(基準第一一二条各号)を満たしていること。
イ 病院又は診療所(基準第一一一条第二項の適用を受けるものを除く。)の場合 利用定員が一五人までは四五平方メートル以上、それ以上利用定員が一人増すごとに三平方メートルを加えた面積以上のものを有すること。
ロ 基準第一一一条第二項の適用を受ける診療所の場合 利用定員が一〇人までは三〇平方メートル以上、それ以上利用定員が一人増すごとに三平方メートル加えた面積以上のものを有すること。
ハ 介護老人保健施設の場合 当該部屋等の面積と利用者用に確保されている食堂の面積の合計が、三平方メートルに利用定員数を乗じて得た面積以上であるものを有すること。
(2) 指定通所リハビリテーションを行うためのスペースと、当該指定通所リハビリテーション事業所と併設の関係にある特別養護老人ホーム、社会福祉施設等における指定通所介護の機能訓練室等との関係については、第八の2の(2)の②を参照されたい。
3 運営に関する基準
(1) 通所リハビリテーションの具体的取扱方針及び通所リハビリテーション計画の作成
基準第一一四条及び第一一五条に定めるところによるほか、次の点に留意するものとする。
① 指定通所リハビリテーションは、個々の利用者に応じて作成された通所リハビリテーション計画に基づいて行われるものであるが、グループごとにサービス提供が行われることを妨げるものではないこと。
② 指定通所リハビリテーション計画は、医師の診察内容及び運動機能検査等の結果を基に、指定通所リハビリテーションの提供に関わる従業者が共同して個々の利用者ごとに作成するものであること。
③ 指定通所リハビリテーション計画の目標及び内容については、利用者又は家族に説明を行うとともに、その実施状況や評価についても説明を行うこと。
④ 痴呆の状態にある要介護者等で、他の要介護者と同じグループとして、指定通所リハビリテーションを提供することが困難な場合には、必要に応じグループを分けて対応すること。
⑤ 指定通所リハビリテーションをより効果的に実施するため、支援相談員や医療ソーシャルワーカー等の協力を得て実施することが望ましいこと。
⑥ 主として痴呆等の精神障害を有する利用者を対象とした指定通所リハビリテーションにあっては、作業療法士等の従業者により、主として脳血管疾患等に起因する運動障害を有する利用者にあっては、理学療法士等の従業者により効果的に実施されるべきものであること。
(2) 管理者等の責務
基準第一一六条第一項は、指定通所リハビリテーション事業所の管理者は、医師、理学療法士、作業療法士又は専ら指定通所リハビリテーションの提供に当たる看護婦又は看護士のうちから選任した者に、必要な管理の代行をさせることができる旨を明記したものであること。この場合、組織図等により、指揮命令系統を明確にしておく必要がある。
(3) 衛生管理等
基準第一一八条第一項は、指定通所リハビリテーション事業所の必要最低限の衛生管理等を規定したものであるが、このほか、次の点に留意するものとする。
① 指定通所リハビリテーション事業者は、食中毒及び感染症の発生を防止するための措置等について、必要に応じ保健所の助言、指導を求めるとともに、密接な連携を保つこと。
② 医薬品の管理については、当該指定通所リハビリテーション事業所の実情に応じ、地域の薬局の薬剤師の協力を得て行うことも考えられること。
③ 空調設備等により施設内の適温の確保に努めること。
(4) 準用
基準第一一九条の規定により、基準第八条から第一三条まで、第一五条から第一七条まで、第一九条、第二一条、第二六条、第二七条、第三二条、第三三条、第三五条から第三九条まで、第六四条、第六五条、第九六条及び第一〇一条から第一〇三条までの規定は、指定通所リハビリテーションの事業について準用されるものであることから、第三の3の(1)から(7)まで、(9)、(11)、(14)、(15)及び(20)から(25)まで、第五の3の(2)並びに第八の3の(1)、(5)及び(6)を参照されたい。この場合において、特に次の点に留意するものとする。
① 基準第一三条中「心身の状況」とあるのは「心身の状況、病歴」と読み替えられることに留意されたいこと。
② 準用される基準第三九条により、整備すべき記録は以下のとおりであること。
イ 指定通所リハビリテーションに関する記録
a 通所リハビリテーション計画書
b 診療記録その他の提供した個々の指定通所リハビリテーションに係る記録
ロ 準用される基準第二六条に係る市町村への通知に係る記録
③ 準用される基準第六五条は、指定通所リハビリテーションの提供に当たっては、これまでどおり健康手帳の医療に関するページに、指定通所リハビリテーションの提供開始日及び指定通所リハビリテーション事業者の名称を記載することとしたものであること。ただし、特定疾病の患者等で健康手帳を有さない要介護者については、記載しなくてもよいこととなったこと。
④ 準用される基準第一〇一条第一項については、指定通所リハビリテーション事業所ごとに、通所リハビリテーション従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、専従の理学療法士、作業療法士、経験看護婦等、看護職員及び介護職員の配置、管理者との兼務関係等を勤務表上明確にし、人員に関する基準が満たされていることを明らかにする必要があること。
第一〇 短期入所生活介護
1 人員に関する基準(基準第一二一条及び第一二二条)
(1) 従業者の員数
① 基準第一二一条第二項の適用を受ける特別養護老人ホームとは、入所者に利用されていない居室又はベッドを利用して指定短期入所生活介護を行う特別養護老人ホームを意味するものである。
② 併設事業所については、
イ 基準第一二一条第四項の「特別養護老人ホーム等と一体的に運営が行われる」とは、併設本体施設の事業に支障が生じない場合で、かつ、夜間における介護体制を含めて指定短期入所生活介護を提供できる場合である。
ロ 医師、栄養士及び機能訓練指導員については、併設本体施設に配置されている場合であって当該施設の事業に支障を来さない場合は兼務させて差し支えない。
ハ 生活相談員、介護職員及び看護職員の員数については、併設されているのが特別養護老人ホームである場合には、特別養護老人ホームとして確保すべき員数と指定短期入所生活介護事業所として確保すべき員数の合計を、特別養護老人ホームの入所者と併設事業所の利用者の数とを合算した数について常勤換算方法により必要とされる従業者の数とするものである。例えば、入所者五〇人、利用者一〇人の場合の看護・介護職員の員数は、50÷3=17(端数切り上げ)と10÷3=4(端数切り上げ)の合計で二一人となるのではなく、(50+10)÷3=20人となる。
ニ また、併設されているのが特別養護老人ホームでない場合も、従業者の員数の計算上、特別養護老人ホームの場合と同様の端数の処理を行うことができるものとする。例えば、特定施設に併設されている場合で、特定施設入所者生活介護の利用者が一一〇人、短期入所生活介護の利用者が二〇人である場合の生活相談員の員数は、110+20=130人について計算するため、合計で二人ということとなる。
(2) 生活相談員(基準第一二一条第一項第二号)
生活相談員については、特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成一一年三月三一日厚生省令第四六号)第五条第二項に定める生活相談員に準ずるものとする。
(3) 機能訓練指導員(基準第一二一条第六項)
機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者とされたが、この「訓練を行う能力を有する者」とは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する者とする。ただし、利用者の日常生活やレクリエーション、行事等を通じて行う機能訓練については、当該事業所の生活相談員又は介護職員が兼務して行っても差し支えない。
(4) 栄養士
基準第一二一条第一項ただし書に規定する「他の社会福祉施設等の栄養士との連携を図ることにより当該指定短期入所生活介護事業所の効果的な運営を期待することができる場合であって、利用者の処遇に支障がないとき」とは、隣接の他の社会福祉施設や病院等の栄養士との兼務や地域の栄養指導員(栄養改善法第九条第一項に規定する栄養指導員をいう。)との連携を図ることにより、適切な栄養管理が行われている場合である。
(5) 管理者
指定短期入所生活介護事業所の管理者は常勤であり、かつ、原則として専ら当該事業所の管理業務に従事するものである。ただし、以下の場合であって、当該事業所の管理業務に支障がないときは、他の職務を兼ねることができるものとする。
① 当該指定短期入所生活介護事業所の短期入所生活介護従業者としての職務に従事する場合
② 同一敷地内にある又は道路を隔てて隣接する等、特に当該事業所の管理業務に支障がないと認められる範囲内に他の事業所、施設等がある場合に、当該他の事業所、施設等の管理者又は従業者としての職務に従事する場合(この場合の他の事業所、施設等の事業の内容は問わないが、例えば、併設される訪問系サービスの事業所のサービス提供を行う従業者との兼務は一般的には管理業務に支障があると考えられるが、訪問系サービス事業所における勤務時間が極めて限られている職員の場合には、例外的に認められる場合もありうる。)
(6) 経過措置(基準附則第二条)
平成一七年三月三一日までの間は、介護職員又は看護職員の員数を、常勤換算方法で、利用者の数が四・一又はその端数を増すごとに一人以上でよいものとされている。ただし、できるだけ早期に三:一へ移行できるよう努めるものとする。なお、平成一二年四月一日以降に新たに開始される事業所にあっては、既存の施設に対する経過措置として設けた趣旨にかんがみ、可能な限り、職員配置を三:一以上とすることが望ましい。
2 設備に関する基準(基準第一二三条及び第一二四条)
(1) 指定短期入所生活介護事業所の建物は、利用者が身体的、精神的に障害を有する者であることに鑑み、利用者の日常生活のために使用しない附属の建物を除き耐火建築物としなければならない。ただし、利用者の日常生活に充てられる居室、静養室、食堂、浴室及び機能訓練室を二階以上の階及び地階のいずれにも設けていない建物については、準耐火建築物とすることができる。
(2) 指定短期入所生活介護事業所の設備は、当該指定短期入所生活介護の運営上及びサービス提供上当然設けなければならないものであるが、同一敷地内に他の社会福祉施設が設置されている場合等であって、当該施設の設備を利用することにより指定短期入所生活介護事業所の効果的な運営が図られ、かつ、当該指定短期入所生活介護事業所の利用者及び当該施設の入所者のサービス提供に支障がない場合には、利用者が日常継続的に使用する設備以外の調理室等の設備について、その一部を設けないことができる。なお、指定短期入所生活介護事業者が利用する他の施設の当該設備については、本基準に適合するものでなければならない。
(3) 便所等面積又は数の定めのない設備については、それぞれの設備の持つ機能を十分に発揮し得る適当な広さ又は数を確保するよう配慮するものとする。
(4) 指定短期入所生活介護事業所における廊下の幅は、利用者の身体的、精神的特性及び非常災害時における迅速な避難、救出の確保を考慮して定められたものである。なお、「中廊下」とは、廊下の両側に居室、静養室等利用者の日常生活に直接使用する設備のある廊下をいう。
(5) 指定短期入所生活介護事業所に設置する傾斜路は、利用者の歩行及び輸送車、車椅子等の昇降並びに災害発生時の避難、救出に支障がないようその傾斜はゆるやかにし、表面は、粗面又はすべりにくい材料で仕上げるものとする。
(6) 調理室には、食器、調理器具等を消毒する設備、食器、食品等を清潔に保管する設備並びに防虫及び防鼠の設備を設けるものとする。
(7) 汚物処理室は、他の設備と区別された一定のスペースを有すれば足りるものである。
(8) 焼却路、浄化槽その他の汚物処理設備及び便槽を設ける場合には、居室、静養室、食堂及び調理室から相当の距離を隔てて設けるものとする。
(9) 経過措置(基準附則第三条)
この省令の施行の際現に存する老人短期入所事業を行っている施設又は老人短期入所施設(基本的な設備が完成されているものを含み、この省令の施行の後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)については、設備基準のうち一の居室の定員に関する基準(四人以下)、利用者一人当たりの床面積に関する基準(一〇・六五平方メートル以上)、食堂及び機能訓練室の面積に関する基準(三平方メートルに利用定員を乗じて得た面積以上)並びに構造設備の基準(廊下の幅の基準、常夜灯の設置、傾斜路の設置等)を適用しないものである。
3 運営に関する基準
(1) 内容及び手続の説明及び同意
基準第一二五条における「サービスの内容及び利用期間等についての同意」については、書面によって確認することが望ましいものである。
(2) 指定短期入所生活介護の開始及び終了
基準第一二六条第二項は、利用者が指定短期入所生活介護の利用後においても、利用前と同様のサービスを受けられるよう、指定短期入所生活介護事業者は、居宅介護支援事業者その他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携により、指定短期入所生活介護の提供の開始前から終了後に至るまで利用者が継続的に保健医療サービス又は福祉サービスを利用できるよう必要な援助に努めなければならないこととしたものである。
(3) 利用料等の受領
① 基準第一二七条第一項、第二項及び第四項の規定は、指定訪問介護に係る第二〇条第一項、第二項及び第四項の規定と同趣旨であるため、第三の3の(10)の①、②及び④を参照されたい。
② 基準第一二七条第三項は、指定短期入所生活介護事業者は、指定短期入所生活介護の提供に関して、
イ 厚生大臣の定める基準に基づき利用者が選定する特別な居室(国若しくは地方公共団体の負担若しくは補助又はこれらに準ずるものを受けて建築され、買収され、又は改造されたものを除く。)の提供を行ったことに伴い必要となる費用
ロ 送迎に要する費用(厚生大臣が別に定める場合を除く。)
ハ 食材料費
ニ 理美容代

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